【受動喫煙/全面禁煙化】飲食店のたばこ対応はどうなる?国の法令と地方条例の差とは

今まで数々の説が唱えられてきた全面禁煙化。 「受動喫煙対策」はどんな内容で施行されるのか。 原則禁煙という条件付き規制とは? 従業員の募集や求人の際に受動喫煙対策を明示する義務とは? さらに大手飲食店や居酒屋チェーン店の事例、飲食店以外のパチンコホールの全面禁煙化についてお伝えします。

f:id:tentsu_media:20180426112824j:plain
 
こんにちは
「あーきないと」改め「一休まめけんちくし」です。今回は【飲食店の全面禁煙化】の話です。店通-TENTSU-では1年前にもハクリュウさんが禁煙化の話題について記事を公開しました。
www.tenpo.biz
この話を引き継ぎ、2018年現在、刻々と明らかになる「受動喫煙対策」の中身について話をしていきます。
 
 

【受動喫煙対策強化】のこれまでの流れ

おさらいになりますが、たばこ規制が具体的に動き出したのは2010年。世界保健機関(WHO)と国際オリンピック委員会(IOC)が「たばこのない五輪」の実現で合意したことがきっかけです。
 
度重なる法令規制の内容変更の末、受動喫煙対策を強化する健康増進法の改正案が本年3月9日に閣議決定され、ようやく国会に提出されました。このあと、国会で可決されれば、いよいよ法律の施行を待つのみとなります。
 
さて、政府の健康増進法の改正案、その骨子はというと…
 
(1)医療・教育施設や官公庁等は敷地内原則禁煙
(2)上記以外の飲食店を含む事務所やホテルなどの施設は屋内原則禁煙
(住宅や旅館・ホテルの客室など私的空間は適用除外)
 
原則禁煙という条件付き規制となりました。これは飲食店の規模によって規制の内容が変わる、というものです。
 
●客席100㎡以下かつ資本金5000万円以下の飲食店
⇒「喫煙」か「分煙」の表示をすれば店内全面禁煙しなくてもよい
 
●客席100㎡を超える、または資本金5000万円を超える飲食店
⇒喫煙室を設けた場合のみそこでの喫煙が可能、喫煙か禁煙の掲示をしなければならない
 
※いずれの場合も「喫煙可」とされた場所は、従業員も含め20歳未満の立ち入り禁止ですから要注意
 
ちなみに、従業員の募集に際しては、募集や求人申し込みの際「店がどのような受動喫煙対策を講じているか」を明示する義務がでてくるそうです。
 
 

国の法令 施行時期はいつ?

「原則禁煙」が施行される時期は、東京オリンピック開催の2020年4月1日全面施行の予定です。厚労省の推計によると、この一定規模以上の規制対象飲食店は飲食店全体の45%程度の件数とのこと、違反した場合は最大50万円の過料だそうです。
 
しかし、いきなり言われても簡単に対応できるものではないですよね。これについては、経過措置があります。表で見ていきましょう。
 
f:id:tentsu_media:20180507173504j:plain
 
f:id:tentsu_media:20180507173529j:plain
(参考:厚生労働省ウェブサイト 健康増進法の一部を改正する法律案 (平成30年3月9日閣議決定)概要より)
 
2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでの2年間、段階的に施行を進めていきます。具体的な内容は公布をお待ちください。
 
 

国の法令とは別に地方条例があるのをご存じですか?

以上が国の規制の現在状況ですが、これが全てではありません。国のこの法令の規制とは別に、都道府県とその市区町村で独自のたばこ規制条例を定めている場合があります。国の規制と異なる条例を制定していれば、その区域内では条例を優先します。
 

東京都の受動喫煙防止対策強化改正案

f:id:tentsu_media:20180502191640j:plain
この記事では東京都の条例制定の動向について詳しく話していきます。
 
東京都では今年(2018年)の4月から都庁と出先機関の事業所を全面禁煙にしています。国に先行する形で昨年9月に「東京都受動喫煙防止条例(仮称)の基本的な考え方」をまとめて、都の建物では先行して模範を示しているというわけです。
 
