テイクアウトを始めるには?必要な許可・準備・注意点を解説
| この記事でわかること💡 ✅テイクアウト開始に必須となる営業許可の確認 ✅メニュー開発から販売体制構築までの具体的な準備ステップ ✅安全な提供に欠かせない衛生管理と食品表示の注意点 ✅店内営業と両立しながら集客につなげる運営のコツ |
飲食店でテイクアウトを始めるには、営業許可の確認だけでなく、メニューや価格、容器、注文から受け渡しまでの流れなど、事前に決めておきたいことがあります。
すでに飲食店営業許可を取得している店舗でも、販売する食品や提供方法によっては、別の営業許可が必要になる場合があるため注意が必要です。
また、店内営業と並行して行う場合は、既存のオペレーションに無理が生じないよう準備することも大切でしょう。
この記事では、既存の飲食店がテイクアウトを始める場合を中心に、営業許可の確認からメニュー・価格の決め方、必要な備品、衛生管理、販売体制、集客まで順を追って解説します。
目次
既存の飲食店がテイクアウトを始める際に確認したい営業許可
既存の飲食店がテイクアウトを始める場合、店内で提供している料理であれば、現在の飲食店営業許可の範囲で販売できるケースがあります。
一方、販売する食品や提供方法によっては、別の営業許可が必要になる場合もあります。
テイクアウトを始める前に、自店で販売するメニューと提供方法を整理し、現在の営業許可で対応できるか確認しておきましょう。
判断が難しい場合は、管轄の保健所へ事前に相談すると安心です。
飲食店営業許可の範囲で対応できるケース
飲食店営業の許可を受けている店舗では、店内で調理した料理を注文に応じて持ち帰り用として提供できる場合があります。
ただし、飲食店営業許可があれば、すべての食品を自由にテイクアウト販売できるわけではありません。
販売する食品や調理・提供方法によって必要な許可が異なる可能性があるため、自店の営業許可の範囲を確認したうえで始めることが大切です。
追加の営業許可が必要になる場合
テイクアウトで販売する食品によっては、飲食店営業とは別の営業許可が必要になる場合があります。
たとえば、菓子や自家製パン、アイスクリーム類、食肉製品などを製造・販売する場合は、それぞれの食品や製造方法に応じた営業許可が必要になる可能性があります。
必要な許可は販売する食品や提供方法によって異なるため、メニューを決める段階で確認しておきましょう。
販売前に管轄の保健所へ確認する
必要な営業許可は、販売する食品だけでなく、調理方法や販売方法によっても異なる場合があります。
テイクアウトを始める際は、販売予定のメニューや調理・提供方法を整理したうえで、店舗を管轄する保健所へ相談しましょう。
事前に確認しておけば、必要な許可や衛生管理上の注意点を把握したうえで準備を進めやすくなります。
テイクアウトを始めるまでの5ステップ

既存の飲食店がテイクアウトを始める際は、メニューや価格を決めるだけでなく、容器などの必要なものを準備し、注文・受け渡し方法や販売開始の告知まで順番に整理していくと進めやすくなります。
ここでは、テイクアウトを始めるまでの流れを5つのステップに分けて解説します。
STEP1:テイクアウトに適したメニューを決める
まずは、現在提供している料理の中から、テイクアウトに適したメニューを選びます。
店内飲食とは異なり、テイクアウトでは調理してから食べるまでに時間が空きます。
時間が経ったときの味や食感、持ち運びやすさなどを確認しておきましょう。
汁気の多い料理は容器から漏れないか、揚げ物は蒸気によって食感が変わらないかなど、実際に容器へ詰めて持ち運んでみると判断しやすくなります。
また、衛生管理の観点から、十分に加熱できる料理を中心に検討することも大切です。
テイクアウトに適したメニューを絞ることで、調理や受け渡しの負担も把握しやすくなるでしょう。
STEP2:原価や容器代を踏まえて価格を決める
テイクアウト商品の価格を決める際は、食材費だけでなく、容器や包装資材などの費用も含めて考えます。
主に確認しておきたい費用は次のとおりです。
✅食材費
✅テイクアウト容器
✅箸やスプーンなどのカトラリー
✅レジ袋や紙袋などの包装資材
✅キャッシュレス決済などを利用する場合の手数料
