店舗開発担当が教える!飲食店の物件の探し方から物件取得までのコツ・ポイント

飲食店開業の際の店舗物件取得までの流れとポイントを紹介します。店舗物件を探す前に考えること、事業計画でコンセプトやターゲットを明確にし、出店の希望条件・物件探しの代表的なパターン・内見でチェックすべきガスの容量・入居申込みに必要なもの・入居審査で見られること・個人の場合と法人の場合の物件契約と注意点を説明します。

飲食店開業の際に、まず最初に行うのが物件の契約。さあ物件を探そう、と探し始めたはいいものの、自分の理想にぴったり合う物件となかなか出会えない・・・
そんなことも多々あるかと思います。
物件探しは、探すまでの準備をしっかり行い、探し方を工夫することが重要です。
 
今回は、店舗物件を取り扱っている店舗流通ネットの店舗開発担当【粕やん】が、物件探しの流れをポイントとともにご紹介します。
店舗開発担当が教える!飲食店の物件の探し方から物件取得までのコツ・ポイント

物件取得までの流れ

まず、物件取得までのフローを確認しておきましょう。基本的な流れは、以下のようになります。
店舗物件取得の流れ
 
物件の申込みおよび審査には、物件によりますが1~3週間ほどかかります。スムーズに進められれば、物件を見つけてから1ヶ月後には入居・工事が開始できます。
 
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Point! 物件取得において大事なのはスピード感。物件の申込は、早く意思表示した方を優先する会社も多いため、内見前に申込みをしたり、内見時にその場で申し込む人も多いです。
 

物件を探す前に考えること

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あなたの手元に、事業計画書はありますか?まず、実際に物件を探す前に、事業計画書でどのような店舗を運営するのかを明確にしておく必要があります。
この段階で条件をしっかり固めておかないと、いざ店舗をオープンした後に、こんなはずじゃなかった・・・という事態にもなりかねません。まずは、物件を探す前に必要な準備を見ていきましょう。
 

事業計画書でコンセプトやターゲットを明確に

事業計画書とは、どのようなお店を開業するのか、売り上げはどのくらいを想定し、どう運営していくのか、どのように資金を調達し、どのように返済をするのかなどを記載するもの。融資を受ける際や、物件を借りる際の説明資料・説得材料になります。
お店をしっかりと運営していくためには、現実的な事業計画を立てる必要があります。
 
事業計画書でお店の運営指針をしっかりと立てておくことで、どのような物件を探すのかが明確になるうえ、物件申込みまでスムーズに進めることができます。
 

出店の希望条件

まず、物件取得には、以下のような費用が発生します。
 
・保証金(敷金)
賃料の8~12ヶ月分が相場。退去時に償却分を差し引いて返却される。
 
・仲介手数料
物件を仲介する不動産業者に支払う。賃料の1ヶ月分。
 
・企画料・情報提供料
未公開物件の際にかかる場合が多く、かからない物件もある。賃料の1~2ヶ月分が相場。
 
・礼金
賃貸人へ支払う。賃料の1~2ヶ月分が相場。かからない物件もある。
 
・前家賃
契約日から翌月分の家賃を先に支払う。
 
居抜き物件の場合は上記の他に、造作物譲渡代がかかります。相場はピンからキリまで。加えて、造作を譲渡してもらうにあたり、紹介元の業者に支払う造作手数料が必要な場合もあります。
 

◆立地

希望に合った物件を見つけるためには、出店場所を駅名で探すよりも、駅の特徴で探すほうがよいでしょう。都市部であれば、以下のような分け方が考えられます。
 
1.ターミナル駅
2.住宅エリア
3.オフィス街
4.学生街
 
それぞれの立地に強み・弱点があるので、その点もしっかり考慮しましょう。たとえば、オフィス街であれば土日の集客が難しいこと、学生街には春休み・夏休みなど、学生の長期休みの期間は街が閑散としてしまう、という落とし穴があります。
 
また、立地は一等地の方がよいと思われがちですが、最近ではSNSからの集客がメインである店舗もあります。駅チカになると賃料も上がるため、お店のターゲットやコンセプトにあわせ、物件を選ぶことが重要です。
 
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Point! 特定の駅にこだわりを持って物件を探している方とたまにお会いしますが、1つの駅にこだわっている方は理想とする物件が出てこず、出店できないことがほとんどです。オフィス街、繁華街、学生街など、広い視野で探す方が物件は多く出てくるので、あまりこだわらない方が良いでしょう。
 
