【清澄白河】立地にとらわれることのないお店「ヒキダシ」カギは顧客満足度

“一般的に良いとは言えない立地で、客足が途絶えることのない人気店”があります。 清澄白河の住宅立地にお店をかまえる「ヒキダシ」というレストラン。 閉店を検討していたお店を再開し、現在は多くのお客様の来店を獲得している「ヒキダシ」の、向井康さんにお話を聞いてきました。

こんにちは、ぐっちゃんです!
私は、店舗流通ネットで働く以前、飲食店で店長をしていました。丸の内の駅近くの好立地にある大きな商業施設内の店舗でした。
 
現在は、店舗の開業支援担当として「物件紹介」をしています。私がお会いする多くの経営者や開業を希望する方は、希望物件に対して「立地」の良さを強調します。ですが、ご要望にあう良い立地の物件はそう多くはありません。
 
なぜならば、良い立地で出店をしている店舗は繁盛するケースが多く、閉店の可能性は低くなります。結果的に良い立地の物件情報は少なくなります。

飲食店において一般的に良い立地とは
駅前やビジネス街・商店街など、人通りが多いところを指します。その他、細かな条件として「通行人の目に入る物件」「飲食店の需要の有無」さらには「業態に対してのニーズ」など、挙げればキリがありません。
 
多くの開業希望者が望む“一般的に良いとは言えない立地で、客足が途絶えることのない人気店”があります。それは、清澄白河の住宅立地にお店をかまえる「ヒキダシ」というレストランです。同店舗では私の学生時代からの友人が運営に携わっており、話を聞いてきました。
 

立地にとらわれることのない人気店「ヒキダシ」

清澄白河の閑静な住宅街にある1軒のレストラン「ヒキダシ」。そこは駅に向かう通勤や通学の経路でもなく、人通りもまばらな立地です。一般的に、飲食店にとっては良い立地と言い難いこの場所で、多くのお客様の来店を獲得しています。
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清澄白河自体も、2000年の地下鉄開業にともない都市型の住宅地に成長。2015年にはサードウェーブコーヒーの火付け役「ブルーボトルコーヒー」の日本一号店が出店。その影響もあり、多くのカフェが出店し、今では”コーヒーの聖地”とまで言われる場所になりました。

2014年のオープン当初、「ヒキダシ」は現在と違う運営者で店名も「ヒキダシカフェ」と少し異なっていました。「引き出し」をモチーフにした変わった内装とコンセプトで話題を集め、盛況だったそうです。
 
しかし、スタッフの退職やさまざまな経緯があり閉店を検討していました。清澄白河自体はコーヒーブームもあり人気エリアですが、住宅立地は飲食需要が低く、顧客定着の難しさなども要因としてあったのでしょうか。
 

住宅立地の飲食需要
住宅立地は通行人の数も駅前や商店街と違い、多くありません。ビジネス街のように飲食需要も高くありません。同店舗は住宅立地の中でも、大型のマンションや団地が近隣に多くないため、人通り・飲食需要ともに少ない立地です。
 
2017年4月にお店を再開したヒキダシは、私の友人向井康さん(以下:向井さん)と仲間3人が運営を引き受けました。向井さんは私と同じく飲食店運営の専門学校を卒業後、調理を軸に飲食店に携わっており、仲間もそれぞれ飲食店経験を積んでいます。
そんな向井さんに、運営を引き受けた当時の事やこれからについて詳しく伺いました。

閉店を検討しているお店を引き受けたわけ

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なぜ、閉店を検討しているお店を引き受け、再開させたのですか?

向井さん:そもそも立地に関してはマイナスに捉えていません。なぜならば「良い立地」は考え方で変わるからです。物件としても間口が広い路面店で視認性抜群です。過去の売り上げを見ることができたので、具体的に成功のイメージが沸いた事も理由となりました。

「良い立地」の考え方は?

