飲食店の開業資金はいくら?費用の内訳や調達方法を解説

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飲食店の開業を考えているが資金面が心配でなかなか踏み切れない、そんな悩みを抱えている経営者もいるでしょう。開業資金の調達方法に不安を感じる方も珍しくありません。

そこで、今回は飲食店の開業資金にはいくら必要なのか、費用の内訳や資金調達の方法、費用を抑える方法を解説します。飲食店開業の参考にしてください。

飲食店の開業資金の相場はどれくらい?

まず、開業も必要な資金の平均額や調達方法を解説します。

開業資金の平均相場は約1,000万円

日本政策金融公庫が2021年4月から同年9月にかけて融資した企業のうち、融資時点で開業後1年以内の企業に対して行ったアンケートによると、開業資金の平均は1,077万円でした。一方、開業資金の中央値は550万円でした。開業資金500万円未満の開業が4割以上を占め、その割合は増加傾向にあります。

参考:2022年新規開業実態調査|日本政策金融公庫

業種全体のアンケート結果なので、飲食業にそのまま当てはめることはできませんが、目安にはなるでしょう。実際に必要な開業資金は、出店する立地や事業規模、業態によっても異なります。

開業資金の調達は借り入れと自己資金が大半

先ほどのアンケートによると、開業時の資金調達額に対する調達方法の割合は、金融機関等からの借り入れが69.2%、自己資金が21.3%でした。開業資金の大部分は、借り入れと自己資金に頼っていることがわかります。

飲食店の開業にかかる費用の内訳

飲食店を開業する際にかかる費用の内訳を解説します。費用を正確に把握することで、開業に必要な資金を算出することができます。

物件取得にかかる費用

店舗物件を取得する際に必要な費用には、礼金や保証金、仲介手数料などがあります。保証金は、家賃の6~12か月分程度と言われています。

飲食店の立地は、集客に影響することから、できるだけ好立地に出店したいと考える経営者は多いでしょう。しかし、好立地の物件を取得する場合、費用がかさみがちです。立地と費用のバランスを考慮して物件を選ぶことが重要です。

店舗設備にかかる費用

店舗を運営できる状態に整えるための資金です。テーブルや椅子、家具、調理器具、皿、カトラリー、設備、備品などの購入費用や、店舗の内外装を整える工事費も必要です。

店舗のコンセプトやターゲット、提供メニューによっても必要な費用は異なりますが、開業資金全体に占める割合が非常に大きい項目です。

店舗経営にかかる費用

運転資金といわれる費用です。人件費や仕入れにかかる費用、家賃、水道光熱費、広告宣伝費などの費用があります。融資を利用して資金調達した場合には、月々の返済も必要です。

開業してしばらくの間は売り上げが安定しないことがほとんどです。売り上げがなくとも店舗を運営できるように、開業資金として数か月分の運転資金を用意しておく必要があります。そのためには、毎月の運転資金を正確に把握することが大切です。

自身の生活にかかる費用

当面の生活費も忘れてはいけません。開業当初は経営が不安定なことが多いため、売り上げをあてにせず手元にある資金だけでも生活ができるように数か月分の生活費を確保しておきましょう。

そのためには、自身の生活に必要な費用を把握しておくことが必要です。水道光熱費や家賃など毎月発生する費用から食費や雑費など、月にいくらあれば生活が成り立つのか計算しておきましょう。

飲食店の開業資金の調達方法

開業資金を自己資金で賄えない場合は、自身で調達する必要があります。調達にはいくつかの方法があります。

日本政策金融公庫からの融資

政府系金融機関である日本政策金融公庫には、新たに事業を始める人や開業して間もない事業者向けの融資制度があります。無担保・無保証でも融資を受けられることから、多くの飲食店の開業資金に利用されています。

参考:新規開業資金|日本政策金融公庫

民間金融機関からの融資

銀行などの民間金融機関から融資が受けられます。融資の審査にはそれぞれの金融機関の基準が設けられているので確認が必要です。ただし、事業や取引の実績がないと融資を受けるのが難しいため、開業時に利用するのは難しいでしょう。

