飲食店の開業資金はいくらかかる?平均額・内訳から融資・補助金での資金調達方法まで解説
| この記事でわかること💡 ✅飲食店開業にかかる資金の相場と詳しい内訳 ✅自己資金が足りないときに活用できる資金調達の方法 ✅開業資金を抑えるためのコスト削減のコツ |
「自分の店を持ちたい」と考えたとき、多くの方が最初に直面するのが資金の問題です。
「一体いくら必要なのか」「自己資金だけで足りるだろうか」といった不安から、具体的な一歩を踏み出せずにいるかもしれません。
この記事では、飲食店の開業に必要な資金の平均額や内訳、そして自己資金が不足している場合の資金調達方法まで、網羅的に解説します。
目次
飲食店の開業資金、平均はいくら?
飲食店の開業資金は、店舗の規模や業態、立地によって大きく変動しますが、一つの目安となる平均額を知ることが資金計画の第一歩です。
いくら必要かを把握するためには、公的機関の調査データが参考になるでしょう。
特に、多くの創業者を支援している日本政策金融公庫(公庫)のデータは、信頼性が高く、開業資金の相場を知る上で重要な指標となります。
このデータをもとに、より具体的な内訳を見ていきましょう。
「日本政策金融公庫」のデータで見る飲食店の開業資金相場
日本政策金融公庫の「2025年度新規開業実態調査」によると、飲食店を含む全業種の開業費用の平均値は975万円です。
中央値は600万円で、約4割以上の人が500万円未満で開業しているという結果も出ています。
このことから、1,000万円近い資金がなくても開業は可能であり、500万円前後が一つの目安になると考えられます。
まずはこの金額を基準に、ご自身の計画を練り始めるとよいでしょう。
自己資金は開業資金の2割程度を用意するのが一般的
開業資金の全額を自己資金でまかなうケースは少なく、多くの方が融資などを活用します。
日本政策金融公庫「2025年度新規開業実態調査」によると、開業時の資金調達額(平均1,219万円)に占める自己資金の割合は平均22.9%(約279万円)でした。
仮に資金調達額が1,000万円であれば、200万円強程度の自己資金を用意している計算になります。
なお、開業費用そのもの(同調査では平均975万円)に対する自己資金の割合とは、算出の分母が異なる点にご留意ください。
この自己資金の額は、融資を受ける際の審査においても重要なポイントとなるため、計画的に準備を進めることが求められます。
【項目別】飲食店の開業にかかる費用の内訳を解説

開業資金と一言でいっても、その使い道は多岐にわたります。
資金計画を具体的に立てるためには、どのような項目にどれくらいの経費がかかるのか、詳細な内訳を理解しておくことが不可欠です。
主に「物件取得費」「店舗投資費用(内装工事、設備費用など)」「運転資金」の3つに大別でき、それぞれが事業の成功に直結する重要な要素となります。
各項目の内容を詳しく見ていきましょう。
物件取得費(保証金・礼金・仲介手数料など)
物件取得費は、店舗を借りる際に必要となる初期費用です。
主な内訳は、以下の通りです。
✅家賃の滞納などに備えて大家さんに預ける「保証金(敷金)」
✅大家さんへのお礼である「礼金」
✅不動産会社に支払う「仲介手数料」
✅契約後の「前家賃」 など
特に保証金は高額になる傾向があり、都内の物件などでは家賃の10ヶ月分程度が相場となることも少なくありません。
これらの経費を合わせると、物件取得費だけで家賃の10〜12ヶ月分程度を見ておくのが一般的です。
店舗投資費用(内装工事・厨房機器・什器など)
物件取得費に加えて、負担が大きくなりやすいのが店舗投資費用です。
具体的には、以下のような費用が含まれます。
✅内外装の工事費用
✅厨房機器(コンロ、冷蔵庫、シンクなど)の購入・設置費用
✅客席のテーブルや椅子といった什器の購入費用
✅食器や調理器具、レジシステムなどの備品購入費
特に内装工事と厨房設備は費用が大きくなりやすく、開業資金全体のかなりの部分を占める項目です。
開業後の経営を支える「運転資金」
物件取得費や店舗投資費用といった初期投資と並んで見落としてはならないのが、「運転資金」です。
運転資金とは、店舗がオープンしてから経営が軌道に乗るまでの間、事業を継続していくために必要なお金です。
開業当初は売上が不安定なことが多く、赤字になる可能性も考慮しなくてはなりません。
この運転資金には、食材の仕入れ費、スタッフの人件費、毎月の家賃、水道光熱費などの経費が含まれます。
初期投資ばかりに目を向けていると見落としがちですが、この運転資金が不足すると、すぐに経営が行き詰まってしまう可能性があります。
この運転資金の重要性について、もう少し踏み込んで見ていきましょう。
廃業リスクを避けるために重要な「運転資金」の考え方

