禁煙の効果はすごい!タバコをやめてみて実感した効果と変化とは

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喫煙者が一度はチャレンジした経験があるであろう「禁煙」。挑戦するも中々成功できないという方も多いのではないでしょうか?今回は男性の私が実際に禁煙を行った体験談をもとに、成功方法をご紹介いたします!

私はこうしてタバコをやめました -禁煙の功罪、禁煙の光と影-

「え!? 禁煙の功罪? 喫煙じゃないの?」いえいえ、禁煙です。本論の前に私の喫煙歴を。

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私の喫煙歴 ~4人中3人も吸ってた時代~

私がタバコを吸いだした当時の喫煙率は男性が75%女性15%。ちなみに現在は男性28%、女性9%だそうです(日本専売公社、日本たばこ産業株式会社による調査より)。

75%!ホント? にわかに信じられないほど高い数字です。よく喫煙率と社会の成熟度は反比例と言われます。
私の故郷(秋田県)の成熟度は確かに低かったと思いますが、それにしても4人中3人も吸っていたか?しかし、人間の記憶は不確かなものです。昨日の記憶すら怪しい人間が、これ以上幼少期の記憶に頼るのは止めておきましょう。

最初のタバコの味

さて、大学に入り大人の仲間入りと粋がっていた私は何か大人らしいことをと、迷うことなくタバコに手を出しました。
当時全盛のタバコはセブンスターかマイルドセブンだったと思いますが、他人と一緒はいや!(この差別化意識はビジネスの上でとても重要です(後述))ということで選んだタバコが「ハイライト」。そう、当時においてすら“労働者のタバコ”と言われていたあのタバコです。どうです渋いでしょう。

しかし粋がって吸ってはみたものの最初のタバコのまずかったこと。
そして気付いたら以来●●年、もはややめたくてもやめられない。酒はやめられるがタバコは絶対無理! 無理と言ったら無理!そういい続けてきた私がなんと2年半前に一念発起、禁煙にチャレンジしたのです。

私はどうやって禁煙に成功したのか?

私が禁煙を決意したのは2015年の師走、あと数日で年も改まろうという日でした。
決意の理由は●●歳になる時には止めようと決めていたから。
何か意志堅固でカッコいいですが、いやいや実は●●歳になるまでまだ2年もあったのです。

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なぜ2年も前から気宇壮大な計画を立てたのか・・・

まず、一気に止めたら体に良くないから(オイ!(怒))。
ダイエットでもそうでしょう?急激に食事制限したら体によくない!
だから徐々に禁煙体質に体を変化させていく、1日成功したら吸ってもいい、その次は2日に、3日に・・・そしていつしか禁煙に成功

子供忍者が最初は10センチ、次は11センチ、そしていつしか100メートルの大木を飛び越えるというあれですよ、あれ。これなら成功間違いなし。第一ストレスフリー

年末から始めた理由は会社が休みだからです。私の場合タバコを吸う原因のほとんどは仕事でした。事実、休みの日に吸う本数は半分以下でした(休みの日でも増えるのは家で仕事している時とカミさんとケンカしたとき(笑))。

さて、いよいよ禁煙生活 の始まりです。はたして禁煙は成功するのでしょうか・・・私の戦術と合わせてご説明していきましょう。

禁煙生活『開始』~私の戦術~

禁煙初日、思いがけない幸運が起きました。とんでもない風邪にかかり高熱の上のどがガラガラ、咳がゴホゴホで禁煙ストレスどころか喫煙できないのです。労せずしていともたやすく初日をクリアしました。

2日目です。幸運は続きます。なんと相変わらずひどい風邪状態です。結局三日三晩タバコどころではない日が続きました。これはとてもラッキーでした。ストレスフリーで3日も禁煙できるなんて夢のような話です。

さて問題の4日目を迎えました。悩みました。3日も禁煙したんだから計画では吸っても構わないのです。しかし人間は欲の塊です。望外な幸せを手に入れるとその幸せを更に大きくしたくなるものです。
万馬券が当たったらもう1回万馬券というあれですよ、あれ(?)。そうです、ここで私は戦術の変更を迫られたのです。
吸うべきか吸わざるか、生くべきか生くべかざるか(とうとうタバコ一本がハムレットになってしまいました。)

そしてとうとう「もう一日頑張ってみよう」と。
もう一日という目標達成のために

  • パソコン仕事は絶対しない!
  • カミさんと話さない(もとい、ケンカしない)

という戦術を立てたのです。どうです、東条英機も顔色なしの立派な戦術でしょう!?

