食欲と色彩の関係とは?食欲不振は色で解決!?色合いが食欲に及ぼす影響とは

食欲に影響をもたらす視覚。では、食欲に色の影響はあるのでしょうか?色がもたらす効果と「食の五原色」や「フィトケミカル」の代表的な食材や期待される効能、栄養素について。また、飲食店経営に色彩効果を活用する方法。内装や盛り付け、テーブルコーディネートにおける色の注意点についてご紹介。

今年は例年よりも暑い日が続き、食欲が低下してしまった人も多いのではないでしょうか?
ですが、「食べる」という行為は、人間には必要不可欠です。日々を元気に過ごすには睡眠をきちんと取り、バランスの取れた食事で栄養補給をすることが大切になってきます。とは言っても、食欲がどうにも湧いてこないときはありますよね。
そんな食欲ですが、視覚の影響を受けるということをご存じですか?実は、その特徴を利用して食欲をコントロールすることができるのです。
今回は、そんな食欲に影響をもたらす視覚、色彩についてご紹介していきたいと思います。
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人間の五感、視覚の役割

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人間の五感と言われているのは「触覚」・「視覚」・「聴覚」・「嗅覚」・「味覚」の5つです。
この5つの感覚機能により、私たちは外界のあらゆるものを察知しています。
 
飲食店で食事をする際にも、この五感は働いています。冷たいビールジョッキ、オシャレなデザインの食器、くつろげる音楽、食欲をそそる香りに、至福の味。これらは全て五感によってもたらされた情報です。
 
食事を「おいしい」と感じるのは味覚の影響だと考えがちですが、実は視覚の影響が約87%を占めています。「日本人は目で料理を食べる」という言葉があるように、日本人の食事の満足度には視覚情報が大きく影響しているのです。
考えてみると、私たちは料理を口に運ぶまでに盛り付けや焼き加減、湯気の昇り方を確認し、香りを嗅いだりしています。そうすることで、食欲を増進させているのです。
梅干しを見ただけで口の中の唾液が増えるのも視覚刺激が影響していると考えられています。
 

食の五原色。色彩豊かな食事をとれば栄養バランスの良い食事ができあがる!

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食の五原色とは?

国によって、料理の色彩の考え方は異なりますが、日本では主に「赤」・「黄」・「緑」・「白」・「黒」、この5色の色彩を料理に取り入れることが大切と言われています。赤黄緑白黒の5色を使用することで、見た目も美しく、栄養面でもバランスの良い食事ができます。
おせち料理や懐石料理を意識してみてみると、この5色を軸にした配色になっていることが分かります。一番身近なものでいうならば、お弁当がその最たるものといえます。
 
また、この5色に「オレンジ」と「紫」を加えると、野菜の色素成分に含まれるフィトケミカルの7色が完成します。
フィトケミカルとは、野菜や果物、海藻、いも類、豆類などの植物に含まれる化学成分のことで、植物が紫外線や害虫などの有害物質から身を守るために作り出した色素や香りなどの機能性成分のことです。
フィトケミカルには、老化の原因となる活性酸素を抑える抗酸化作用を持つものが多く、病気の予防や代謝の促進、脳機能の強化などの働きが期待され、注目されています。
 

それぞれの色の食材と栄養素

今回は、色ごとにどのような食材があり、どんな栄養や効果があるのかを簡単にご紹介するとともに、フィトケミカルを色分けにした場合の代表的な食材と期待される効能も一緒にご紹介したいと思います。
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の食材<リコピン、カプサイシン(カプサンチン)>
▶ 肉類、カニ、エビ、トマト、パプリカ、とうがらし など

食欲増進効果のある赤色。私たちは赤色の食材を見ると必然的においしそうと感じます。交感神経を刺激する色でもあるため、見るだけで元気が湧いてきます。
赤色の食材である、カニやエビはアスタキサンチン、トマトはリコピン、パプリカやとうがらしはカプサイシン、と抗酸化作用を持つものが多く、その他βカロテンやビタミンCなどの栄養素を含んでいるものが多いです。
 
お料理の例・・・ステーキ、金目鯛の煮付け、いちごのコンポート
赤の食材について書いた記事・・・トマトの効果効能
 
の食材<フラボノイド、ルテイン>
▶ 大豆、卵、レモン、とうもろこし、バナナ など

食卓を明るくする、ビタミンカラーの黄色。
レモンや柑橘系の食材に多く含まれているフラボノイドは血管壁を強くし、とうもろこしや卵黄に多く含まれているルテインは、紫外線によるダメージから目を守り、視力低下を防いでくれます。その他、クエン酸といった疲労回復効果のある栄養素も含まれています。黄色の食材は、神経や内臓を刺激するものが多く、整腸作用を促す効果が期待できます。
 
お料理の例・・・オムレツ、カポナータ、レモネード
黄の食材について書いた記事・・・大豆の効果効能卵の効果効能
 
の食材<クロロフィル> 
▶ ほうれんそう、ねぎ、ブロッコリー、キャベツ、キウイ など

野菜の定番色である緑色は、気持ちをリフレッシュさせる効果があります。また、補色の効果で赤色の食材を引き立てるので、よく赤色の食材とセットで盛り付けられます。
ビタミン、ミネラル、食物繊維を多く含んでいる食材が多く、体の調子を整える効果が期待できます。特に緑色の色素成分であるクロロフィルという葉緑体には、強い抗酸化作用があり、血流を良くする効果や消臭・殺菌効果があります。
 
