【焼き鳥】六本木の路地裏に佇む隠れ家・焼鶏 輪。鶏を愛し、鶏に愛された店主とは?【六本木】

こんにちは。大池です。
世の中はゴールデンウィーク真っただ中。10連休を満喫されている方も、そうでない方もいかがお過ごしでしょうか。今回も、本当は人に教えたくない隠れ家的名店をご紹介するため、東京・六本木にやってまいりました。
 
六本木ミッドタウン界隈かいわい喧騒けんそうを離れ、通りから路地を一本入ると、ひときわ目につく構えのお店が見えてきます。それが今回取材にお伺いするお店「焼鶏 りん
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実は、ずっとこのお店で気になっていることがありました。
それは、“鶏を愛し、鶏に愛された店主”というキャッチコピー。
 
ネットでこのお店を調べるとこのコピーが出てくるのですが、一体どんな店主なのかとても気になるところ!取材の許可を取り、さっそくお伺いしてみます。

六本木の路地裏にたたずむ、大人の隠れ家

お店のドアを開けた瞬間、落ち着いた雰囲気がただよってきます。
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店内にはカウンターが8席、そして個室も2部屋用意されています。個室は接待にもちょうど良さそうですね。
店内は全席禁煙。もちろん外に喫煙スペースが設けられていますのでご安心ください。
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そしてこちらが、今回取材にご対応いただく、「焼鶏 輪」店主のまるさんです。
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f:id:tentsu_media:20190424184405p:plainこんばんは。今日はどうぞよろしくお願いします!

f:id:tentsu_media:20190419164837p:plainこちらこそよろしくお願いします。今日は自慢の鶏料理をゆっくり楽しんでいってください。

この方が鶏を愛し、鶏に愛された店主さんか…などと思考を巡らせていましたが、いきなりつっこんで聞くのも失礼なので、まずは料理を堪能させていただきたいと思います。
 
お店のメニューはこんな感じ。どれもおいしそう…!
使用している鶏の銘柄は、秋田産の比内地鶏や京都丹波地鶏、水郷赤鶏などのブランド鶏。いつでも変わらず高品質なおいしい鶏肉を提供できるよう、コンスタントに仕入れができる銘柄を選んでいるそうです。
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今回は店主・丸さんオススメの「輪コース」にプラスして、何本か追加で串をお願いしました。
お客様にも一番人気の「輪コース」は、前菜、サラダ、鶏料理一品に串七本といった内容。このボリュームで3,800円は、六本木の価格帯と比べるとリーズナブルですよね。これはあまりお店の敷居を高くしたくない、かしこまらずに来てほしい、という丸さんの気持ちで設定しているお値段なのだそうです。
また、六本木という土地柄、炭水化物は抜きたいというお客様も多いので、締めのご飯ものは抜いたコースとして提供しているのだとか。
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本日オススメのシャンパーニュをいただきながら料理を待ちます。
こちらはフランス産の「ジャン・ド・ヴィラレ ブリュット」。焼き鳥屋でシャンパーニュというのもオツですよね。
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焼き物の準備のため、焼き台の火を調節する丸さん。お店のこだわりは、炭のべ方一つにも表れていました。

f:id:tentsu_media:20190424184405p:plain箱が2つ置いてありますが、炭は2種類使用しているんですか?

f:id:tentsu_media:20190419164837p:plainはい。「ラオス備長炭」と「国内産備長炭」の2種類を使用していて、それぞれ火力・火持ちの特徴が違うので、うまく使い分けています。鶏と同じく炭も元は生き物なので、同じような燃焼をする炭というのはないんですよ。

f:id:tentsu_media:20190424184405p:plainそうなんですか!炭の種類によって燃え方や火力が変わるというのは知りませんでした。

f:id:tentsu_media:20190419164837p:plainまた、炭の組み方ひとつでススが出てしまうこともあるのですが、ススのせいで焦げたような見た目になってしまうので、そうならないよう常に注意を払っています。

