飲食店の集客に効果的な方法とは?押さえておきたいポイントや事例を紹介 

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条件が整っていてどれほど良い店舗であっても、集客がうまくいかなければ経営を存続できません。集客に頭を悩ませる飲食店は少なくありませんが、集客を成果につなげるためにはポイントを押さえた施策を講じることが重要です。 

今回は、集客を考えるうえで押さえるべきポイントや集客の具体的な方法、集客施策を成功につなげるコツなど、飲食店経営に役立つ情報を解説します。 

飲食店の集客を考えるうえで押さえるべきポイント 

集客のための施策を考える際に、念頭に入れておくべきことを解説します。 

ターゲット層を意識する

店のコンセプト、来店してほしい顧客(ターゲット)層を明確化。そのうえで、ターゲット層に対してどのような訴求施策が効果的かを絞り込む必要があります。例えばターゲット層の行動パターンの把握は、看板の設置やチラシの配布などに役立ちます。ターゲット層がよく通る場所や目につきやすい場所に設置・配布することで、認知度をより高めやすくなるでしょう。 

強みと差別化について知る 

競争が激しい飲食業界では、店の独自性を確立することが重要です。店の特徴や、提供する料理の個性を強調し、他店との差別化を図ることを目指します。例えば、地産地消にこだわり、厳選された新鮮食材のみを提供することをアピールするなどが考えられます。 

新規顧客とリピーター客とではアプローチ方法を変える

新規顧客と、すでに来店したことのある顧客に対してのアプローチを分けて考えることも必要です。新規顧客に対してはまずは認知拡大策を強化し、リピーター客に対しては興味喚起と入店促進を図ります。

飲食店の集客の方法について 

集客の具体的な方法を「オンライン」「オフライン」「広告」の3つに分けて紹介します。 

オンラインで集客する方法 

SNSと文字が書かれた画像

無料で実施可能な方法 

Webサイトの活用

自社サイトを活用して、メニューや営業時間、場所などを詳しく伝える方法です。 

新たにサイトを構築する場合には、時間と労力がかかることに注意が必要です。また、集客効果を狙うためには狙った検索キーワードで上位表示をさせるためのSEO対策(※)もしておかなければなりません。 

(※)SEO=Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)

ブログ 

無料のブログプラットフォームからタイムリーな情報を配信することで、集客効果が期待できます。人気ブログとして集客効果を上げるためには、定期的に質の良い情報発信や独自性が必要です。 

ソーシャルメディア(SNS)の活用 

SNSを活用することで、幅広く多くの人の目にとまり、双方向のコミュニケーションが簡単に実現します。例えば、店舗の公式LINEでクーポンを定期配信することで、来店への関心を高められます。SNSで店舗の認知度が上がる点は大きなメリットですが、良いうわさも悪いうわさも広まりやすいため、運用には注意が必要です。 

また、店舗のターゲット層に応じて適切なSNSを選ぶことも重要なポイントです。例えば、Instagramは10~20代の利用が多く、女性比率が高いのが特徴です。Facebookは40~50代のビジネスパーソンの利用が多いと言われています。 

Google ビジネスプロフィールへの登録 

Google ビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)に店舗情報を登録することで、Googleマップに店名や住所、営業時間などを表示させることができます。Googleマップは多くの人々が利用するツールです。店舗情報を掲載することで、幅広いユーザーにアプローチできます。

近年ではGoogleマップを活用して飲食店を探する人も増えているため、Googleビジネスプロフィールの情報を充実させることは無料でできる有効策の一つです。口コミによる評価が得られる一方、良い口コミだけとは限らず低評価になるケースもあります。常に正確な情報を提供することを心がけ、営業時間や電話番号などに変更があった場合には速やかに更新するよう注意が必要です。 

有料で実施可能な方法 

フードデリバリーサイトへの登録 

プラットフォームを通じて幅広い層への認知度拡大が可能です。自宅から気軽に注文できるため、店舗から遠いエリアでの利用拡大が見込めます。注意しておきたいことは、デリバリーサイトの手数料負担が発生する点です。飲食店が負担する手数料の目安は売上額の35~40%程度です。 

グルメサイトへの登録 

広告効果が高く、飲食店の情報を幅広くアピールする機会が得られます。店を探す人が利用するため、新規顧客が増える可能性が広がります。口コミによる評価が得られる一方、良い口コミだけとは限らず低評価に繋がることもあるので注意が必要です。 

メディアによって登録や掲載の手数料負担が発生する場合があり、グルメサイトの掲載料は1ヵ月で数万~数十万円が相場です。 

インフルエンサーマーケティング 

ネットユーザーに影響力を持つインフルエンサーを活用する方法です。インフルエンサーのフォロワーと店舗のターゲット層がマッチしていれば、大きな効果が期待できます。インフルエンサーへの依頼にかかる料金は、1回のSNS投稿において「フォロワー数×2~4円」が相場と言われています。 

オフラインで集客する方法 

のぼりや立て看板(サイネージ) 