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Point! 人通りが多くても、帰宅目的の人が多いだけというケースがあります。
逆に、人通りが少なくても、近隣店舗は満席であるケースもありますので、目的意識を持った人が集客へ繋がるかどうかという点も、重要となってきます。
 

◆広さ

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物件は、坪単価(一坪あたりの値段)×坪数(広さ)が賃料です。坪単価は、エリアによって相場が変わり、駅に近づくほど高くなるのが一般的です。事前に物件情報サイトなどで、出したいエリアの坪単価の相場を調べておくと、物件の判断もしやすくなるでしょう。
 
広さは、オペレーションも考えて想定しましょう。広ければ広いほど、お客さんを集客できれば利益につながりますが、広くなるほど賃料も上がり、人を雇用するとなると人件費がかかってきます。自分の理想とする店舗のオペレーションを明確にしておく必要があります。
 

◆賃料

店舗の家賃は、月の売上の10%が理想的だといわれています。そこで考えるのは、見込まれる売上高。売上高は、以下の計算式で想定します。
 
売上高=坪数×坪当たり席数×満席率×客席稼働回数×客単価
 
坪当たりの席数は、一般的な店舗であれば1.3~1.5席。リッチにゆったり取るお店なら1、居酒屋など、詰めて座席を用意する場合は1.8で計算します。
 
満席率は、空席がなく満席であれば1.0で計算します。実際には、4人席に2~3人で座る場合もあるので、それも考慮して数字を出しましょう。一般的には、飲食店の稼働率は60~70%と言われており、70%以上の稼働率が望ましいとされています。計算上の数値は、0.6~0.7を目安に計算するとよいでしょう。
 
客席稼働回数は、「正味営業時間÷平均滞在時間」で計算します。正味営業時間は、実際にお客さんが来店する時間帯からを営業時間とみなします。

例:15坪の居酒屋の場合

まず、客席稼働回数を計算します。正味営業時間を19:00~24:00、2時間でお客さんが入れ替わると想定すると、
客席稼働回数=5(正味営業時間)÷2(平均滞在時間)
となり、客席稼働回数は「2.5」となります。これを下の式に入れ込み計算をすると、
 
売上高=15(坪数)×1.8(坪当たり席数)×0.6(満席率)×2.5(客席稼働回数)×3,000(客単価)
 
となり、一日の売上高は121,500円という想定になります。これに月の営業日数をかけることで、想定月商を出すことも可能です。
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Point! 物件にこだわりすぎて、店を探し始めて3ヶ月以上経っている方は、そのまま1年出店しないケースが多くみられます。こだわりは持ちすぎず、ポイントだけ抑えての出店をお勧めします。
 

物件探しの代表的な3つのパターン

物件を見つける方法はいくつかありますが、代表的なパターンを紹介します。
 
1.店舗情報を取り扱っている会社から紹介してもらう
2.不動産業者から紹介してもらう
3.閉店を考えている飲食店オーナーから造作を買い取り、出店する
 
2と3に関しては、定期的に訪問し、関係性を作らないと物件を紹介してもらうことができません。不動産業者も飲食店オーナーも、やはりお付き合いのある方、信頼できる方に物件を貸したい、譲りたいと考えるものです。そのため、飲食店オーナーや不動産業者と完成性を構築することがポイントです。
デメリットは、やはり時間も手間もかかってしまうこと。
 
1の、店舗情報を取り扱う会社は、物件を探すことに注力して動いているので、2や3と比べて情報量が多かったり、未公開の物件や、良質な物件を多く保有していたりというメリットがあります。「店通-TENTSU-」を運営している店舗流通ネットも、1に該当します。
 
自分で物件開発をする余力があるなら、定期的に情報集めの活動をする方が良質な物件は出てくると思います。しかし、自分が飲食店の現場に入っていたりと、時間の余裕がない場合や、早期の多店舗展開を考えている方は、当社のような会社に開発業務を任せて良質な物件を狙う方が確実かもしれません。
 
良質な物件探しはお任せしたい!そんな方はこちらからお問い合わせください。

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Point! 飲食店オーナーは、退去する際に、知り合いに名義変更で入居してもらったり、造作を買ってもらったりする場合が多くあります。そうすると、不動産業者も解約予告をもらった時点で次の入居者がいる形なので、公に情報として出てきません。最近多くなってきているケースです。
 

