はじめまして。店舗流通ネット新入社員のTNKです。突然ですが僕の地元「藤沢駅」から失礼致します。本日は2016年6月19日(日) 父の日です。皆さまは親孝行していますか?僕は生まれてから一度も「父の日」を祝った事はありませんでした。
僕は父親の事をあまりよく知りません。小さい時から出張が多い仕事人間というイメージだし、家の中では無口。仲が悪いという訳ではありませんが、特別話したりもしません。
店通-TENTSU-の記事当番が丁度このタイミングだった…という事もあり、2人だけでは恥ずかしいので、取材という名目で産まれて初めて父と2人で飲みに行こうと思います。社会人になって初めての父の日。今日は全部僕のおごりです。
緊張をほぐす為に、事前に少し飲んできました。顔面蒼白してますし、顔色がものすごく悪いですね。こんなに自分の顔が黄色いとは知りませんでした。
父とは現地待ち合わせ。いざ予約していた席に向かうと…
「・・・え」

「おー来たか」
「もう飲んでる?」
「飲んでないよ」
「いや絶対飲んでるでしょ(笑)」
「飲んでないよ」
頑なに「飲んでない」と言い張る父。どう見てもお酒の入った表情をしていました。きっと僕と同じく、父も緊張して飲んできていたのでしょう。それ以上は突っ込まない事にしました。
僕も席に着き、いくつかの料理とビールを頼みます。お互いまだまだお酒が足りていないようで、とにかく気まずい。ぎこちない感じでポツポツと他愛もない会話が続きました。

学生の時こそ共通の会話が見当たらなかったのですが、僕も4月から社会人になり営業として仕事を始めました。父との会話を探していくうち、自然と仕事の話に。
父親からのアドバイス
父は仕事の話になると段々良く話してくれるようになりました。というか、意外な程にお喋りになっていく父。こんなに話している父親を見るのは何年ぶりだったかわかりません。父親が新入社員の時のこと
「4月から僕も会社に入って、正直仕事の帰りも結構遅いんだけど。お父さんが新入社員の時はどうだったの?」
「新入社員の時はすごい働いていたよ。200時間くらい残業してたね。でも50時間でもつけると会社に怒られちゃう(笑)そんな時代だったね」
「つらいなーとか思わなかった?」
「仕事ってやり方がわかれば効率も良くなって、いくらでも手を抜くタイミングがあると思うんだけど。新人の時はそれがわからないじゃない?覚えるためにはやるしかない。こっちも見栄があるから、時間かけるしか無かった。それで働きすぎって会社には怒られるんだけど…出来ないんだから仕方ないと思って勝手にやっていたよ」
仕事が好き…という父親のイメージ
「でも好きだからやってたんでしょ?働くの大好きなイメージがあるんだけど」
「いや…好きっていうか、仕事があるから仕方ないと思ってた。3年で早く1人前にならなきゃいけないと思っていたから、仕事があるのはいい事だし仕方のない事だと感じてた。ある意味負けん気が強いんだろうね…」

「働いていれば上の人や周りと意見が食い違う事もあるし、純粋にずっと好きという気持ちでやり続ける事は難しいよ。私も「そこまでいうなら仕事を辞めてやる。」と思った事もあるし、一時期は胸ポケットに辞表を忍ばせて働いていた事もあるよ。」
「そんな時期があったんだ。全然知らなかった…。でも辞めなかったんだね」
「本気で辞めようとは思って無かったんだよ。中途半端で辞めちゃうのは1番格好悪いと思っていたからね。辞表を入れていたのは自分に対する意思表明で、全力で仕事に取り組むためのツール。仕事ができていないのに辞表を出すのはダメだから、常に全力でいつでもその気になったら辞めてやるぞ…という気持ちで自分の追い込む手段として入れていたんだろうね」
「ストイックだなぁ…」
「まぁ単純に上司に散々言われて、ムカついて入れてたっていうのもあるけどね(笑)」

