【コピペで使える】飲食店「定款の事業目的」記載例│会社設立から許認可まで
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飲食店の法人化において、定款に定める「事業目的」は会社の背骨となる極めて重要な項目です。
事業目的は会社が営むビジネスの範囲を公的に示すものであり、記載のない事業は、対外的な取引や許認可の観点で支障が出る可能性があります。
本稿では、カフェや居酒屋などの一般的な経営から、デリバリー、物販、コンサルティング業務まで、飲食業に関連する幅広い記載例を紹介します。
これらを活用し、自身の事業計画に合致した漏れのない定款を作成しましょう。
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目次
【コピペOK】飲食店の事業目的に使える記載例一覧
飲食店の法人化において、定款に記載する事業目的のサンプルを紹介します。
それぞれの目的に合わせた具体的な文言を用意しているので、自身の事業計画に合致するものをそのまま活用できます。
将来の事業展開を見据えて、多めに記載しておくのがコツです。
【目次】
👉【基本】カフェ・レストラン・居酒屋など全般で使える目的
👉【多角化】テイクアウト・デリバリー・キッチンカー事業の目的
👉【物販・通販】オリジナル商品やグッズのECサイト販売の目的
👉【その他】コンサルティングやフランチャイズ展開を見据えた目的
👉 最後に必ず記載!「附帯関連する一切の事業」の一文
【基本】カフェ・レストラン・居酒屋など全般で使える目的
飲食業全般をカバーする基本的な記載について解説します。
定款の目的欄には「飲食店の経営」というシンプルな文言だけでなく、
のように想定される具体的な業態をあらかじめ明記すると、金融機関や取引先からの信用を得やすくなる傾向にあります。
もし設立当初から複数の業態を運営する計画がある場合や、将来的に居酒屋からカフェへ業態転換する可能性がある場合は、それらの名称を定款にあらかじめ羅列しておくとよいでしょう。
後からの定款変更には費用と手間がかかるため、設立段階で標準的な表現を網羅しておくことが肝心です。
【多角化】テイクアウト・デリバリー・キッチンカー事業の目的
店舗での飲食提供に加え、テイクアウトやデリバリー、キッチンカーによる移動販売を計画している場合は、通常の飲食店の経営とは別に専用の文言を追加します。
具体的には、
などを定款に記載しておきます。
これら店舗外での販売活動は、店舗内での営業とは保健所の許可区分が異なる場合があるので十分に注意してください。
将来的にゴーストレストランやデリバリー専門店への業態変更を検討している場合も、設立時にこれらの項目を含めておけば、後々の登記変更費用を抑えることが可能です。
\ゴーストレストランを開業したい/
【物販・通販】オリジナル商品やグッズのECサイト販売の目的
飲食店が店舗で提供しているこだわりのドレッシングや調味料などの食品、あるいはロゴ入りのTシャツやバッグといったオリジナルグッズをインターネット上で販売する場合にも、適切な事業目的の記載が必要です。
具体的な文言としては、
といった内容を含めるのが一般的です。
この際、単なる「販売」だけでなく「通信販売」という言葉を明記しておくことが、後の実務において重要な意味を持ちます。
あらかじめ事業目的の領域を明確に定めておくことで、Amazonや楽天市場といった外部のECモールへの出店審査や、クレジットカード決済の導入審査も円滑に進むようになります。
また、将来的に自社サイトを構築して本格的な通販事業に乗り出す際にも、定款の変更手続きを再度行う必要が無くなります。
【その他】コンサルティングやフランチャイズ展開を見据えた目的
自身の店舗運営で培った独自のノウハウや成功事例を最大限に活用し、他店舗の経営支援やフランチャイズ展開を目指す場合ももちろん同様です。
具体的には、
といった項目を追加します。
たとえ会社設立当初は自社店舗の運営のみを予定していたとしても、経営が軌道に乗った後の多角的なビジネス展開は設立段階から想定しておくことが重要です。
実際に、1店舗目の成功を足がかりに他社へのコンサルティング契約を受注したり、ライセンス販売を開始したりするケースは少なくありません。
将来の事業拡大を見据えた先行投資として、設立段階から幅広い経営領域を網羅する目的を定めておくことをおすすめします。
\いつかはフランチャイズ展開も・・・/
最後に必ず記載!「附帯関連する一切の事業」の一文
定款に記載した各事業の最後には、以下の一文を必ず追加してください。
これは、明記した事業目的に関連する細かな業務が生じた際、その都度定款を変更する手間やコストを省くための包括的な規定として機能します。
この一文があることで、事業範囲の解釈に法的な柔軟性を持たせることが可能になります。
