※最終回※「うちの店は大丈夫」それ本当ですか? 閉店を経験したオーナーの【退店レジュメ vol.14】-最後のパーティ-

2016年08月19日に始まった退店レジュメシリーズ。今回でおしまいです。長い間お付き合いいただきましてありがとうございました。シリーズ一覧はこちらからご覧ください!
 
退店レジュメシリーズ 記事一覧
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f:id:tentsu_media:20151214132054j:plain「ロコズのことを少し別な角度から知っていただき、閉店後も皆さまと何かしらの縁で繋がれれば良いなと、些細な気持からはじめた連載も最終回となりました。」

f:id:tentsu_media:20160520164924j:plain「1年半の連載、ついに完結です」

f:id:tentsu_media:20151214132054j:plain「本当はもう少しメリハリを付けて完結したかったのですが、思い返してみるとドラマがいくつもあり、長くなってしまいました。。」

f:id:tentsu_media:20160520164924j:plain「長きに渡り連載をご覧いただいた皆様、ありがとうございました!」

f:id:tentsu_media:20151214132054j:plain「ありがとうございました!最終回、宜しくお願い致します!」

 
 
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閉店の決意

解約を決意したロコズキッチン。さぁ、途方に暮れている暇はありません。これからもっと忙しくなります。800万円も掛けたこだわりの内装は全部撤去!でも、もう腹をくくりました。
 
それより、「どうすれば今までロコズキッチンを愛してくださった皆さまの記憶に残れるか?最後まで楽しんでもらえるか?」そんなことで頭がいっぱいでした。
 
お世話になったお客様に恩返しの意味も込めて、閉店しても記憶に残るよう、最後まで“ロコズらしさ”を忘れずに、営業がしたい。なんてことを思っていました。
 
あれやこれやと閉店までの準備を考えていくうちに、とあることに気付きました。物事を前向きに考えられるようになっている自分がいるのです。
 
心身共に疲れ切っていた閉店前の私は、何でもネガティブ思考になっていました。とにかく余裕がなく、先が見えない。それが、いざ閉店を決めると、それまでにやらなくてはいけないことを冷静に考えられるようになりました。
 
限られた時間をどう最大限活用するか。前向きなアイデアが次から次へと頭に浮かびました。閉店という悲しい決断ではありましたが、「ネガティブなことでもポジティブに考えて行動する」自分の人生観が大きく変化したきっかけです。
 
 

閉店戦略を立てよう

やりたいことはたくさん!!でもやらなきゃいけないことはもっとたくさん。
 
解約予告から6カ月後の8月31日。その時点でスケルトン状態で物権を明け渡す必要があります。そこで相談したのが、店通-TENTSU-メディアの運営会社でもある店舗流通ネットのAさん。店舗解体や厨房什器の買取をしている会社を紹介してもらいました。リース会社と交渉を同時に進めます。
 
物件の明渡し日から逆算して、解体工事などのスケジュールを組み立てた結果、最終営業日は8月16日(日)に決定しました。
 
次に、食材・器備品・内装設備など、今まで取引をしていた会社との最終納品日や最終支払い、公庫と信金への支払い日変更などを行います。
 
閉店予定の8月、立教大学は絶賛夏休み中。あたりは閑散とし、周りの飲食店も全体的に売上が落ち込む時期です。そんな時期でもお客様に喜んでもらえるよう準備を行いました。
 
一般的には、店の閉店告知はギリギリまでせずに、ひっそりと閉店していくお店が多いようです。
 
ですが、ロコズの場合、パーティやイベントの企画運営を数多く手掛けるハワイアンカフェでした。そのため、お客様との距離も近く、告知はしっかりとお伝えしたいと思いました。
 
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「閉店する」と告知したら、常連様がパーティーやライブ、イベント等を通し、最後まで楽しんでくれるのではないかと思ったからです。実際にイベントによる売上が多くを占めていたので、迷いはありませんでした。
 
今までの経験上、ロコズでのイベントはおおよそ2ヶ月前から予約が埋まりはじめます。それを踏まえ、6月の閉店告知に間に合うように、今まで運営を手伝ってくれた仲間とポスター作りに着手しました。
 
 

閉店までのカウントダウン

閉店計画はこんな感じで進んでいきました。
 
●3.4月
閉店の内々準備
●5月
スタッフ、教室の先生や生徒さん、イベント主催者、アーティスト等関係者各位へ内々告知
●6月
一般のお客様に向けて閉店一斉告知。ポスターをバンバン貼り、チラシをポスティングし、SNSで告知しまくる
●7月
パーティーやイベントが入り出す
●8月
ほぼ貸切パーティー三昧
●8月16日
オハナの皆さま(お客様)と大パーティー!
 
結果的にほぼ計画通りに行き、8月は通常営業がほとんどできないくらいパーティーやライブのご予約をいただきました。
 
いよいよ最終日。8月16日(日)はロコズキッチン前代未聞の朝6:00オープン!前日もフラダンス教室で30名の貸切パーティーがあり、片付けと仕込みで睡眠時間は1時間。うれしい寝不足です。
 
朝パーティーはかれこれ4年程お付き合いのある進学塾の徹夜勉強会後の利用でした。いつもは朝マックで済ませていたらしいのですが「最後だからロコズでやりたーい!」と生徒さんから要望があったそうで。先生から急遽ご依頼いただきました!
 
