サードウェーブから学ぶ 消費行動のニューノーマル

「サードウェーブ」ってなに?『ブルーボトルコーヒー』 飲食業界のニュースでこのお店を思い浮かべる方も多いのでは? でも結局どんなコーヒー? 『猿田彦珈琲』は? 『URTRA』は? ならば、サードウェーブ各店舗をはしごしてレポートします。 さらにポストサードウェーブも大胆予測!

コーヒーの新年度、はじまりました

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さて、先日10月1日(土)からコーヒーの新年度となりましたね。
 

10月1日は「コーヒーの日」です。
国際協定によって、コーヒーの新年度が始まるのが10月で、この日がコーヒーの年度始めとなります。さらに、日本では、秋冬期にコーヒーの需要が高くなることから、1983年に、全日本コーヒー協会によって、10月1日が「コーヒーの日」と定められました。

引用:コーヒーの日 | 全日本コーヒー協会

 
・・・・・・そんなの知らんがな。という声が聞こえてきそうですが、この記事をきっかけに覚えておいていただければ幸いです。
 
 

コーヒー業界の『今』 ブルーボトルコーヒー注目の理由

という訳で本日は新年度らしく「コーヒー界の新しい常識」について書いていきます。
 
コーヒー業界の新しいニュースとしてこちらのお店を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?
 

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bluebottlecoffee.jp
 
2015年2月に都内1号店をオープン。清澄白河を一躍全国区に押し上げた米発の人気コーヒー店、ブルーボトルコーヒー。2016年9月16日(金)には都内4店舗目を六本木の新商業ビル内にオープンしました。サードウェーブコーヒーの先駆けとなっている同店は、上陸から間も無く2年経つ今もなお、コーヒーファンのハートを掴んで放さない様子。
 

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最近よく聞く「サードウェーブ」って結局なに?

 
流行のキーワード」が出てきましたので、本題に入る前にまずはコチラからご説明しましょう。おととし辺りに巷を席巻した一大コーヒーブーム、サードウェーブ。サードウェーブ男子なる造語まで現れたこの現象。もやっとした理解の方も多いのではないでしょうか。ひとまず『サードウェーブ』とググってみます。
 

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今注目の第3の波「サードウェーブ」。
新しいビジネスとカルチャーがひとつになって確立している時代。
コーヒーの生産地への配慮や価値などが注目されるようになり、コーヒーがカップに運ばれるまでのトレーサビリティ、豆の素材や淹れ方など、各々の工程にこだわるスペシャルティコーヒーが注目されています。そして世界中でハンドドリップで一杯ずつ丁寧に淹れるスタイルがトレンドに。

引用:コーヒー業界の新潮流!3分でわかるサードウェーブコーヒー│ジョージア ヨーロピアン

 
で、結局どんなコーヒー?」がよくわかりません。
 
 

実際に体験してわかる、サードウェーブの定義

ならば、と自ら話題の店をはしごして調査してきました。その結果、いくつかの共通点が浮かび上がってきます。
 
①厳選された豆を使用
②自社工房で豆を焙煎
③ハンドドリップによる抽出
④コミュニケーション
 
つまり、サードウェーブコーヒーは一概に『コレ』といった決まりはありません。一杯いっぱい心を込めて淹れられるコーヒーの体験。お店が異なれば、そこで『体験』するコーヒー時間も異なる。
 
しかし、この説明では「で、よくわからない」ままになってしまいますので、ここからはサードウェーブと呼ばれている各店舗の特徴をレポートします。
 

ブームの牽引役 猿田彦珈琲の場合

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sarutahiko.co
 
創業からわずか5年余りの間に都内で7店舗を展開。缶コーヒーブランド、ジョージアの監修も手掛けるブームのパイオニア的存在、猿田彦珈琲。フレーバー系もメニューに並ぶ同店の人気はドリップ。淹れ方なのでしょう、豊富なバリエーションからアドバイスを受けつつこの日の一杯を選びます。
 

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店を訪れたのは土曜日の昼過ぎ。14席と決して広くない店内はひっきりなしに出入りするファンでいっぱいに。コーヒーそれ自体の話は専門家に譲るとして、一番印象深かった出来事。
 
・・・それは店を出る際、店員さんの口から発された一言。
 
 
『お好みの味でしたか?』
 
『えっ…!?』
 
 
と思わず口をついて出そうになったのもつかの間、我に返り悟りました。これが大塚オーナーが大事にしているという、かのコミュニケーションかと。
 

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気鋭のニューフェイス URTRAの場合

urtra.tokyo
 
今年4月に虎ノ門ヒルズのほぼ正面にオープン。競技用自転車愛好家の間で早くも話題となっている同店はまたの名を『BICYCLE COFFEE』と呼ぶそうな。
 

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メニューは4種の豆からお好みをチョイス。自ら自慢の自転車で通勤しているというスタッフのお兄さん。彼のアドバイスを頼りにこの日はグアテマラに決定。
 

