狭い飲食店を広く魅せる!今すぐ活用できる「空間活用術」を紹介

公開日:
更新日:

飲食店を経営する上で、家賃などのランニングコストはできる限り抑えたいものです。しかし、「家賃を抑えると借りられる物件の選択肢が狭まる」と考え、高額な物件を無理して借りようとしていませんか?

実は、空間は工夫次第で広く見せることが可能です。そこで今回は、費用を抑えつつ空間を広く見せるテクニックをご紹介します!

初期費用を抑えて出店したい方へ

できる限り初期費用を抑えて飲食店を出店・経営したい方はぜひダウンロードしてみてください。

色を活用した空間マジック

視覚に訴えかける色の効果

色は空間の認識や心理的効果に大きな影響を与えます。内装やインテリアを選ぶ際は、お店のコンセプトに合った色のコーディネートを心がけましょう。

「進出色」と「後退色」の使い分け

進出色とは

カラフルな色えんぴつ

赤、オレンジ、黄色などの暖色系の色は、膨張して見える効果があります。このため、広い空間よりも、目立たせたいインテリアのワンポイントとして使用するのがおすすめです。

特に赤色は体感温度を上げ、ぬくもりのある雰囲気を演出しますが、神経を高ぶらせる効果もあるため、「くつろぎ」や「癒やし」を重視する空間では避けましょう。

後退色とは

青、紫、黄緑色などの寒色系は、遠く感じさせる効果があります。狭い空間で使用すると、広がりを感じさせる演出が可能です。ただし、冬場や日当たりの悪い場所では寒々しい印象を与えるため注意が必要です。

白色の活用

白を基調とした清潔感のある飲食店の内装

ベージュなどの膨張色を床・壁・天井に使用すると、空間を広く見せる効果があります。特に天井に白色を用いると、天井が高く感じられるためおすすめです。ただし、汚れが目立ちやすいという欠点があるため、アイボリーや生成り色(少し黄色がかった白色)などを選ぶと良いでしょう。

色の配置のポイント

床→壁→天井と、暗い色から明るい色へと配置することで、空間を広く高く見せる効果があります。暗い色は重たい印象があるため、天井に使用してしまうと圧迫感を感じさせてしまいます。隠れ家や重厚感溢れる空間を演出したい時は構いませんが、天井を広く見せたいときは、暗い色を天井に使用するのはできるだけ避けましょう。

光を活用した空間演出

自然光の取り入れ

自然光は空間を広く見せる強力な要素です。大きな窓は、天井を高く感じさせるだけでなく、十分な光を取り込むことで店内全体を明るく演出する効果があります。そのため、窓の配置はお店づくりの初期段階でしっかり検討することが重要です。

また、光の当て方によっても空間の印象を操作できます。例えば、光を壁に当てると天井が高く見え、逆に光を床に当てると天井を低く感じさせる効果があると言われています。この特性を生かして、空間のイメージを自在にコントロールしてみましょう。

カーテン選びのコツ

カーテンは、光を調節するだけでなく空間の雰囲気を左右する重要なアイテムです。注意したいのは、色の選び方です。同じ色でも、カーテンが占める面積が大きくなるほど、その色が空間全体に与える印象も強くなります。

カーテンの色を選ぶ際には、色見本で「これが理想的だ」と感じた色よりも少しだけ暗めを選ぶと、実際に取り付けたときの印象がイメージに近くなります。さらに、窓が大きい場合は光がより多く取り込めるデザインのカーテンを選ぶことで、自然光の恩恵を最大限に活用できます。

天井や床をひと工夫するだけで広い空間に

天井での工夫

天井につけられた黒色の梁(はり)
広く見える木製の梁(はり)

天井に明るい色を使用すると天井が高く感じられる効果がありますが、さらに天井の構造物に手を加えるだけで、空間を広く見せる演出が可能です。特に、居抜き物件でよく見られる「梁(はり)」を活用した方法はおすすめです。梁は時に邪魔な存在と思われがちですが、実はこれを生かすことで、空間の印象を大きく変えることができます。

天井は明るく、梁は暗い配色に

天井を白やベージュなどの明るい色で仕上げ、梁を黒やダークブラウンなどの暗い色にすることで、梁が際立ち、天井がさらに高く見える効果が得られます。特に、モノトーンカラーを取り入れるとスタイリッシュで洗練された印象に。オシャレなカフェやバーなどではよく見られる配色テクニックです。