これは経験を積まなければ身につかない知識だと思いますが、この話を聞いて、ますます料理への期待が高まります。
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すると、それまで真剣な表情で仕込みをしていた丸さんが、突然笑顔になりました。

f:id:tentsu_media:20190419164837p:plainこのつくねがね、かわいくなるんですよ。火を通していくとプクっと膨らんでいく姿がまたかわいくてね…

…なるほど。鶏を愛し、愛された店主の片鱗へんりんが少しずつ見えてきました。店通-TENTSU-でもこれまでさまざまな取材をおこなってきましたが、食材を「かわいい」と表現したのは丸さんが初めてな気がします。
 
そんな話で盛り上がっていると、輪コースの前菜が出てきました。さっそくいただきましょう!
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一番左は、ミニトマトのサンザシ酒漬け
トマトというよりもフルーツに近い感覚です。味が染み込んだミニトマトをかんだ瞬間、口の中にサンザシ酒の香りがフワッと広がります。これはフルーティなシャンパーニュと合わせるにはピッタリですね!
中央の鶏むね肉の酢締めは、生ハムのような程よい食感と塩加減。これが鶏肉!?と思うようなしっとりとした舌ざわりで、鶏本来の味がしっかりとわかります。思わず単品でも注文したくなる一品です。
そして写真右の干し豆腐と高菜の和え物は、ごま油の香りが口の中に広がり、どこか懐かしい味。お酒にもピッタリです。 
 
前菜だけでもお酒がグイグイ進んでしまうのですが、メインがまだなので我慢しましょう(笑)。ちなみに前菜は季節や日によって変わるとのことです。
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前菜の後には、マッシュルームと水菜のサラダ
オリーブオイルと塩のシンプルな味付けですが、生のマッシュルーム本来の風味が味わえます。マッシュルームを生で提供してくれるところって珍しいですよね!ピンクペッパーで彩りも鮮やか。女性にも喜ばれそうです。
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こちらはコースの一品料理。低温調理を施した、鳥取産・大山地鶏のレバー刺しです。
ごま油と塩をつけていただいてみると…

f:id:tentsu_media:20190424184405p:plainあ〜…これはおいしい!!口の中でとろける…!僕、レバ刺しが大好きなんですけど、最近扱うお店が減ってきてしまって…。今、本当に幸せです。

f:id:tentsu_media:20190419164837p:plainそれは良かったです(笑)。しっかり加熱はしていますが、生に近い食感で楽しんでいただけると思います。

 
輪コースの一品料理は、焼き物の料理に変更するなど、臨機応変に対応してもらえるそうですよ。

いよいよ、焼き物を堪能していきます!

輪コースの前菜・サラダ・一品料理を楽しんだところで、いよいよ焼き物です!先ほど準備していた炭は、最適な温度にでき上がっているようです。
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塩を振るにもこの真剣な表情。実は丸さん、この塩加減にも並々ならぬこだわりを持っています。

f:id:tentsu_media:20190419164837p:plainお肉には同じ形の物がない。だからこそ、同じ部位であってもひとつの串ごとに塩加減も変わります。

輪では、味の調整がしやすいように、非常に粒子の細かい赤穂の焼き塩を使っているのだそうです。粒子が細かい分、味の微調整がしやすくなるのだとか。

f:id:tentsu_media:20190419164837p:plainあのお客様はアルコールを飲んでいるから少し多めに塩を振ろうとか、ソフトドリンクのお客様や、年配の方であればちょっと塩を薄くしようかなとか、コンパクトな店だからこそ、この微調整ができるんです。

