ロードサイドの飲食店出店|成功するためのポイントとメリット・デメリットを解説
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ロードサイドの店舗で飲食店経営を成功させるためには、出店前の綿密な市場調査と戦略的な準備が不可欠です。まず、交通量の多さだけではなく、実際に車がスムーズに出入りできるか、信号からの距離や中央分離帯の有無など、「入りやすさ」を最優先に考えて出店場所を選ぶことが重要です。次に、走行中のドライバーの目に留まるような、視認性の高い大型看板や、店舗の個性を際立たせる外観デザインに工夫を凝らす必要があります。特に、夜間でも認識できるよう照明を効果的に活用する工夫も有効です。
また、駐車場は単なる駐車スペースではなく、お客様が最初に接する店舗の一部と考え、十分な広さを確保し、駐車しやすさや車内での動線を考慮した設計が求められます。ファミリー層を主要なターゲットとする場合が多いため、子供向けのメニューや設備を充実させ、家族全員が快適に過ごせる店舗コンセプトを確立することも成功の鍵となります。さらに、リピーターを増やすためには、地域住民に愛される店舗を目指し、SNSでの情報発信や地域イベントへの参加など、地域に密着したマーケティング戦略を継続的に実施することが重要です。これらのポイントを総合的に踏まえ、ロードサイドでの店舗出店を成功に導く為のポイントとメリット・デメリットを解説します。

目次
ロードサイド店舗とは?幹線道路沿いの立地が特徴
ロードサイド店舗とは、幹線道路や主要な生活道路など、交通量の多い道路沿いに立地する店舗を指します。主な顧客層は自動車の利用者であり、店舗には広い駐車場が付帯しているのが一般的です。
代表的な業態としては、ファミリーレストラン、ファストフード店、カフェチェーンなどが挙げられますが、ラーメン店や焼肉店、物販店など多岐にわたります。駅前や繁華街の店舗とは異なり、車でのアクセスを前提としているため、商圏が広範囲に及ぶという特徴があります。特に地方都市では、公共交通機関よりも車での移動が主流であるため、ロードサイドは重要な商業エリアとして機能しています。
ロードサイドに飲食店を出店する3つのメリット
ロードサイドに飲食店を出店する最大の利点は、都市部の駅前店とは異なる独自の集客力を持ち合わせている点です。幹線道路沿いは、自動車を利用する多くの人々が行き交うため、自然と店舗の目に留まる機会が増えます。これにより、特定の目的を持たない潜在顧客層に対しても、店舗の存在をアピールしやすく、衝動的な来店を促すことが可能です。
特に、車社会が定着している地方エリアでは、ロードサイドが主要な商業地としての役割を担っており、広範囲からの集客が見込めます。例えば、休日のレジャーや買い物などで遠出するファミリー層や、業務で自動車を利用するビジネスパーソンなど、多様な客層を取り込むチャンスが広がります。ここでは、ロードサイド出店がもたらす3つの具体的なメリットについて掘り下げていきます。
車での来店客が多く集客しやすい
ロードサイド店舗の最大の強みは、交通量の多い道路に面していることによる集客力です。通勤や買い物、レジャーなどで道路を利用する不特定多数のドライバーや同乗者が潜在的な顧客となります。特に、特定の目的を持たずに車を走らせている層に対しても、店舗の存在をアピールし、衝動的な来店を促すことが可能です。
また、車社会である地方においては、駅前よりも幹線道路沿いの方が人々が集まりやすく、安定した集客が見込めるケースも少なくありません。広範囲から顧客を呼び込めるため、商圏を広く設定できる点も大きな魅力です。
広い駐車スペースを確保できる
自動車での来店が前提となるロードサイド飲食店にとって、駐車場の有無とその規模は集客を左右する重要な要素です。都心部と比較して地価が安い傾向にあるロードサイドでは、広い敷地を確保しやすく、顧客が余裕をもって駐車できるスペースを十分に設けられます。これにより、運転に不慣れな人や大型車を利用する顧客も安心して来店できます。
また、十分な駐車スペースは、ファミリー層やグループ客といった複数人での来店を促す要因にもなります。駐車場の心配をせずに気軽に立ち寄れるという利便性は、店舗選びにおいて大きなアドバンテージとなります。
大きな看板を設置でき視認性が高い
広い敷地を確保できるロードサイドでは、建物の高さやデザインの自由度が高いだけでなく、遠くからでも目立つ大型の看板を設置できます。走行中の車内からでも店舗の存在や業態を瞬時に認識してもらえるため、効果的な宣伝媒体として機能します。特に、屋上に設置する大型の看板や、道路沿いに高く掲げるポールサインは、店舗の認知度向上に大きく貢献します。夜間でも目立つように照明を工夫することで、24時間体制で店舗の存在をアピールし続けることが可能です。この視認性の高さが、潜在顧客の来店動機を喚起する重要なきっかけとなります。
