ナフサ不足が飲食店に与える影響とは?備品不足や価格高騰への対策
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原油価格の高騰や国際情勢の変化に伴い、ナフサ価格の上昇や供給不安が、飲食店経営にも影響を及ぼしています。
ナフサはプラスチック製品の原料であるため、不足するとテイクアウト容器やラップなどの備品の品薄や納期遅延が発生する可能性があります。
この記事では、ナフサ不足が飲食店に与える具体的な影響と、今からできるコスト対策について解説します。
この記事でわかること☝️
| ①ナフサ不足が飲食店の備品・資材に与える影響 ②ナフサ不足が引き起こす価格高騰の連鎖 ③今すぐできるナフサ不足への対策 |
飲食店が今すぐ確認したいチェックポイント!
✅テイクアウト容器の在庫は何か月分あるか
✅仕入れ先が1社依存になっていないか
✅容器代込みで原価計算できているか
✅値上げ時の告知準備ができているか
✅補助金活用の余地があるか
目次
ナフサとは?
そもそもナフサとは、プラスチック製品や合成樹脂などを製造する際に使われる石油由来の原料のことです。
飲食店とは一見関係がないように思えますが、テイクアウト容器やラップ、洗剤容器、内装材など、店舗運営に欠かせない多くの資材に使われています。
ナフサ不足が飲食店の備品・資材に与える3つの影響
ナフサの供給不足は、飲食店の現場で使われる様々な備品や資材に直接的な影響を及ぼします。
それは単なるコスト増だけでなく、店舗運営の根幹を揺るがしかねない問題に発展する可能性があります。
ここでは、特に注意すべき3つの具体的な影響について解説します。
影響1:テイクアウト用のプラスチック容器やレジ袋の品薄・価格上昇
テイクアウトやデリバリーの需要が高い現在、プラスチック製の弁当容器、カップ、カトラリー、レジ袋は不可欠な備品です。
これらはナフサを原料とする代表的な製品であるため、ナフサ不足の影響を最も受けやすい品目と言えます。
原料の仕入れ価格が上昇することで、これらの備品の調達コストが直接的に増加します。
また、状況によっては必要な数量を確保できない品薄状態に陥るリスクも高まることが予想されます。
影響2:ラップフィルムや洗剤など日々の消耗品のコスト増
店舗運営に欠かせない日々の消耗品も、ナフサ不足と無関係ではありません。
食材の保存に使うラップフィルム、業務用の洗剤や漂白剤の容器、さらには一部の洗浄成分も石油化学製品から作られています。
これらは一つひとつの単価が安くても、毎日大量に消費するため、仕入れ価格の上昇が積み重なると、月単位・年単位で見た場合の経営への負担は決して小さくありません。
影響3:厨房機器や内装材の納期遅延による開業・改装への支障
ナフサ不足の影響は、日々の消耗品だけに留まりません。
厨房機器に使用される樹脂製のパーツや、店舗の床材・壁紙の原料となる塩化ビニル樹脂も、ナフサを起点に製造されているためです。
原料不足はこれらの製品の生産遅延を招き、結果として機器の納品や内装工事が計画通りに進まないという事態が懸念されます。
こうした状況は、新規開業や店舗改装を予定している飲食店にとって深刻な問題です。
工期の遅れはオープン時期の後ろ倒しに直結し、人件費の負担増といった追加コストの発生を招く可能性も高まります。
設備投資を伴う計画を立てる際は、納期の遅延を前提とした余裕のあるスケジュール管理が不可欠となるでしょう。
見えないコスト増?ナフサ不足が引き起こす価格高騰の連鎖

ナフサ不足の影響は、プラスチック製品の価格上昇という直接的なものだけではありません。
一見すると関係がなさそうな部分にも波及し、飲食店の経営コストをじわじわと圧迫します。
ここでは、ナフサ不足が引き起こす「見えないコスト増」の連鎖について、3つの側面から解説します。
1.食品包装材の値上がりによるテイクアウト商品の原価圧迫
スーパーの総菜コーナーで使われるような食品トレーや、商品を密封するためのフィルムといった食品包装材も、ナフサから作られるプラスチック製品です。
これらの包装材の価格が上昇すると、弁当やテイクアウトメニューの原価が直接的に押し上げられます。
食材費だけでなく、容器や包装にかかる費用も原価計算に正確に含めなければ、気づかないうちに利益が圧迫されることになるでしょう。
このコスト増は、最終的に販売価格への転嫁、つまり値上げを検討せざるを得ない状況にもつながってきます。