いつもミーアキャットのように首を長くして、カウンターからお客様の食事の様子、ペースを把握するようにしている、という丸さん。
「本当においしい鶏料理を味わってほしい」という想いがこちらにもしっかりと伝わってきます。ここまで考えてくれるお店ってなかなかないですよね。
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うちわを使って炭の火の加減を見ながら、串を裏返していきます。丸さんの手際の良さに思わずくぎ付けになってしまい、まるでパフォーマンスを見ているような気持ちになりました。
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嗅覚・視覚・聴覚を刺激され、早くこの串にかじりつきたい欲求が高まります…!
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さあ、まず最初に出てきたのは、左から順に、ささみ、せせり、ぼんじり。
わさびの乗ったささみからいただいてみると、やわらかい…!ささみと聞くと少し硬いイメージがあったのですが、このやわらかさに驚きです。ちょうど良い焼き加減・塩加減とワサビのコンビネーション、さらにこのさっぱりとした味は、やみつきになること間違いなし!
次は水郷赤鶏のせせりをいただきましょう。見た目だけでもジューシーさが伝わってきます。かめばかむほど味があふれ出るのですが、普通のせせりと違って硬くない!プリプリとした食感を楽しめます。
そしてもう一本は比内地鶏のぼんじり。外側はパリッとしているのに、中はとってもジューシー!これはお酒も進みます!
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次にいただくのは比内地鶏の丸ハツと砂肝。丸ハツは臭みもなく、プリプリと弾力ある食感です。砂肝のコリコリでシャキッとした食感と弾力も気持ちいい!こんなに食感を楽しめるのは、きっと丸さんの焼きの技術によるものなのでしょう。
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肉に続いて野菜串をいただいてみます。こちらは金針菜きんしんさいとぎんなん。見た目が美しい!
金針菜とは食用ユリのつぼみで、中国では一般に食べられている野菜なんだそうです。もちろん僕が食べるのはこれが初めて。優しい甘さが口の中に広がり、同時にシャキシャキとした気持ちのいい歯ごたえを楽しめます。
ぎんなんはほんのり甘めで、口あたりがなめらか!香ばしさがプラスされて香りがとても豊かです。
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肉厚なしいたけが出てきました。よく見ると、かさの裏側にはスープが!
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スープをこぼさないように口へ運びます。肉厚な食感とともに、口の中いっぱいに広がるしいたけのうまみと、濃厚な香り。これはみ渡るおいしさです…!
ちなみにこれらの野菜串は、季節に合ったものを出してくださるそうですよ。
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そしてこちらは、通常メニューには載っていない、丹波黒鶏の手羽皮です。
通常の皮よりもモッチリとしていて、外側のパリッとした食感との対比がたまりません!高品質な鶏は油までおいしいんですね。
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ここにきて初めてタレの焼き鳥が。一番スタンダードなモモの部位でいただいてみます。

f:id:tentsu_media:20190424184405p:plainやわらかい!タレの甘みと鶏のうまみがタブルでやってきますね!ちなみにこのタレも、輪オリジナルですよね?

f:id:tentsu_media:20190419164837p:plainそうですね。お店がオープンした時(2018年5月)からなので、まだ歴史は浅いのですが、これからもっと熟成させていきたいと思っています。

むね肉のだき身(ねぎま)は、しっとりしていてとてもジューシー!ねぎのシャキシャキとした食感と一緒に楽しみます。鶏とねぎの相性ってどうしてこんなに良いのでしょうか。
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そしていよいよ、先ほど仕込みで話題になった、ぷっくりかわいく焼かれたつくねをいただいてみましょう。
つくねといえば卵黄と一緒に提供しているお店もありますが、輪さんでは、つくねそのものの味を楽しんで欲しいということで卵黄をつけるのをやめたのだとか。
豪快にかぶりつくと、中からあふれ出る肉汁。これはおいしい…!肉の食感とは別に軟骨を細かくして入れてあるのか、少しコリっとした食感が残り、食べ応えもバッチリです。
隠し味の山椒さんしょうとタレの相性も抜群ですね。
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そして、最後の串でいただいたのは、ちょうちん。
ちょうちんと聞いて、パッと部位が頭に浮かぶ方は少ないと思います。実はこれ、卵として産み出される前の卵黄(きんかん)と、卵管(ひも)の部分。鶏としても希少部位なので、取り扱っているお店も限られます。
この“きんかん”と“ひも”の部分を一緒に口に入れるのがベターな食べ方。プチュっと口の中で卵黄が弾けてあふれてくるのですが、タレの甘みと一緒にいただくひもは格別の味です。
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そしてデザートには比内地鶏卵のブリュレをいただきます。
甘さは控えめで、最後にいただくには重すぎずちょうどいい!卵本来の味を楽しむことができます。
 