こうして一切仕事しないだらけきった年末年始の1週間を過ごし、10センチしか飛べなかった子供忍者は100センチ(メートルではありません)を跳び越すまでに至ったのです。

禁煙生活『本番』~会社編~

会社が始まりました。いよいよ本番です。しかし1週間やめられた自信が既に私を大きく変えていました。男子三日会わざれば刮目(カツモク)して見よ! です。ここでもう一つの戦術を立てました。

『禁煙を始めたことを周囲に言わない!』

なぜか?
何も言わない、そのうち周囲が気付く、そして問われたら「あーやめたよ」とあっさり言う。
どうです?
「禁煙するぞ!」と大見え切るよりこの方がはるかにカッコいいじゃないですか(ホントはいつ吸っちゃうか自信がないので言うに言えなかった)。

会社編 《初日》
当然のようにタバコ吸いに行きましょうと部下に誘われます。そして喫煙室でスモークミーティングです。しかし部下は私が吸ってないことに気付かない。
私は砂漠のオアシス状態、『受動喫煙』でタバコを満喫!?
この作戦はよかったですね。何しろ禁煙は守っている上、ストレスは解消される。最高の作戦でした。(ナニ? 受動喫煙? かえって体に悪いだろうって? 細かい細かい。もっと大らかにいきましょう)。

会社編 《告白》
こうして数日、しかし吸っていないことに相変わらず誰も気付きません
こうなってくると人間の感情は不思議なものです。
最初は「キミたちはかわいそうだね。ボクはもうすぐ卒業だよ」と優越感に浸っていたのに、気持ちよさそうに吸っているのを目の当たりにだんだん腹が立って来ました。
こいつら誰も俺のことを見てないのか? 気付けよキミたち!」。
そして、とうとうしびれを切らして言っちゃいました。

「いま・・ 禁煙・・してるんだよね・・・」

こうしてとうとう皆の知るところに。
そしたら皆さんの何と優しいことか! 聞きもしないのに「タバコいかがですか?」とすすめてくれます。中にはミーティング前後に必ずスモークミーティングを入れてくる者まで。こうなるといじめですね。

禁煙生活『難関』~海外出張編~

しかし、こういったあまたの誘惑に負けず一カ月がたったある日、最大の難関がやって来ました。
海外出張です。しかも韓国です。

ご存じの方も多いでしょうが、中国の「乾杯(カンペイ)」と「タバコのおすすめ」もスゴイですが、韓国の「バクダン(ウイスキーのビール割)一気飲み」と「密室カラオケ(日本のカラオケとは全く違いきれいな女性が1人ずつ付いて延々と注いでくれる)」もスゴイ。

閑話休題
私は中国人の友達も多く、白酒(バイチュー。50度以上のお酒)を30人乾杯したことがあります。確かにバイチュー30人はきついです。
しかし、韓国人のバクダンパワー、中国人に勝るとも劣りません。
べろべろになりながらホテルに戻り、よせばいいのに湯船に入ろうとしてお湯出しっぱなしでそのまま寝てしまった漏水損害賠償事件とか、

翌日帰国できずではなく二日間丸々ほぼ死人の翌々日帰国事件とか、名立たる酒豪部下がやらかした事件には枚挙に暇がありません。(ナニ? ホントに部下かって? この際どうでもいいでしょ。とにかく韓国もスゴイんです。)

話を戻します。 
韓国人の友人が心配そうに、しかし意味ありげに「なぜタバコやめるの? 体に悪いヨ」としきりにすすめてくれます。私はニコニコしながら「ありがとう。でも今日は我慢する」と一次会の間ずっと固辞し続けます。
すると敵はこれではダメと思ったらしく戦術を変えてきました。二次会カラオケでハニートラップ作戦に出てきたのです。