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2.農業用資材の高騰がもたらす食材の仕入れ価格上昇
ナフサ価格の高騰は、食材そのものの仕入れ価格にも影響を及ぼします。
野菜栽培に使われるビニールハウスのフィルムや、畑の畝を覆うマルチシート、肥料や農薬の袋なども石油製品です。
これらの農業用資材の価格が上がると、農家の生産コストも増加します。
その増加分は、野菜や米などの農産物の市場価格に反映されるため、結果として飲食店の食材仕入れ価格の上昇につながります。
これもまた、メニューの値上げを考えなければならない要因の一つとなります。
3.物流コストの上昇による全体的な経費の増加
ナフサの原料である原油の価格高騰は、ガソリンや軽油といった燃料価格の上昇にも直結します。
これにより、食材や備品を店舗へ配送するための物流コストが上がります。
配送業者から運賃の値上げ要請があったり、仕入れ価格に輸送コストが上乗せされたりすることで、店舗運営に関わる全体的な経費に影響が出るでしょう。
このコスト上昇は、特定の品目だけでなく、仕入れるすべての物品に関わるため、経営へのインパクトは非常に大きくなります。
我々TRNグループは、約20年にわたる飲食店支援の実績とノウハウで、この難題解決を全力でサポートいたします。
今後の経営体制や運転資金についてのご不安等、どんな些細なことでも構いません。まずはご相談ください。

ナフサ不足の長期化に備える!飲食店が今すぐできる対策5選

ナフサ不足とそれに伴うコスト高騰は、短期的な問題ではなく、長期化する可能性があります。
このような状況下で安定した経営を続けるためには、受け身の姿勢ではなく、積極的に対策を講じることが重要です。
ここでは、飲食店が今すぐ着手できる具体的な4つの対策を紹介します。
これらの対策は、コスト削減だけでなく、店舗の持続可能性を高めるメリットももたらしてくれるでしょう。
対策1:プラスチック製品に頼らない代替品の導入を検討する
プラスチック製品の価格高騰や品薄のリスクを軽減するためには、依存度を下げることが有効な対策となります。
具体的には、テイクアウト容器を従来のプラスチック製から、紙や木、サトウキビの搾りかすを原料としたパルプモールド製といった代替品へ切り替える手法があります。
素材を工夫することで供給の安定化が期待できるほか、環境保護への積極的な姿勢を顧客へ示すことも可能です。
初期コストが増加する側面はありますが、使い捨てプラスチックの使用を減らす取り組みは、中長期的な視点で企業のイメージ向上や信頼獲得に寄与します。
社会的な脱プラスチックの流れに合わせ、無理のない範囲で段階的に導入を検討することが推奨されます。
対策2:複数の仕入れ先を確保し安定した供給ルートを構築する
特定の仕入れ先一社に依存する体制は、その業者が品薄や価格改定に踏み切った際、店舗運営が直接的な打撃を受けるリスクを孕んでいます。
不測の事態に備えて複数の業者と取引関係を築き、供給ルートを複線化しておくことが、安定的な店舗運営には欠かせません。
複数の仕入れ先を確保できれば、各社の見積もりを比較して価格交渉を有利に進められるだけでなく、市場全体の動向を多角的に把握できる利点もあります。
万が一、メインの業者が供給不能に陥った場合でも、予備のルートがあれば欠品による機会損失を最小限に抑えられます。
常に複数の選択肢を持ち、より有利で安定した条件で調達できる体制を整えておきましょう。
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対策3:メニュー構成を見直して原価管理を徹底する
コスト高騰の波を乗り切るためには、改めて原価管理を徹底することが求められます。
特に、高価なプラスチック製の専用容器を必要とするメニューの比率を見直したり、歩留まり率の高い食材を活用してフードロスを削減したりする工夫が必要です。
日々の仕入れ価格の変動を正確に把握し、どのメニューがどれくらいの利益を生んでいるのかを分析することで、より収益性の高いメニュー構成へと改善していくことができます。
具体的には、容器代を含めた「トータル原価」を算出し、利益率の低い商品は提供方法を見直すか、終売も視野に入れて検討します。
あわせて、端材を別メニューに活用するなど食材を使い切る工夫を凝らし、無駄なコストを徹底的に排除する体制を整えましょう。