知っておきたいロードサイド飲食店の3つのデメリット
多くのメリットがある一方で、ロードサイド店舗の出店にはデメリットや注意点も存在します。特に、初期投資の規模、周辺エリアでの競争環境、そして公共交通機関でのアクセスの悪さは、事業計画を立てる上で無視できない重要な課題です。これらのデメリットを事前に把握し、対策を講じておくことが、リスクを軽減し、安定した経営を実現するために不可欠です。
ここでは、ロードサイド飲食店が直面しやすい3つのデメリットについて解説します。
賃料や初期投資が高額になりやすい
ロードサイド店舗は、一般的に都市部の店舗と比較して坪単価が低く、土地取得費用や建築費を抑えられる傾向があります。ただし、広い土地を必要とし、特に交通量が多く集客が見込める立地では競争が激しくなる傾向があります。また、多くの場合、建物を新築する必要があるため、建築費や内外装費がかかる可能性があります。
さらに、広大な駐車場の舗装・整備費用や、視認性を高めるための大型看板の設置費用など、初期投資が必要となる項目も存在します。 ロードサイド店舗の主なメリットの一つは、これらの初期費用を抑えられる可能性にあるとされています。 出店を希望する際は、これらのコストを十分に考慮し、綿密な資金計画を立てることが重要です。また、広い駐車場を完備する場合、その管理費や警備費といった維持費用がかかることもあります。
競合となる飲食店が多い
集客力の高いロードサイドは、飲食店にとって魅力的な立地であるため、必然的に競合店が多くなります。特に、資本力とブランド力を持つ大手ファミリーレストランやファストフードのチェーン店が多数出店しているエリアでは、激しい競争にさらされることになります。これらの競合レストランは、価格設定、メニュー開発、プロモーション活動において優位性を持っている場合が多く、個人経営の店舗が同じ土俵で戦うのは容易ではありません。そのため、自店のコンセプトを明確にし、料理の専門性や独自のサービスで差別化を図るなど、競合に埋もれないための明確な戦略が求められます。
公共交通機関でのアクセスが悪い
ロードサイド店舗は自動車でのアクセスを最優先に設計されているため、多くは最寄り駅から離れた場所に位置しています。この立地特性から、電車やバスなどの公共交通機関を利用する顧客の来店は期待しにくいのが実情です。ターゲット顧客がドライバーとその同乗者に限定されやすく、車を所有していない学生や高齢者層を取り込みにくいという側面があります。
また、運転者がいるため、アルコール類の販売が伸び悩む傾向も考慮しなくてはなりません。ディナータイムの客単価を上げにくいという点は、居酒屋などの業態にとっては大きな制約となります。
ロードサイドでの飲食店経営を成功させる5つのポイント
ロードサイドでの飲食店経営を成功させるためには、その立地特性を最大限に活かし、デメリットを克服する戦略的なアプローチが不可欠です。単に料理が美味しいだけでは、数多くの競合店の中に埋もれてしまう可能性があります。出店希望者は、出店場所の慎重な選定から、ドライバーの視点を意識した店舗づくり、ターゲット顧客に響くメニュー構成、そして地域に根差したマーケティング活動まで、多角的に検討を重ねる必要があります。
ここでは、成功確率を高めるための5つの重要なポイントを解説します。
成功を左右する出店場所の選び方
ロードサイド飲食店の成否は、出店場所の選定で大半が決まると言っても過言ではありません。重視すべきは、単なる交通量の多さだけでなく、「車の入りやすさ」です。中央分離帯がなく、対向車線からも右折でスムーズに入店できる立地が理想的です。また、信号のある交差点の手前は、車が速度を落とすため店舗を認識してもらいやすい場所とされます。周辺の人口、世帯年収、競合店の状況などを詳細に調査し、自店のターゲット層とマッチしているかを確認します。出店希望エリアについては、平日と休日、時間帯別の交通量や客層の変化を実際に観察し、綿密な商圏分析を行うことが重要です。
ドライバーの目に留まる看板と外観の工夫
時速数十キロで走行するドライバーに店舗の存在を認識させ、興味を持たせるためには、視認性の高い看板と外観が極めて重要です。ロードサイド店舗では、遠くからでも見える大型のポールサインや、屋上看板の設置が効果的です。看板には、店名やロゴだけでなく、ラーメン、焼肉といった業態を誰にでも分かりやすく示すことが求められます。