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ここもやはりハンドドリップ。手間暇を掛けて淹れる一杯は、素人でも分かるほど実に香りが高い。
 

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主に南米からフェアトレードによって豆を仕入れているというこちら。店内の壁には生産者を訪れた際の写真を展示。
 

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自転車専用レーンを擁する新虎通りと店のコンセプトがばっちりハマります。定期的に垣根を越えたイベントも開催。場所柄でしょうか、ヒルズで勤務する会社員も多く来店するという。
 
 

黒船スターバックスが与えたインパクトと時代背景

2016年は、スターバックスが銀座に1号店を構えてから20周年目の節目に当たるそうです。サードウェーブの前進とされるセカンドウェーブ。その立役者がスターバックスに代表される米シアトル発祥のコーヒーチェーン。彼らが世界を舞台に快進撃を続けていることはご存じの方も多いことでしょう。
 

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日本にこの波が押し寄せたのは90年代後半。インターネットが普及し始め、ハイテクサービスが続々と登場。人、モノ、情報が自由に行き来するグローバル経済の本格的幕開け、まさにそんな時代。
 
彼らはスペシャルティコーヒーと銘打ち、上等な豆とマシンを使用し、高品質の商品を大量かつスピーディーに消費者に提供します。
 
シーズンごとに新商品を投入し、老若男女を問わず幅広いファンを開拓。そのブランド力を盾に店舗を飛び出し、チルドコーヒーでも成功を収めていることは周知の通りです。
 
突然ですが、ここに興味深いデータがあるので紹介しましょう。
 

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(引用:統計情報 | JAIA 日本自動車輸入組合)
 
国内における独ポルシェ新規登録車数の変遷を、スターバックスが上陸した96年からグラフ化したものです。98年にアジア通貨危機、09年はリーマンショックの影響から一時凹んでいるものの、右肩上がりで増加していることがお分かりいただけるでしょうか。
 
セカンドウェーブから派生したコーヒーチェーンの躍進と超高額消費の伸び。その結果、消費者は『何を買っても質が良いが、個性を感じず大差がない』と感じるように(コモディティ化)。
 

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高品質と謳われる商品サービスに慣れ、求めるモノが多様化。その結果、現れた事象の一つがサードウェーブなのかもしれません。
 
 

大胆予測!ポストサードウェーブやいかに

では次の波は一体どんなものかと、勝手に予想。試しにフォースウェーブとググってみましょう。
 
内容はというと総じてコーヒー+αにおける、コミュニケーションといった+αが何かについて論ずるものが多い模様。さすがにここまで来ると波酔いに近い感覚をおぼえます。手掛かりを探るべく筆者が最後に向かった先は、かの有名な西国分寺のとあるカフェ。
 

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ご存じでしょうか。クルミドコーヒー
 
 
 
この名を聞いてピンときた方はなかなかの情報通。食べログの評価でも常に上位に君臨する超人気カフェ。サードウェーブで同店が引っ掛からない理由はハンドドリップではなく水出し珈琲を提供しているため。
 
影山オーナーのビジョンが詰まった店のコンセプトはもちろん、お客さんをもてなすスタイル。お店を構成する全てがポストサードウェーブを紐解くうえでひとつの解を与えてくれることでしょう。
 

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吹き抜けのエントランスはまるで欧州絵本の中の世界観
 

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各席にクルミの実を。子供も楽しめる仕掛けが店内のあちらこちらに
 

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伝票代わりに木製のお人形を添えて
 
 

おわりに

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サードウェーブを牽引する全ての店に共通すること、それはオーダーを済ませ、商品を手にするまでにかなりの時間を要するというもの。
 
ドトールコーヒーに代表されるチェーン店の倍以上と考えて良いでしょう。ハンドドリップで一杯一杯丁寧に淹れることを考えれば無理もありません。
 
しかし、効率性やスピードを追求する社会にあって、これほど非効率なものに割高な対価を支払い、時に並んでまで商品を手に入れようとする消費者の嗜好。近年コト消費と呼ばれるもの。体験に対して価値の高まりを現す現象が一杯の珈琲を巡っても起こっていると言えます。
 
相席居酒屋、郊外型アウトレットモール内に温浴施設。近年コト消費が一大トレンドに浮上してきています。事業の核となる商品サービスのみを磨き、集客が図れた時代は今や昔。消費者のワクワク感、特別感を醸成させることがこれまで以上に成功の鍵を握る重要な要素となりつつあります。
 
コーヒーという身近なツールに消費者が群がる姿は、そんな時代性を映していると言えるでしょう。
 
 

余談ですが・・・

前述した猿田彦珈琲。創業の地、恵比寿本店はJR恵比寿駅東口から1分程の距離に店を構えます。
 
職業柄、物件という視点で見ると実にいい立地。おそらく現在であれば個人が物件取得を望んでも困難な場所でしょう。しかしご安心下さい。『いい立地』の物件をお探しなら、テンポバックスでお待ちしております。
 
www.tenpo.biz

七海

 


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