withコロナ時代、2階以上の空中階で飲食店を出店するメリット・注意点とは?

新型コロナウイルスにより、消費者の店舗選びにおいて感染対策が重要視されるようになりました。2階以上の空中階で出店するメリットは、なによりも家賃や初期費用が安いこと。カフェの他、空中階出店と相性のよい業態、空中階における工夫や注意点などもご紹介します。


新型コロナウイルスは収束していませんが、店舗流通ネットでは出店のお問い合わせは増加傾向にあり、出店需要が回復してきている実感があります。
出店するなら路面店で・・・と、物件を探している人は多いかもしれませんが、空中階での出店は路面店にはないメリットがあります。
また現在は、コロナウイルスの影響により消費者の店舗選びの基準や来店動機も変化しています。
今回は、withコロナ時代における空中階での出店メリットについてご紹介します。
 
■Withコロナ時代の飲食店経営に必要な仕入れ・メニューの原価管理について書かれた記事はこちら
【飲食店の売上と利益確保】Withコロナ時代の飲食店経営に必要な、仕入れ・メニューの原価管理法 f:id:tentsu_media:20200728130917j:plain

今後、消費者のお店選びはどうなる?

全国の20~59歳の男女1,032人を対象としたリクルートライフスタイルの外食市場調査「緊急事態宣言後の外食実態調査」(2020年6月)によると、「外食に変わらない頻度で行くつもりだ/行っている」と答えた割合は14.8%。最も多いのは、「頻度を減らして行くつもりだ/行っている」の39.1%となっています。

また、外食のお店選びをする際に気にすることについての項目では、男女ともに「席の間隔が空いているか」がトップとなり、女性に至っては6割以上をしめています。

調査結果から、女性の過半数が、換気や消毒、マスク着用などを気にして店舗選びをしていることがわかります。今後、新型コロナウイルスが収束するまでは、消費者の店舗選びにおいて感染対策が重要視されると予想できます。 
 
路面店であれば、通りがかりに店内を目視できる場合が多く、座席の間隔などの対策を行っているかどうかが分かりやすい傾向にあります。それにより来店を判断するお客様もいると考えられるため、店内が見えない空中階の店舗では、対策していることを発信する方法を考えなくてはなりません。
 
まずは、空中階出店のメリットから見ていきましょう。
 

空中階出店のメリット

○家賃が安い
空中階のメリットは、なんといっても家賃が安いこと。空中階の店舗の家賃は、1階店舗の家賃の60~75%くらいが相場です。家賃が安くなることで、売上に対する利益が出やすくなるのが空中階の一番のメリットです。
 
○初期費用が安く済む
家賃が安いということは、物件取得費用も安くなります。そして、浮いたお金は店舗改装や運営資金に回すことができます。開業してからお客様が定着するまでの期間として、数か月以上は見ておいたほうがよいため、運転資金に余裕を持っておくことで安定的な経営につなげることができます。
  
○他人の目が気にならない落ち着いた雰囲気の店舗づくりが可能
通りがかりに店内が見える設計である路面店の場合、お店の雰囲気は分かりやすいですが、外からの人の目が気になって入店を躊躇してしまうお客様もいるのが事実。その点空中階では、外から見えないことに加えて外の騒音も聞こえづらくなるので、落ち着いた雰囲気のなか、”ゆっくりと過ごせる時間”を提供することができます。
 
○非日常感を演出しやすい
看板の出し方や店舗への動線を工夫することで、非日常感やワクワク感を演出することも可能です。また、プラネタリウムとバーを組み合わせたプラネタリウムバーや、個室が洞窟風になった洞窟居酒屋など、独自のコンセプトを打ち出す店舗にも空中階はマッチします。店外との境界線が見えない空中階のつくりだからこそ、非日常空間を盛り立ててくれるのです。
  

さらに空中階のメリットを活かすには?

○窓から見える景色がいい物件を選ぶ
消費者が飲食店に求めるものは、料理の味だけではありません。そこで味わえる時間を含めた”体験”も、重要な要素の1つです。景色を利用して店舗が作れるのは、空中階ならではの利点です。そのような物件を選べば、窓からの眺めを付加価値としてコンセプトに加え、お店のウリにすることも可能です。
  
空中階出店と相性の良い業態・店舗、工夫や注意点は?