内見でチェックすべきポイント

店舗の内見では、ガスの容量をしっかりチェックしましょう。物件を借りたあとで、ガスの容量が足りないことに気づいても、増やすには多額の費用がかかったり、場合によっては増やせないこともあるからです。15坪の店舗においては、以下の容量が目安になります。
 
15坪飲食店に必要な容量目安
6号・・・カフェ、バー、小料理 等
10号・・・居酒屋、和食、洋食 等
16号・・・ラーメン、中華、焼肉 等
 
居抜き物件の場合には、ガス容量の他にも、
・グリストラップの有無
・防水の有無
・厨房機器、エアコン、排気等動作確認
 
このあたりのチェックが必要になります。
厨房機器の中には、リースやレンタル品が残っている場合もあります。設備があると思い込んで入居したものの、リース品だった冷蔵庫がなくなってしまっていた、なんてことも。そのため、リース品やレンタル品の確認もしっかり行いましょう。ガス容量の確認方法など、詳しい内見のチェックポイントはこちらからご覧ください。
  
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Point! 居抜き物件が多くなってきていますが、自分がそのまま使用できる居抜き物件はほとんどありません。多少の改装や修理は覚悟しておかないと、汚いから買えない、などといった理由で物件を決めかねる可能性があるので注意した方が良いでしょう。
 

入居申込みに必要なもの・入居審査で見られること

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入居申込み

入居申込みは、スピードが肝心。ここで迷って他の方に先に申込みをされてしまうと、その方が審査で落とされない限り物件を借りられる可能性はゼロです。申込み後でも取り下げは可能なので、早めに申込みを行うのがよいでしょう。
 
なお、賃料等の交渉が必要な場合はここで行いましょう。注意点として、他に申込者がいる場合は、減額交渉のない方が優先されることもあるので、不動産業者に申込状況を確認してからの方が賢明です。
 
申込みに必要な物は、以下の通り。
個人の場合
・借主と連帯保証人の個人証明書(免許証・健康保険証など)
 
法人の場合
・法人謄本、決算書(直近のもの)
・連帯保証人予定の個人(代表者)の個人証明証
 
融資を受ける場合は、物件の申込みと同時に融資の手続きも進めましょう。

入居審査

入居審査は、その人に物件を貸しても問題がないかを審査すること。物件を所有している大家は、やはり人としても事業者としても信頼できる人に物件を貸したいと考えます。

そのため、ここで考慮されるのは、事業者としてどれだけ信用できるのかという与信や、事業計画がしっかりしているかどうか、また、事業を行うにあたりどのくらい熱意があるのかなど、人柄が考慮されるケースも多くみられます。
   

物件契約と注意点

物件の申込みが完了し、入居審査にも通過すれば、いよいよ物件の契約。契約前には、契約の内容が平等であるかしっかりと契約書で確認を行いましょう。
 
店舗物件において、特に注意すべき点は、普通借家契約であるか、定期借家契約であるか。定期借家契約の場合、契約期間満了時に契約更新ができず、退去せざるを得ない場合があるのです。借りたい物件が定期借家契約である場合には、なぜ定期借家契約なのか?更新を行える可能性はあるのか?などを確認しておく必要があります。
 
物件契約においては、以下の書類が必要になります。
 
個人の場合
・契約者の住民票、印鑑証明書、身分証明書、収入証明書
・連帯保証人の住民票、印鑑証明書、身分証明書、収入証明書
 
法人の場合
・登記簿謄本
・決算書
・印鑑証明書
・連帯保証人の住民票、印鑑証明書、身分証明書、収入証明書

物件探しなら店舗流通ネットへ

今回は、物件探し~物件取得までの基本的な流れについてご紹介しました。
先ほども述べたように、店舗物件はテナント間で次の入居者が決まってしまうケースが多いです。われわれ店舗流通ネットは、820店舗近くを業務委託で運営しているので、その中の物件から解約店が出た際、世間に公表される前に情報を知ることができます。
契約実績も3,000店舗以上あるため、不動産業者、飲食店オーナーとのつながりも多く、当社が賃貸人側の保証をできるため、与信に自信がない方でもよい物件を借りることが可能です。
 
物件探しで悩んでいる方、当社の非公開物件情報をお求めの方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
  

粕やん

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