自治体の制度融資

自治体と金融機関が連携した融資制度があります。自治体が利子補給するので、一般的な金融機関からの融資より低金利で融資が受けられます。

自治体によってさまざまな制度があるので、店舗出店予定の自治体に問い合わせるかホームページを調べてみてはいかがでしょうか。各自治体の情報は以下のサイトから検索できます。

参考:支援情報ヘッドライン | J-Net211中小企業ビジネス支援サイト

また、融資については以下の記事でよりくわしく紹介していますので、参考にしてみてください。

補助金や助成金の利用

助成金・補助金とは、国や自治体が政策目的に合った事業を支援するために支給する資金のことです。返済義務がないのが特徴です。しかし、誰でも利用できるわけではなく、支給には審査を受ける必要があり、審査の結果支給されないこともあります。また、助成金・補助金は支給まで時間がかかり、後払いであることにも注意が必要です。

商工会議所の「小規模事業者持続化補助金」は開業時に利用できる補助金・助成金のひとつです。小規模事業者を対象に、販路開拓等のための取組に対して、原則50万円を上限に補助金(補助率3分の2)が支給されます。募集期間や要件は以下のサイトで確認できます。

参考:小規模事業者持続化補助金(一般型)

出資の受け入れ

出資は返済義務のない資金調達方法です。料理人にはしばしばファンがつくため、懇意の客から出資を受けることもあるでしょう。しかし、出資は経営権の一部を渡すことを意味し、出資比率によっては経営権を握られてしまう可能性があるため、注意が必要です。

最近では、インターネットを通じて不特定多数の人から出資を受けるクラウドファンディングといった資金調達方法も注目されています。

友人、知人、親族からの借り入れ

友人や知人、親族からの借り入れは低利息・無利息で済み、比較的融通が効きやすい点がメリットですが、返済が滞った時にこれまでの関係を失ってしまう点は考慮しておきましょう。

飲食店の開業資金を抑える方法とは

開業資金はまとまった額が必要なため、できるだけ開業にかかる費用を抑えたい人は多いでしょう。費用を抑えることで、手元に多くの資金を温存できます。ここでは、開店資金を抑える方法を2つ紹介します。

中古品を活用する

家具、厨房機器など店舗で使用するものは新品である必要はありません。店舗向けの中古品を扱うお店やインターネットで積極的に中古品を探して、購入費用を抑えましょう。開業する店舗の雰囲気や求めている機能などが損なわれなければ、中古品でも問題ありません。

居抜き物件を見つける

カウンター越しの厨房の様子

物件探しの際に居抜き物件を探しましょう。居抜き物件とは、内装や家具、設備などが残ったままになっている店舗物件のことです。開業に必要な工事や準備を省けるため、費用を抑えた開業が可能です。早期に営業を開始できれば、経営を軌道に乗せることに有利です。

居抜き物件はメリットが多いですが、自身の理想や求める条件に合致した物件を探すのは簡単ではありません。そこで、店舗物件を扱う専門の不動産業者に相談することも検討するといいでしょう。居抜き物件をはじめ多数の店舗情報を扱っており、豊富な知見に基づいた適切なアドバイスを受けられます。

飲食店の開業に必要な費用を把握して十分な開業資金を準備しよう

飲食店の開業資金にいくら必要なのか不安に感じる人は多いでしょう。開業に必要な費用を事前に把握しておけば、あらかじめ十分な開業資金を用意でき、開業への不安を少しでも払拭して成功するイメージを描きましょう。

早期に事業を安定させるためには、開業にかかる費用を抑える工夫も必要です。店舗流通ネットの「ショップサポート」は、居抜き物件を利用して開業にかかる費用を抑えながら出店できるサービスです。豊富な物件情報のなかから最適な物件を選び出店することができます。居抜き物件を活用した出店に興味のある方はぜひご相談ください。