お店で使う販促物・印刷物ってどうやってできてるの?印刷会社・帆風(バンフー)さんの工場見学に行ってみた!

店舗や企業を運営する上で欠かせない販促物。チラシやパンフレットがどのように刷り上がるのか、印刷工場見学に参加してきました。印刷の基礎知識、「CMYK」と「RGB」とは?オフセット印刷とオンデマンド印刷の違いとは?解像度とは?フォントのアウトライン化や、トンボ(トリムマーク)、塗り足しデータなど、印刷物入稿で気をつけたいポイントも教えていただきました。

こんにちは、店通編集部のさっさんです。
店通を読んでくださっている方の中には、店舗を経営している方もたくさんいらっしゃるかと思います。店舗や企業を運営する上で欠かせないのが販促物

私も店通-TENTSU-の運営会社である店舗流通ネットの社内デザイナーとして、会社の販促チラシやパンフレットなどを制作しています。日々の業務の中で感じていることは、世の中がどれだけWebの時代になろうとも、まだまだ実際に手にとって触れる紙媒体の販促物は、必要とされているということ。
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こんなに身近にある印刷物がどのように作られているのか、知らない人の方が多いのではないでしょうか。
今回は、印刷の工場見学をおこなっている株式会社帆風ばんふうにご協力いただき、実際に自分たちで作成した印刷データが、どのようにして刷り上がっていくのかをレポートしていきたいと思います!

株式会社帆風様の印刷工場見学へ突撃!

そんなわけでやってきたのは、東京・竹橋駅にある、帆風様の印刷工場・竹橋プリンティングセンター。駅から直結で行くことができる帆風さんのエントランスでは、イメージキャラクターであるアンジャッシュ渡部さんのパネルがお出迎えしてくれます。
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もう一人の社内デザイナーであるくぼたん(左)もお勉強のため同行させていただいたのですが、今回はくぼたんが作成した販促用チラシのデータが、実際に印刷されている現場を見学させてもらいます。私たちデザイナーも、自分たちが作ったデザインデータが印刷される様子を見る機会なんてほとんどないので、少し緊張気味です!

実際に印刷されている現場を見る前に、まずは印刷の基礎知識を学ぶための座学を実施してもらいました。
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本日印刷工場見学の案内をご担当いただく、株式会社帆風の永田様(写真中央)、救仁郷くにごう様(右)、佐々木様(左)です。月に一回おこなっている工場見学では、事前に申し込みをすると一般の方でも参加が可能です。

f:id:tentsu_media:20181102160233j:plain今日は株式会社帆風の印刷工場見学にようこそお越しくださいました!

f:id:tentsu_media:20181102160323j:plain印刷の工場見学ということで、普段見ることができない裏側を見られるのが楽しみです!よろしくお願いします!

f:id:tentsu_media:20181102160233j:plainまずは、印刷の基本からお伝えしていければと思います。

座学では、印刷物ができあがるまでの工程や、印刷の基礎知識を教えてもらいます。
工程をご紹介していく前に、印刷物を発注する際に多くの人がぶち当たる疑問についてまとめてみました。

印刷の基本・CMYKってなに?

印刷物を発注したことのある人なら、「CMYK」や「RGB」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。店通でも以前色についての話を記事にした際に、「色の三原色」のC・M・Yについてご説明しました。
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CMYKとは、色の表現法の一種で、この4色を印刷業界では「4色フルカラー」と呼びます。
C=シアン M=マゼンタ Y=イエロー K=ブラック
カラーの印刷物は、このCMYKのインキによる網点でできており、網点の色を掛け合わせて作られています。
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印刷で表現されるCMYKと、テレビやパソコン・スマホなどのモニターの色を表現するRGBとでは、色の表現の仕方が違っているのですが、RGBの方が多彩な色表現が可能です。
印刷してみると色が違った、モニターで見ていた時よりくすんで見えたという経験がある人がいらっしゃるかもしれませんが、それはこのためです。多くのデザイナーや制作者は、理想の発色にするため、RGBで制作した画像を印刷用のデータ(CMYK)に1つずつ変換して印刷所に渡しています。

オフセット印刷・オンデマンド印刷の違いとは?

