名古屋再開発とリニア開通だけじゃない!経営者に聞く『地方都市出店のすゝめ』

近年活発化している飲食店企業の地方出店とは。地方展開された飲食企業の経営者に、地方都市出店のノウハウやメリット、注意点を教えていただきました。さらに、店舗流通ネットの名古屋支店長が、名古屋再開発と名古屋駅周辺~栄エリアの開発状況、リニア新幹線の見通し、そして物件不足の名古屋の新たな商業ビル竣工といった、東海エリアでの取り組みを紹介いたします。

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こんにちは、名古屋の金子です。
近年、都内で展開している飲食店企業の地方出店が活発化しています。
これまで、各地方から都心へ出店を目指す飲食店は多く見受けられたものの、都内から地方へと展開していく企業は、単一業態で展開するようなナショナルチェーン(全国チェーン)以外なかなかありませんでした。
それが最近では、居酒屋やイタリアン、焼肉といった多業態を武器にした中小企業の地方展開が増えているのです。

【経営者に聞く】都心から地方への店舗展開とは?

近年の飲食業界は、「いきなりステーキ」さんに代表されるようなナショナルチェーンの専門店化により、大手企業の地方展開の店舗が「どこにでもあるお店」になったことで、顧客の「飽き」までのスピードが速くなってしまっています。そのため、小回りの利く中小企業の「多業態展開」が、地方都市で受け入れられる傾向にあるかもしれません。

今回はそんな地方出店をしている飲食企業の経営者様に、地方展開のノウハウやメリット、注意点を教えていただきました。

GOSSO株式会社 代表取締役 藤田健氏

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店舗流通ネットと長くお付き合いをいただいており、日頃から懇意にしていただいている企業様です。
名古屋への初進出の際は、店舗流通ネットのマスターリース物件に出店していただき、OPEN当初から今でも、ウェイティングが出るほどの繁盛ぶりです。現在は、同じビル内に増店され、東京・大阪に続き「GOSSO社の提供する食文化」が名古屋にも根付きつつあります。

株式会社ヴィクセス 代表取締役 中元孝太氏

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中元氏は、店舗流通ネット出身で私の上司でもありました。在職中には非常にお世話になり、営業のイロハを教えていただきました。

独立されてからも当時と同様に、周囲を巻き込みすごい勢いで飲食業界を突っ走っています。

『地方都市出店のすゝめ』出店経緯から、今後の展望

◆地方出店の経緯を教えてください。
中元氏 都内は商圏が広いですが、どのエリアにおいても競合が多い上に保証金、賃料が高額。さらに最近は好立地物件の奪い合いにより経済条件が高騰しているので、利益の出しやすい地方都市へ積極的に出店しています。

◆店舗展開をしていく上で意識している点はありますか?
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「名古屋テラス」GOSSO株式会社
藤田氏 展開する際は、同地区で3店舗以上出店をするドミナント戦略を意識しています。飲食店として大事な部分にQSCの徹底*1がありますが、それを安定的に提供するためには、従業員の安定した職場環境が重要になります。その際、1店舗であるよりは、多店舗を展開している方がシフトヘルプなど、多くのメリットが出てくるのです。

中元氏 「やりたいことをやるのでなく、必ず利益を出すこと」「働くスタッフが常にワクワクした状態でいられること」「そのエリアにない、もしくは同じ業態が少ないエリアに出店をすること」この3点を意識して、出店を判断しています。

◆地方出店のマーケット規模や物件選びに関する条件などあれば教えてください。
藤田氏 現在GOSSOの出店するマーケットは、50万~100万人の大商圏都市の駅前立地に、「美味しい・楽しい・新しい」食空間を提供しておりますが、今後は5万〜50万の中小商圏にも対応できるブランドの開発と展開を考えています。

中元氏 物件選びはシビアに見ています。ざっくりではありますが、賃料は10万~20万円でなければ基本的に検討から外しています。

◆地方出店時に気を付けている点はありますか?
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「ESOLA」株式会社ヴィクセス
藤田氏 本部と店舗の物理的距離が離れる分、会社の方向性や将来の見通しについての共通認識にが出やすいので、共通認識を高めるための総会や懇親会を増やし、同じ方向性に進んでいける組織風土を作ることを意識しています。