先述の通り、飲食店の開業において、店舗の設備投資に目が行きがちですが、事業を長く続けるためには「運転資金」の確保が極めて重要です。
オープン直後から満席が続くとは限らず、売上が安定するまでには数ヶ月かかるのが一般的。
この期間を乗り切るための運転資金が不足すると、たとえ良い店を作っても、資金ショート(資金が底をつくこと)によって廃業に追い込まれるリスクが高まります。
運転資金は、いわば経営の体力を維持するための生命線と言えるでしょう。
運転資金の目安
運転資金の目安として、一般的には月々にかかる経費の3ヶ月分~6ヶ月分を準備しておくことが推奨されています。
例えば、1ヶ月の経費(家賃、人件費、仕入れ費、水道光熱費など)の合計が150万円だとすれば、450万円~900万円が開業時に用意しておくべき運転資金の目安となります。
この計算に基づき、余裕を持った資金計画を立てることが、安定した経営の土台を築きます。
運転資金に含まれる費用の具体例(人件費・家賃・仕入れ費など)
運転資金の具体的な内訳は、経営を維持するためのあらゆる経費を含みます。
代表的な項目としては、
✅スタッフを雇用する場合の人件費
✅毎月発生する店舗の家賃
✅料理を提供するための食材仕入れ費
が挙げられます。
その他にも、水道光熱費、通信費、広告や販促活動に使う広告宣伝費、予約管理システムや会計ソフトの利用料といったその他諸経費も考慮に入れる必要があります。
これらの運転費用を正確に把握することが重要です。
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【業態・坪数別】開業資金のシミュレーション

飲食店の開業資金は、どのようなお店をやりたいかによって大きく異なります。
ここでは、人気の業態である「カフェ」「居酒屋」「ラーメン店」を例に、店舗の坪数を想定した開業資金のシミュレーションを紹介します。
坪単価を50万円と仮定して計算しますが、これはあくまでモデルケースであり、立地や物件の状態によって金額は変動します。
ご自身の計画に近いモデルを参考に、具体的な資金計画を立ててみましょう。
カフェ(10坪)の場合の開業資金モデル
比較的小規模な10坪のカフェを開業する場合、大規模な厨房設備が不要なため、他の業態に比べて初期投資を抑えやすい傾向があります。
物件取得費(家賃20万円と想定):約200万円 店舗投資費用(内装工事、厨房機器、什器など):約500万円 運転資金(月間経費100万円と想定):約300万円〜600万円 合計:約1,000万円~1,300万円 |
重飲食ではないため、内装工事費や厨房設備費を比較的低く見積もることが可能です。
居酒屋(20坪)の場合の開業資金モデル
客席数が多く、多様なメニューを提供する20坪の居酒屋レストランの場合、厨房設備や内装にも相応の投資が必要です。
居酒屋の開業資金は、20坪の場合、1,000万円~1,600万円程度が目安とされています。
開業資金の内訳は以下の通りです。
物件取得費(家賃40万円と想定):約400万円 店舗投資費用(内装工事、厨房機器、什器など):約600万円~1,200万円 運転資金(月間経費200万円と想定):約600万円~1,200万円 合計:約1,600万円~2,800万円 |
排煙・換気設備やグリストラップ(油水分離阻集器)の設置など、専門的な工事が必要になることも多く、費用がかさむ傾向があります。
ラーメン店(15坪)の場合の開業資金モデル
専門性の高い厨房設備が求められる15坪のラーメン店レストランは、坪数の割に設備投資がかさむ業態です。
物件取得費(家賃30万円と想定):約300万円 店舗投資費用(内装工事、厨房機器、什器など):約750万円 運転資金(月間経費150万円と想定):約450万円~900万円 合計:約1,500万円~1,950万円 |
寸胴を置くための強力なコンロや製麺機、スープを仕込むための広いスペースなど、専門的な設備への投資が大きな割合を占めます。
自己資金が足りない…飲食店開業の資金調達方法4選

開業の意志は固いものの、自己資金だけでは足りないというケースは少なくありません。
しかし、諦める必要はなく、不足分を補うための様々な資金調達の方法が存在します。
代表的なものに、公的機関や民間の金融機関からの融資(借入)、返済不要の補助金・助成金の活用があり、最近ではクラウドファンディングで支援者を集める方法も注目されています。
それぞれの調達方法の特徴を理解し、ご自身の状況に合った最適な手段を検討しましょう。
方法1:日本政策金融公庫からの融資制度を活用する
日本政策金融公庫は、政府系の金融機関であり、これから事業を始める創業者への融資に積極的です。