自民党の厚生労働部会が行われる本年2月22日までは、東京都は30㎡を超える飲食店では原則禁煙の方針を打ち出し、国より規制の厳しい条例案をもっていました。しかし、この自民党の健康増進法改正案了承の内容が、都の内容とあまりにもかけ離れていたので、都は2月の都議会への提出を見送ったといわれます。
 
今現在、6月の都議会に新たな条例案を提出しようとしていますが、この度は30㎡の括りは困難と判断し、家族従業員かどうかを基準に見直した形となりました。
 
これは、「働く人や子ども」を受動喫煙から守るという基本方針のもと、受動喫煙を防ぎにくい立場である従業員を守るためです。
 
面積に関係なくすべての飲食店を対象とし、雇っている従業員がいるかいないかによって規制が変わるという内容です。しかし、たばこの煙を遮断するブースを設ければ喫煙可能だということです。
 
以下が東京都が4月20日に発表した「東京都受動喫煙防止条例」の骨子です。
 
●従業員のいない店または家族で切り盛りする店
⇒禁煙にしなくてもよい(店主は店内を喫煙可にするか禁煙にするか選ぶ必要がある)
 
●従業員がいる店
⇒禁煙にしなければならない(ただし飲食のできない喫煙室を設ければ店内喫煙可能)
 
こちらの条例も、2020年にかけて段階的に施行し、2020年には罰則の適用を含め全面施行の予定です。2019年のラグビー・ワールドカップ前には店頭に禁煙、喫煙の表示を義務付けるそうです。
 
従業員のいる店は都内飲食店全体の84%程度の件数ですので、これらの飲食店すべてが対象となります。違反した場合は5万円以下の過料だそうです。
 
しかし、東京都ではたばこの煙を遮断するブースを新たに設ければ、設置費として最大300万円を助成するそうです。条例内容は、決して簡単に取り組めることではありませんが、助成金を活用するなどして、2020年までに対応を行いましょう。
 

国の法案と東京都の条例 比較

以上のまとめとして、国の法案と東京都の条例案の比較をすると以下のようになります。
f:id:tentsu_media:20180507173957j:plain
 
今回は東京都のみを紹介しましたが、さらに市区町村で異なる条例を制定している場合もありますので、ご自身の店舗が所属する区域のルールを、きちんと確認しておきましょう。
 
 

「禁煙化」について、既に対応をはじめている事例

これらの法令・条例を前に、多くの店舗が対策を進めています。
 
ファミリーレストラン大手のサイゼリヤは2019年9月までに全国すべての店舗の全席で原則禁煙とする方針を打ち出しました。全国1000店、現在は多くの店舗で分煙の形をとっている状況です。
www.asahi.com
 
居酒屋チェーン店の串カツ田中は今年6月1日からほぼ全店舗に対して全席禁煙化すると発表しました。一部店舗は階に応じて喫煙・禁煙を分けるフロア分煙化を行うそうです。「ほぼ全店で禁煙化するのは居酒屋チェーンでは初となります」とコメントしています。
kushi-tanaka.co.jp

 

飲食店以外でも対応は進んでいます

飲食店以外でも「パチンコ店」が対策に大きく動き出しています。政府は大勢の人が集まるほとんどの場所で禁煙になっている中で、例外的にパチンコ店だけがタバコが吸えるという状況は好ましくないとの判断から、パチンコホールの全面禁煙化がすでに施行されています。
 
こちらも原則の話で、喫煙専用室を設ければそこでの喫煙は可能という内容です。日本人成人の喫煙率は現在30%前後、パチンコユーザーの喫煙率は50~70%という調査結果がありますが、今後どのようになっていくか気になるところですね。
 
 

まとめ

f:id:tentsu_media:20180507174226j:plain
今まで数々の説が唱えられてきた全面禁煙化についてですが、国の受動喫煙対策強化も都の受動喫煙防止強化もほぼこの内容で施行されそうです。
 
たばこを吸う人も吸わない人も、マナーとルールを守って気持ちよく食べ、気持ちよく飲みたいですね!飲食店に関わる方々にとっては、手間のかかる部分もあるかと思いますが、少しでもいい店内環境をユーザーにご提供お願いいたします。
 

一休まめけんちくし


こんな記事も読まれています

この記事をご覧になられた方々に、こんな記事も読まれています。
まだお読みでない方は、是非お読みください。
www.tenpo.biz





f:id:tentsu_media:20180426112824j:plain