中元氏 人材の面ですね。都内のメンバーが現地入りを希望してくれるかどうか、現地採用の難易度に気を付けています。
また、売上を予測する際に、都内から展開しているナショナルチェーンの集客状況の把握、ビールの販売量や周辺商圏調査など、事実調査をしっかり行うようにしています。

◆地方出店をされた際に苦労された点はどんなところでしょうか?
藤田氏 近年、東京も含めて全国で人手不足が課題となっていますが、名古屋地区は参入する時点でも一番の課題は従業員の確保でした。現在も東京の従業員を名古屋に行ってもらっている点において、苦労をさせています。

◆今後の飲食業界で心配されていることはありますか?
藤田氏 やはり少子高齢化による人手不足、酒離れ、消費税増税による景気後退、飲食店の全面禁煙化など、飲食事業を取り巻く環境は厳しい状況であると思っています。

中元氏 やはり人材面ですね。今は超売手市場になっているので、企業としての魅力をもっと磨いていきたいと考えています。他にはSNSの普及により、トレンドの盛衰スパンがどんどん速まっていることも、業界全体の問題だと思います。

◆今後の展望をお聞かせください。
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「GARDEN FARM」GOSSO株式会社
藤田氏 2025年に100店舗100億円企業をになることを目指し、企業価値を高め、大中小商圏かかわらず出店できる企業を目指しています。

中元氏  ESOLAを中国地方、四国地方に直営で出店したいと考えています。
これは、「ぜひとも自分の地元でヴィクセスブランドを広めたい」と言ってくれているスタッフがいるためです。
また、現在力を入れている「肉流通センター」という業態を4年以内にFC加盟店を含め100店舗体制にすることです

◆最後に、これから地方出店を検討される方へアドバイスをお願いします。
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「肉流通センター」株式会社ヴィクセス
藤田氏 遠方出店は店舗を出すための直接費用もかかりますが、さらに出張する際の移動時間や費用といった間接費用がかかってきます。お店を出すことはゴールではなくスタートです。
そこから長く運営をしていくことを考え、会社の方向性と一致する出店戦略をベースに展開を検討することが大事だと思います。

中元氏 やはりここで本当に売上が稼げるのかという不安が一番あると思います。この点でいえば、全国に展開している新興チェーン企業の出店立地を徹底的にベンチマークしています。
新興チェーンは近年の状況を踏まえた上で立地を選定し、出店をしているので非常に参考になります。ちなみに僕は株式会社ヨシックスさんの「や台ずし」を参考にさせていただいています。



お二方ともお忙しい中、ご協力ありがとうございました。
人材不足が叫ばれて久しいですが、多くのスタッフさんを抱える飲食業界においては、やはり影響は大きいようですね。
地方出店における考え方についてなど、経営者様に参考にしていただければと思います。

名古屋支店長が語る『東海エリア出店のすゝめ』

ではここから、私が常駐している名古屋支店管轄の東海エリアの状況を簡単に説明します。
まずはここ数年で竣工した名古屋駅周辺の開発状況をご覧ください。

名古屋駅周辺の開発状況

2015年 大名古屋ビルジング 地上34階、地下4階
2015年 JPタワー名古屋 地上40階、地下3階
2016年 シンフォニー豊田ビル 地上25階、地下2階
2017年 JRゲートタワー 地上46階、地下6階
2017年 グローバルゲート 地上36階
2018年 御園座 地上40階、地下1階


名古屋駅周辺の開発状況からもわかるように、各地に散らばっていた東海の有力企業が、名古屋の中心部に相当数集中することになり、名古屋駅周辺の就業人口は劇的に増加しています。

元来、名古屋市内の繁華街といえば栄、錦エリアでした。
ところが、車社会であった愛知県の就業人口が名古屋の中心部に集中したことにより、飲食マーケットの中心である「名駅3丁目」エリアだけでなく、オフィスや市場エリアだった「名駅4丁目エリア」、「駅裏」と呼ばれていた「椿町エリア」も飲食店が一気に増え、活況を帯びています。
栄エリアの名だたる百貨店群を抜き去り、売上1位に躍り出た「名駅高島屋」に見られるように、商業地としても名古屋駅が栄に取って代わっているのです。

名古屋に続く、栄エリアの開発計画!

