造作譲渡の相場はいくら?業態別の金額や内装の査定ポイントを解説
| この記事でわかること💡 ✅飲食店や美容室といった業態別の造作譲渡における費用相場 ✅内装・設備の状況や立地など、査定価格を左右する重要ポイント ✅貸主の承諾やリース品の確認といった、契約時のトラブル回避策 |
閉店する店舗の造作をいくらで売ればいいのか、あるいは提示された金額は妥当なのか、といった悩みを抱えている方は少なくないでしょう。
造作譲渡の金額は、業態や立地、内装の状態によって大きく変動するため、適正価格を見極めるのは簡単ではありません。
この記事では、飲食店や美容室などの業態別に造作譲渡の相場を解説するとともに、適正な金額を判断するための査定ポイントを詳しく紹介します。
目次
そもそも造作譲渡とは?居抜き物件との違いを解説
造作譲渡とは、店舗の内装や厨房設備、什器などの所有権を、金銭を対価として次の借主へ引き継ぐ契約行為を指します。
一方、居抜き物件とは、設備や内装が残された状態の物件そのものを表す言葉です。
つまり、居抜き物件の契約に際して、前のオーナーから設備一式を買い取る手続きが造作譲渡にあたります。
売主は原状回復費用の負担を減らせる可能性があり、買主は初期投資を抑えて早期に開業を目指せるため、双方にとってメリットがある仕組みと言えます。
ただし、所有権の所在やリースの有無など、確認を怠るとトラブルに発展するケースもあるため、慎重な検討が求められます。
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【業態・坪数別】店舗の造作譲渡における費用相場
造作譲渡の費用相場は、業態によって必要な設備が大きく異なるため、金額にも差が出ます。
特に、厨房設備にコストがかかる飲食店や、専門的な設備が必要な美容室などでは、その傾向が顕著です。
一般的に、初期投資額が大きい業態ほど、造作譲渡の金額も高くなる傾向にあります。
ここでは、具体的な業態別に費用の相場を見ていきましょう。
※この相場はあくまで目安であり、個別の店舗の状況によって価格は変動します。
飲食店の造作譲渡相場(焼肉・居酒屋などの重飲食)
焼肉店や居酒屋、ラーメン店といった重飲食店の造作譲渡相場は、坪単価30万円〜80万円程度が目安とされています。
これらの業態は、大掛かりな排気ダクトや給排水設備、大容量の電源など、専門的で高額な設備投資が必要不可欠です。
そのため、次の借主が同業態であれば、それらの設備をそのまま活用できる価値は非常に高く、造作譲渡の金額も高額になる傾向があります。
飲食店の造作譲渡相場(カフェ・バーなどの軽飲食)
カフェやバーなどの軽飲食店の造作譲渡相場は、坪単価10万円〜30万円程度が目安です。
重飲食店と比較すると、厨房設備がシンプルで、大掛かりな工事を必要としないケースが多いため、相場は比較的落ち着いています。
内装のデザイン性が高かったり、こだわりのカウンター設備があったりすると、査定額が上がる要因になります。
汎用性が高く、他の業態にも転用しやすいため、比較的安定した需要が見込めるのが特徴です。
美容室・サロン・クリニックの造作譲渡相場
美容室やサロン、クリニックなどの造作譲渡相場は、150万円〜300万円程度が目安とされています。
これらの業態では、シャンプー台や施術ベッド、特別な照明など、専門的な設備が査定の重要なポイントです。
特に、給排水設備が複雑になるシャンプー台の設置状況や、内装の清潔感、デザイン性が価格に大きく影響します。
同業種への売却であれば、高値での譲渡が期待できるでしょう。
都市部と地方における造作譲渡相場の傾向
造作譲渡の金額は、店舗が所在するエリアによっても大きく変動します。
一般的に、東京をはじめとする都市部では店舗の需要が高いため、造作譲渡の相場も高くなる傾向があります。
例えば、新宿区の平均造作譲渡募集額は約453万円というデータもあります。
一方、地方では需要が限られるため、価格は都市部に比べて抑えられる傾向が見られます。
ただし、地方であっても人気エリアや好立地の物件であれば、高い金額での取引が成立する可能性は十分にあります。
あなたの店舗はいくら?造作譲渡の査定価格が決まる4つの重要ポイント

業態別の相場を把握した上で、次に重要になるのが「個別の店舗の価値」です。
造作譲渡の査定価格は、単に「いくら投資したか」ではなく、「次の人がどれだけ価値を感じるか」という再利用価値によって決まります。
内装や設備の状況、立地条件など、複数の要素が絡み合って最終的な金額が算出されます。
ここでは、査定において特に重視される4つのポイントを解説します。
ポイント1:内装や厨房設備の劣化状況と経過年数
査定において基本的なポイントとなるのが、内装や設備の物理的な状態です。