特に「新規開業資金」は、実績のない個人でも利用しやすく、無担保・無保証人で借り入れが可能な場合もあります。
民間の銀行に比べて金利が低めに設定されており、返済期間も長期で組めることが多いのが特徴です。
多くの飲食店オーナーがこの公庫の融資制度を活用しており、開業時の資金調達における有力な選択肢の一つです。
方法2:地方自治体の制度融資を利用する
公庫の融資と並行して検討したいのが、地方自治体(都道府県や市区町村)が、地域の金融機関や信用保証協会と連携して提供している融資制度です。
これは、自治体が利子の一部を負担(利子補給)してくれるなど、創業者にとって有利な条件で借り入れができる場合があります。
居住地域や開業予定地の自治体のウェブサイトで情報を確認したり、商工会議所などに相談したりすることで、利用可能な制度を見つけることができます。
方法3:返済不要の補助金や助成金を申請する
国や地方自治体は、創業を促進するために様々な補助金や助成金制度を設けています。
これらは融資とは異なり、原則として返済が不要な資金である点が最大のメリットででしょう。
ただし、多くは事業計画の審査があり、受給するためには条件を満たす必要があります。
また、原則として後払いのため、開業資金そのものに充当することは難しいですが、開業後の運転資金を補強する上で非常に有効な手段となります。
方法4:クラウドファンディングで支援者を募る
クラウドファンディングは、インターネットを通じて不特定多数の人々から少額ずつ資金を調達する方法です。
お店のコンセプトや開業への想いを発信し、それに共感した人から支援金を集めます。
支援者には、食事券やオリジナルグッズなどのリターンを用意するのが一般的です。
資金調達だけでなく、オープン前からのファン作りや宣伝効果も期待できる新しい資金の集め方として、近年注目度が高まっています。
開業資金を賢く抑える!コスト削減の5つのコツ

飲食店の開業には多額の資金が必要ですが、工夫次第で初期投資を大幅に抑えることが可能です。
特に、開業資金の大部分を占める店舗投資費用を見直すことで、全体のコストを削減できます。
ここでは、限られた予算を有効に活用し、無理のない資金計画でスタートを切るために、低コストで開業を実現するための具体的なコツを5つ紹介します。
コツ1:「居抜き物件」で内装・設備費用を大幅カット
まず取り入れたいのが、「居抜き物件」の活用です。
前のテナントが使用していた内装や厨房設備がそのまま残された状態の物件を選ぶことで、内装工事費や高額な厨房機器の購入費用を大幅に削減できます。
ゼロから内装を作るスケルトン物件に比べて、数百万円単位でのコストダウンが期待できることも少なくありません。
設備の劣化状況やレイアウトが自身のコンセプトに合うかの見極めが必要不可欠ですが、低コストでの出店を実現する有効な手段と言えます。
コツ2:厨房機器は中古品やリースを検討する
冷蔵庫やコンロ、製氷機といった厨房設備は、すべて新品で揃えると非常に高額になります。
コストを抑えるためには、厨房機器専門の中古品販売店の活用を検討しましょう。
また、初期費用をさらに低く抑えたい場合は、月額料金で機器をレンタルできるリース契約も選択肢の一つです。
特に製氷機や食器洗浄機などはリースで導入するケースが多く見られます。
これにより、開業時の大きな出費を避け、運転資金に余裕を持たせることができるでしょう。
コツ3:小規模な店舗からスタートして初期投資を抑える
当然ながら、店舗の規模が大きくなればなるほど、物件取得費や内装工事費は高くなります。
最初は10坪程度の小規模な店舗からスタートすることで、初期投資を大幅に抑えることが可能です。
少ない客席数でも、テイクアウトやデリバリーを組み合わせることで売上を確保する方法もあります。
まずは身の丈に合った規模で始め、経営が軌道に乗ってから店舗の拡大を検討するのも、堅実な戦略です。
コツ4:内装の一部をDIYで手掛ける
内装工事のすべてを業者に依頼するのではなく、壁の塗装や棚の設置、装飾など、専門的な技術を要しない部分を自分たちで手掛けることもコスト削減につながります。
友人や知人の協力を得ながら作業することで、コストを抑えつつ、お店への愛着も深まるはずです。
ただし、電気や水道、ガスなどの専門工事は資格が必要なため、必ずプロの業者に依頼するようにしましょう。
コツ5:専門家のアドバイスを受けて無駄な出費をなくす
開業準備を進めていると、何にどれくらいの費用をかけるべきか判断に迷う場面が出てきます。
そのような時は、飲食店開業のコンサルタントや、経験豊富な内装業者、税理士といった専門家に相談するのがおすすめです。
客観的な視点から事業計画をチェックしてもらうことで、不要な設備投資や過剰な内装など、無駄な出費を防ぐことができます。