今後は都市開発で後れを取っていた栄エリアにも開発計画が多数持ち上がっています。例えば中日ビルの建替え、丸栄跡地の商業ビルの建設計画、久屋大通公園整備計画、錦3丁目の大丸松坂屋新ビル計画など、大規模な計画が目白押しです。
2020年 丸栄跡地の商業ビルの建設計画 地上3階
2020年 久屋大通公園整備計画 北エリア・テレビ塔エリア再整備
2020年 錦3丁目の大丸松坂屋新ビル計画 地上6階、地下2階
2024年 中日ビルの建替え 地上31階、地下4階


■名古屋駅・栄駅周辺情報にについて詳しく調査した記事はこちら
【名古屋駅vs栄駅】路線価で見る2019年不動産事情!これから出店するなら!?


リニア新幹線開通により、東京~名古屋間が40分に!

あとは何といっても、2027年開通予定のリニア新幹線ですね。リニア開通後には東京~名古屋間が現在の1時間40分からわずか40分へ短縮されます。一説にはリニアが大阪まで延伸するまでの期間は、関西エリアより東海エリアの市場規模の方が大きくなるという試算もあるくらいです。工事が遅れそうなニュースが連日報道されてはおりますが・・・。
ちなみに現時点においても大阪府と愛知県のGDPを比較すると、ほぼ同額なんですよ。

「TRUNK椿町」物件不足の名古屋に、新たな商業ビル竣工

そんな開発計画が目白押し、駅前商圏の拡大が著しい名古屋に店舗物件をさらに供給するため、店舗流通ネットでは商業ビルの自社開発に力を入れています。2019年2月に第1弾の開発案件として、名古屋駅から徒歩1分ほどの立地の「TRUNK椿町」が2019年2月に竣工しました。
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さらに、第2弾としてトヨタ自動車の発祥の地であり、現在も主要関連企業の集積地である刈谷駅前においても新築ビルを計画中です。
名古屋駅のある「尾張エリア」に対して刈谷は、豊田・岡崎などと共に「三河エリア」と呼ばれ、自動車産業の中心として発展を遂げてきたエリアです。
就業人口はデンソー刈谷本社さんだけでも1万3千人超え、周辺では5万人程ともいわれている「三河エリア」には、商業系施設が少なく、週末はどこの飲食店も入れない状況が続いているため、商業ビル・店舗物件の開発が必用なエリアなのです。

店舗流通ネット名古屋支店「東海エリアでの取り組み」

店舗流通ネット名古屋支店では新築ビルの開発だけでなく、地元の地主様から1棟で借上げた古ビルを商業ビルとして再生する「マスターリース事業」「ビルコンバージョン事業」も行っています。今回インタビューにご協力いただいたGOSSO様をはじめ、東海エリアの企業様はもちろん、都内や関西圏のさまざまな企業様からの出店依頼に対し、物件の供給を進めております。

※マスターリースや、ビルコンバージョンの事例の記事はこちら
マスターリース事例記事一覧 - 店通-TENTSU- 「お店が主役」の飲食業界情報メディア

地方出店の手始めに、名古屋・刈谷へのご出店も一考の価値はあるのではないでしょうか。ご検討の際には店舗流通ネット名古屋支店へご相談ください。専任スタッフが、商圏データや、賃料相場を共有しながら、最適な出店プランのご提案を差し上げたいと存じます。


今回ご協力いただいた企業情報

GOSSO株式会社
■設立 2005年12月
■店舗数 24業態 74店舗(2018年6月現在)
■出店エリア
 首都圏:東京 神奈川 埼玉
 東 海:名古屋
 関 西:大阪
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株式会社ヴィクセス
■設立 2010年11月
■店舗数 5業態 直営15店舗 FC11店舗(2019年9月現在)
■出店エリア
 直営店:東京 神奈川 鳥取
 FC店:東京 神奈川 千葉、新潟
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