飲食店の仕入れ先の種類とそれぞれのメリット・デメリットや選び方について 

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飲食店では、仕入れ先の選定は店舗経営にとって非常に重要です。満足できる仕入れができずに悩む飲食店責任者も少なくありません。仕入れ先には多数の種類があるため、それぞれの特徴について理解しておく必要があります。

本記事では、飲食店の仕入れ先にはどのような種類があるのか、各仕入れ先のメリット・デメリット、仕入れ先を選ぶ際のポイントを解説します。

飲食店の仕入れ先の種類

飲食店の仕入れ先には以下の種類があります。 

  • 卸業者

卸業者は、生産者やメーカーから仕入れた食材を、飲食店などの業務用ユーザーに販売する業者です。食材の種類が豊富で、特定の商品に強みを持っている場合もあります。 

  • 通販

インターネットを利用して食材を仕入れる方法です。店舗に出向くことなく食材を仕入れることができ、卸業者から直接仕入れる場合や、産地直送の食材を仕入れられるため、コストを抑えられる場合も多いです。

  • 生産者

生産者から直接食材を仕入れる方法です。産地直送の食材を仕入れることができ、生産者との直接取引により食材の品質や生産過程について詳しく知ることができます。 

  • 業務用専用スーパー

業務用専用スーパーは、飲食店などの業務用ユーザー向けに食材を販売するスーパーマーケットです。飲食店向けに小分けされた食材や業務用容器入りの食材、調理過程を省略できる食材などを販売している場合があります。

  • 市場

市場は生産者や卸業者が集まって食材を販売する場です。市場では新鮮な食材を安く仕入れられ、珍しい食材や季節の食材を実際に確かめながら購入できます。 

  • 小売店

小売店は、一般消費者向けに食材を販売する店舗です。卸業者や業務用専用スーパーに比べると一単位あたりの容量が小さく、食材の種類や品ぞろえが少ない傾向にあります。 

飲食店の仕入れ先のメリット・デメリット

飲食店の各仕入れ先のメリット・デメリットを解説します。 

店頭で貝が売られて写真

卸業者

  • メリット 

食材の種類が豊富で、新鮮な食材を仕入れやすいのが大きなメリットです。ある食材に特化した強みを持つ業者もあります。飲食店の規模やニーズに合わせて食材を小分けにしたり、配送方法を調整したりといった対応が可能な事業者もあり、個別での価格交渉も可能です。 

  • デメリット

仕入れロットが大きく融通がきかない場合があります。配送料がかかる場合もあり、交渉するためには営業担当者との関係性が重要です。 

通販

  • メリット 

自宅や店舗にいながら食材を仕入れられ、選択の幅が広いというメリットがあります。卸業者から直接仕入れたり、産地直送の食材を仕入れたりすることもできるため、鮮度や品質の良い食材を安く入手できる可能性があります。 

  • デメリット 

配送料がかかる場合があり、返品や交換ができないケースもあります。実際に食材を見て選べないため、商品や業者の見極めが容易ではありません。 

生産者

  • メリット 

産地直送の新鮮食材を仕入れることができます。生産者との直接取引によって、食材の品質や生産過程について詳しく知ることができ、鮮度や品質にこだわった食材の仕入れができます。 

  • デメリット 

仕入れロットが小さい場合や配送料がかかるケースがあります。相手によっては価格交渉に応じないケースがあり、小口生産では季節によって偏りが生じます。 

業務用専用スーパー

  • メリット

飲食店向けに小分けされた食材や業務用容器入りの食材を販売している場合が多く、飲食店の調理やコスト削減に便利です。価格が比較的安いことも大きなメリットです。 

  • デメリット 

店舗によって食材の種類や品ぞろえが少ない傾向があり、返品や交換が難しい場合もあります。スーパーという特性から、掛け払いに対応していない場合もあります。基本的には自身での買い出しが必要で、手間がかかります。 

市場

  • メリット 

新鮮な食材を安く仕入れることができます。さまざまな食材が集まっているので、珍しい食材や季節の食材を仕入れたい場合にも便利です。食材のプロの意見を直接聞けます。 

  • デメリット

市場によって独自のシステムやルールがあるため、先に知っておくことが求められます。休日があるため、仕入れのタイミングを合わせないと食材の鮮度が落ちやすい場合があります。価格交渉が難しい場合があり、紹介やコネが必要となるケースもあります。 

