山椒と花椒の健康効果・効能。しびれる辛さは毒?薬?クセになる辛さの秘密!
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「辛いの好きですか?」「激辛好きですか?」と聞きますけど、辛いものってたくさんあります。唐辛子、ハバネロ、ジョロキア、山葵、からしと、さまざまで皆さん得意不得意があるのではないでしょうか。また、辛いものは身体に良くないのでは?という疑問やカプサイシンは基礎代謝向上に良いなど、さまざまな話を聞きます。
そんな辛いものの中でも、縄文時代にも使用されていたという、痺れる辛さの「山椒」があります。有名ラーメン店「鬼金棒」さんも『辛くてシビれる』を省略した表現「カラシビ」を商標登録したり、2019年4月11日の日本経済新聞では「花椒」の2018年の市場規模は1億円、この4年で需要が2倍に上昇したと報じたり、パクチーに続く食材ともいわれています。今回は、痺れる辛さ「山椒」についてご紹介します。
ただし、雌雄同株の品種「朝倉山椒」は、トゲも少なく一本でも実がなるため、一般家庭でも栽培しやすいといわれています。この朝倉山椒は400年以上前に徳川家康に「薬」として献上されていたという記録が残されています。
日本の山椒と同じ「ミカン科・サンショウ属」ですが、山椒よりも痺れる辛さと強い香りが特徴で、坦々麺や麻婆豆腐などに使われています。
花椒の痺れる辛さ:麻味(まみ / マーウェイ)と、唐辛子のヒリヒリする辛さ:辣味(らつみ / ラーウェイ)による「辛くて痺れる味」が2019年のトレンドと噂される、「麻辣味」。食品メーカー各社からは麻辣味の調味料やスナック菓子、ラーメンやインスタント食品が開発され、外食業界でも麻辣味のさまざまな新商品が提供されています。
「葉山椒」や「木の芽」とも呼ばれます。
春先から初夏の山椒の若葉で、香りの元となる葉の先の白濁した点「油点」を、手に乗せて「パン」と叩くと、山椒の香りが立ちます。
味噌と和える「木の芽味噌」は田楽に使ったり、同じ時期に旬を迎えるタケノコと「木の芽和え」にしたり、てんぷらや煮物、炊き込みご飯などで楽しめます。
山椒は5月ごろに数日間だけ花が咲きます。この花をいただくのが「花山椒」です。雌株は実を作るため、主に雄株の花を収穫します。
収穫できる期間が短く希少ですが、山椒の独特の辛みと爽やかな香りと清涼感あふれる味わいが魅力。佃煮によく使われますが、そのまま薬味にしたり、酢の物や汁物にしたりします。お肉と一緒にしゃぶしゃぶにするというぜいたくな食べ方もあるそうです。
初夏になると、雌花が「青山椒」とも呼ばれる青い実に変化します。この時期は実も種も柔らかいので、そのまま水煮にすると「実山椒」になります。
実山椒は、密封して冷凍したり、塩漬け(使う時に塩抜きして使用)にすると、風味を損なわずに保存できます。実山椒を醤油に漬けた「山椒醤油」を調味に使ったり、ちりめんじゃこと炊いた「ちりめん山椒」や「実山椒の佃煮」でご飯のお供に使われます。
秋になって成熟すると「赤山椒」とも呼ばれる赤い実になります。さらに完熟すると実が割れて「割山椒」となり、黒い種が出てきます。種を取り除き、硬く乾燥した果皮をミルやすり鉢などすり潰して「粉山椒」にします。
卓上スパイスで、うなぎに振り掛けるイメージが強い「粉山椒」ですが、さまざまな料理に使用されています。粉山椒の辛みや風味は抜けやすいので、使用する際にスパイスミルなどで粉末にすると良いです。
山椒の若い枝の硬い皮を剥いだあと、薄皮を細かく刻んで佃煮にしたものを「辛皮(からかわ / からか)」といいます。実の数倍辛いといわれ、強く痺れる辛さが珍味とされています。
また、昔から山椒の木の固さと殺菌・解毒作用から、すりこぎは山椒の木の枝から作られています。
そんな辛いものの中でも、縄文時代にも使用されていたという、痺れる辛さの「山椒」があります。有名ラーメン店「鬼金棒」さんも『辛くてシビれる』を省略した表現「カラシビ」を商標登録したり、2019年4月11日の日本経済新聞では「花椒」の2018年の市場規模は1億円、この4年で需要が2倍に上昇したと報じたり、パクチーに続く食材ともいわれています。今回は、痺れる辛さ「山椒」についてご紹介します。
目次
「山椒」と「花椒」の違いとは?
