青山学院大学学食の秘密に迫る!創意工夫が盛り沢山!旨い、安いが生まれるワケ

ハイセンスでハイブランドなお店が集まる渋谷、表参道、青山エリアで運営している青山学院大学の学生食堂。一般の方も利用ができる青山学院大学の学生食堂の仕組みとは。毎日大勢の学生を相手にする学生食堂ならではの工夫から、67年も愛される学生食堂の秘密について、青山学院大学の学生食堂に取材をさせていただいたお話を紹介します。

こんにちは。よしです。
普段仕事で多くの飲食店と関わっていますが、お店によってさまざまな創意工夫をされています。
今回はその中でも、学生食堂に注目しました。

私は、青山学院大学の出身なのですが、飲食店の多い渋谷、青山エリアで運営している学生食堂の仕組みが以前より気になっていました。
学生食堂は多くの人に馴染みのある飲食店だと思います。
毎日大勢の学生を相手にする学生食堂ならではの工夫から、食に携わる上での発見を得られるのではないでしょうか。

今回、青山学院大学の学生食堂に取材をさせていただけることになったので、そこでうかがったお話をご紹介したいと思います。
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青山学院大学学生食堂に迫る

東京メトロ表参道駅で下車し、地上へ出ると、そこはハイセンスでハイブランドなお店が集まる、人の行き来がにぎやかな交差点。
その交差点から渋谷方面へ少し歩いた所にあるのが、青山学院大学です。

われながら、なんて恵まれた立地の大学に通っていたのだろうかと改めて思います。
そして、今の会社で働くようになってつい考えてしまうのは店舗の賃料相場。賃料相場の高いエリアだからこそ、このエリア一体の客単価は少し高いのですが、学生食堂は、そんな中にある学生の心強い味方です。

今年で67年目を迎えた青山学院大学学生食堂は、株式会社アイビー・シー・エス(以下、IVYCSといいます)さんのもと、

『食堂を「食事をする場」から「食事を楽しむ場」へ』

をコンセプトに運営されています。
学生食堂ができた当時は、終戦から7年ほど経ってはいたものの街並みも今とは異なり、周辺に飲食店はあまりありませんでした。
そんな中、学生や教職員のために、安価でボリュームのある食を提供しようと始めたのがきっかけだそうです。

2012年には、学生達に「イチナナ」の愛称で親しまれている、おしゃれなカフェテリアが17号館に新設され、2017年9月には、本屋と文具とCafeが併設された「AGU Book Café」がオープンし、学生達のあらゆる“食”を支えています

取材には、青山学院大学の先輩(時期はまったく被っていませんが)でもある会社の先輩2人に同行してもらったのですが、学生時代からの変わりように驚いておりました。

今回は、そんな私たちと、ご協力いただいた IVYCSフードサービス事業部・部長蜂須賀はちすかさん でお送りしていきます。

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▲ゆったりとしたおしゃれな空間が広がる「イチナナ」。1000弱の席数がありますが、窮屈きゅうくつさを感じさせません。

学生のニーズに応える学生食堂、メニュー誕生の裏側とその変遷とは?

それでは早速、インタビューに移っていきたいと思います。
学生食堂のメニューにも流行などの傾向はあるのでしょうか?

f:id:tentsu_media:20190523133735j:plain学生食堂ができた当時は、周辺に飲食店が少なかったとのことですが、どのような変化を遂げてきているのでしょうか?

f:id:tentsu_media:20190523133810j:plain昔の学生食堂は、比較的洋食がメインで、肉やボリュームのある食事を安価で食べていただくということに重きを置いておりました。
ですが、時代とともに“食育”に目を向けるようになり、和定食を出し始めたり、最近は、100円朝食キャンペーンに取り組んだりしています。

f:id:tentsu_media:20190523133735j:plain100円朝食!?それは学生にはとてもありがたいキャンペーンですね。

f:id:tentsu_media:20190523133810j:plain朝食を抜いてしまう若者が多いと思うのですが、朝食は1日の食事の中でも重要な役割をもっています。そんな朝食を食べる習慣をつけてもらうためにも、本来300円の朝食を大学後援会から支援いただき、100円で学生さんにご提供しています。
また、学食NEWSのような形で、素材の案内を出したりもしています。

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▲100円朝食のメニューは、毎日異なり、飽きることがないよう工夫されています。 

f:id:tentsu_media:20190523133735j:plainなるほど。その他青山学院大学ならではのことはありますか?

f:id:tentsu_media:20190523133810j:plain2002年に7号館、通称「チカナナ」食堂がリニューアルしたのですが、その時に「表参道」「西郊の森」など青山学院大学に関わるユニークなメニュー名が誕生しました。

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▲さすが学食といった安さ!青山学院大学ならではのメニュー「青山物語」などは、お昼過ぎということもあり、既に完売。

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▲多くの学生が食を楽しめるよう、こんなフェアも・・・。券売機は、ピーク時にも対応できるようたくさん設置されています。

愛されるメニューの生まれ方

実は取材日当日、私たちも学生食堂のメニューを堪能たんのうさせていただいたのですが、まず始めにそのメニューの多さに悩まされました。迷った挙句あげく私が選んだのは、学生の間で常に人気の上位を占める油淋鶏ユーリンチー。懐かしの味は、今も変わらず絶品でした。 

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もちろん、どのメニューもおいしいだけではなく、ボリューム満点で、懐にも優しくみんな大満足!