この違いについては、社内でも一番聞かれることが多い気がします。オフセット印刷とオンデマンド印刷の、一般論としての大きな違いは、以下のとおりです。

■オフセット印刷
水と油の反発を利用して、画線部にインキをつける印刷方式のこと。版につけたインキを一度ブランケットに転移させ、それを紙に刷ります。インキは、顔料を含んだ油性インクやUVインクなどを使用します。
【こんな印刷に向いています】
・大部数の印刷向け
・高精密に印刷したい場合

■オンデマンド印刷
印刷データを直接紙に出力する方式のこと。オフセット印刷のように、印刷の前に版を作成する必要がないので、その分少部数でも安く・短納期で印刷することが可能です。ただし、繊細な表現や、グラデーションの色をキレイに出したい場合などには、あまり向いていないため、注意が必要です。
【こんな印刷に向いています】
・短納期で納品してほしい場合
・少部数の印刷向け
・なるべく安価に、小ロット多品種で印刷したい場合

ただし、年々印刷機も進化しており、オフセット印刷もオンデマンド印刷も、印刷クオリティに大きな差はほとんどなくなってきました。それぞれ、用途に合った印刷方式を選んで発注することをおすすめします。

印刷物ができるまで。印刷の工程を追う!

それではさっそく、実際に発注した印刷物が刷られていく現場を見せてもらいましょう。印刷手法にはオフセット印刷・オンデマンド印刷の他にもさまざまな手法があるのですが、今回はA4両面フルカラーのシンプルな印刷・かつ900部と大部数の印刷のため、オフセット印刷でお願いをしています。
音が大きいため、インカムを使って案内をしてもらうのですが、案内されたフロアにはいきなり巨大な印刷機が!音とあいまってすごい迫力です。
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f:id:tentsu_media:20181102160323j:plain想像していたよりもすごく大きい!普段手にしているA4サイズ程度の印刷物でも、こんな大きい機械にかけられて印刷されているんですね。

f:id:tentsu_media:20181102160233j:plain工場内にはドイツ製の最新鋭の機会を含む、オフセットの印刷機が8台も設置されているんですよ。

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※工場内の一部の様子

印刷機にかける前に、いくつかの準備が必要になるのですが、印刷までにどんな作業が必要になるのかを確認していきましょう。
ちなみに今回印刷していくのは、こんなデザインデータ。
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印刷の工程①:デザイン物のデータチェック

印刷物のデザインがあがってくると、まずはパソコン上で印刷データに不備がないかがチェックされます。ここでチェックされるのは、主に以下のポイントについてです。

★印刷物入稿で気をつけたい3つのポイント
■解像度
解像度とは画像を表現する画素の密度のことです。数字が大きくなればなるほど表現する画素が細かくなり、画質が良くなります。解像度はdpi(ドット・パー・インチ)という単位で表されるのですが、カラー印刷に適しているのは「350dpi」。
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350dpi以下の解像度が低い画像を印刷しようとすると、印刷がボケてしまったり、荒くなる可能性が高くなります。ちなみに、インターネット上に表示されている画像は軽量化(72dpi,もしくは144dpi)されていることがほとんどです。

■フォントのアウトライン
フォント(文字情報)が含まれているデータを、作成した環境と違うパソコンで開いた時に文字が正常に表示されない現象が起こります。
そのため、フォントをただのオブジェクト(図形)に変換をする作業が必要となるのですが、このフォントをオブジェクト化する作業をアウトライン化と言います。フォントのアウトライン化がされていないデータは、再度送り直してもらう必要が出てきてしまうので、注意が必要です。

■トンボ(トリムマーク)+塗り足しデータ
トンボとは、印刷や断裁だんさいを行う際の印のことです。トンボをつけていないと、どの部分で断裁をすればいいのかがわからないため、不備として戻されてしまう場合があります。
また、大きな用紙にまとめて印刷をした後に断裁を行うのですが、仕上がりギリギリのサイズしかデータを作成をしていないと、断裁にわずかなズレが生じた際、用紙の白地部分が出てしまう可能性があります。そのため、印刷データは仕上がりのサイズの外側まで、3mmほど大きくにデータを作成しておく必要があるのです。
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印刷の工程②:面付け・刷版