山椒の別名は「ハジカミ」、英名では「japanese pepper」 や、「Japanese prickly ash」と言います。「ミカン科・サンショウ属」の落葉樹の雌雄異株で、雄株と雌株があり、実がなるのは雌株だけです。雄雌の見分け方は黄色い花粉の雄しべがあるのが雄株、丸い雌しべがあるのが雌株で、花が咲くまでどちらかはわかりません。ただし、雌雄同株の品種「朝倉山椒」は、トゲも少なく一本でも実がなるため、一般家庭でも栽培しやすいといわれています。この朝倉山椒は400年以上前に徳川家康に「薬」として献上されていたという記録が残されています。
花椒(ホワジャオ/かしょう)とは?
花椒とは? 山椒、花山椒との違いは、紛らわしいですが、中国の華北山椒の実で、花山椒とは別物。日本では「かしょう」とも読まれ、四川山椒・中国山椒・中華山椒などとも呼ばれています。
日本の山椒と同じ「ミカン科・サンショウ属」ですが、山椒よりも痺れる辛さと強い香りが特徴で、坦々麺や麻婆豆腐などに使われています。
花椒の痺れる辛さ:麻味(まみ / マーウェイ)と、唐辛子のヒリヒリする辛さ:辣味(らつみ / ラーウェイ)による「辛くて痺れる味」が2019年のトレンドと噂される、「麻辣味」。食品メーカー各社からは麻辣味の調味料やスナック菓子、ラーメンやインスタント食品が開発され、外食業界でも麻辣味のさまざまな新商品が提供されています。
山椒の種類について
山椒の葉
「葉山椒」や「木の芽」とも呼ばれます。
春先から初夏の山椒の若葉で、香りの元となる葉の先の白濁した点「油点」を、手に乗せて「パン」と叩くと、山椒の香りが立ちます。
味噌と和える「木の芽味噌」は田楽に使ったり、同じ時期に旬を迎えるタケノコと「木の芽和え」にしたり、てんぷらや煮物、炊き込みご飯などで楽しめます。
花山椒
山椒は5月ごろに数日間だけ花が咲きます。この花をいただくのが「花山椒」です。雌株は実を作るため、主に雄株の花を収穫します。
収穫できる期間が短く希少ですが、山椒の独特の辛みと爽やかな香りと清涼感あふれる味わいが魅力。佃煮によく使われますが、そのまま薬味にしたり、酢の物や汁物にしたりします。お肉と一緒にしゃぶしゃぶにするというぜいたくな食べ方もあるそうです。
実山椒
初夏になると、雌花が「青山椒」とも呼ばれる青い実に変化します。この時期は実も種も柔らかいので、そのまま水煮にすると「実山椒」になります。
実山椒は、密封して冷凍したり、塩漬け(使う時に塩抜きして使用)にすると、風味を損なわずに保存できます。実山椒を醤油に漬けた「山椒醤油」を調味に使ったり、ちりめんじゃこと炊いた「ちりめん山椒」や「実山椒の佃煮」でご飯のお供に使われます。
粉山椒
秋になって成熟すると「赤山椒」とも呼ばれる赤い実になります。さらに完熟すると実が割れて「割山椒」となり、黒い種が出てきます。種を取り除き、硬く乾燥した果皮をミルやすり鉢などすり潰して「粉山椒」にします。
卓上スパイスで、うなぎに振り掛けるイメージが強い「粉山椒」ですが、さまざまな料理に使用されています。粉山椒の辛みや風味は抜けやすいので、使用する際にスパイスミルなどで粉末にすると良いです。
山椒の樹皮
山椒の若い枝の硬い皮を剥いだあと、薄皮を細かく刻んで佃煮にしたものを「辛皮(からかわ / からか)」といいます。実の数倍辛いといわれ、強く痺れる辛さが珍味とされています。
また、昔から山椒の木の固さと殺菌・解毒作用から、すりこぎは山椒の木の枝から作られています。
山椒・花椒は体に良い?悪い? 山椒・花椒の健康効果・効能
種類がたくさんあり市場も成長している山椒ですが、そもそも体に良いのでしょうか。山椒の樹皮および果皮は、昔から生薬として使われてきました。実に含まれるサンショオールという成分が、整腸作用や内臓粘膜強化に。また辛み成分からの発汗作用による代謝の改善、そして脳の活性化も図れるそうです。