海外出張編《密室での工作》
あまつさえ付いてくれた女性に「この人にタバコ吸わせたら・・・」と買収までしてるじゃないですか! これはもう本当に地獄の責め苦でした。だってキレイな女性が「一緒に吸いましょうヨ」とにじり寄って来るんですよ! 吸いたいなんてもんじゃない!
その上、部屋は密室で私以外の男3人、女性4人は全員吸ってるのですから受動喫煙なんて生易しいものではありません。何度手が出かかったことか! 

こうして夜中の2時まで延々5時間にわたる工作が続きましたが、強い意志のもととうとうこの最大の難関を乗り切ったのです。

海外出張編《悟り》
翌朝です。これだけ長時間酒を飲み、タバコを我慢してると朝から強烈なタバコ欲求に襲われるのが普通ですが、なぜか無いのです。そうです、これだけ受動喫煙すると吸わなくとも吸った気分になれるのです。
完全に確信しました。

「もう自分の手を染める必要はない、他人の手を借りればいいんだ」と。

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こうして最大の難関を乗り越え3カ月が過ぎた頃、とうとうはっきりとした変化が現れました。
吸いたいと思うのは相変わらずですが欲求度が小さいのです。
「ちょっと小腹がすいたな。ま、食べなくても我慢できるけど」といった感じでしょうか。これはうれしかったですね。
とうとうここまで来た、「これは止められる」と、確信しました。

歳を取るとめったに夢を見なくなるのですが、実はこの間何度もタバコの夢を見ました。中にはあまりにもリアルで「吸ってしまった!」と飛び起きたことも。

その後も危機は何度かありましたが、バクダン5時間に比べたら怖いものなしです。

そしてとうとう完全に禁煙に成功現在に至る訳です。

禁煙生活『成功』~光と影~

さて、副題の功と罪、光と影です。
は言わずもがな「健康」です。
禁煙して2年半たち今や早足で歩いても「ゼェーゼェー」しなくなりました。

では、、これもやはり「健康」。
何がってあっという間に体重が10kg増。もともと太っていたのに余りの体重増に違う意味で「ゼェーゼェー」。

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よく言われる「食事がおいしくなって」食べ過ぎた結果なら諦めもつきますが、全然食事はおいしくならない、太るのが嫌でむしろ食事量を減らしたのに確実に増えていくのです。

いまだに真偽不明ですが「タバコには体重増を抑制するダイエット効果がある」のか「禁煙ストレスで代謝が落ちて体重増がもたらされる」のか、誰かこの珍説を学術的に証明してくれないかな。

光と影 《発想の断絶、情報の途絶》
さてもう一つの罪です。こちらは大問題でした。タバコを止めたら社内情報が入ってこなくなったのです。その上、仕事で良いアイデアが全く出なくなってしまったのです。

皆さん覚えがあるでしょうが、ミーティングが終わると喫煙仲間は一服しようと喫煙場に集合します。すると誰かが「さっきのあれだけどさー、こうじゃないかな・・」とミーティング中には決して出ない素晴らしいアイデアを出したりするんです。

その素晴らしいアイデアに皆「オー、そのほうがずっとイイワ!」と2時間かけた結論を数分でちゃぶ台返し。

これはリラックスした所にタバコで血流が上昇し頭の回転が上がるからです(・・・そう私は信じてます)。
この効果がなくなるんだからたまったものではありません。頭に霞がかかったようにいつももやもやしてるんです。

こういうことも。
「最近Aの様子おかしくない?」「あ、あれはBのパワハラのせいです。 実は・・・」「へぇー! そうなの!?」とあっという間にいろんな情報が入ってきます。
これが普通の場面で聞こうものなら、下手なこと言えないと構えられ簡単に情報が入ってきません。こういった効果が一気に消滅してしまったのです。これは本当に困りました。
仕方がないのでどうしたか? 
用もないのにタバコ部屋へ。せっせと情報収集です。
決して吸いたいからではありません。仕事のため、会社のためです。

