【中国料理】古来中国で珍重される干しナマコの歴史・栄養価値・美容効能

中国料理としての干しナマコについて、歴史やその効能をお伝えします。 「乾貨(ガンフォー)」と呼ばれ、貨幣に匹敵するものとして尊ばれている干しナマコ。栄養価値と美容効能、200以上あるというナマコの種類、干しナマコの戻し方と、調理方法、人気の高いナマコの葱風味煮込み「葱燒海參(ツォンシォハイシャン)」についても触れていきます。

こんにちは。「だめたもり」です。

店通初期の頃(2015年12月)の記事に「最初に食べた人」というテーマで、ナマコが取り上げられていました。
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とても興味をひく内容で、思わず引き込まれてしまいました。どんな食材にしても最初に食べた人はだれなのか、というテーマ設定は面白いと思います。
そんなナマコですが、今回は中国料理としての干しナマコについて、歴史やその効能をお伝えしていきたいと思います。

干しナマコとは?

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干しナマコは乾物かんぶつの一種です。乾物は天日てんぴ干しをして水分を抜いた、食材のことです。中国では「乾貨ガンフォー」と呼ばれ、海産物のものは、貨幣に匹敵する価値を持つものとして尊ばれています。
中でも「鮑・參・翅・肚バオ・サン・ツー・トゥー」と呼ばれるあわび、ナマコ、フカヒレ、魚の浮き袋四大海味シーダーハイワェイ(海の珍味ちんみのこと)と称されています。他には干し貝柱や干しエビ、干しカキ、クラゲなどがあります。
乾貨のメリットは保存ができ持ち運びが便利なこと、ストックが可能でいつでも食せること、生では味わえない風味と歯ごたえがあることです。

古来中国で珍重ちんちょうされるナマコ

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日本ではナマコを漢字で「海鼠」と書きます。中国ではナマコは、高麗人参と同じ薬用効果を持つことから、「海參ハイシャン(海の高麗人参)」と名づけられました。
日本では生で食べるのが一般的ですが、中国料理では一度乾燥したものを戻して使うのが主流です。なかでも、日本産の黒ナマコを乾燥させたものが一番珍重されていて、「黒いダイヤ」と呼ばれることもあります。

このナマコですが、江戸時代「俵物たわらもの三品」の一つとして、清*しん(中国)へ輸出され、重要な交易品の一つでした。ちなみに他の二つはフカヒレと干しあわびで、これらは宮廷料理としても代表的な食材です。
干しナマコは日本では「煎海鼠いりこ」と呼ばれていて、これも国産の黒ナマコが一番とされています。今では中国人の健康志向と、価格の高いフカヒレや乾燥あわびより、手頃な価格で食せることから人気が集中しているようです。
(※清:または大清帝国だいしんていこく。1616年に建国され、中国の最後の王朝おうちょうである)

ナマコは国内だけでも200種類以上!

ナマコの種類はとても豊富で、世界の海でナマコは約1500種あり、日本近海では200種程度が生息しているといわれています。ですが、実際に食せるのは60種ほどです。
食べられるナマコのうち、体色の違いからアカナマコ(アカコ)、アオコ、クロコの三種に区分されており、赤は外海の岩場、青と黒は内湾の砂泥におり、エサはプランクトンとなっています。活動は夜間で、一晩に7、8メートルほど移動するものもいます。
また、中国ではとげのある「刺參ツーサン」、棘のない「光參グァンサン」と区分しています。

刺參、高級品とされ、高額な宴会料理として提供されています。なかでも日本産の干し「マナマコ」は一番人気、栄養価値も光参より高いと言われています。
光參、または「キンコ」は刺のないナマコです。価格が安く手軽に食されています。

ナマコの栄養価値と美容効能!

ナマコは日本人にとっては、その形状もあり、どちらかというと、珍味として扱われているのですが、実は安心安全な自然食品で、「超」が付くくらいのすぐれものなのです。
ナマコに含まれるコラーゲンアミノ酸は、肌の代謝を促進させ、若々しい弾力を戻すことができ、美肌と抗老化効果があります。
ビタミンB12も豊富で、赤血球中のヘモグロビン生成に重要な役を勤めて、貧血を予防する効果があります。

ほかにも、「ホルモン調整」「脂質代謝の調整」「脂肪の絶対量の低下」「血糖やコレステロール値の低下」「免疫力の低下防止」「老化防止」「ガン細胞の抑止」などの効果があります。あまりに効能が多いので羅列させていただきました。

これだけでもすごいのに、それ以外の効果も解明されているのです。実は、サプリメントとしても加工されているのですが、残念ながら、あまり目に触れていないのが現実だと思います。

干しナマコの戻し方

干しナマコの食べ方についてですが、まず戻すことから始めます。
※ナマコは油に溶けやすいので、戻す時は必ず油に触れないように気を付けてください。鍋もちゃんと油がついてないかを確認しましょう。

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①水洗いしたナマコをたっぷりの水とともに鍋に入れ、煮立つ寸前まで火を入れてから冷やします。

②半日程度置いたあと、再度同じことを繰り返し、冷まします。

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③その後、ナマコの腹に切り目を入れ、さらに水に浸して、次に中にある異物などを取り出し、再度水にさらしておきます。

④この作業を繰り返すと、元の状態から何倍にも膨らみ、弾力性のあるナマコになります。

⑤大体7日ほどかかりますので、かなり手の込んだ作業といえます。


戻ったナマコの調理方法は地域により異なりますが、代表的なものとして山東サントン料理、四川料理、広東料理があり、日本では葱燒海參ツォンシォハイシャン(ナマコの葱風味煮込み)という山東料理の人気が高いようです。価格としては4千円前後だと思いますので、興味のある方はぜひ賞味してみてください。

まとめ

今回は干しナマコについてお話しをしてきましたが、ご紹介した通り優れた効能があります。もともと中国料理は医食同源いしょくどうげんという、食べることで健康を保つという考えのもとに発展してきた背景がありますので、ぜひ中国料理の知恵を実感していただけばと思います。

だめたもり

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