壁紙の汚れや床の傷、厨房設備の油汚れなどは、買主の第一印象を大きく左右し、査定額の減額要因となります。
また、エアコンや冷蔵庫、給湯器といった主要な設備の製造年数も重要です。
耐用年数に対してどれくらいの期間使用されているか、定期的なメンテナンスの履歴があるかどうかが評価されます。
清潔に保たれ、正常に稼働する状態であれば、プラスの査定が期待できます。
ポイント2:店舗の立地条件と集客力の見込み
店舗の立地も査定における重要な要素の一つです。
駅からの距離、人通りの多さ、視認性の良さといった基本的な条件はもちろんのこと、周辺の競合店の状況やターゲット層の分布なども考慮されます。
たとえ空中階や地下の物件であっても、過去の営業実績によって高い集客力が見込める場合は、それが付加価値として査定に反映されることもあります。
買主にとって「ここで営業したい」と思わせる魅力的な立地は、価格交渉を有利に進めるための強力な武器となるでしょう。
ポイント3:設備の汎用性やレイアウトの再利用価値
特定の業態に特化しすぎた特殊な設備や、奇抜なレイアウトは、買主が限定されるため査定が伸び悩む一因となることがあります。
どのような業態でも使いやすいシンプルな内装や、汎用性の高い厨房機器、柔軟に変更可能なレイアウトは、幅広い買主にアピールできるため高く評価される傾向にあります。
次の借主がスムーズに自分の店を始められるかどうか、という視点が査定では重視されるのです。
ポイント4:営業権(のれん代)は査定価格に含まれるのか
結論から言うと、原則として造作譲渡の査定金額に営業権(のれん代)は含まれません。
造作譲渡はあくまで内装や設備といった「モノ」の価値を売買する取引です。
一方で、営業権は顧客リストやブランドイメージ、独自のノウハウといった「目に見えない事業の価値」を指し、これはM&A(事業譲渡)の際に評価されるものとなります。
両者を混同せず、造作そのものの価値で金額を考えることが重要です。
このように、造作の査定価格は、設備の状態だけでなく、立地や店舗需要、内装の再利用価値などを含めて判断されます。
一般的な相場だけでは、自店の具体的な価値を把握することは難しいでしょう。
自店の造作がどの程度の金額になるのか知りたい方は、ぜひTRNグループの無料買取査定をご活用ください。
希望額に近づける!造作譲渡の価格交渉を成功させるコツ

査定のポイントを理解したら、次は実際の交渉に臨むための準備です。
単に希望金額を伝えるだけでなく、その根拠を客観的な情報とともに示すことで、交渉は格段にスムーズになります。
売主と買主、双方の立場や事情を考慮しながら、お互いが納得できる着地点を見つけることが成功の鍵です。
特に、値下げ交渉に備え、自店の強みを明確にアピールする材料を用意しておくことが求められます。
少しでも高く売却するためのアピール方法
より高い金額での売却を目指すには、積極的な情報開示が有効です。
まず、譲渡対象となる設備の一覧表(設備リスト)を作成し、それぞれの購入時期やメーカー、型番、メンテナンス履歴を明記しましょう。
これにより、買主は設備の価値を客観的に判断しやすくなります。
また、内覧時には店内を隅々まで清掃し、清潔な印象を与えることが大切です。
さらに、過去の売上データや周辺の市場調査データなど、その物件のポテンシャルを示す客観的な資料を提示することで、買主の購入意欲を高めることができます。
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店舗の造作価値を無料で査定!TRNグループの「退店サポート」

このように、造作譲渡の相場は、業態や坪数だけでなく、店舗の立地、内装・設備の状態、レイアウトの汎用性などによって大きく異なります。
そのため、一般的な相場だけを基に売却価格を決めるのではなく、店舗ごとの条件を踏まえて査定を受けることが大切です。
TRNグループの「退店サポート」では、店舗の内装や厨房設備、備品などを含めた無料買取査定を行っています。
条件に合う場合は、店舗流通ネットが居抜き店舗を直接買い取るため、買い手を探す手間や売却手数料を抑えながら、スムーズな退店を目指せます。
また、造作の価値は設備の新しさだけで決まるものではありません。
長年営業してきた店舗や設備に使用感がある店舗でも、立地や店舗需要などを含めて価値が見いだされる場合があります。
原状回復工事や設備の処分を進める前に、まずは店舗全体の価値を確認しておくとよいでしょう。
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契約前に必ず確認!造作譲渡でよくあるトラブル事例と回避策

造作譲渡はメリットの多い取引ですが、手続きの進め方を誤ると深刻なトラブルに発展するリスクもはらんでいます。