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対策4:お客様へ価格改定の必要性を丁寧に説明する準備を進める
徹底したコスト削減に努めても、外部要因による経費増大を吸収しきれず、現状の価格維持が困難になるケースも考えられます。
やむを得ずメニューの値上げを決断する際は、お客様から納得感を得るためのプロセスが非常に重要です。
まずは世界的なナフサ不足や原材料高騰の現状を整理し、店舗が直面している状況を正確に伝える準備を整えましょう。
具体的には、メニューブックへの差し込みや店内の掲示物、SNSを通じた発信など、できるだけ複数の手段での周知を行ってください。
単なる告知に留まらず、品質を維持するために苦渋の決断を下した背景を誠実に共有することが重要です。
情報開示を丁寧に行う姿勢は、お客様との信頼関係を維持し、客離れを防ぐ大きな鍵となるでしょう。
対策5:補助金を活用する
コスト高騰への対策として、国や自治体が実施している補助金の活用は非常に有効な手段です。
原材料費やエネルギー価格の上昇に直面する事業者を支援するため、さまざまな制度が設けられています。
| 小規模事業者持続化補助金 | 販路開拓・業務改善の費用を補助。 ▼主な対象 ✅テイクアウト容器の変更(紙素材など) ✅包装・提供方法の見直し ✅店舗オペレーション改善 |
| 中小企業省力化投資補助金 | 人手不足・生産性向上の設備投資を補助。 ▼主な対象 ✅セルフレジ、券売機 ✅配膳ロボット ✅自動化設備 |
| デジタル化・AI導入補助金 | ITツール導入費用を補助。 ▼主な対象 ✅POSレジ、在庫管理 ✅予約管理、モバイルオーダー |
| 新事業進出補助金 | 新サービス・新業態への投資を支援。 ▼活用例 ✅テイクアウト主体業態への転換 ✅包装資材削減型ビジネスへの切替 |
※最新内容は中小企業庁 補助金検索(ミラサポplus)でご確認ください。
また、各自治体でも独自の支援金を提供しているケースがあるため、地域の商工会議所などを通じて最新情報を収集し、自店が対象となる制度を積極的に探すことも大切です。
飲食店のナフサ問題Q&A
ここでは、ナフサ問題に関する疑問とその回答をまとめました。
Q1. ナフサ不足の問題はいつ頃まで続くと予想されますか?
A. ナフサ不足の収束時期を正確に予測することは困難です。
原油価格や国際情勢に大きく左右されるため、見通しは不透明と言わざるを得ません。
中東の地政学リスクや世界経済の動向次第では、問題が長期化する可能性も十分に考えられます。
この状況が当面続くと想定し、長期的な視点で対策を講じることが賢明です。
Q2. 特に価格が高騰しやすい、または品薄になりやすい備品は何ですか?
A. テイクアウトやデリバリーで使用するプラスチック製の弁当容器、カトラリー、カップ、レジ袋などが特に影響を受けやすいです。
また、食材の保存に欠かせない食品用ラップフィルムも、価格が高騰しやすい品目の一つです。
これらは需要が安定して高い一方で、ナフサを主原料とするため、原料価格の変動が直接反映されやすい傾向にあると言えるでしょう。
Q3. ナフサ不足に対して国や自治体からの支援策はありますか?
A. ナフサ不足に特化した直接的な支援策は現時点で用意されていません。
ただし、原材料価格の高騰に苦しむ中小企業や小規模事業者を対象とした、汎用的な補助金や助成金、低金利の融資制度などが利用できる場合があります。
詳しくは、先述の「対策5:補助金を活用する」をご参照ください。
また、最新の情報については、中小企業庁 補助金検索(ミラサポplus)や管轄の自治体、地域の商工会議所のウェブサイトなどでご確認ください。
まとめ
ナフサ不足に起因するコスト高騰は、飲食店の経営において深刻かつ長期的な課題となることが予想されます。
プラスチック製備品の直接的な値上がりだけでなく、農業資材や物流費の上昇を介して食材価格にも影響が及ぶため、多角的な視点でのリスク管理が必要です。
この難局を乗り切るためには、プラスチックへの依存を減らす代替素材の活用や、仕入れルートの複数化による供給の安定化を心掛けてください。
あわせて、原価管理の再徹底や、お客様の理解を得た上での適切な価格転嫁など、収益性を守るための主体的な行動が必要です。
現状を正しく把握し、環境変化に柔軟に対応できる経営体質を築くため、我々TRNグループが伴走いたします。ぜひ我々の知見をご活用いただき、店舗の継続的な発展につなげてください。

