【今更聞けない!超基本】飲食店の会計と管理について

飲食店の管理に必要な会計や経理、収支計算や経費の管理、損益計算書(PL)、貸借対照表(BS)を、しっかりと把握することは飲食店経営にあたり重要となってきます。 しかし、これらの財務諸表をいったいどう経営に役立てていけばよいのでしょうか?お店の経営に必要な『収支管理』について初歩的な部分をまとめます。

みなさんは飲食店の売上、費用などのお金をどのように管理していますか。


飲食店は日々売上として現金が入り、支払いなどで現金が出ていくことから現金商売とよくいわれます。そして現金の流れをしっかりと把握することは飲食店の経営をするにあたり重要となってきます。


本日は、お店の経営状態を確認するために必要な会計について初歩的な部分ですが、まとめてみます。

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会計とは
委託・受託関係において、受託者がその委託者に、委託された活動の状況について説明ないし釈明(account for)する行為を言う。


引用:「ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典」


ここでいう委託者は資金運用の委託者、つまり金融機関や株主をさし、受託者は資金の運用を任された者、つまり事業者をさします。


ある事業を始めようとする場合、自己の資金をもって開業をする場合もありますが、金融機関からの借入れを行ったり、株式を発行して出資を募るなど外部からの資金調達をする場合が多いのではないでしょうか。この場合、貸主や株主は自己の資金を拠出したわけですから当然その使途について説明を受けたいと考えます。


受託者側の、利害関係者への説明責任を果たす手段として用いられるのが会計というわけです。具体的には貸借対照表、損益計算書といった財務諸表の作成に集約されていくのですが、ここで各帳票について、簡単に説明をしたいと思います。

財務諸表の各帳票について

貸借対照表(B/S)

企業、個人事業主など経済主体のある一時点における資産、負債及び資本の状態(財政状態)を示す表。
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資産・・現金、預金、売掛金、機械、土地、建物、など
負債・・借入金、買掛金、未払金、社債など
純資産・・株主による設立時の払込金、増資時の払込金など
図表の通り、資産=負債+純資産という計算が成り立ち、貸借が一致するため、貸借対照表はバランスシート、B/S(ビーエス)といわれます。

損益計算書(P/L)

企業、個人事業主など経済主体の一定期間における経営成績を示す表。
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売上高
売上原価
販管費、一般管理費
営業外収益
営業外費用
特別利益
特別損失
法人税等
図表の通り、売上から各費用、利益、損失を計算し、最終的に算出されるのが当期純利益となります。
損益計算書は利益(profit)と損失(loss)を表すものであるためP/L(ピーエル)といわれます。

『収支管理』って、何をするの?

さて、長々と説明をしてしまいましたがこれらの財務諸表をいったいどう経営に役立てていけばよいのでしょうか?



経営の大原則は"売上の増加と費用の削減に集約される"と、ある上場企業の社長が言っていたのを思い出しました。売上を増加させる方法については各経営者の手腕(飲食店ならば料理のうまさ、雰囲気の良さなど)による分野ですので割愛しますが、費用の削減についてはまず現時点のお店の数字を把握し、分析することからヒントを得られるのではないでしょうか。


売上を増加させたとしてもそれに伴って費用も比例して増加すれば利益率としては変わりません。利益率は売上に比例するものではなく、経営努力によって上げていくものといわれています。

収支管理① 固定費と変動費に分解してみよう!

では、どのように収支を管理していくのか?
各費用がどのようになっているのかを把握し、計画を立てるために損益計算書がよく参考にされます。飲食業に限ったことではありませんが、事業に必要な各費用は概ね固定費、変動費に分解することができます。
(固定費は売上の増減にかかわらず発生する一定の費用、変動費は売上の増減に応じて変動する費用)


初期の条件(固定費)

地代家賃、金利、減価償却費、機材等のリース料、など これらは固定費に分類されます。

開業時の段階で金額が決定してしまうものであることとから経営努力ではほとんど圧縮できません。事業計画の段階で見通しが甘いとその後の経営が難しくなります。売上の20%前後が標準的な数値といわれております。


FLコスト(変動費)

飲食業界には、FLコストやFL比率と呼ばれる指標があります。材料費(food)+人件費(Labor)を合わせてFL(エフエル)コストといいます。材料費は変動費、社員などの人件費は固定費、アルバイトは変動費と考えられます。

(材料費+人件費)÷売上高をFL比率といい、60%前後が標準的な数値といわれております。経費の大部分を占めるこのFLコストのコントロールが重要となります。このFLコストが60%を上回る分だけ、利益を出すことが難しくなります。


諸経費

水光熱費、広告費、通信費、消耗品費・修繕費など、これらは変動費に分類されます。

経営努力次第で削減可能な項目もありますが、費用全体に占める割合が大幅に変動する項目ではありません。売上の15%前後が標準的な数値となります。これらをふまえて損益計算書を参考に計算してみると以下のようになります。


売上(100%)-初期条件(約20%)-FLコスト(約60%)-諸経費(約15%)=利益(5%~10%)

利益の出し方をこのような計算式に落とすと、いかに利益を確保するのかが難しいか分かりますね。どんぶり勘定をすると利益が出せなくなる。そこに飲食店経営の落とし穴があると感じます。

収支管理② 利益目標を設定しよう!

第一にいくら利益を出したいかという目標を定め、そのために必要な売上はいくらかと、売上から利益を考えるのではなく、利益から逆算して考えます。上の計算式を変形させてみましょう。

目標とする利益+初期条件+FLコスト+諸経費=利益目標を達成するために必要な売上高

初期条件(20%前後)、FLコスト(60%前後)、諸経費(15%前後)というのはあくまで一般的な標準値です。


上記の標準値を参考に、まずはお店の3つの経費割合を把握し、そこから目標とする利益、売上を設定してみてはいかがでしょうか?


以上、会計の超基本と収支管理についてまとめました。参考になりましたでしょうか。帳票を見るときに思い出していただき、新たな発見につながればと思います。

関連記事のご紹介

最後に、会計の超基本と収支管理をご理解いただいたところで、次はその肝となる売上管理を行うための会計ソフトの導入に関する記事をご紹介します。
「パソコンを使って自分でやってみよう」という方、ぜひ続けてお読みいただければと思います。

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また、そこまでの会計ソフトは必要ないという方に、エクセルの売上管理表が無料でダウンロードできる『飲食店に必要な“事務処理”お助けシリーズ』の記事をご紹介して、終わりにしたいと思います。ぜひ、ご活用いただけたら幸いです。

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スズキ




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