小売店

  • メリット

近くに店舗があれば、すぐに食材を仕入れることができるのが大きなメリットです。例えば、営業中に急に何か足りなくなった場合などに活用できます。

  • デメリット 

専門業者に比べ食材の種類や品ぞろえが少ない傾向があります。一般向けのため、価格交渉が困難で掛け払いができません。 

飲食店に欠かせない仕入れ先の選び方

仕入れ先を選ぶ際には、以下の項目について検討する必要があります。 

価格

単に安さに着目するのではなく、食材品質と価格のバランスが重要です。継続的な仕入れでも無理が生じない点を考慮する必要もあります。

仕入れの相場がわからない場合は、複数の業者から見積りを取って比較しましょう。まとめ買いや抱き合わせ購入での割引が可能か、価格交渉の余地があるかなどを検討します。 

商品の品質

品質は飲食店の料理の味や衛生面にも大きく影響するため重要なポイントです。見本だけでなく直接事業者へ赴き、常態での商品品質を確認することも大切です。仕入れ先の品質管理体制や食材の鮮度、産地なども忘れずに確認します。

供給の安定性

商品不足が生じないように、安定供給が可能かを確認します。倒産や経営破綻などのリスクを抱えている場合、食材の安定的な調達が難しくなる可能性があるため、入れ先の経営状況や実績なども確認しておくと安心です。 

仕入れに関する柔軟性

飲食店の営業状況は季節やイベントなどによって変動します。そのため、仕入れ先が柔軟に対応可能かどうかも重要なポイントです。例えば、急な発注やキャンセルにも応じられるか、納期や配送方法の条件を相談できるかなどを確認しましょう。 

仕入れ先を選ぶ際に注意するポイント

上記の項目を検討して仕入れ先候補を絞り込み、最終的に選ぶ際には以下の点も考慮すると良いでしょう。 

優先したい条件を明確化する

店のコンセプト、軸となるメニューにマッチした食材から最も中心となる事業者を選定します。例えば、オーガニック食材、地産地消型メニューなどがメインであれば、地元の生産者と交渉する方法が考えられます。 

メインとサブの仕入れ先を分けて考える

よく使う食材と頻度が少ない食材・調味料などに分けて仕入れ先を考えます。ただし、仕入れ先を多く選びすぎると管理が煩雑になり、条件比較などで余計な手間がかかるといった状況が発生するため注意が必要です。

外部パートナーに相談する

店舗が仕入れ先と直接取引をするのではなく、外部パートナーに代行依頼する選択肢もあります。外部パートナーは仕入れ業務を代行するほか、飲食店経営についてのアドバイスを提供します。外部パートナーを活用するメリットは以下のとおりです。

特徴詳細
仕入れ業務の効率化仕入れ業務を代行してもらうことで、店舗側の仕入れ業務にかかる時間を削減できる。
的確な仕入れ先の選定飲食店のニーズに合わせて、品質や鮮度の高い食材の仕入れ先を選ぶアドバイスを受けられる。
新規メニューの開発と調達メニュー開発に沿って必要な食材や調達方法などの提案を受けられる。

飲食店の仕入れコストを抑える方法

最後に、仕入れコストを抑える方法について説明します。

仕入れ量を多くする

仕入れ量が多いほど販売側にとってメリットがあるため、単価が割引されることがあります。また、一括で購入することで配送コストの削減につながり、仕入れ量によっては送料無料やおまけなどの特典が付く場合があります。さらに仕入れ量が多い顧客は販売側にとっては重要な顧客のため、価格交渉で有利な立場になることも想定されます。 

一方で、仕入れ量が多いと過剰在庫になる可能性がるため、食材の消費期限には注意する必要があるでしょう。

情報のアンテナを張っておく

市場の相場を知ることが、適正価格で仕入れるためには必要不可欠です。相場情報の収集には以下の方法があります。

  • 卸売業者やメーカーのWebサイト
  • 業界誌や専門誌
  • 政府統計 

例:農林水産省(青果物卸売市場調査、食肉卸売市場調査) 

  • 業界団体 

例:一般社団法人日本養鶏協会 

展示会や商談会生産者との直接取引は中間業者を通さずに仕入れができるため、コスト削減につながります。近年は、SNSを通じて生産者と直接やり取りできるケースも増えています。広くアンテナを張ることで、店舗にとって有益な情報をつかめる可能性が上がります。 

利益向上と円滑な店舗運営を踏まえて仕入れ先を選ぼう 

飲食店にとって仕入れは、コストやメニュー品質、商品提供の安定性に関わる重要な業務です。単に価格の安さで選んでも、高品質にこだわりすぎてもよくありません。仕入れ先にはさまざまな種類があり、それぞれにメリットやデメリットがあるため、自社にとって最適な仕入れ先を選ぶことは容易ではありません。

そこで店舗流通ネットでは、飲食店の物件探しや開業、運営までさまざまなサポートを行っています。飲食店の経営判断や店舗運営で迷うことがあるときには、ぜひご相談ください。

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