空中階出店と相性の良い業態・店舗

しかし、空中階に向く店舗と向かない店舗というのは存在します。ここからは、どのような業態が空中階店舗に向くのかについてご紹介します。
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まず、ラーメン屋や牛丼屋など、短時間滞在で高回転率が特徴のお店には向きません。このような業態に対する需要は、「サッと短時間で食事ができる」というものが多く、その際に階段やエレベーターを使ってまで、混雑具合の見えない店舗へ行こうとはあまりなりません。また、近隣に競合が多い場合も、空中階は難しいといえます。
 
空中階に向く店舗は、ゆったり時間を過ごせるタイプの業態に向くといえます。その中でも、以下に挙げる3つの要素のいずれかをもった店舗との相性がよいです。
 
■SNSで集客ができる業態
SNSで集客ができる場合、多少の立地の悪さは十分カバーできます。駅の繁華街を抜けて10分ほど歩いた人通りが少ない場所にある店舗でも、SNSでの販促がうまくいけば足を運んでくれることが多いです。
 
■雰囲気やコンセプトが重要視される店舗
落ち着けるお店・怪しい雰囲気のお店・ディープな雰囲気のお店など、そこでの時間を味わうことに価値が見出される業態は、空中階に向いていると言えます。特に、ディープな雰囲気のお店を作るには、空中階ではありませんが地下がぴったりではないでしょうか。路面店であれば、店外からの人の目もある上、店内からも外が見えるため雰囲気が少し欠けてしまいます。その点空中階や地下階の店舗では、自分の作りたいように店舗の雰囲気や世界観を体現することが可能です。
 
■ブランド力の高い大手チェーン店舗
チェーン展開をしていてブランドの知名度がある店舗や、業態として力のある店舗も、空中階に向きます。認知度の高いブランドのチェーン店は、看板などで視認性が取れれば来店につなげることが可能です。
 
特にカフェのような業態は、客単価や回転率が低い傾向にあるため、空中階で家賃を抑えるのは得策といえるでしょう。
 

空中階における工夫や注意点とは?

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空中階の店舗運営の工夫

①店前の看板などでお店の雰囲気を伝える、コロナ対策をアピールする
店前の看板には、店内の全体がイメージできる写真を貼ることをおすすめします。特に現在は、新型コロナウイルスの影響で座席の間隔を気にする方が多いので、入店前に店舗の雰囲気や座席の間隔を知れると入店の心理的ハードルが下がります。座席の間隔がしっかり開いている店舗の写真が確認できれば、お客様も入店しやすいでしょう。自治体が配布しているポスターや無料ダウンロードできるポスターで、感染防止対策を行っていることも併せてアピールするとよいでしょう。
  
②コンセプトを明確にする
コンセプトはどんな飲食店にとっても重要です。しかし、歩いていて目につき来店する、という確率が路面店より低くなる空中階では、コンセプトをしっかり作って「行きたくなるお店」になる必要があります。
「行きたくなるお店」とは、お客様にとって”一番”であるお店です。その一番は、味・価格・雰囲気・店主・目玉メニュー・アクセスの良さなど、さまざまな要素があります。友達とお茶をするときは「あのカフェはコーヒーが本格的でお互いの家から近いな」、ひとりでお酒を飲みたい平日には「最寄り駅のあの店主と話すのが楽しいからあの店に行こう」などと、お客様は自然と、状況や欲求を最も満たしてくれるお店を選んでいます。
そのため、どのようなお客様をターゲットとし、どこに一番価値を置くのかを考えてコンセプトを練るようにしましょう。
 
③SNSの活用
空中階店舗は、路面店より視認性が低くなってしまうためSNSでの集客は必須です。現在では、グルメサイトよりも、写真投稿型のSNSである「Instagram」を使って店舗を探す方も多いです。その他、短い文章投稿がメインの「ツイッター」、文章・写真などが投稿できるツールである「note」など、店舗の特性にあったツールを使い販促しましょう。
  

空中階出店の注意点

①視認性が取れるか確認しておく
物件によっては、1階に看板を出せなかったり、袖看板を出せなかったりする場合があります。通行人の認知度を高めるためには効果的な看板が必須なので、看板の場所が取れる物件かどうか事前に確認しておきましょう。
 
②階段など、店舗への導線で入りづらい雰囲気を出さない
階段やエレベーターの雰囲気が暗いと、お客様が入る際に躊躇して来店をやめてしまうことも考えられます。そのため、そのような物件は選ばないようにするか、あえて逆手に取って怪しい雰囲気をコンセプトにするなどの工夫が必要です。
 

まとめ

空中階での出店は業態を選びますが、ぴったりハマる業態であれば路面店より利益をあげることも可能です。自分の作りたいお店の特性と照らし合わせた上で、家賃を抑えるための選択肢として前向きに考えてもよいのではないでしょうか。

ぴのこ / supervisor:粕やん