これらを1食あたりのコストとして把握しておけば、販売しても想定した利益が残らないといった状況を防ぎやすくなります。
店内メニューと同じ価格にするか、テイクアウト専用の価格を設定するかは、1食あたりのコストと確保したい利益を踏まえて検討しましょう。
STEP3:容器・カトラリーなど必要なものを準備する
メニューと価格が決まったら、テイクアウト販売に必要な容器やカトラリー、包装資材などを準備します。
主に用意しておきたいものは次のとおりです。
✅テイクアウト用の容器
✅箸、スプーン、フォークなどのカトラリー
✅レジ袋や紙袋
✅おしぼり
✅輪ゴムやテープなどの包装資材
✅衛生管理に使用する消毒用品や手袋
最初から大量に仕入れるのではなく、販売数を見ながら必要量を調整すると、余分な在庫を抱えにくくなります。
容器や包装資材を保管するスペースもあらかじめ確認しておきましょう。
容器は価格だけで決めず、提供する料理との相性を確認することも大切です。
汁気の多い料理なら漏れにくさ、揚げ物なら蒸気のこもりにくさなど、メニューに合わせて選びます。
サイズや耐水性・耐油性、電子レンジへの対応可否なども確認しておくとよいでしょう。
可能であれば実際に料理を詰めて持ち運び、汁漏れや型崩れ、時間が経ったあとの状態まで試してから決めると安心です。
STEP4:注文から受け渡しまでの流れを整える
店内営業と並行してテイクアウトを行う場合は、注文受付から調理、会計、受け渡しまでの流れをあらかじめ決めておきます。
店内のお客様への対応を圧迫しないよう、自店の人員や設備に合わせて無理のない方法を選びましょう。
注文方法には、店頭での受付のほか、電話予約やWeb注文などがあります。
電話予約は比較的始めやすい一方、混雑時にはスタッフの対応が難しくなることもあります。
予約システムやモバイルオーダーを利用する場合は、導入費用や手数料、現在の業務との連携方法を確認したうえで検討するとよいでしょう。
また、イートインとテイクアウトの注文が重なる時間帯を想定し、次のような点も決めておきます。
✅注文内容を厨房へ伝える方法
✅調理を始めるタイミング
✅商品の一時保管場所
✅会計方法
✅商品の受け渡し場所と手順
レジ周辺にテイクアウト客が集中すると、店内会計の流れを妨げることがあります。
店舗のスペースに余裕があれば受け渡し場所を分けるほか、番号札などを使って商品を管理する方法も考えられます。
販売開始後に混乱しないよう、実際の注文から受け渡しまでをスタッフ同士で確認しておくと、改善したい部分も見つけやすくなるでしょう。
STEP5:テイクアウト開始を告知する
販売の準備が整ったら、テイクアウトを始めることを既存のお客様や近隣の方へ知らせます。
まずは、店頭や店内にPOPを掲示したり、メニュー表にテイクアウトの案内を加えたりすると、普段から店舗を利用しているお客様に知らせやすくなります。
販売するメニューや価格、注文方法、受け取り可能な時間なども分かるようにしておきましょう。
あわせて、自店のWebサイトやSNS、Googleビジネスプロフィールなどでもテイクアウトの開始を案内します。
実際に容器へ盛り付けた料理の写真を掲載すると、持ち帰る商品のイメージも伝えやすくなるでしょう。
ここまで準備できたら、まずは無理のない販売数から始め、店内営業への影響や注文状況を確認しながら運用を調整していきます。
既存店の強みを活かしたテイクアウトの集客方法

既存の飲食店には、すでに店舗を利用しているお客様や、店の存在を知っている近隣の方がいます。
テイクアウトを始めたことをこうした層へ知らせながら、Web上でも情報を発信して利用につなげていきましょう。
店内POPやショップカードで既存客に知らせる
まず活用したいのが、現在来店しているお客様との接点です。
店内の卓上やレジ周辺にテイクアウトメニューを掲載したPOPを設置すれば、食事や会計の際にサービスの開始を知らせることができます。
ショップカードやチラシを用意し、メニューや注文方法、受け取り時間などを掲載しておく方法もあります。
テイクアウト商品を渡す際にも案内を同封しておけば、次回の利用を検討してもらうきっかけになるでしょう。
GoogleビジネスプロフィールやSNSで情報を発信する