向井さん:良い立地に定義はないと考えます。一度でもお客様が来店してくれれば、リピーターになっていただける自信があります。お客様となりうる「その立地にいる人」にとってのニーズ(要望)を考え、想像し準備をすれば、自然とお店にとって良い立地になっていきます。
 
ぐっちゃん:「お店にとっての良い立地になる」という考え方は、単純に立地だけで開業の判断はもったいないと気付きますね。
 

リピーターを獲得する接客について教えてください

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向井さん:簡単に言ってしまうと、フランクな接客を心がけています。馴れ馴れしいではなく、親しみやすさを大切にしています。フランクで親しみやすい店員であれば、お客様が要望を言いやすくなります。それを続けることで「あそこ(ヒキダシ)に行けば安心して食事ができる」という印象付けが、リピーターにつながると考えるからです。

だからといって、お客様に言われるがままに提供することはしません。料理も飲み物も、自信のあるものを提供します。その上で、料理はあくまで「接客のためのコンテンツ」と位置付けることで、お客様のニーズ(要望)をヒキダシます。
ヒキダシだけに…。

ぐっちゃん:料理を「接客のためのコンテンツ」と位置づけることで、お客様との会話は広がりますね。料理や飲み物がきっかけになることで、正確なニーズ(要望)を引き出せますね。
ヒキダシだけに…。
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お客様にとっての「心地よい接客」「おいしい料理」を提供することで、自然とまた来店していただけます。
「心地よい接客」も「おいしい料理」も、重要なのは場所ではなくお客様に喜んでいただくために「何をするのか」にあると考えています。今行っていることの全てが正しいとは考えていませんし、まだまだ努力できることがあるはずです。

ぐっちゃん:お客様に喜んでもらうことこそが大切…。飲食店の本質ですね。今のヒキダシのやり方はスタッフの手腕にかかっている気がします。運営やスタッフの育成、全体の経営に関してはどう管理しているんですか?

向井さん:「ヒキダシ」のオーナーは、実は建築や空間デザインが本業なので、運営の多くを私たちに委ねてくれています。経営に関してはオーナーに全てをお任せし、私たちは運営に集中することができるんです。スタッフの育成にも力を入れており、接客の能力や技術は各々身に付いてくるので、その共有が大切と考えています。一致団結をはかるため、オープン前のまかないは全員そろって食べるように。スタッフの一体感はお客様に伝わりますしね。

ヒキダシの今後の展望

ヒキダシは、お店としても接客・料理もまだまだ成長過程です。私自身も運営だけじゃなく経営も勉強し、ヒキダシをもっと良いお店にしていくことも、新しい業態や立地で勝負することも考えています。
 
一つの事例として、「パン屋」を開業したいと希望をもち「ヒキダシ」の門を叩いた人がいます。
長らく勤めていた家電量販店を脱サラし、未経験からスタート。当初は「ヒキダシ」で働き接客やパン作りを勉強し、昨年の秋実際に「CLOP」というパン屋を清澄白河に開業しました。
 
経営は「ヒキダシ」のオーナーが行っています。近くに開業したこともあり、「ヒキダシ」で提供するパンとしても使用。近隣の方にも好評をいただき、最近では近所の幼稚園に納品するまでになりました。パン屋もそうですが、「人と人」「人と街」の繋がりを重要視しているので、根本的な考え方は変わりません。必要とされる店舗造りができたからこその成長だと考えています。
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まとめ

立地に関しての考え方を知りたくて「ヒキダシ」に来ましたが、重要だったのは「お客様への対応」でした。「お客様が何を求めているのか?」「お店として何が出来るのか?」 この2つを常に考え行動で示すことが、「立地にとらわれることのないお店」になる秘訣だと気付かされました。この2つを実践しているヒキダシだからこそ、評価を得ていると言えます。
 
良い立地はお店の人が決めるのではなく、お客様が行きたいと思うお店がある場所こそ「良い立地」になるのではないかと、私は思います。
飲食店出店において立地を検討する際、今一度考えていただき、立地にとらわれることなく、物件を検討していただいても良いのではないでしょうか?

ご協力企業・店舗

ご協力企業:株式会社ヒキダシ
■ご協力店舗:ヒキダシ
住所:東京都江東区白河3-8-5
TEL:03-6458-8680
OPEN 11:30~CLOSE 22:00  金・土 22:00~26:00 Barタイムあり
定休日:第2月曜日(ディナーのみ)
www.instagram.com
■ご協力店舗:CLOP
住所:東京都江東区白河2-10-6
OPEN 10:00~CLOSE 20:00(売り切れ次第クローズ)
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