ガード下放浪記|昔ながらの高架下の再開発事情とは?有楽町・銀座界隈を歩く。

ガード下とは何か?昼から飲めるとイメージが強い有楽町・銀座界隈の昨今のガード下事情とは。今はなき丸三横丁、そして昔ながらの首都高の高架下、銀座インズ、西銀座デパート、銀座ファイブ、銀座ナイン、2020年の夏開業の再開発計画『日比谷 OKUROJI 』『日比谷 グルメゾン』についてレポートします。

遊休地活用の一環いっかんとして、JR東日本が東京都小金井市の中央線の高架下に、2020年の春開業の学生向け賃貸住宅を建設するというニュースが出ていた。なんでも、居室は109室、食堂やカフェテリアの共用スペースがあって、賃料が5万円台~らしい。学生さんにとっては大変リーズナブルだが、電車の騒音や振動は平気なのか?ちょいと心配。
最近は、JR・私鉄各社が交通渋滞や踏切事故対策として進める「路線の高架化」に伴って、「ガード下」の有効利用も進んでいる。JR東日本では(株)JR東日本高架下サービスという子会社を作って、時間貸しや月め駐車場、さらにトランクルームを運営しているという。
今回は、そんな「ガード下」についてレポートする。

ガード下とは?

ガード下とは、高架下。高架橋の下のこと。「ガード下」の由来は、桁橋けたばしを意味する「girder bridge(ガーダーブリッジ)」を、ガードと略したことに由来するという。
有楽町駅近くの京浜東北線のガード下
有楽町駅近く、京浜東北線のガード下

昼から飲める「有楽町ガード下」の再開発計画

「ガード下」と聞いて一番に思い浮かべるのは、有楽町界隈かいわいの有楽町駅から帝国ホテルの間。 昼間から焼き鳥や焼きとんを焼く煙がもくもくと立ちのぼる大衆酒場、すし屋、お洒落なイタリアン、ドイツビールの店など、いくら飲んでも飲み足りない店ばかり。

■2020年の夏開業『日比谷 OKUROJIヒビヤオクロジ 』『日比谷 グルメゾン』とは

そんな有楽町を起点に、帝国ホテルから新橋駅までの銀座側のガード下は、ちょいと気取った店が多くてにぎわっている。第一ホテル側はやや少し寂れていて、倉庫や新聞屋さんなどが入っているものの、飲食店は数えるほど。
ニュースによると、この山手線・京浜東北線・東海道線・東海道新幹線が走るガード下、約1万平方メートルの大空間を、JR東日本とJR東海が共同でリニューアルし、2020年の夏をメドに商業施設を開業するとのこと。個性豊かな店舗を集め、新橋、銀座、有楽町、日比谷をつなぐ回遊空間にするという。
日比谷側のレンガ造りのアーチは、明治44年(1911年)竣工しゅんこう、100年以上の歴史を持ち、2010年に「土木学会選奨土木遺産どぼくがっかいせんしょうどぼくいさん」に選ばれた、建築的価値も高いものだ。この商業施設の名前は、JR東日本が開業するエリアが『日比谷 OKUROJI』、JR東海が開業するエリアは『日比谷 グルメゾン』。
なんだか、焼き鳥の煙りがもくもくというイメージとは対照的な「ガード下」になるようだ。
有楽町駅~新橋駅間 内山下町橋高架下開発計画について
2019年現在の有楽町のガード下
有楽町のガード下[2019年10月]

今はなき「丸三横丁」

有楽町~東京界隈の「ガード下」も奥が深い。
東京駅に向かう丸の内側のガード下には、飲食店に並んで、はとバスの窓口と待合室があったりと、不思議な風景が広がっている。
また、有楽町駅前のロフト横から東京駅に向かうガード下には、かつてはラーメン屋さんや飲み屋さんが立ち並ぶ小さな横丁、『丸三横丁』があった。高架の耐震補強工事のために閉鎖されてしまったが、この丸三横丁を抜けると小さな「東京駅の入り口」があり、知る人ぞ知る京葉線に乗るための近道であった。 
 

江戸から受け継ぐガード下 「首都高の高架下」

有楽町・銀座界隈は、鉄道のガード下だけではない。この辺りは「首都高速道路」が走っていて、そのガード下も利用されている。そもそも、東京の首都高速道路は、1964年の東京オリンピックを契機に整備され、江戸城の外堀や運河を埋め立てて建設したものが多くある。
有楽町から銀座にかかる首都高の下には「ガード下」と感じさせない商業施設、「銀座インズ」、「西銀座デパート」、「銀座ファイブ」があり、新橋駅側には「銀座ナイン」がある。