お料理の例・・・グリーンサラダ、いんげんの胡麻和え、ジェノベーゼ
黄の食材について書いた記事・・・ブロッコリーの効果効能きゅうりの効果効能
 
の食材<イソチオシアネート、硫化アリル>
▶ご飯、牛乳、玉ねぎ、大根、豆腐 など

さっぱりとした味の印象がある白色の食材は、お料理の具材としても色合いとしても他の色と合わせやすく、涼やかさを演出するのにも効果的です。
炭水化物やたんぱく質などのエネルギーの素となる栄養素の他にも、にんにくやたまねぎに含まれる硫化アリルは、血液をサラサラにする効果があります。また、体に良い効果を豊富にもたらしてくれる発酵食品も白色のものが多くあります。
 
お料理の例・・・ふろふき大根、甘酒、冷奴、ヨーグルト
白の食材について書いた記事・・・甘酒の効果効能豆乳の効果効能チーズの効果効能ヨーグルトの効果効能玉ねぎの効果効能豆腐の効果効能
 
の食材<クロロゲン酸>
▶ 黒ごま、黒豆、海苔、海藻、コーヒー など

海外では敬遠されがちな黒色は、日本食に多く、「和」を連想させます。食卓を引き締める効果もあります。
昆布やひじき、わかめなど海藻類に多い黒色ですが、海藻類はミネラルを豊富に含んでおり、とても栄養価の高い食材です。近年、クロロゲン酸は活性酸素を除去し、血糖値調整の役割を果たすとして、抗がん物質として研究が進められています。
 
お料理の例・・・ひじきの煮物、のりまき、昆布巻
黒の食材について書いた記事・・・コーヒーの効果効能
 
オレンジの食材<プロビタミンA、ゼアキサンチン>
▶ にんじん、かぼちゃ、みかん、マンゴー など

オレンジ色は赤色の食材同様、食欲をそそる色とされ、その華やかさから料理の彩りとしてよく用いられます。
にんじんやかぼちゃの果肉部分に含まれるプロビタミンAは、体内でビタミンAに変換され、免疫力を高める働きや美肌効果が期待できます。また、マンゴーやパパイヤなどの果物に含まれるゼアキサンチンには、視力低下を予防する効果があります。
 
お料理の例・・・ニンジングラッセ、かぼちゃの煮物、オレンジスムージー
 
の食材<アントシアニン>
▶ なす、さつまいも、みょうが、ぶどう、ブルーベリー など

癒やしの色である紫色は心と体に落ち着きをもたらし、平穏な状態に導きます。さつまいもやぶどうなどは、秋という季節感も演出してくれます。
紫色の食材には、ポリフェノールの一種であるアントシアニンが豊富に含まれています。アントシアニンは、体内に発生する活性酸素をおさえるため、アンチエイジングに良いといわれています。その他、眼精疲労や肝機能強化にも期待ができます。
 
お料理の例・・・なすの揚げ浸し、さつまいものレモン煮、アサイーボウル
 
色彩の効果的演出!飲食店経営に色を効果的に活用する方法とは?

食に上手に色を取り入れるには?色彩の効果的演出

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次に食事という場面で、色彩効果がどのように発揮されるのかについてみていきましょう。
 

色を使った食欲コントロール

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すでにご紹介したように、「赤色」や「オレンジ色」「黄色」といった暖色系の色は自律神経を刺激して、空腹感を引き起こし、食欲をそそる色とされています。一般的に暖色の食材、特に色が濃いものほどおいしそうに感じる心理が働くのです。
 
この心理作用の例題としてよく題材にされるのが卵です。濃いオレンジみを帯びた黄身の卵と色味の薄い白っぽい黄身の卵を見比べた時、どちらをよりおいしそうだと感じますか?
 
おそらく、ほとんどの人が色味の濃い方がおいしそうだと答えると思います。
これは、「成分濃度を薄めたものは、色も薄くなり味も薄くなる」といった過去の経験が影響し、視覚から得た情報により脳が判断してしまうからです。
 
では、逆に食欲を減退させる色にはどのようなものがあるのでしょうか?
食欲を減退させる色として「青色」「紫色」「灰色」などが挙げられます。海外では「黒色」も気味が悪いとして敬遠されがちですが、日本人にとって黒色の食材は海苔や海藻など慣れ親しんだものが多いため、除外されます。

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なかでも「青色」は、自然界の食材に存在しない色のため最も食欲を減退させる色とされています。こちらも先程の卵の実験と同様で、純粋な青色の食材を食べた経験がないために、青色の食べ物を見ても脳が「これは食べ物ではない」と判断してしまうからだと考えられています。
 
そこで、数年前に流行ったのが「青色ダイエット」
食事をする際に景色が青色に見えるメガネをかけたり、食事が青色に映るアプリを使ったり、青い食紅を使用し食べ物そのものを青色にしてしまったりするものです。
 
あえて、脳が食べ物だと認識しづらい「青色」を視覚に捉えることで、食欲を抑制する効果を期待したのです。
 

色の効果を飲食店経営に取り入れるには?