店頭での案内とあわせて、GoogleビジネスプロフィールやSNSも活用します。
Googleビジネスプロフィールでは、店舗情報を確認し、テイクアウトに対応していることやメニュー、写真などを掲載します。
営業時間や注文方法などに変更があれば、情報も更新しておきましょう。
InstagramやXなどのSNSでは、テイクアウトメニューの写真や価格、販売時間などを発信できます。
新しいメニューや販売状況を継続して知らせることで、既存客だけでなく近隣でテイクアウトを探している人にも店舗を知ってもらうきっかけになります。
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テイクアウトで注意したい衛生管理と食品表示

テイクアウトは店内飲食と比べ、調理してからお客様が食べるまでの時間が長くなります。
そのため、普段の衛生管理に加えて、持ち帰りを前提とした調理や温度管理にも注意が必要です。
また、販売方法や包装の状態によって確認すべき食品表示も異なります。
安全に提供するため、販売を始める前に自店の運用を整理しておきましょう。
調理後の時間を考慮して温度管理を行う
テイクアウトでは、調理してからお客様が食べるまでに時間が空くため、店内飲食とは異なる衛生管理が必要です。
鮮魚介類などの生ものや半熟卵、レアな肉などの提供は避け、加熱が必要な食品は中心部まで十分に加熱しましょう。
また、一度に多く作りすぎず、自店の調理能力に応じた販売数にすることも大切です。
調理した食品は適切な温度で管理し、購入後はできるだけ早く食べてもらえるよう案内します。
保冷が必要な商品では保冷剤や冷蔵設備を利用するなど、提供する食品に応じた方法を選びましょう。
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販売方法に応じて食品表示を確認する
テイクアウト商品の食品表示は、商品や販売方法によって必要な表示が異なります。
店舗内で製造・加工した弁当や惣菜を、その店舗で直接販売する場合でも、すべての表示が一律に不要になるわけではありません。
一方、別の場所にあるセントラルキッチンなどで製造・包装された食品を店舗で販売する場合は、食品表示基準に基づく表示が必要になる場合があります。
必要な表示項目を自己判断せず、販売する商品の包装状態や製造場所などに応じて、食品表示基準や消費者庁の情報を確認しておきましょう。
店内営業とテイクアウトを両立するポイント

既存の飲食店がテイクアウトを始める場合、店内営業と同じ厨房やスタッフで対応するケースも多いでしょう。
注文が増えることだけを想定するのではなく、店内のお客様への対応や調理に影響が出ないよう、テイクアウトを含めたオペレーションを整えることが大切です。
販売開始後は注文状況を確認しながら、厨房の処理能力や人員体制に応じて、販売数や受付時間を調整していきましょう。
店内営業のピーク時間を把握する
ランチやディナーなど店内注文が集中する時間帯にテイクアウトの注文も重なると、厨房やスタッフの負担が増えます。
まずは普段の営業を振り返り、注文や会計が集中しやすい時間帯を確認しておきましょう。
店内営業が忙しくなる時間帯はテイクアウトの受付を調整するなど、店舗の状況に合わせた対応を検討します。
予約注文を受け付ける場合も、受け取り時間が特定の時間帯に集中しないよう調整すると、店内営業への影響を抑えやすくなるでしょう。
スタッフと厨房の処理能力に合わせて販売する
テイクアウトの販売数は、厨房設備やスタッフの人数によって対応できる範囲が異なります。
注文を多く受けすぎると、テイクアウト商品の提供が遅れるだけでなく、店内料理の提供にも影響する可能性があります。
開始直後は対応できる範囲から販売し、調理時間やスタッフの動きを確認しながら受注量を調整しましょう。
容器への盛り付けや包装、会計、受け渡しにも作業時間がかかります。調理だけでなく、商品を渡すまでの一連の作業を含めて対応可能な販売数を考えることがポイントです。
受付時間や販売数を定期的に見直す
テイクアウトを始めたあとも、最初に決めた受付時間や販売数をそのまま続ける必要はありません。
実際の注文数や注文が集中する時間帯、店内営業への影響などを確認し、必要に応じて受付時間や販売数を見直します。