通行人や周辺の人々の目にとまりやすく、店舗への注目を引く効果があります。ただし、周辺に飲食店が多い場合には、のぼりで差別化できないと視覚的に埋もれてしまう恐れがあります。また、チラシ配布には手間と費用がかかり、コストの回収が難しい場合があります。 

ポイントカード 

ポイントカードの発行は、顧客のリピート化を促し、店舗を訪れる動機を与えられます。マーケティングでは、新規顧客を獲得するには既存客の5倍のコストがかかるという「1:5の法則」が知られています。既存客の満足度を高めリピーターとして育ていくことは、店舗経営を軌道に乗せるための重要な要素です。 

地域が開催する祭りや季節イベントへの参加 

積極的に地域行事に参加することも、認知度拡大へのきっかけになります。店の存在を知らせ、地域とのつながりを強化できます。 

広告で集客する方法 

現在の主流とされている広告には、Webに出稿するリスティング広告やSNS広告、路面広告やポスティング、コミュニティペーパー広告などがあります。リスティング広告は検索エンジンの検索結果ページに表示される広告、SNS広告はソーシャルメディアプラットフォームで展開される広告のことです。 

メディアや広告の種類を正しく選択することで、特定のターゲット層に直接メッセージを届けられます。オンラインで露出の機会が増えれば、認知度を拡大できるでしょう。 

ただし、効果的な広告出稿には、それなりのコストがかかります。下記に代表的なWeb広告を並べましたので参考にしてみてください。

代表的なWeb広告内容
リスティング広告GoogleやYahoo! などで検索すると表示される広告。
ディスプレイ広告Webサイトやアプリなどの広告枠に表示される広告。
SNS広告FacebookやInstagram、Twitter、LINE、TikTokなどのSNSで広告を運用すること。
アフィリエイト広告インターネット上での成果報酬型の広告。(ブログやSNSなど)
動画広告テレビCMやタクシー、You Tubeなどで流れる動画の広告。
リターゲティング広告サイトに訪れたユーザーを追跡し、他のサイトを閲覧している際でも広告を表示させる方法。

飲食店の集客施策を成功につなげるポイント 

集客施策を成功につなげるためには、以下のポイントを押さえておく必要があります。 

現状分析を徹底する 

現在の集客状況や競合他社の集客戦略を分析、研究することで課題を明らかにします。自店の魅力を十分に発信できているかを比較検討しながら、ターゲット層に合わせて手法や媒体を選定します。 

複数の施策を組み合わせる 

オンライン・オフラインに限定せず、いくつかの施策を組み合わせて相乗効果を高めます。例えば、WebサイトやSNSアカウントを連動させて飲食店の情報を幅広く発信し、訴求を促すと同時に予約へとスムーズにつなげます。どの媒体でも情報に一貫性を持たせることが重要です。 

効果検証と改善を行う 

施策ごとに目標値を定め、効果を視覚化できる具体的な指標を用いて検証を行います。効果の薄い施策は廃止または改善しながら、集客施策の精度を高めます。 

【成功事例】飲食店の集客 

飲食店の集客に成功した事例を紹介します。 

複数施策の組み合わせの成功事例 

東京都内にあるバーラウンジの事例では、Webサイトやグルメサイト、SNS、Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)の活用で集客に成功しています。

高級感あふれるイメージを演出するWebサイト、グルメサイトの口コミなどをうまく使い分け、新規顧客獲得の効果を上げました。 

また、LINE公式アカウントの登録による予約制度、質問への応答により、リピーターの獲得につなげています。 

複数施策を並行して行うことで、戦略的な集客施策を展開しています。 

割引キャンペーンによる成功事例 

割引キャンペーンの方向性を変えたことによる成功事例もあります。当該店では「全員10%オフ」の割引キャンペーンをしばしば行っていましたが、割引時にしか来客がなく、キャンペーンが店舗の利益を圧迫していました。 

そこで、キャンペーンを切り替えて、月に一度「10組に1組半額、または常連になれば無料」にしたのです。すると、客単価がほぼ変わらない場合、理論的には「全員10%オフ」と、「10人(組)に1人(組)常連なら無料」では数値的に変わらないものの、インパクトの違いで良好な反応が得られました。 

結果的に月間の売上は3割アップ、全体的な利益も激増という成果につながりました。 

売上アップに関する情報は、以下の記事で詳しく解説しています。 

ターゲット層を意識した戦略的な施策で集客の成功を目指そう 

飲食店経営では、「いかに集客できるか」が重要な課題です。ポイントは、自店をよく知り、また顧客を理解して戦略的に施策を考えることです。集客の施策にはさまざまな方法がありますが、業務に大きな負担がなく、継続して実施できる施策でなければなりません。 

また、施策は一度実施するだけではなく、効果を検証しながら柔軟に対応していく姿勢も大切です。オンライン、オフラインの施策を組み合わせながら、自社独自の集客戦略を実施していきましょう。 

そうはいっても、集客施策の企画・実行には多大な労力と時間を要します。店舗流通ネットでは、集客力アップのサポートをはじめ、出店から店舗運営まで、飲食店経営を総合的に支援しています。豊富な知見をもとに飲食店の集客力アップのアドバイスを行っていますので、一度ご相談ください。 

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