【トラブル事例!】商業地域?居住地域?飲食店における騒音基準とは?

今年の夏も折り返し時点に差し掛かりました。この時期になると日が長くなり、夜間の外出なども増えますよね。その際に話題に挙がるのが、今回のテーマ“騒音”です。
 
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そこで、今回は飲食店舗運営に関わる騒音対策についてお届けしていきます。騒音についての規制や、規制をクリアにするために行った対策など、都内の物件で起こった事例を交えてご紹介していきます。
 

地域によって「騒音」のルールが違う

「騒音」とひとくくりにしても、各地域においてのルールが存在します。環境確保条例第132条によると、飲食店営業や喫茶店営業も、深夜制限営業に関わる事業所として指定されています。*1そのため、飲食店営業を行う方にとって「騒音」は切っても切り離せない問題です。
 
ここでいう深夜制限営業における「深夜」とは、午後11時から翌日の午前6時までの間を指し、この時間に発生する“音の大きさ”や“作業”を規制されるものとして認識していただければ大丈夫です。


《規制地域》
第1種低層住居専用地域 40デシベル
第2種低層住居専用地域 40デシベル
第1種中高層住居専用地域 45デシベル
第2種中高層住居専用地域 45デシベル
第1種住居地域 45デシベル
第2種住居地域 45デシベル
準住居地域及びその周囲20m以内の区域
引用:東京都観光局 深夜の営業等の制限より一部引用
 
飲食店が出店の可能性のある地域を記載しましたが、こんなに細かく地域が分けられています。
 

意外とうるさい!?騒音地の基準とは

 
上記で示した騒音値は「デシベル(db)」という単位で示されます。では、どの程度の音を出すと40~50デシベルという数値が計測されるのでしょう。
 
答えは、家庭用クーラーの室外機の音や、換気扇の音でさえおおよそ50デシベルを超える数値が計測されます。ですので、商業地域でも50デシベルというのは、かなり厳しい規制となっていることが分かります。
 
飲食店舗として必要なダクトのモーターファンの音は、はるかにこの50デシベルを超えてしまいます。また、容量の大きいエアコンの室外機なども基準値を超えます。
 
となると、多くの飲食店がこの基準値を大きく上回る可能性があります。指摘されたことがなくても、地域住民に不快な思いをさせている可能性もあります。ご自身の出店されているエリアはどの地域区分に該当するか確認が必要です。
 

商業地域と居住地域が混在!恵比寿で起こった実例紹介

 
特に注意して欲しいのは、駅周りに商業地域と住居地域が混在している地域です。
 
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境界周辺の建物に入居している場合は、規制値の遵守が強く求められてきます。下記の画像の矢印で示す場所は、商業地域と住居地域が隣接しています。
 
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この場合、用途地域は「商業地域」ですが、道路を境に「第1種住居地域」というケースも想定されます。すると、規制値が50デシベルから45デシベルの規制値になります。
 
矢印の場所は50デシベルなので規制値は問題なくクリアできますが、周辺は第1種住居地域のため、騒音の基準を商業地域で考えることは危険です。先ほど騒音のルールの中でもご説明しましたが、居住地域内でも40デシベル~45デシベルと違いがありますので注意しましょう。
 

都内高級住宅地に出店した焼肉屋のケース

 
事例を1件ご紹介します。
焼肉店を出店予定のAさんがビルの一室を賃借しました。その物件の隣には居住用マンションが建っておりましたが工事中には特に問題もなく、内装工事を行い無事に開店することができました。ところが、オープンしてまもなく、隣のマンションオーナーからご意見をいただきました。
  
「屋上に設置されている、ダクトファンの機械音がうるさい」
 
f:id:tentsu_media:20170814113853j:plainダクトファンによる騒音クレームのイメージ
 
管轄する区の職員が、音響測定装置を持ってきて計測したところ 夜間での数値が64デシベルに達しており、規制値(商業エリア50デシベル)をはるかに超えていました。
 
既に設置されたダクトファンを移動するには高額の費用が発生します。結果、防音対策として、騒音の原因となるダクトファンの周りに屋根のない囲いを設け、排気の吐き出し口の向きをマンションとは逆の方向に向けるということで解決しました。その後も区の職員が対策後の音響測定をおこない、規制値内に収めたことが確認できました。
 
このように、騒音のトラブルが発生した際は第三者(区の職員等)が立ち会いのもと、各用途地域の規制値を基準に対処する必要があります。また、一度騒音問題が発生すると被害者側は音に過敏になることが多いので、未然に対策をとった工事を行うことをおススメします。
 

地域の環境に配慮した出店を行いましょう

用途地域の区別によってさまざまなな規制を受けることがあります。今回は騒音についてご紹介しましたが、この機会に改めて地域の条件等を調べてはいかがでしょうか?
 
良好な店舗運営はビルオーナーとの信頼関係や周辺の方々との関係性も重要です。今一度近隣の環境に注意を向け、地域に根付いた店舗運営を心がけましょう。
 
既に店舗を運営しているが、何も対策してなく心配だ。という方がおりましたら当社へ一度ご相談ください。


上記のお問い合わせフォームでは、騒音でお困りのテナントオーナー様、ビルオーナー様からのお問い合わせを受け付けております。なお、一般住宅等のお悩みに関するお問い合わせには、お答えできない可能性がございます。あらかじめご了承ください。

ガイワラ


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*1:食品衛生法施行令第35条第1号に規定するものとされています

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