ビルを守る設備機器「UGS」とは?キュービクルを設置したら知っておくべきこと

電気事業者より強く推奨されている設備機器「UGS」をご存じでしょうか。UGSは、キュービクルが設置されているビルを安全に守るために重要な設備です。
 
ビルの管理者にとっては、ここ10年でよく耳にするようになったキーワードかと思いますが、古いビル(20年以上前)では設置されていない場合も多くあります。しかし、そのままにしていると万が一の際に大きな事故に繋がる可能性があります。
 
今回の記事では、UGSの基本的な説明から起こり得る事故、工事の概要についてを書いていきます。UGSの理解を深めて、安全なビル管理を心掛けましょう。
 
 

UGS設置の基礎知識

UGSとは、「Underground Gas Switch/地中線用負荷開閉器」の通称です。
 
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飲食店や店舗などが入居している複合ビルでは、大きな電力を使用するためキュービクル(自家用電気工作物)が建物に設置されています。この電気設備が故障を起こした場合、近隣のビルを巻き込む波及事故が発生する恐れがあります。
 
こうした事故を未然に防ぐための機器が、UGSです。
 
UGSの普及率は、東電管内の4区(葛飾区・足立区・台東区・荒川区)で約53%と、まだまだ未設置のビルが多い状況です。自分が加害者になる場合だけでなく、近隣のビルが起こす事故の被害者になることも十分あり得ますので、全てのビルが意識してほしい問題です。
 
 

どうしてUGSがないと波及事故が起きるのか?

1つのビルに送られている電気は、複数の高圧電力利用者と配電用変電所に繋がっています。1つの配電線からは、平均1,500軒ものお客さまに電気が送られています。1つのビルで停電事故が起きますと、その全ての利用者が停電となる可能性があります。
 
その為、事故原因を起こしたビルだけが停電するのでなく、他のビルや信号機などの公共物にも波及します。
 
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UGSは、このようなトラブル・事故が起きた際に、自己のビルだけに被害をとどめるため、電気の流れを遮断する設備です。
 
 

UGS未設置の場合に考えられるリスク

もし波及事故を起こしてしまった場合、どのようなトラブルが考えられるでしょうか。
 
①パソコンデータの消失
②パソコン本体の故障
③店舗設備の故障(冷蔵庫、電話、FAX他)
④休業による営業補償、設備機械の補償
⑤公共性へのトラブル発生
⑥SNSによる個人情報の特定および拡散(事故原因のビル名、住所、所有者名など)
 
※参照(平成26年度波及事故報告・関東東北産業保安監督部)
http://www.safety-kanto.meti.go.jp/denki/seminar/data/26fy_00.pdf
 
波及事故により、近隣ビルの停電という2次被害が起こってしまった場合、上記のような事態が自社ビルだけでなく近隣にまで及びます。
  
事業店舗であれば営業停止、金融機関であればATM利用や送金手続きができない、信号が停止し交通機関がストップ…。あらゆる施設の電力をストップさせたことにより、莫大な損害賠償に繋がります。
 
さらには、事故を起こしたビルの特定がSNSなどのインターネット上で拡散され、個人やビル団体の名に大きな傷がつくことも。
 
 

電気事故の詳細について

そもそも、電気事故がなぜ起こってしまうのか?波及事故は、以下のトラブルが原因で発生します。

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自然劣化が全体の約半数を占めています。電気事故を起こさないためには、まず設備の定期点検を実施しましょう。
 
参照(平成26年度波及事故報告・関東東北産業保安監督部)
http://www.safety-kanto.meti.go.jp/denki/seminar/data/26fy_00.pdf

 
 

UGS設置の工事価格と事前準備について

UGSの取付けには、3時間程の停電(建物全停電)が伴います。24時間営業の店舗や停電により警備などが解除されますので、入居されているテナント、居住者の方々との調整が大切です。UGS機器の更新期間は、15年程度です。
 
費用については、建物の規模やUGS設置時に同時で行う工事内容(後述)によって大きく差がありますので、過去の工事価格事例をご紹介します。
 
参考1.江東区 建物8階建 約800,000円税別 停電3時間程
参考2.台東区 建物9階建 約750,000円税別 停電3時間程
参考3.国立市 建物地下1階4階建 約700,000円税別 停電2時間程
※上記はUGS取付けのみの工事費用の目安です。
 

UGS設置工事以外の工事について

UGS設置時に同じく検討される工事として、高圧ケーブルの張替えがあります。この高圧ケーブルの張替え工事はUGS工事以上に慎重な事前確認が必要となりますので、合わせてご紹介をします。
 
■高圧ケーブル張替え工事
キャビネット~キュービクル間にある高圧ケーブルです。更新推奨時期は15年~30年とされています。UGSを設置したとしても、高圧ケーブルが古いままだと単独事故の発生が考えられますので、UGS設置の際に張替え工事も行うことをおすすめします。
 
キャビネットは通常地上(建物1階部分)にあり、キュービクルは屋上に設置されていることが多いので、1階~屋上間の高圧ケーブルを張替えします。UGSと同じく工事中は停電が伴います。ビルの規模により異なりますが、通常6時間~8時間を要します。
 
注意事項として、工事の際は既存ケーブルを撤去(引抜き)し新規ケーブルを設置しますが、既存ケーブルの撤去(引抜き)ができない場合があります。
 
引抜きができませんと当然、新規ケーブルの設置ができませんので、ビル全体の電気が使用できないという事故が発生します。その為、事前調査を専門業者と入念に行うことが求められます。
 
工事価格の事例は下記です。
(参考)8階建ビルの場合
既存ケーブルの引抜が可能な場合:600,000円~800,000円税別
既存ケーブルの引抜きが不可の場合:1,000,000円~1,200,000円税別
 
既存ケーブルの引抜きが不可能な場合は、新たなルートにてケーブルを通す必要があります。通常は建物外にケーブルを通す配管を設置しますので、足場の設置も必要となり工事価格も高くなります。
 
 

できるだけ早めに、UGSとケーブル張り替えのご検討を!

最後になりますが、建物所有者の大切なビルの安全と資産を守るため、UGS設置工事および高圧ケーブル張替え工事を、ぜひご検討ください。
 
電気工事のご相談のある方は是非当社までご連絡を下さい。信頼のある業者をご紹介致します。
  
 
 
 
 

ダイマルテキサス


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