【火災保険の選び方】飲食店の保険はいくら?事例で解説!火災・天災・盗難の賠償

飲食店の保険とは。火災保険と賠償責任保険の意味と実際に起きた店舗トラブルの被害、保険認定事例から火災保険加入のおすすめポイントを紹介します。隣接店舗の火災のもらい火による全焼、台風による外部看板が破損、レジ金盗難、ドアの破損、給水管破損による漏水、上階からの水濡れ損害といった実例の被害額と保険認定額はいくらか、失火法や免責、借家人賠償責任保険、店舗総合保険と補償についてもわかりやすく紹介します。

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飲食店に起こるさまざまなトラブルに対応してきた店舗流通ネットの「実録!トラブル対応24時シリーズ」。今回は、実際にトラブルに対応した店舗の火災保険について事例とともにお伝えいたします。

店舗総合保険とは?補償とは? 保険の意味と種類

店舗総合保険とは、店舗用の火災保険に、特約で賠償責任をつけることができる保険です。
保険の種類には、火災保険と賠償責任保険がありますが、この違いを簡単に説明すると、『火災保険とは、自身の損害に対する補償』『賠償責任保険とは、他人に与えた損害に対する補償』となっています。

火災保険と賠償責任保険の違い

火災保険とは・・・自身の損害に対する補償
賠償責任保険とは・・・他人に与えた損害に対する補償
 

店舗トラブルの被害と保険認定事例6選

では、店舗流通ネットが遭遇した飲食店舗のトラブルの火災保険対応の実例を紹介します。

事例① 隣接店舗の火災のもらい火により全焼

隣接店舗で火災が発生し、延焼えんしょうにより、30坪の居酒屋が全焼してしまう。
被害額    26,000,000円
 〈内訳〉 造作什器  18,500,000円
      休業損失  7,500,000円
保険認定額 26,000,000円
 
■ポイント
隣接店舗が火災の原因でしたが、隣接店舗への損害賠償請求ではなく、失火法(※)により火災の被害は自身の加入している保険で補償を受ける事になります。
火災事故は被害が大きくなる事が予想されますので、火災保険への加入は必須事項です。
※失火法とは:失火責任法とも略される「失火ノ責任ニ関スル法律」のことで、「実体験から学ぶ火災保険の注意点 保険の選び方」の記事でも紹介されているように、重過失が無い場合、出火元は隣地の延焼の賠償責任は負わないということ。

 

事例② 台風により、繁華街レストランの外部看板が破損

地上7mの2階ほどの高さ、サイズ 500cm×100cmの内照式看板の盤面が、台風時の強風で破損し剥がれ落ちそうになる。危険を排除するために、盤面を緊急処分し、後日復旧した。
被害額    600,000円
 〈内訳〉 盤面処分費 看板復旧費
保険認定額 600,000円
 
■ポイント
保険の条件の中にはさまざまな免責の設定があります。この店舗の契約内容では『外部被害風災ひょう雪災)は20万円以上の損害であること』が、条件となっていました。

この事故損害額は60万円であり、20万円を超えたため、保険金認定されましたが、20万円未満の被害だった場合は保険金が受領できないことになります。(免責の設定についてはさまざまな条件があります。)
※免責とは:保険金の支払い責任を保険会社が免れることで、自己負担する金額を免責金額といいます。
※雹災とは:ひょうが降ったことで起こる災害。屋根が壊れたりガラスが割れるといった被害があります。

  

事例③ 居酒屋 レジ金盗難

居酒屋のレジ内の現金が盗難される。状況から、店舗の営業終了後に何者かが入口扉のノブを破壊し店内へ侵入、盗難されたとみられる。
被害額     500,000円
 〈内訳〉 売上金     400,000円
      釣銭準備金   25,000円

      ドアノブ修理費 75,000円

保険認定額  475,000円
 〈内訳〉 売上金     400,000円
      ドアノブ修理費 75,000円

■ポイント
保険の契約内容に現金盗難被害を補償対象に入れていたため、売上金が補償されました。
保険に加入する際に、現金盗難を補償に入れるかどうか、決めなければいけません。
なお、この件の補償の対象は売上になっていたため、釣銭準備金は補償対象外となりました。
 

事例④ お客様による器物破損

居酒屋のトイレのドアの破損が見つかる。状況から、お客様がトイレ室内で体勢を崩され、扉を破損したとみられる。
被害額   120,000円
保険認定額 90,000円

 
■ポイント
この店舗の保険契約の免責(自己負担)が3万円に設定されていたため、被害額と保険認定額に差額が出ています。免責の設定金額は保険契約時に選ぶ事ができますが、免責額を低く設定すると、その分保険料は高くなることが想定されます。
また、本来このような器物破損のケースは、扉を壊した方に賠償していただく内容ですが、壊したお客様が特定できなかったため、店舗の火災保険で補償を受けた事案です。
 

事例⑤ 水濡れ損害 給水管破損による客席への漏水

居酒屋のドリンク場で、スタッフがビールの樽を給水管にぶつけ破損。隣接する客席へ漏水し、床造作を漏水汚染してしまった。
被害額    130,000円
 〈内訳〉  給水管と床造作の補修
保険認定額 100,000円

 
■ポイント
突発的事故」により給水管が破損した事から保険が認定されております。仮に給水管の「経年劣化」であった場合は、補償の対象にはなりません
また、この事故でも免責が3万円に設定されていため、被害額と保険認定額に差が出ています。
 

事例⑥ 上階テナントからの水濡れ損害

上階テナントから漏水し、店舗の天井造作や機器類が水濡れ被害。またこの被害で店舗休業となる。
被害額    2,000,000円
 〈内訳〉 造作・機器類 1,800,000円
      休業損失    200,000円
保険認定額 2,000,000円

 
■ポイント
上階から受けた損害は本来は上階テナントへ損害賠償請求する内容ですが、この件は上階テナントが応じなかったため、やむを得ず被害を受けた側で加入していた保険(※水濡れ損害が補償対象になっている保険)で補償を受けております。この場合は保険会社が求償権を取得するため、場合によっては保険会社から上階テナントへ費用請求する可能性があります。
 

火災保険加入のポイント

火災事故が起こると、大きな被害を受けることがあります。火災保険は支払保険料ばかりを気にするのではなく、自身の店舗を一から作り直せる金額を目安に選びましょう。
また、賃貸借物件の場合は、必ず借家人賠償責任の特約がついている保険を選びましょう。
※借家人賠償責任保険とは:賃借している物件に火災、破裂・爆発、水ぬれなどの損害を与えてしまった場合、貸主への損害を賠償する保険です。火災保険の特約としてセットになっているものが多く、借家人賠償責任特約とも呼ばれています。
  

トラブル時の保険対応のポイント

保険金を請求するには、事故資料が必要になります。
事故日や事故原因、損害物の写真、損害品の価格(見積りなど)を揃えて保険会社へ相談しましょう。
保険の補償が出るかどうか、自身で判断せず、まずは保険会社に一報を!
 

まとめ

保険とは、さまざまなリスクから守るために、なくてはならないものです。
店舗を開業する際には加入が必須です。また、保険には契約期間があります。必ず保険契約の期間をしっかり把握し、忘れずに更新を行いましょう。

今回は『自身の損害に対する補償』の火災保険について紹介してきました。『他人に与えた損害に対する補償』として重要な『賠償責任保険』については、また次の機会で紹介したいと思います。

陸上型ネオンテトラ

 

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