もちろん、お受けしました!その数40名。ロコズ店内は18席ですので立食形式にしてもらいます。 
 
朝マックなら350円なのに、この日は1人1500円単価のオーダー。朝から60,000円の売上です。先生は経費が大幅にかさむにも関わらず使ってくださいました。
 
本当に嬉しさと感謝でいっぱいでした。先生、ありがとうございました!!
 
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休む暇なく、12:00からのパーティー。お客様も従業員も関係なく、みんなで一緒にワイワイやりましょう。というロコズの集大成といっても過言ではない会でした!
 
狭い店内に約70名も来てくださり、身動き取れず店が壊れるんじゃないかとも思うほど。最後なのでお客様も厨房やバックヤードも自由に出入りOKにし、ロコズの厨房で料理を作れてしまうという試み。お客様にとって飲食店の厨房は新鮮だったようで喜んでいただけました。
 
最後は全員で記念撮影やスタッフへ感謝の色紙プレゼント、ロコズの壁に落書き仕放題!最高に盛り上がり、ロコズらしい大きな華を咲かせることができました。
 
 

閉店後の話

楽しい時間はあっという間に過ぎていき…。翌日。ゆっくりしている暇はありません。朝から早速片付けスタート。厨房什器買取の方に来店していただき厨房の撤去作業です。
 
その後メーカーによる協賛品の回収。翌日から解体業者の方が店舗スケルトン工事に着手。浅野は閉店の手続きのため、税務署、都税事務所、労働基準監督署、区役所、保健所、青色申告会、金融機関等毎日駆けずり回りました。
 
【8月 閉店後のスケジュール】
17日:厨房、協賛品撤去
18日~30日:解体工事
18日~30日:廃業手続き諸々
31日:家主明渡し
 
そして、9月1日から現在もお世話になっている店舗流通ネットにご縁をいただき、改めて入社致しました。
 
振り返るとロコズキッチンはオープン前、そして2010年10月9日(土)の緊張して迎えた朝から、2015年8月16日(日)の多くの皆さまと迎えた閉店の日まで、本当に家族、スタッフ、お客様に支えられ続けた5年間でした。
 
この5年間、価値観も変わり、性格も変わり、人生をも変えることができました。目に見える失ったモノは大きいです。しかしそれ以上に目に見えないたくさんのモノを手に入れられました。
 
経験上、金を先に追い求めた商売をすると必ずと言って良いほどヤケドをしました。しかし繋がりを大事に、お客様に喜ばれることを考えると、後から必ず利益が付いてきました。
 
商売の原点「先義後利」とは良く言ったものです。金を追った商売をすると逆に金は逃げて行く。商売の鉄則だと私は思います。これからも引き続き「誠実に寄り添い、とことん付き合う。」を信念とし、取り組んで参ります。
 
 

閉店をお考えのオーナー様へ

最後に、ロコズの場合ですので参考になるか分かりませんが、店を閉めようとお考えの飲食店のオーナー様へ。
 
商売のやめどきは「心身、金、外部環境(立ち退きetc)」。なかでも身体は本当に資本です。そこに限界を感じたらお辞めになることをお勧めします。あとは金と外部環境等は経営者の皆様ご自身で腹を括って覚悟を決める。だと思います。
 
そして、閉店を「戦略」として考えるのであれば、閉店という負のイメージを逆手に取り、閉店セールのような、明るく楽しいお祭りプロモーション活動を心掛けてください。
 
ロコズの場合も、最後の最後までパーティーや貸切需要等のコト消費を取り込み、お客様に楽しい思い出を作っていただく。できることは全てやりきる。を心掛けました。
 
プロモーションの方法としては、今まで来てくださっていたお客様を明確に意識し、皆様の楽しんでいる写真をSNSやポスターに多く使わせていただきました。料理は手作りを重視していたので美味しいのは当たり前です。ロコズはプラスアルファを「コト消費」にフォーカスしました。
 
辞めるにしても、やること、考えることはたくさんあり「段取り8割、やること2割」の法則でした。「立つ鳥、後を濁さず。」やるからには思いっきり、最後まで、笑顔で、お客様のことを第一に。
 
 

あとがき…

ちなみに閉店後の私の人生ですが、借金を抱えながらもロコズでいただいたご縁を更に広げて様々な挑戦をさせていただいております。
 
特に現在はロコズで数多く手掛けたイベントをブラッシュアップし、「出会いや体験」にフォーカスしています。また、今までに数千の投稿、数万枚撮ってきた写真のノウハウが自分に蓄積され、プロモーションも得意分野となりました。
 
2018年は更に新しいコトにチャレンジし、新しい方々とお会いし、新しいビジネスにも取り組んで参ります。それでは最後まで読んでいただきありがとうございました。
 
 
MAHALO!!!
 
 
 

浅野

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