最後の最後まで余すことなく鶏のおいしさを味わいました。

鶏を愛し、愛された店主・丸さんにインタビュー!

f:id:tentsu_media:20190422162759j:plain焼鶏 輪 店主:丸 洋平様
おいしい料理とお酒に大満足し、すっかりほろ酔い気分になってしまったのですが、丸さんにインタビューをしていきたいと思います。
 
“鶏を愛し、鶏に愛された店主”このキャッチコピーは友人が考えたものだよ!と、少し照れ臭そうに答えてくださった丸さんですが、話をうかがっていくうちにキャッチコピーの真意が見えてきました。

鶏料理屋をやろうと思ったきっかけは、海外での経験。15年の修行を経て独立しました。

◆なぜ、鶏料理屋をやろうと?
実は、実家が代々鶏料理屋をしてきた家系なのですが、僕自身は料理人になろうとか、お店をやろうということは考えていませんでした。でも、昔カナダに留学していた時に、外国の人たちに日本料理を振る舞う機会があったのですが、その料理が非常に喜ばれ、人に料理を振る舞う楽しさに目覚めました。それが一番のきっかけでしたね。

◆独立するまでに、どのぐらい、どのような修行をされたのでしょう?
トータルで15年です。焼き鳥に関しては、味を決めるポイントは3つしかないと思っています。それは「仕込み」「塩加減」「焼き加減」の3つです。ソースをかけたりするわけではないので、この3つだけで味が決まってしまう、味を出さなければいけない料理なんです。このどれかが欠けてしまったら味は破綻してしまいます。この焼き鳥の基礎や土台をたたき込んでくれたのは、僕がお店を持つ前の修行先「鳥良」の猪股親方でした。「ToriyaPremium」、恵比寿の「喜鈴」での修行をて、今に至ります。
 

休みの日にも焼き鳥屋。趣味が鶏なんだと思います(笑)

◆ちょっとおかしな質問なのですが…鶏を「愛してる!」と思う瞬間はありますか?
お店の定休日が日曜日なんですが、休みの日も結局他の焼き鳥屋に行ってしまいますね(笑)。他のお店に行くと「焼きたいな」とウズウズしてくるのですが、そこであらためて自分は焼き鳥が好きなんだなと再確認しています。もう趣味と一緒なんですよ。1日中ずっと鶏のことを考えています。
 

海外の方への発信、そして鶏料理を将来の選択肢として捉えてもらえたらうれしいです。

◆今後、こんなお客様にも来ていただきたい、という希望はありますか?
六本木という土地柄、もっと外国の方にもお越しいただきたいです。焼き鳥にはたくさんの部位があるのですが、英語で伝えるにはコツが要ります。留学した際に培った経験と英語力を活かして、もっと国外の人にも焼き鳥のおいしさを伝えていきたいです。
◆最後に、お店として・店主として伝えたいことがありましたらお願いします。
若い世代の人たちにも、職業の選択肢の一つとして鶏料理を選んでいただけたらいいなという思いも込めて、日々お店を運営しています。鳥をさばいて、お客様とコミュニケーションを取りながら鳥料理屋をやっていくのはこんなに楽しいことだよ、と伝えていければいいなと思っています。
 
 
“鶏を愛し、鶏に愛された店主”が経営する「焼鶏 輪」は、カウンターで楽しむ食事はもちろんのこと、店主・丸さんとの会話にも自然と笑顔がこぼれる場所でした。一つひとつに想いが込められた鶏料理を、ぜひこの温かい空間で味わってみてはいかがでしょうか。
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丸さん、本日はありがとうございました!
 
 
お伺いしたお店はこちら↓
■焼鶏 輪
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アクセス:都営大江戸線「六本木駅」7番ゲートから徒歩2分
東京メトロ日比谷線「六本木駅」6番出口(俳優座劇場)より徒歩4分
住所:東京都港区六本木4-5-14 アーバンビル 1F
電話:03-6447-0905
営業時間:月 - 土 17:00 - 23:30 L.O.22:30
定休日:日曜
焼鶏 輪【公式】

大池

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