住所が無い!?「銀座インズ」の住所とは。

「銀座インズ」は、有楽町駅前の交通会館の先にあって、昭和39年の東京オリンピック開催の年に「有楽フードセンター」として開業し、今は「INZ 1」と「INZ 2」と「INZ 3」に分かれている。
有楽町駅前の交通会館
有楽町駅前、交通会館
「INZ 3」は1階のみだが、「INZ 1・2」は地下1階~2階の3フロアの建物で、ガード下とは思えない立派な建物になっている。1階がおもにファッション・フロアで、女性用のファッションや雑貨屋さんが多い。地下1階と2階は、お洒落なダイニングから中華や居酒屋と、多彩な飲食店が多い。
だが、この「銀座インズ」には正式な「住所」が存在していない!! もともとここは「外堀川」という川が流れていて、そこを埋め立てて「首都高」を建設し、その下に「銀座インズ」を建てたものである。「川」には「住所」が無いから、そのままになっているのだ。しかし、「住所」が無いと宅配や郵便が困るので、正式な「住所」ではないが「東京都中央区西銀座2丁目2番先」で届くらしい。「先」とは!!

NISHIGINZA!「西銀座デパート」

さて次は、「銀座インズ」に隣接して数寄屋橋方面が「西銀座デパート」・・今は「NISHIGINZA」という表記になっている。
こちらは地下1階と地下2階、1階、2階の建物で、雑貨やファッションなどのテナントの他、ネイルサロンやエステ系の店舗が多い。そんな中、地下1階と地下2階でダントツに多いのは、女性用の下着と水着屋さん。冬でもビキニが売っている!
男が一人で歩くには、ちょいと恥ずかしい。

旧名:数寄屋橋ショッピングセンター「銀座ファイブ」

晴海通りを挟んで「有楽町マリオン」の反対側のガード下、「銀座ファイブ」は、地下1階~2階の3フロアの建物。この「銀座ファイブ」の中を抜けるとみゆき通りになる。看板は「GINZA 5 FIVE」となっているが、昔は昭和の香りのする名称「数寄屋橋ショッピングセンター」だった。実はここの住所も「東京都中央区銀座5丁目1番先」で「先」になっている。そしてやはり「銀座5丁目」だから「銀座ファイブ」。
この「銀座ファイブ」には、「銀座インズ」や「西銀座デパート」とは異なった特徴がある。一応ファッション系のテナントもあるのだが、古いコインや食器などを扱うアンティークショップが多い。そのお店を眺めながらみゆき通りの出口を出ると、これまたアンティークな「泰明小学校」の建物があり、本当にタイムスリップしたような感覚になるのです。
泰明小学校
泰明小学校

銀座8丁目の先、「銀座ナイン」

さて、お次は「銀座ナイン」。こちらは銀座といっても新橋駅に近く、「銀座ナイン」だから「銀座9丁目」と思いきや、住所は「東京都中央区銀座8丁目10番先」だ。まあ、8丁目と9丁目の堺にあって、8丁目側から見れば「8丁目の先」。9丁目側から見たら「9丁目先」になる。ただ、実際に中央通りの8丁目交差点に立ってみると「8丁目先」の方がしっくりとする。
こちらの銀座ナインは地下1階~2階の3フロアの建物で、外堀通りから並木通りの間にある「1号館」、並木通りから中央通りの間にある「2号館」、そして中央通りから昭和通りの間の「3号館」から成っている。
繁華街から一番離れている「3号館」の昭和通り側には「安売りの殿堂 ドン・キホーテ」や「肉のハナマサ」が入っていて、地下駐車場「東銀座駐車場」の入り口がある。そして、「1号館」と「2号館」はファッション系のお店もあるが、ここは「夜の銀座」、並木通りの起点だから、飲食系のテナントが多い。
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銀座8丁目交差点
自分が銀座で飲む時は、新橋の喧騒けんそうをはなれて・・この「銀座ナイン」の「2号館」の行きつけの「小料理屋」からスタートする。そこで、ほろ酔い気分になったら、並木通りを上って「バー」や「クラブ」を梯子はしごするのが自分の「銀座の流儀」だが・・・。
 

有楽町・銀座界隈のガード下事情 まとめ

有楽町駅ホーム
有楽町駅
有楽町を中心とした新橋・東京・銀座界隈の「JRのガード下」と「首都高のガード下」をレポしてみたが、「ガード下」は本当に奥が深い。特に銀座の「首都高のガード下」は全国でも珍しいのではないだろうか?
 
鉄道の「ガード下」は、まだまだ書ききれないほどある。上野駅から御徒町駅までの「アメ横」をレポしたら大変なことになるだろう。
ということで、難しいことは考えず。今晩は、銀座じゃなくて有楽町の「ガード下」を吉田類のように「酒場を放浪」しようかなぁ。
吉田類の酒場放浪記 7杯目

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