特に、関係者間の認識のズレや確認不足が原因となるケースが後を絶ちません。
ここでは、実際に起こりがちなトラブル事例を3つ取り上げ、それぞれの具体的な回避策について解説します。
トラブル事例1:貸主(大家)の承諾を得ずに話を進めてしまった
一つは、買主が見つかり条件交渉もまとまった段階で、建物の貸主から造作譲渡の承諾が得られず、すべてが白紙になってしまうケースです。
そもそも賃貸借契約では、借主が退去する際に原状回復義務を負っているのが一般的です。
造作譲渡を行うには、この義務を次の借主に引き継ぐことについて、貸主から書面で正式な承諾を得る必要があります。
交渉を始める前に、必ず貸主に相談し、承諾を得ることがトラブル回避の第一歩です。
トラブル事例2:リース品の所有権を確認せず譲渡してしまった
店内の設備の中には、購入したものではなくリース契約やレンタル契約で利用しているものが含まれている場合があります。
代表的なものに、製氷機やビールサーバー、コピー複合機などがあります。
これらの所有権はリース会社にあるため、勝手に第三者に譲渡することはできません。
これを知らずに譲渡対象に含めてしまうと、後からリース会社と買主との間で大きなトラブルになります。
譲渡する設備リストを作成する際には、一つひとつの所有権が誰にあるのかを契約書で必ず確認してください。
トラブル事例3:契約後に設備が故障し責任の所在が曖昧になった
物件の引き渡し直後に、エアコンや冷蔵庫などの主要な設備が故障し、その修理費用をどちらが負担するのかで揉めるケースも少なくありません。
これを防ぐためには、造作譲渡契約書に「契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)」に関する条項を明記しておくことが重要です。
例えば、「引き渡し後7日以内に発生した主要設備の故障については、売主の責任と負担で修繕する」といった具体的な取り決めをしておくことで、万が一の事態にもスムーズに対応できるでしょう。
造作譲渡の相場に関するよくある質問
ここでは、造作譲渡の相場に関して多くの方が抱く疑問について、Q&A形式で解説します。
特に、税金の問題や古い設備の価値など、これまで触れてこなかった専門的な内容にも踏み込みます。
取引の最終段階で思わぬ問題に直面しないよう、事前に知識を深めておきましょう。
Q. 減価償却が終わった古い設備でも造作譲渡の価格はつきますか?
A. はい、価格がつく可能性は十分にあります。
税務会計上の減価償却期間が終了していても、その設備がまだ問題なく使用できる状態であれば、市場価値はゼロではありません。
査定においては、帳簿上の価格よりも「実際に使えるか、清潔か」といった実用性が重視されるためです。
ただし、あまりに老朽化が進んでいる場合は、金額がつかない、あるいは撤去費用を考慮されることもあります。
Q. 造作譲渡で得た収入に税金はかかりますか?
A. はい、造作譲渡金は課税対象です。
造作譲渡によって得た利益(譲渡価格から設備の帳簿価額を差し引いた金額)は、個人の場合は事業所得または譲渡所得、法人の場合は法人税の対象となります。
また、売主が課税事業者である場合、買主から消費税を預かり、納税する義務が生じます。
正確な税務処理については、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。
まとめ
造作譲渡の金額は、業態や坪数だけで一律に決まるものではありません。
内装・厨房設備の状態や経過年数、立地条件、レイアウトの汎用性など、店舗ごとのさまざまな要素を総合して判断されます。
そのため、一般的な相場を参考にしつつ、自店ならではの価値を客観的に見極めることが重要です。
少しでも希望額に近い条件で譲渡するには、設備リストやメンテナンス履歴などを整理し、買主にとってのメリットを具体的に伝えられるよう準備しておきましょう。
また、貸主の承諾やリース品の所有権、設備に不具合が生じた場合の責任などを事前に確認し、合意事項を書面に残すこともトラブルの防止につながります。
ただし、店舗の退店では、造作の査定や価格交渉だけでなく、貸主との調整や原状回復、契約手続きなど、複数の課題を並行して進めなければならない場合があります。
判断や対応が遅れると選択肢が限られる可能性があるため、早めに準備を始めることが大切です。
「造作譲渡をどのように進めればよいか分からない」
「提示された金額や条件が妥当なのか不安」
「退店に伴う費用や手続きをまとめて相談したい」
このようなお悩みがある方は、当社へお気軽にご相談ください。
長年にわたり飲食店の出店・退店を支援してきた経験とノウハウをもとに、店舗の状況に応じた進め方をご提案いたします。

