【商業ビルを建てる】ビル新築におけるビルオーナーの理想と飲食ビル建築時の対策

ビルの建て直しをする際、どんな建物が建てられるのか?建築できる建物の調査から、建築工事開始までの流れと工程表を計画します。ビルオーナーの悩み、イメージを伺い、不動産管理とビル管理で学んだ「ビルの設計~建築時の注意点」をお伝えします。商業ビル、飲食ビルの設計および建築時の重要なポイントと、店舗流通ネットの不動産管理について紹介します。

今回、店舗流通ネットの不動産管理でお世話になっている、ビルオーナーが所有するビルの建て直し計画をお手伝いすることになりました。
オーナーのビルへの思い、心配ごと、理想とする新築ビルについてうかがい、店舗流通ネットならではの視点で、商業ビル、飲食店舗ビルの新築について考えました。
「どんなビルを建てたいのか?」というオーナーの悩み、「どんな建物が建てられるのか?」の調査方法、建築工事開始までの流れについてご紹介します。

どんなビルが建つか? どんな建物が建てられるのか?

オーナーが所有するビルの立地場所は、上野。言わずと知れた大繁華街のアメ横を始め、山手線・京浜東北線・常磐線他計11路線が乗り入れる大商業地域です。
このアメ横近くの繁華街に、オーナーのビルは位置します。

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オーナーが考える新築計画は、そんな立地を生かす「飲食ビル」です!
新築ビルを建てる計画段階での、ビルオーナーのイメージは次のようなものでした。 

■オーナーが建てたいビルのイメージ

・ 飲食ビルで、収益最大化を目指したい!
・ 設計・施工(建築)を分離したい!

■オーナーの悩み、危惧

・ 既存の敷地でどのくらいの広さ、高さの建物が建てられるのか?
・ 設計から工事開始、そして完了までの期間はどれくらいかかるのか?
・ 飲食ビルに必要な、看板や間口はどのように作るか?
・ 飲食店舗に必要な設備は何か?
・ テナント区分の工事にはどんな準備が必要なのか?
 

「どんな建物が建てられるか」調査の流れ

それではまず、どんなビルが建てられるかを調査する流れから説明します。

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step1 敷地概要を調査

A.敷地面積の確認
B.用途地域の確認
C.建ぺい率の確認(建築面積の上限を決める)
D.容積率の確認(延床面積の上限を決める)
さらに、都市計画で決められた「指定容積率」と「前面道路の幅員によって決められた容積率」を確認。
→敷地概要から「●階建・延床●●●㎡」という、建築可能な「建物規模」が見えます。

step2 さらに、いくつかの制限の確認をします。

E.高度地区の摘要確認 
F.地域地区の摘要確認(建物の用途や容積率などに制限)
G.地区計画の摘要確認(地区レベルで作成するまちづくりプラン)
H.日影規制の摘要確認 
 

step3 その他、関連法規をみます。

I.建築基準法
J.消防法
K.東京都建築安全条例
L.東京都福祉のまちづくり条例
 

step4 ここで、建築可能と想定される「建物の概要」が見えてきます。

建物の概要
・建築可能な高さ
・計画区画数(フロアー数)
・建築面積
・延床面積
・容積対象延床面積
・各専有面積
 

この結果を、オーナーの建物に当てはめてみます。

オーナーの敷地概要
敷地面積 180.90㎡ (54.72坪)
用途地域 商業地域
建ぺい率 100% 指定建ぺい率80%+耐火建築物緩和
容積率 360% 指定容積率800% 道路幅員6.0m×6
高度地区 なし
地域地区 なし
地区計画 なし
日影規制 なし
道路幅員 (西側)6m (東側)6m

 
建築可能な建物概要例

構造規模 鉄骨造6階建て
計画区画数(フロアー数) 6区画
最高の高さ 22.30m
延床面積 682.05㎡ (206.32坪)
専有面積 1F105.03㎡ (31.77坪)
2F~4F111.03㎡ (33.59坪)
5F95.92㎡ (29.02坪)
6F80.16㎡ (24.25坪)

→結果、6F建て延べ床682.05㎡、各階の専有面積が分かりました。
 

建築工事開始までの流れを計画します

建築する建物の概要が定まったら、建築工事開始までの流れを工程表にします。
効率良く進行させるためには、工程の計画と管理が重要です。
建築工事開始までの工程表
建築工事開始までの工程表

【重要】商業ビル、飲食ビルの設計および建築時のポイント

店舗流通ネットには、800店を超える店舗と3000件を超える契約実績で培った飲食店舗のノウハウがあるため、ビル管理とビルソリューションサービスで学んだ商業ビルの設計~建築時の注意点をオーナーにお伝えすることができます。

階高かいだか(中間階FL~FL)は、3.6m以上が必要
専有部内は、テナント工事で給排水管の勾配こうばいが必要なため、300mmの上げ床を想定すると、階高(床から上の階の床面までの高さ)は、3.6m以上が必要になります。

体に関わる、排気ダクト・空調冷媒管などの注意
建築時に、設備の立ち上げルートや設置場所の確保を想定します。これができていないと、新築の外壁や防水箇所へ穴やキズを付ける原因となったり、設置場所を統一できず、美観やメンテナンスに影響がでてしまいます。

◆電気・ガス・給排水設備の適度な容量設定
入居するテナントの業態によって、必要となる電気・ガス・給排水設備の容量は大きく変わります。容量が小さいと、入居可能なテナント、業態が限られてしまい、空室リスクを招いてしまいます。

間口まぐちの確保は、収益最大化のポイント!
テナントの出店条件で、間口の広さはキーポイントです。
大きな間口と魅力的なファサード(建物の外面)は、通行人に店舗の存在を強くアピールし集客につながるため、高い賃料での入居申し込みが集まります。

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視認性の高いエントランスの例(店舗流通ネット:TRUNK椿町)
◆看板の位置と大きさ、数
間口と同様に、看板は店舗の収益に大きく影響します。ファサードが作れない空中階への集客効果を担う「視認性の高い看板」があれば、賃料や看板料のアップにつながります。

◆空中階へ誘導するエレベーターや階段の位置
上階(3階以上)の店舗にお客様を誘導するためのエレベーターと、導入の位置も大切です。間口から奥へ行けば行くほど人の流れは鈍化します。

 
◆屋上の整備とリスク管理
各テナントが使用する空調室外機や排気ダクト(ファン)は、屋上に設置することが多くあります。
空調室外機は200Kg以上あるものが多く、限られたスペースでは空調室外機を上下2段に並べることも多くあります。しかし、地震や強風時に室外機が転落するという危険性があり、設置する際には固定が必要です。ところが、屋上の防水箇所へアンカーなどを打つと防水の意味がなさなくなるケースも考えられるため、事故や建物の安全性を守る上でも、設計建築時に想定されるケアが必要です。

店舗流通ネットの不動産管理とは

最後になりますが、店舗流通ネットでは、竣工しゅんこう後の建物の管理清掃・法令点検・設備管理など】はもちろん、リーシング空室対応】、賃貸借の問題解決だけでなく、建築工事の設計施工のアドバイス、監理も行なっています。

建物所有者様の大切なビルの安全と資産を守るだけでなく、入居されるテナント様にも専門的な立場からアドバイスができます。建物に関するお悩みがございましたら、ぜひ店舗流通ネットまでご連絡ください。


ダイマルテキサス

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