民間療法では、8月下旬頃に採取した果皮を乾燥させて粉末にしたものを食後に服用したり、焼酎やウォッカなどの蒸留酒に漬けてサンショウ酒として飲用されています。
また、花椒の中の黒い種子は「椒目」と呼ばれ、苦みがありますが、水分を排出する働きにより、むくみ改善、利尿作用、鎮咳効果があるとされ、20~30分煎じたものを飲用します。
漢方では「花椒」は蜀椒とも呼ばれ、大建中湯、烏梅丸などに使われています。健胃、利尿、駆虫、殺虫、抗菌、抗真菌、局所麻痺、鎮咳作用があるとされ、食欲不振、消化不良、胃炎など胃腸の不調、むくみ、咳に効果があるとされています。
山椒に含まれる毒と人体への影響
痺れる原因であるキサントキシンは、麻痺成分が含まれた痙攣毒で、魚類に強い痙攣を起こさせますが、動物に対する毒性は弱いといわれています。人間には、よほどの量を摂取しなければ影響はないとされますが、過剰摂取は控えたいですね。また、先ほどのサンショオールの整腸作用も、食べ過ぎれば下痢などの症状が引き起こされることがありますので、何事も適量で楽しむのがいいのでしょう。
スーパーやネットで買える!おすすめ山椒と使用方法
さまざまなメーカーから山椒に関連する商品が販売されています。どの山椒がいいのか。種類も多く悩んでしまうところです。ここで、私のおすすめ商品を紹介します。実山椒
商品名:瓶入り実山椒(株式会社川上商店)用途:ご飯にお茶漬けにぴったりです。
私が、実山椒にハマるきっかけになった有馬温泉の室町時代から続く佃煮のお店。辛皮や山椒醤油もおいしかったのですが、この実山椒との出会いは感動でした。
山椒オイル
商品名:山椒 香味油(築野食品工業株式会社)用途:サラダや刺身、オリーブオイルの代わりに使えます。夏場など暑い季節に最適な香味油です。
最近、汁無担担麺を出しているラーメン屋さんが増えてきているためか、山椒オイルを置かれていることが多くなってきています。汁無担担麺には粉山椒だけでなく、山椒オイルを足すのもおいしさ倍増です。
ちなみに、実山椒等を購入して自作も可能です。実山椒を塩ゆでして、水気を切って少し潰して、オリーブオイルやごま油に漬け込むだけで作れます。
調味料
商品名:麻辣ペッパー用途:麻婆豆腐を代表に中華料理全般に使えます。
今、唐辛子と違う辛さの代表で注目されている麻辣味のスパイス。
ふりかけるだけで本格四川料理のようになる唐辛子や唐山椒、シーソルトなどをミックスした調味料。ちなみに、こちらの「食べる麻辣醤」は、ご飯に合います。
おまけ 店通編集部おすすめ「麻辣鮮露」
最後に、店通編集部のくぼたんの香港土産、漫画家の瀧波ユカリさんのツイートで話題になった「麻辣鮮露」(読み方:マーラーセンロー)を紹介させていただきます。おすすめのポイントは何でも素晴らしくおいしい麻辣味にしてしまう魔法のソースだということ。「麻辣鮮露 」 香港クノール 118g
香港のスーパーでも品切れしてしまうほどの人気商品で、最強においしいのですが、日本では販売していないというのが最大の弱点。
(amazonで1000円前後で販売されていることはありますが、香港では200~300円ほどの商品だそうです。)
さまざまな調味料を駆使して再現を試みたものの、「麻辣鮮露」の花椒と唐辛子が織り成すガツンとした辛さ、その背後に広がる中毒性を疑うほどの複雑なうま味、それらをまとめ上げる味の調和を再現できませんでした。
香港クノールさんの「麻辣鮮露」が日本で販売されることを心から願っております。
まとめ
皆さん、少しでも山椒について知ることができたでしょうか。山椒は、料理を楽しむ1つのアイテムですが、入れるだけで本格的な料理になります。それだけ、特徴があり、香りがある素晴らしいアイテムです。
今回、山椒について、少しでも皆さんが興味をもってくれればと思います。個人的にも、山椒を卓上に置いてくれる飲食店が増えると嬉しいです。山椒をみなさん楽しんでください。
水2L