また、建物の外観も重要な広告塔となります。店舗コンセプトに合った特徴的なデザインや色使い、夜間に美しくライトアップされた外観は、ドライバーの記憶に残り、来店動機につながります。清潔感を保ち、入りやすい雰囲気を演出することも忘れてはなりません。
入りやすさと停めやすさを重視した駐車場設計
ロードサイド店舗において、駐車場は単なる駐車スペースではなく、顧客体験の第一歩となる重要な施設です。道路からの入口は広く、見通しが良く、スムーズに進入できる設計が求められます。駐車マスは、大型車や運転が苦手な人でも安心して停められるよう、一台あたりのスペースを広めに確保するのが理想です。
また、店舗の席数に対して十分な台数を確保することはもちろん、車路を広くして場内でのすれ違いを容易にするなど、ストレスを感じさせない動線計画が重要となります。夜間営業を行う場合は、防犯と安全の観点から、場内全体を明るく照らす照明設備の設置が不可欠です。
ファミリー層を惹きつけるメニューと店舗コンセプト
ロードサイド飲食店の主要な顧客層は、家族連れ、いわゆるファミリー層です。そのため、この層をターゲットとしたメニュー開発と店舗コンセプトが成功の鍵を握ります。メニューには、大人向けの定番料理に加え、子供が喜ぶキッズプレートや、アレルギーに対応したメニューを用意することが望ましいです。
また、家族で取り分けられる大皿料理や、食後の楽しみとなるデザート類を充実させることも有効です。店舗設備としては、ベビーカーでも利用しやすい広めの通路、子供用の椅子、おむつ交換台のあるトイレなどを完備することで、小さな子供連れの家族も安心して利用できるレストランとして選ばれやすくなります。
リピーターを増やすための地域密着型マーケティング
新規顧客の獲得と同時に、一度来店した顧客に再訪してもらうためのリピーター育成も重要です。ロードサイド飲食店は広域からの集客が可能な一方、近隣住民という安定した顧客基盤を築くことが経営の安定につながります。周辺地域へのチラシのポスティングや、地元の情報誌への広告掲載、地域のイベントへの協賛など、地域に根差した地道な活動が効果を発揮します。
また、LINEやInstagramなどのSNSを活用し、新メニューの紹介や限定クーポンを配信することで、顧客との接点を保ち、再来店を促します。地域の人々に愛されるレストランとなることを目指した取り組みが求められます。
ロードサイドで成功しやすい飲食店業態
ロードサイド店舗で成功しやすい飲食店業態としてまず挙げられるのは、ファストフード店やファミリーレストラン、回転寿司店などです。これらの業態は、手軽に利用できることや、家族連れでの利用に適したメニュー構成が特徴で、自動車での移動中に気軽に立ち寄りたいというニーズに応えられます。特に、ドライブスルーを併設することで、忙しいドライバーや小さい子供を連れた親でも車を降りずに利用できるため、顧客の利便性を高め、集客力向上に繋がります。
次に、ラーメン店や焼肉店、定食屋などの専門性の高い飲食店もロードサイドでの成功事例が多いです。これらの店舗は、特定のメニューに特化することで、その料理を目的として来店する顧客層をターゲットにできます。例えば、人気のラーメン店であれば、多少遠回りをしてでも食べに行きたいという顧客が少なくありません。専門店は、その味や品質で差別化を図りやすく、熱心なファンを獲得しやすいという強みがあります。
また、近年では「道の駅」のような地域特産品を扱う飲食店や、観光客向けのカフェなどもロードサイドで人気を集めています。地域の魅力を発信する役割も担うこれらの業態は、単なる食事提供に留まらず、地域の活性化にも貢献します。これらの業態では、食事だけでなく、お土産や地域の情報提供なども組み合わせることで、顧客満足度を高め、滞在時間を延ばす工夫が重要になります。
共通して言えるのは、ロードサイド店舗では、顧客が車で来店することを前提とした店舗設計とサービス提供が不可欠であるということです。広い駐車場はもちろんのこと、店舗への入りやすさや、ファミリー層に配慮したメニュー、サービスが成功の鍵を握ります。
まとめ
ロードサイド店舗での飲食店出店は、広域からの集客力や駐車場の確保のしやすさといったメリットがある反面、高額な初期投資や激しい競合といったデメリットも抱えています。成功を収めるためには、これらの特性を深く理解した上で、戦略的なアプローチが不可欠です。
具体的には、交通量だけでなく「入りやすさ」を考慮した慎重な立地選定、ドライバーの視線を捉える看板や外観の工夫、ストレスのない駐車場設計、ファミリー層を意識したコンセプト設計、そして地域に根差したマーケティング活動が重要な要素となります。これらのポイントを総合的に検討し、入念な事業計画を策定することが求められます。