仕事への想い
「僕結構、今までも色んな事に挑戦してきて、1つの事をずっと続けるんじゃなくて、その都度一所懸命やって…って感じだったんだけど、お父さんはずっと1つの仕事を続けているよね」
「『この仕事は自分にしかわからない』という気持ちでやってきてるからかな。この仕事は俺の仕事。誰にも負けない。『課長が言おうが部長が言おうがその事に関してだけは自分が1番詳しいんだ』ってものを1つでも持っておくと、「好き」とか「嫌い」とかじゃなくて「俺がやらなきゃいけないんんだ」という責任感が生まれてくるから、嫌とかそういう事は思わなかったかな」
「んーなるほどなぁ…。」
「じゃなきゃ私がやっている意味がないじゃない。誰にでも出来るような仕事なら自分がやらなくてもいい。けど自分にしか出来ない仕事があるんだから、責任持って続けられる」

「だからお前も、自分の仕事は自分が誰よりも知ってなきゃダメだよ。仕事は出来るまでやる。当たり前の事だけどそれをちゃんとやりなさい。時間がかかるのは最初は仕方ないから。そしたら結果はついてくる」
「そうだね…。出来ないのは自分が未熟だから…って事だね。勉強になりました。」
プレゼント
ところで、突然ですが実は僕、最近父親の車を全損させました。単独事故で無傷でしたが、車はもうダメでした。そういう気まずさもありましたが…名目としては僕も社会人になって初任給も出たので、父親にプレゼントを用意しました。父親の趣味の1つであるゴルフ…。先日も行ったのを見かけたので、僕はゴルフの事まったくわからなかったので、ウェアにしました。

「ところでさぁ…こないだは車全損させちゃってごめんね…。で、申し訳ない気持ちもあって、今日は父の日だから、ちょっとプレゼントを用意しました。」

「いや、無事でよかった。無傷でよかったよホントに。それだけだよ。」
まとめ
同じ家に住みながらも、普段ほとんど会話をしない父。かといって「こわい」とか「きびしい」とかではなく、車を全損させても一言「無事で良かった」とだけ呟いた父。普段感情を表に出さない人なので、父について何も知らなかったですが、今日のことをきっかけに、父も1人の人間で、色んな経験をし、色んな気持ちになって、色んな選択をして生きてきたんだなぁ…と、当たり前の事ですがそれがわかって良かったです。
お酒に酔っておしゃべりになった所とか、酔っ払って女性にデレデレする姿とか。「やめてくれよ」と思いながらも、普通のおっちゃんの姿にようやく親しみを感じる自分も居ました。今後も定期的に飲めたらいいかなと思いました。

「母の日にはカーネーション」という文化が根付いている為、母には自然にプレゼントを渡せるのですが、父の日にはこれと言って「○○をしよう」という文化がないので、これまで何をしていいかわからずスルーしてしまっていました。
これからは父の日には「父飲み」を定例行事にしていきたいです。でも自分から誘うのはやっぱり恥ずかしいので、飲食店経営者の皆様におかれましては、ぜひ父の日付近には「お父さんと飲もう!」というPRをしてみては如何でしょうか。
僕のように、きっかけがないと中々感謝の気持ちを伝えられない息子・娘が、お父さんを誘いやすい文化が根付いてくれたらいいなぁと思っています。
「自分の仕事は自分が誰よりも知っていなきゃダメ」という責任感をもって、これから仕事に向き合っていこうと思います。経営者の皆さん、どうか宜しくお願い致します。
そしてお父さん、何だかんだ大切に思ってくれてありがとう。
撮影ご協力店舗

本日食べたメニューのご紹介
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とりせんべい |
太アスパラの一本揚げ~ブラックペッパーソース~ |
ハツテキ |
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蒸し鶏の棒棒鶏サラダ |
串兵衛セット |
白レバーのクリームチーズパテ |
串兵衛 藤沢店さん、ありがとうございました!!
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