実務上、本業に付随して発生する予期せぬ業務や雑務に対しても、定款の範囲内として柔軟に対応できるメリットがあります。
将来的な事業の広がりをあらかじめ担保し、手続き上のトラブルを未然に防ぐためにも、忘れずに記載しておくべき極めて重要な項目です。
飲食業の定款に「飲食店の経営」だけでは不十分な2つの理由

定款の事業目的に単に「飲食店の経営」とだけ記載することは、一見問題がないように思えます。
しかし、実務上はそれだけでは不十分なケースが多く存在するのです。
その2つの明確な理由について、詳しく解説していきます。
理由1:融資や許認可の審査で事業の具体性が求められるため
日本政策金融公庫などの金融機関から創業融資を受ける際は、事業計画と定款の内容が一致しているかを厳格に審査されます。
単に飲食業と記すだけでなく、どのような業態で、どのように収益を上げるのかという具体性が必要不可欠です。
目的が曖昧な場合、事業実態が不透明であると判断され、審査に影響を及ぼしかねません。
また、保健所や警察署での許認可手続きにおいても、定款に記載された内容は法的な根拠となります。
申請内容と事業目的に整合性がないと、手続きが停滞し開店が遅れるリスクも生じます。
創業支援機関に相談する際も、具体的な記載があることで、より踏み込んだ実務的なアドバイスを受けやすくなるでしょう。
理由2:将来の事業変更にかかる費用(約3万円)を節約するため
会社を設立した後に新たな事業を追加したくなった場合、定款の変更手続きを行わなければなりません。
この手続きには株主総会の決議が必要となるだけでなく、法務局での変更登記に登録免許税として3万円の実費がかかります。
さらに行政書士などの専門家へ依頼すれば、その分の報酬も加算されます。
会社設立時の経営計画を綿密に練り、将来行う可能性のある事業をあらかじめ網羅しておくことで、これらの余計な出費と事務的な手間を確実に回避できます。
たとえ現時点で具体的な開始時期が決まっていない事業であっても、少しでも予定があるならば設立段階で事業目的に含めておくのが賢明です。
印紙代が節約できる「電子定款」という選択肢

紙の定款を作成する場合、4万円の収入印紙を貼付する義務がありますが、定款をPDF化して電子署名を付与する「電子定款」を選択すれば、この印紙代を完全に削減できます。
個人で電子署名の環境を構築するには専用の機器やソフトが必要で、かえってコストがかさむ場合もありますが、専門家や創業支援サービスを介することで、設備投資なしに手軽に恩恵を受けられます。
会社設立時には登録免許税や認証手数料など、多額の法定費用が発生します。
創業支援の窓口などで提供されている電子定款作成サポートをうまく利用し、初期費用の節約を図りましょう。
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飲食店設立における定款作成から登記申請までの4ステップ

定款の事業目的が決まったら、実際に法人化するための手続きを進めます。
全体像を把握するため、ここでは定款作成から法務局への登記申請までの流れについて解説していきます。
【目次】
👉STEP1:会社の基本事項(商号・本店所在地など)を決定する
👉STEP2:事業目的を盛り込んだ定款を作成する
👉STEP3:公証役場で定款の認証を受ける
👉STEP4:法務局へ会社設立の登記を申請する
STEP1:会社の基本事項(商号・本店所在地など)を決定する
法人化の第一歩は、基本事項の決定です。
店舗名ではなく、法人としての正式な名称である「商号」や、登記簿上の住所となる「本店所在地」を決定します。
商号には「株式会社」や「合同会社」を含めるルールがあり、本店所在地には自宅や店舗の住所などを指定します。
また、発起人と呼ばれる出資者や役員の構成、事業年度の区切りとなる決算期などもこの段階で明確にしておきましょう。
これらの基本事項が定款の骨組みとなります。
STEP2:事業目的を盛り込んだ定款を作成する
決定した基本事項と、検討を重ねた事業目的をもとに、定款の原案を作成していきます。
定款は会社のルールブックであり、記載すべき「絶対的記載事項」、「相対的記載事項」、「任意的記載事項」が法律によって細かく定められています。
市販の書籍やインターネット上のテンプレートをベースにしつつ、自社の実情に合わせてカスタマイズを行ってください。
作成した原案は、この後の公証役場での認証に備えて、専門的な視点から入念なチェックを行うことが大切です。
STEP3:公証役場で定款の認証を受ける
株式会社を設立する際には、作成した定款が法的に有効であることを証明するため、公証役場で公証人の認証を受ける必要があります。
本店所在地を管轄する法務局に所属する公証役場へ赴き、所定の手続きを行ってください。