低く太い梁の場合は明るい色に

一方で、梁が太かったり、天井全体で目立つ場合は、梁を明るい色に塗り替えるのがおすすめです。濃い色だと圧迫感が生じるため、白や淡いグレーなどの圧迫感を和らげる色を使うと空間が広く感じられます。さらに、天井には寒色系(青や薄いグレーなど)を採用すると、奥行き感を引き出す効果も期待できます。

床での工夫

机と4脚のいす
ベージュの内装と机セット

床材の選び方や配置にも、空間を広く見せる秘訣があります。以下のポイントを押さえてみてください。

床はできるだけ見えるように

床が見える面積を減らさないことが重要です。カーペットやラグ、家具で床を覆いすぎると、空間が狭く見えるだけでなく、動線が悪化し、ごちゃごちゃした印象を与えてしまいます。特に飲食店では、ベビーカーや足の悪いお客様の利用を考慮し、床をフラットで広く見せる工夫が求められます。

また、家具を選ぶ際は脚付きのデザインにすることで床が見える部分が増え、軽やかな印象を与えられます。

床板は斜め張りに

斜め張りのイメージイラスト

床材を斜めに張る「斜め張り」は視線を対角線方向に引き、空間が広く感じられる効果があります。特に狭い空間では、床の視覚的な工夫が大きな効果を生むため、斜め張りのデザインを採用するのは有効です。

家具を工夫して広い空間を演出

落ちついた空間の飲食店

家具は店内の印象を決める重要な要素です。以下のポイントを押さえて、広がりのある空間を演出しましょう。

家具の色を統一する

お店のコンセプトに合わせて家具の色を統一することは、空間を広く見せる基本です。壁に近い色を選ぶことで空間全体が調和し、まとまりのある印象になります。特に、床よりも少し明るい色を選ぶと、視覚的な広がりが強調されます。

家具は低いものにする

高さのある家具は圧迫感を与えてしまいます。開放感のある空間を作りたいのであれば、机や椅子などは低めのものを選びましょう。さらに、棚やラックを設置する場合も縦に長いものではなく、横に長いものを選びましょう。

配置を工夫する

空間を広く見せたいのであれば、大きな家具は入り口から一番奥の対角線上に配置しましょう。入り口の扉を開けた際、店内の一番奥まで視界を遮るものがないようにすると、空間が広く見えます。さらに、少し大きめのソファなどは壁にくっつけて配置しがちですが、ソファと壁の間に少し空間を作ることで、空間の広がりを演出することができます。

また、壁に絵や写真を飾る際も、たくさん飾ってしまうと視線が散ってしまうので、インテリアに関してもできるだけシンプルにまとまりを意識するようにしましょう。

飲食店の空間活用でよくある質問

Q1: 狭い店内を広く見せるための効果的な色の使い方は?

店内を広く見せるには、壁や天井に白やパステルカラーなどの明るい色(膨張色)を使用し、床には寒色系の色(収縮色)を取り入れると効果的です。この配色により、空間に奥行きと広がりを感じさせることができます。

Q2: 天井を高く見せるための工夫はありますか?

天井をスケルトンにして高さを出す方法や、上に行くほど明るい色を配置することで、天井を高く見せることができます。また、吊り下げ式の照明を避けることで、圧迫感を軽減できます。

Q3: 狭い厨房のレイアウトで注意すべきポイントは?

狭い厨房では、動線を確保し、頻繁に使用するものを取りやすい位置に配置することが重要です。また、天井までのスペースを有効活用し、収納力を高める工夫も必要です。

これらの工夫を取り入れることで、狭い店内でも広く快適な空間を演出することが可能です。

狭い飲食店でも空間を広く見せる工夫を取り入れよう

広いスペースを借りなくても、空間を広く見せる工夫次第で快適な店舗づくりが可能です。天井や壁の色使い、家具の選び方・配置といった細部を工夫することで、高い賃料を支払う必要のない「広く見える空間」が実現します。狭い店舗でも、賢く工夫を凝らし、お客様が心地よく過ごせる空間を作りましょう。今回ご紹介したポイントをぜひ実践してみてください!

飲食店の開業や物件探しでお困りの方は、4,000件以上の出店支援実績を持つ「店舗流通ネット」にぜひご相談ください。専門スタッフが最適な物件や開業プランをご提案します。お気軽にお問い合わせください!

参考文献

  • 『暮らしがもっと楽しくなる!色の教科書』学研パブリッシング