学生の頃、当たり前のように利用していた学食のありがたさに、今更ながら感謝です。
ちなみに、青山学院大学で長年愛され続けているメニューといえば、「ビーフシチュー」「油そば」。ビーフシチューは、自分にご褒美をあげたい日に食べていた記憶があります。

さて、そんな学食のメニューたちですが、どのように生まれているのでしょうか?
メニュー開発について詳しく教えていただきました。



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◆先程、食堂のリニューアルとともに青学オリジナルのメニューが誕生したお話をおうかがいしましたが、学食のメニュー開発は、どのように行っているのですか?

蜂須賀さん:週1でシェフにメニューの提出をしてもらい、それに修正を加えながらメニュー化し、定番メニューの他に毎週違ったメニューも提供するようにしています。

他にも、10年ほど前から始まった取り組みなのですが、学生さんとコラボしたメニューも提供しています。

イベントの際にも特別メニューを提供するようにしています。あまり知られてはいないのですが、母の日を日本に紹介し、定着させたのが青山学院の3人の女性宣教師なので、つい先日は、“母の日”とコラボした「母の日特別メニュー」を提供させていただきました。
箱根駅伝の時期には「箱根駅伝応援メニュー」を提供したり、イベントごとに楽しめるメニュー作りを心掛けています。

メニュー決定の決め手は?

◆なるほど。では、メニューを決める上で最も重要視していることはなんですか?
 
蜂須賀さん:バランスを重要視しています。
肉料理でいえば、牛、豚、鶏というように、肉の種類に偏りが生じないよう、バランスよくメニューに入るようにしています。見た目も同様に、彩りのバランスを大事にして作っており、味付けも、麺と米飯で偏りすぎないよう注意しています。

また、青山学院大学には「イチナナ」・「チカナナ」と学食が2つあるのですが、2つの学食でメニューが重複しないよう気を付けています
食材は同じ場所から仕入れているので重なりやすいのですが、同日に同様のメニューが提供されることはないように工夫しています。

実は違う「イチナナ」・「チカナナ」

◆「イチナナ」・「チカナナ」で、提供されるメニューの傾向などはあるのですか?

蜂須賀さん:あります。17号館「イチナナ」では「ヘルシー&ベジタブル」を掲げており、7号館「チカナナ」は「スタンダード&ノスタルジック」という、昔ながらの学食をコンセプトにしています。
両方で提供しているカレーですが、実は、「イチナナ」は「ポークカレー」、「チカナナ」は「チキンカレー」になっています。ご存じでしたか?
また、人気の鶏メニューですが、「イチナナ」は「油淋鶏」、「チカナナ」は「チキン南蛮」になっています。

衛生面や食品ロス、飲食にまつわる課題への取り組み

「イチナナ」・「チカナナ」の面白い情報を聞いたところで、今度は食品に関わる上で切っても切れない衛生面について、そして、いま全世界で問題になっている“食品ロス”について質問してみました。

f:id:tentsu_media:20190523133735j:plain席数も「イチナナ」は1000弱、「チカナナ」は900弱と、表参道という都心でもきちんと確保されており、多くの学生さんが利用している学生食堂ですが、やはり衛生面には気を使っていますか?

f:id:tentsu_media:20190523133810j:plainもちろんです。衛生管理システムを確立し、年に2回は衛生講習会を開催しています。従業員には、月1回の細菌検査を実施し、食品衛生教育を徹底して行っています。

f:id:tentsu_media:20190523133735j:plain学生さんに安く料理を提供できる背景には、同じ食材を大量に仕入れるなどの工夫があると思いますが、大量に仕入れるということは、その分食材ロスのリスクを抱えることになるのではないですか?

f:id:tentsu_media:20190523133810j:plain期日管理をすることはもちろんですが、無駄にならないで済むレシピを常に考えています。また、学食メニューの中にある「シェフの気まぐれ」は、食品ロスを減らすために作られたメニューなので、日によってはかなり豪華になる日もあります。学生食堂を利用される機会がある方は、ぜひチェックしてみてください。

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▲大人数にも対応できるよう、大きな鍋で毎日愛情を込めた料理を作ってくれています。

まとめ

今回取材にご協力いただきました株式会社アイビー・シー・エスの蜂須賀さん、お忙しい中、貴重な時間を割いてくださり、本当にありがとうございました。
さまざまな視点からお話をしていただき、学生時代には分からなかった、新たな気付きがたくさんありました。

「福利厚生の一端として今後も学生に喜んでもらえる学生食堂を目指しつつ、現役の学生だけでなくOB・OGの方々にも懐かしいと言ってもらえるような食堂にしていきたい」

と学生食堂への想いを語ってくださった蜂須賀さんの言葉に、卒業生としてとても胸が熱くなるものがありました。

学生や周囲の状況に合わせ柔軟に対応をする一方で、常にリスクを減らし、こだわりをもって妥協せずに取り組んできたからこそ、67年も愛される学生食堂を運営してこれたのだと目の当たりにしました。
変化を受け入れ、経験を織り交ぜながら工夫していくことは、飲食店の運営にも役立つことがあるのではないでしょうか。

実は、青山学院大学の学生食堂は、一般の方も利用ができます。絶品で、良心的な値段の学生食堂として、さまざまなメディアにも登場しているこの食堂。渋谷、青山周辺に訪れた際は、ぜひ立ち寄ってみてください。学生の利用が少なくなる14時以降がおすすめです。

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よし

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