こうして禁煙後も2年間毎日、「情けないけど、なかなか欲求がなくならないんだよね」と言いながら、せっせとタバコ部屋に通い続けました。
部下は皆「そーだわ!さん、吸ったらいいじゃないですか(この人ダメだわ、意志ヨワ!)」と、ほとんど侮蔑の表情。それにもめげず会社のため毎日・・・。

光と影《国境を超える タバコ・コミュニケーション》
最後にもう一つ。タバコにはとても大事な功があります。タバコを通じた「人の輪」です。
仕事柄海外に行く機会が多かったのですが、どこの国でも友達になる引き金はタバコ。ミーティング後の、会食後のあの一本。そこには国を超えた「お! Youも吸うのか!」という強い同胞意識です。

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だから中国、韓国、台湾、シンガポールどこでも友達ができました。
その点、アメリカはダメですね。吸う人間がいない。だから友達もできませんでした(笑)。
これは会社でも同様で、タバコ部屋に行くと決して話すことのない人と話せたりするんです。

こんなこと普通できます?
用もないのに「最近どう?」なんて机に来られた日には気持ち悪いでしょう。
タバコ・コミュニケーション恐るべしです。

禁煙成功者から見る『受動喫煙防止法』

さて、本稿も終わりに近づいてきました。
最後に禁煙に成功した者として、昨今かまびすしい受動喫煙防止法について。
決して間違ってはいないのでしょうが正論必ずしも正しからず、「なんだかなー」という気分です。このままの風潮で行ったら、いずれ「タバコ吸う人間は電車に乗るな」、「エレベータに乗るな」、「息を吐くな」・・・なんて。

昔の交通安全スローガンにこんなのがあります。
「飛び出すな 車は 急に止まれない」「せまい日本 そんなに急いで どこへ行く」。
どうです、昔はこんなスローガンにすら味わいと余裕があります。
近づくな 煙は急に無くならない
これ位大らかに行きましょうよ。

都知事さんにも言いたい。
「せまい日本 そんなに急いで どこへ行く」と。

大らかさのないエキセントリックな風潮が耳目に触れるたびに、天邪鬼な私は思うんです。
非喫煙者の入店お断り」、「喫煙者Only」みたいな店誰か作ってよ、と。
これは他店にない圧倒的な差別化ですよ。大ヒット間違いなし!

だって、“利益とは人と違うことに対して払われる対価”(村田朋博 著『電子部品だけがなぜ強い』日本経済新聞出版社, 2011)だからです。
冒頭に言った差別化意識はとても重要です。
村田氏のこの本の別のタイトルは『他社と同じことは絶対にしない「天邪鬼経営」』。面白いですので興味を持った方はぜひご一読を。

https://www.nikkeibook.com/book/76735www.nikkeibook.com


再び閑話休題
今から10数年前、私の知り合いの技術ジャーナリストが日本S社製液晶TVと韓国S社TVをばらしてその部品点数を比較したことがありました。
その比較写真をさる私的な会合で見せてもらったのですが、見た瞬間一同びっくり口をつぐんでしまいます。韓国S社の部品点数はほとんど半分なのです。
当時、ダントツの日本S社と同じことをしていては勝てないことを韓国S社は知っていた訳です。
その後盟主はあっという間に交代します。

日本S社は日本ブランドに誤った信仰を抱いてしまったのかもしれません。
その後日本のS社が台湾の会社にM&Aされたことは記憶に新しいところです。

自己流禁煙の要諦

さて最後になりましたので自己流禁煙の要諦を。

1) ひどい風邪にかかる(最低三日は寝込むこと)
2) 禁煙は盆、正月の連休時に開始する
3) 休みの時は仕事しない、カミさんとケンカしない
4) タバコは吸わないが煙は吸う
5) 一気に止めようなどと思わない
 
これさえ守ればあなたも明日から確実に禁煙!(できるかも)

本記事の内容には一部フィクションが含まれます。
また「冗句」も含まれます。どうか大らかな気持ちでお読みください。

そーだわ!