色彩効果をお店に取り入れるのはなかなか難しいのでは?と考えてしまうかもしれませんが、実はすでに色の効果はさまざまな場面で活用されています。
 

外観や内装、お店のイメージカラーとなる色

例えば、喫茶店やカフェなど居心地の良い空間がウリになるようなお店の外観や内装には「茶色」が多いと思いませんか?
それは、茶色には落ち着きと安心感をもたらす効果があるとされているからです。木や土といった、アースカラーに近い茶色は、ぬくもりも感じさせてくれます。
 
逆に、世界規模で展開されているファーストフード店の店舗カラーには「赤色」が多く採用されていることをご存じですか?
赤色は、街中でも人目を引く色であることはもちろんですが、先ほど説明した通り、食欲を促進してくれる効果があるからです。アドレナリンの分泌を促し、脳を活性化させてくれるため、時間の経過を早く感じさせる効果もあります。お店の回転率を高めたい場合に、うってつけの色なのです。
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こちらの記事でも飲食店と色の関係についてご紹介しています。
【1月6日 は色の日】売り上げにも影響アリ?飲食店と色の関係について
 

料理を提供する際によりおいしくみせる色

提供する料理をよりおいしくみせるには、大きく分けて3つポイントがあります。それは、照明、テーブルコーディネート、盛り付けです。
 
◆照明◆
食卓でおなじみの料理でも、外食の時に食べるとより一層おいしく感じることはありませんか?それには、食卓の照明が影響していると考えられます。
 
実は、蛍光灯の光は青や緑などの色を引き立てる青白い光のため、サラダなどをみずみずしくみせる効果はありますが、その他の料理を冷たくみせてしまいます。また蛍光灯は、人間の目には分かりませんが、光が一瞬途切れるため料理に平面的な印象を与えてしまうのです。
一方白熱灯の光には、赤やオレンジ、黄色の波長が多く含まれているため、料理をよりおいしく見せる効果があります。白熱灯の光は途切れることもないため料理の陰影がはっきりと出て、より立体的になり、おいしそうな印象を与えてくれます。
 
◆テーブルコーディネート◆
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テーブルクロスやお皿の色によっても料理の印象は変わってきます。飲食店では、お客さまが注文した料理ごとにテーブルクロスやテーブル自体を変更することは困難なので、ここでは食器の色使いについてご紹介したいと思います。
食器の色使いとして、3つの方法があります。それぞれにどのような効果があるのか以下にまとめてみました。
 
①料理の反対色を使う
互いの色をより引き立て合うことになり、料理の色が鮮やかになる。
 
②料理と同じ色味を濃淡で使う
濃淡配色には料理をおいしそうにみせる効果があり、淡い色の料理の場合、濃い色の器に盛り付けることで色みを際立たせることができる。
 
③料理の中から1つの色を使う
使用した色を際立たせることで、まとまり感を生み出す。食材の色を美しくみせる効果もある。
 
◆盛り付け◆
料理の配色や彩りのバランスが見た目の印象を大きく左右することは言うまでもありません。ここで重要になってくるのが補色です。
例えばグリーンサラダですが、緑一色で出されるよりトマトやハム、クルトンなど違う色のものが1色入るだけでよりおいしそうに感じませんか。これが補色の効果です。
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テーブルコーディネートの部分でも説明しましたが、反対色や補色を組み合わせることで互いの色を引き立て合い、食材が本来の色より鮮やかになります。
彩りが足りない時に便利なのがピクルスやマリネなどの常備菜とハーブです。料理の色が寂しいと感じる時にこれらをちょこっと添えるだけで、色彩のバランスを整えることができます。
 
また、色が多い料理の色彩をキレイにみせる工夫として、食材を料理に合わせて均等な大きさに切ることが挙げられます。火の通りも均等になり、味のムラもなくなるので色を多用に使う料理の時は、切り方も注意しましょう。
 

まとめ

料理を味わう上で視覚がこんなにも影響しているとは意外かもしれませんが、色を工夫することでいつもの料理にプラスアルファの効果を及ぼせることが分かりました。
色彩を上手に用いて、食欲がないときには暖色系で食欲を促し、逆に抑えたい時は青色を視界に入れるなど、賢く活用していきましょう。
飲食店では料理を提供する食器の色を工夫し、よりおいしくみせる効果を生み出すことも可能です。また、お店を作る際や改装をする際に色の効果を狙って壁紙や家具の配色を工夫しても良いかもしれません。

そして、バランスの良い色の食事を心掛け、日々健康に過ごしましょう!
 

Ms.小わっぱ

 
 
◆参考文献◆
『暮らしがもっと楽しくなる!色の教科書』学研パブリッシング
『色の法則 衣食住に秘められたラッキーカラー』河出書房新社
『よくわかる色彩心理』ナツメ社
『食べ物は色で選ぶと病気にならない』成美堂出版

 

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