適切なアドバイスは、結果的に大きなコスト削減につながります。
初期費用を抑えた出店を支援するTRNグループの「ショップサポートシステム」

飲食店の開業では、物件取得費や内装工事費、厨房設備費など、営業を始める前に多額の資金が必要になります。
初期投資に資金をかけすぎると、開業後に必要な運転資金が不足し、売上が安定するまでの店舗運営に影響する可能性があります。
そこで、開業時の資金負担を抑える選択肢として検討したいのが、TRNグループの「ショップサポートシステム」です。
当社が取得した物件を提供するとともに、その物件や契約条件に応じて改装費用を負担いたします。
初期費用を抑えることで、手元資金を運転資金として残しやすくなり、投資回収を見据えた出店を目指せます。
また、店舗流通ネットでは、大手チェーンから個人店まで幅広い店舗の出退店を支援するなかで得た、独自の物件情報も取り扱っています。
居抜き物件を活用できれば、既存の内装や厨房設備を引き継ぎ、工事費や設備購入費を抑えられる可能性があります。
「内装や厨房設備にかかる初期費用を抑えたい」
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希望する業態や出店エリア、予算などを伺い、無理のない出店方法をご案内します。
※ショップサポートシステムの利用可否、提供エリア、対象物件およびサポート内容は、出店条件や審査などによって異なります。詳細は個別にお問い合わせください。
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飲食店開業の資金計画に関するよくある質問
ここでは、飲食店の開業資金に関して多くの方が抱く疑問について、Q&A形式で解説します。
具体的な金額の目安や、自己資金が少ない場合の開業の可能性など、資金計画を立てる上での不安を解消するための一助としてください。
Q. 飲食店の開業資金は、最低でもいくら必要ですか?
A. 一概には言えませんが、居抜き物件を活用し、小規模な店舗で始める場合でも、最低300万円〜500万円程度は見ておくと安心です。
この金額には、物件取得費や最低限の設備投資、数ヶ月分の運転資金が含まれます。
いくらから始められるかは計画次第ですが、余裕のない資金計画は廃業リスクを高めるため、現実的な予算を組むことが重要です。
Q. 自己資金がほとんどないのですが、飲食店を開業することはできますか?
A. 自己資金ゼロでの開業は非常に困難と言えます。
ただし、日本政策金融公庫の融資制度の中には、一定の要件を満たせば自己資金が少なくても利用できるものがあります。
融資を受けるためには、熱意だけでなく、実現可能性の高い詳細な事業計画書の提出が不可欠です。
事業計画の説得力が高ければ、借入の可能性は高まります。
Q. 開業資金の中でも特に費用がかかるのはどの部分ですか?また、節約するポイントはありますか?
A. 開業資金の内訳で特に高額になりやすいのは、物件取得費と店舗投資費用です。
コストを低く抑える最も効果的な方法は居抜き物件を選ぶことです。
これにより、数百万単位の節約が期待できます。
また、厨房設備は新品にこだわらず、中古品やリースを積極的に活用することも重要な節約ポイントです。
まとめ
飲食店の開業資金は、業態や店舗の規模、立地、物件の状態によって大きく異なります。
平均額だけを基準に判断するのではなく、物件取得費、内装・厨房設備などの店舗投資費用、開業後の運転資金に分けて、自店に必要な金額を具体的に見積もることが重要です。
なかでも、見落とさないようにしたいのが運転資金です。
内装や設備に予算をかけすぎると、開業後に売上が安定するまでの資金が不足するおそれがあります。
開業することだけをゴールにせず、無理なく営業を続けられるところまで見据えて資金計画を立てましょう。
自己資金だけで不足する場合は、日本政策金融公庫や自治体の制度融資、補助金・助成金、クラウドファンディングなどを組み合わせる方法があります。
また、居抜き物件や中古設備を活用したり、出店規模を見直したりすることで、初期費用を抑えて運転資金を残せる可能性もあります。
自分のお店を持つことは、大きな期待と同時に、「この計画で本当に続けられるのか」という不安を伴うものです。
予算に限りがあるからといって、開業そのものを諦める必要はありません。
大切なのは、限られた資金をどこに使い、どこを抑えるべきかを慎重に見極めることです。
当社では、希望する業態やエリア、予算を伺いながら、初期費用を抑えた物件選びや出店方法を提案いたします。
資金計画に迷っている方や、現在の予算でどのような出店が可能か知りたい方は、具体的な計画が固まる前でもお気軽にご相談ください。

