火災発生時の責任はどこへ!?ほんとに恐ろしい「たばこ」火災!

【飲食店トラブル24時間緊急対応シリーズ】一番の原因はたばこの不始末? 消したつもりが、再び高温となって 燃え広がり、恐ろしい火災となります 実際に起きたケースをもとに、火災発生時に負う責任について、そして火災を防ぐために誰でもできる予防策についてご紹介します。

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前回のトラブルシリーズ(ダクト火災編)に続き、今回は皆さんの身近な「たばこ」をお題に火災の恐ろしさについてご紹介します。


全国の成人の喫煙率は年々減少し、2015年5月現在で喫煙人口は2,084万人(19.9%)ですが、火災の原因では、放火に続き第2位という高さとなっています。

平成27年の総出火件数:39,046件


原因:①放火(10.2%)3,975件
   ②たばこ(9.2%)3,611件
引用:消防庁防災情報室 平成27年(1月~6月)における火災の概要より


たばこの小さな火種から火災発生

たばこは、700~800℃と高温です。


消したつもりでも、火種が残っている場合は、他の吸い殻に燃え移り、再び高温となって 燃え広がり火災となります。たばこの不始末が火災の一番の原因なので、より一層注意が必要です。



実際にあったケース

都内駅前の商業ビル、3階バルコニーでの火災です。従業員が休憩中にバルコニーで、吸っていたタバコの吸い殻。3~4本の吸い殻が灰皿に置かれ、その脇には広告用のポケットティッシュやDMの在庫が積まれて置かれていました。

休憩の30分後、部屋内にいた従業員がパチパチという音と黒い煙に気付いたときには、既にガラスを破壊しバルコニーに隣接した部屋には炎が迫り、バルコニーに置かれたエアコンの室外機、金属製の非難ハッチは丸焦げ。消防署の消火活動が早く、幸いにも死傷者は出ませんでした。


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しかし、火災を起こした失火人は、さまざまな責任を負います。ここでは火災を起こした場合の責任について、法律的な話を少しします。


火災-失火責任法(民法上の不法行為の特則)-故意または重大な過失の有無により、損害賠償責任が問われます。なしの場合でも-建物の貸主は、火災を起こした借主へ債務不履行に基づく損害賠償責任を求めることが可能です。(民法415条)



具体的なケースで火災発生時の責任について学ぼう

事例:A所有の賃貸ビルにおいて、賃借人B(2階部分)が火災を発生させ、Bの賃借部分、共用部分、賃借人C(3階部分)の賃借部分まで延焼が拡大した。このため、Cは動産に被害を受け、賃借部分で営業していた店舗を休止する事態となった。

設問(1)A(建物所有者)は、失火したBに対し、どのような責任を追及できるか。

回答:貸室については、債務不履行責任を追及できる。


Bは、Aに対し、賃借した物件を善良なる管理者の注意をもって管理し、契約終了時に返還する義務がある。過失により火事を発生させた点において、Bはこの義務を果たしておらず、返還義務の履行も不能となる結果を招いた。この点につき、損害賠償を請求できる。


共用部に発生させた被害については、不法行為責任を問うことができる。過失によって、Aに損害を与えた点、不法行為責任が発生するが、本件は失火であり、失火責任法に基づきBに重過失が認められなければ責任は追及できない。



設問(2)A(建物所有者)は、Bとの賃貸借契約を解除できるか。できるとすればどのような法律構成によるか。


回答:賃貸借契約は解除できる。


火災により、賃貸借契約の目的物である貸室について、原状回復も不可能な程度に損壊しているのであれば、債務の本旨に従った履行が不可能であることを原因として契約解除は可能と考える。


設問(3)延焼被害を受けたC(3階賃借人)は、Bに対してどのような責任を追及できるか。


回答:不法行為責任を追及できる。


ただし、本件は失火であり、失火責任法に基づきBに重過失が認められなければ責任は追及できない。



設問(4)延焼被害を受けたC(3階賃借人)は、A(建物所有者)に対してどのような責任を追及できるか。

回答:債務不履行責任および土地工作物責任を追及できる。


Aは賃貸人として、貸室を使用できるよう提供し、かつ本件のような火災が生じた際も通常求められる範囲内において、使用に耐えうる延焼防止・消火設備を用意すべき責任を負う。Cは、延焼被害の原因がこのような賃貸人としての債務を果たしていないことにあるとして、Aに対し責任を追及することが可能と考える。


また、土地工作物の設置または保存の瑕疵により被害を受けた場合であって、その占有者が事故発生防止措置をとっていたときは、その工作物の所有者が無過失責任を負う。Cとしては、この土地工作物責任に基づきAに対し損害賠償請求を行うことも考えられる。



※軽過失による「失火」の場合は賠償義務は発生しません。つまり「たばこの不始末」に関しては、重過失として認められないケースもあります。

火災を防ぐために!誰でもできる予防策


いかがでしたでしょうか。他人事と思っていても、物件を借りている人・貸している人であれば、当事者になる可能性は充分あります。この当たり前のマナー行動が、火災を未然に防ぎます。そして、貸主の大切なビルや借主の店舗や事務所を守ります。今すぐ実践しましょう!


喫煙する場合
①灰皿の中には水を入れる。
②喫煙の周りには、燃えやすい物を置かない。
③吸い終わったら、火を完全に消すこと。

建物を守るには
①避難通路に物を置かせない(避難通路の確保)
②定期的な消防設備点検の実施
③指摘が出た際の改修




大切な建物を守るためには法令に沿った管理を行う必要があります。消防設備点検、防火対象物点検、自衛消防訓練等、業者選びに不安のある方は専門の店舗業者に依頼してみてはいかがでしょうか。火災が起きてからでは手遅れです。


ダイマルテキサス




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