事前にFAXやメールで定款の原案を確認してもらうことで、当日の手続きをスムーズに進めることができるでしょう。
なお、定款の認証手数料は、資本金の額によって異なり、資本金100万円未満の場合は3万円、100万円以上300万円未満の場合は4万円、その他の場合は5万円となります。
また、電子定款の作成を創業支援を専門とする行政書士などに依頼するケースも多く見られます。
STEP4:法務局へ会社設立の登記を申請する
定款の認証が完了し、資本金の払い込みを終えたら、管轄の法務局へ設立登記の申請を行います。
登記申請書や定款、資本金の払込証明書など、必要書類一式を揃えて窓口やオンラインで提出します。
書類に不備がなければ、申請日より約1週間~2週間程度で会社の登記が完了します。
登記完了後には、登記事項証明書や印鑑証明書を取得できるようになり、これを用いて銀行口座の開設や税務署への各種届出を進めていきます。
尚、飲食店の法人化については、以下の記事で詳しく解説しています。
ぜひ参考にしてください。
許認可申請で失敗しないための事業目的3つのポイント

定款の事業目的は、各種許認可の申請において非常に重要な役割を果たします。
目的の記載に不備があると、必要な許可が下りず、店舗の営業開始が遅れる原因となります。
手続きを進める上で特に注意すべき3つのポイントを詳しく解説します。
【目次】
👉ポイント1:深夜0時以降にお酒を提供するバー・スナック経営の注意点
👉ポイント2:テイクアウトでお酒を販売するために必要な「酒類販売業」の記載
👉ポイント3:アンティーク食器や雑貨を販売する場合に必要な「古物商」の記載
ポイント1:深夜0時以降にお酒を提供するバー・スナック経営の注意点
バーやスナックなど、深夜0時以降も酒類を提供する飲食業を経営する場合、「深夜酒類提供飲食店営業」の届出が必要になります。
そのため定款には、
といった具体的な文言を記載します。
さらに、客の接待を伴う飲食店の場合は風営法の許可が別途必要となり、通常の営業とは法的な扱いが異なることに注意が必要です。
\他にはどんな届け出が必要?/
ポイント2:テイクアウトでお酒を販売するために必要な「酒類販売業」の記載
店舗で提供するだけでなく、ボトルワインやクラフトビールなどを未開栓のままテイクアウト販売したり、インターネットで販売したりする場合は、「酒類販売業」の免許が必要となります。
これは通常の飲食業の許可とは全く異なるため、定款には、
などの文言を明確に記載してください。
この記載がないと税務署での酒販免許の申請が受理されないため、後からの変更手続きに余計な時間と費用がかかってしまいます。
ポイント3:アンティーク食器や雑貨を販売する場合に必要な「古物商」の記載
店舗内で使用しているアンティークの食器や家具、または中古のレコードなども販売する経営スタイルを予定している場合、管轄の警察署で「古物商許可」を取得しなければなりません。
その際、定款の事業目的には、
という文言が含まれているかを厳格にチェックされます。
中古品の買取や販売は防犯上の理由から厳しく管理されているため、会社設立の段階で忘れずに追加記載してください。
飲食店の定款に関するよくある質問
飲食店の経営に関する定款作成において、法人化を検討している方からよく寄せられる疑問を取り上げます。
Q1. 事業目的はいくつまで記載できますか?
A. 法的に事業目的の数に上限はありません。
通常は10個~20個程度記載するケースが一般的です。
ただし、目的があまりにも多すぎると、融資審査の際に何の事業を行う会社なのか実態が疑われるリスクが生じます。
Q2. 飲食店の会社設立時の資本金はいくらが適切ですか?
A. 資本金は1円からでも会社を設立できますが、300万円~500万円程度が適切とされています。
店舗の賃貸契約や内装工事、設備投資などの初期費用に加え、創業初期の運転資金を確保しておくためです。
Q3. 飲食店営業許可はいつ申請すればいいですか?
A. 店舗の工事が完成する10日~2週間前を目安に申請します。
飲食業の営業許可は、内装設備が基準を満たしているかの施設検査を経て交付されます。
着工前に保健所へ図面を持参して事前相談を行いましょう。
まとめ
飲食店の定款は、会社設立だけでなく、その後の許認可・融資・事業拡大にまで影響する重要な書類です。
記載が漏れていると、新たなビジネスを始める際に定款変更の手間や余計な費用が発生してしまいます。
今回紹介した具体的な記載例を参考に、自身の事業計画に最適な文言を選択してください。
定款は会社の根幹を成すルールブックであり、その内容が融資審査や許認可申請の成否を左右することも少なくありません。
多角化や通販事業への進出など、将来の可能性をあらかじめ反映させておくことで、変化に強い基盤を構築できます。
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