たとえば、特定の時間帯に注文が集中する場合は受付時間を調整するなど、自店の営業状況に合わせて運用を変えていくとよいでしょう。
無理なく継続できる体制を整えることが、店内営業とテイクアウトを両立するうえで大切です。
テイクアウトを継続するには、店内営業への影響やスタッフの負担、1食あたりの採算を確認しながら、無理なく続けられる運営体制を整えることが重要です。
適切なメニュー数や受付時間、販売数は、厨房設備や人員体制、店内の混雑状況によって異なります。
導入後の混乱を防ぐためにも、既存の営業と両立できる体制を事前に検討しておきましょう。
TRNグループでは、テイクアウトの導入を含め、飲食店経営や店舗運営に関する幅広いご相談を受け付けています。
現在の厨房設備や人員体制を踏まえて、無理なく続けられる販売方法を検討したい方は、無料相談をご活用ください。
※営業許可や食品表示などの個別具体的な判断については、管轄の保健所や関係機関へご確認ください。
テイクアウトを始める際のよくある質問
テイクアウトを始める際は、営業許可や必要な備品、食品表示、税率などについて迷うこともあるでしょう。
ここでは、既存の飲食店がテイクアウトを始める際によくある疑問に回答します。
Q. 今の飲食店営業許可だけでテイクアウトできますか?
A. 店内で提供している料理をテイクアウト用として販売する場合、現在の飲食店営業許可の範囲で対応できるケースがあります。
ただし、販売する食品や調理・提供方法によっては、別の営業許可が必要になる場合があります。
自店で販売予定のメニューが現在の許可で対応できるか判断できない場合は、事前に管轄の保健所へ確認しましょう。
Q. テイクアウトを始めるために必要なものは何ですか?
A. 提供するメニューに適した容器をはじめ、箸やスプーンなどのカトラリー、レジ袋や紙袋、包装資材などを準備します。
必要なものはメニューや販売方法によって異なります。
容器については、汁漏れのしにくさや耐水性・耐油性、電子レンジへの対応可否なども確認しておくとよいでしょう。
また、注文方法や会計方法によっては、予約受付やキャッシュレス決済に使用する機器・サービスなどが必要になる場合もあります。
Q. テイクアウトの食品表示は必要ですか?
A. 必要な食品表示は、商品の包装状態や製造・販売方法などによって異なります。
たとえば、店舗内で弁当や惣菜を製造・加工し、その店舗で直接販売する場合は、原材料名や内容量、栄養成分など一部の表示が不要になる扱いがあります。
一方、別の場所にあるセントラルキッチンで製造・包装した食品を店舗で販売する場合は、食品表示基準に基づく表示が必要です。
自店の商品に必要な表示を判断する際は、消費者庁の食品表示基準やQ&Aなどで確認しましょう。
Q. テイクアウトには軽減税率が適用されますか?
A. 2026年9月時点では、酒類を除く飲食料品のテイクアウトは、原則として軽減税率8%の対象です。
一方、店内の飲食設備を利用して食事を提供する場合は「外食」にあたり、標準税率10%が適用されます。
店内飲食とテイクアウトの両方を扱う店舗では、注文時にどちらを利用するのか確認し、それぞれの税率に応じて会計できるようにしておきましょう。
まとめ
テイクアウトを始めるには、まず現在の飲食店営業許可で販売できる内容を確認し、必要に応じて管轄の保健所へ相談することが大切です。
そのうえで、持ち帰りに適したメニューや価格、容器を決め、注文から受け渡しまでの流れを整えていきます。
店内営業と並行する場合は、最初から多くの注文を受けるのではなく、厨房やスタッフが対応できる範囲から始めるとよいでしょう。
販売開始後も注文状況を確認し、厨房の処理能力や人員体制に応じて、受付時間や販売数を調整することが大切です。
また、テイクアウトでは調理後の温度管理や食品表示など、店内飲食とは異なる点にも注意が必要です。
営業許可を含め、自店の場合にどこまで準備すればよいのか判断に迷うこともあるでしょう。
TRNグループでは、飲食店の運営や今後の事業展開に関するさまざまな相談を受け付けています。
テイクアウトの導入を含め、現在の店舗へ無理なく取り入れられる販売方法を検討したい方は、無料相談をご活用ください。