データのチェックが完了すると、1つのデータを数枚並べた状態の印刷データが作られます。この作業を面付めんつけ作業と呼ぶのですが、印刷機はプリンターと違い、面付けされたデータを大きな紙にまとめて印刷していきます。
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そして、先ほど説明したCMYKの4色にデータが分解され、それぞれの色ごとにアルミ板へ焼き付け、色ごとのを作っていきます。この工程を「刷版さっぱん出力」、そして版を「刷版」と呼びます。C版、M版、Y版、K版の計4枚の版の色を重ね合わせることで、フルカラーの印刷物が作られていくのです。
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ちなみにこちらは版を作っている様子と、実際に印刷に使った版です。
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印刷の工程③:印刷

ここからいよいよ、印刷機を使った工程に入っていきます。

(1)紙積み作業
まず初めに、印刷に使う紙を印刷機にセットする「紙積み」作業が行われます。このサイズの紙を均等に台に積んでいくにはコツが必要そうです。専用の機械が紙を一枚一枚吸着し、印刷機の方へ送り込んでいきます。
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(2)版のセット
紙がセットできたら、次は印刷の工程②でご説明した、版を印刷機にセットしていきます。
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(3)試し刷り
紙が印刷機の中に送られていき、K(黒)→C(青)→M(ピンク)→Y(黄)の色の濃いものから順に色が重ねられ、印刷されていきます。
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(4)刷り出し・色合わせ
本番の印刷を行う前に、まずは試し刷りを行い、専用の色校正台でオペレーターさんがしっかりと色味をチェックします。その上でインクの濃度調節を行い、細かい色味の具合を調整していくのですが、ここはプロの目がものを言う作業。キレイな色味を出すために、最適なインク濃度に調節していきます。


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(5)本刷り
色合わせが済むといよいよ本番刷りの開始です。機械の中では高速で紙がスライドされ、紙にインクが乗せられていきます。900部という枚数はあっという間に刷り終わってしまいました。
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印刷の工程④:断裁加工

印刷が完了すると、最後に断裁機にかけられ、発注していたA4サイズのチラシとして完成します。断裁の機械が並ぶフロアに、先ほど印刷にかけられた印刷物が運ばれてきていました。
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数百枚の紙を一度に切れる断裁機は、印刷機と同様、大きさもビッグです!
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ここで発注していたA4サイズに断裁が行われ、梱包こんぽうされた印刷物が後日納品され、ひと通りの印刷の流れが完了となります。

f:id:tentsu_media:20181102160323j:plain印刷物のデータを作成して入稿すると、いつもあっという間に刷り上がって送られてきていたのですが、その中でこんなにたくさんの工程が踏まれていたとは知りませんでした!

f:id:tentsu_media:20181102160233j:plainデータのチェックから最後の出荷までの各工程において、日々短納期を心がけています。

高いと思われている印刷物をもっと安価に。

今回は基本的な印刷物の流れについてご説明しましたが、さまざまな印刷加工を施すことによって印刷物の高級感・雰囲気が一気に変わってきます。
手には取られてもすぐに捨てられてしまう販促物ではなく、手もとに残しておきたいと思わせる、他社の販促物と差別化ができるということで、印刷物の「加工」に力を入れている企業もあります。

f:id:tentsu_media:20181102160323j:plainデザイナーにとって、キラキラのはくを施す「箔押し加工」や、印刷面をツルッとさせる「ニス盛り加工」など…印刷加工は憧れでもあります。でも、いつも予算に見合わなくて断念してしまうんですよね…。

f:id:tentsu_media:20181102160233j:plainお客様からのそういった声にお答えするために、帆風では小ロット・低コストで印刷加工が可能な「MoriPica」というサービスを提供しています。

■小ロット・低コストでもゴージャスな印刷加工が可能なサービス「MoriPica」

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この「MoriPica」は帆風様独自のサービスで、立体的な箔加工で輝く印象的なデザインや、ぷっくりと盛り上がった質感のデザインが、小ロットから発注が可能です。加工を施す際の「版」を作る必要がないため、通常の加工料金よりも低コストで作成できます。
www.vanfu.co.jp
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f:id:tentsu_media:20181102160323j:plain手に取った時に思わず目を引く加工は、販促物としても大きな効果が出そうです!

f:id:tentsu_media:20181102160233j:plain小ロットでの発注が可能なので、飲食店のショップカードや、ポストカード、名刺のワンポイント加工などに、とってもおすすめのサービスです。

印刷という枠をこえて、幅広い販促のサポートへ。

今回はあまり知られていない印刷業界についてお伝えしてきました。
ただ、今回お伝えできたのは、印刷会社さんがおこなっている基本の印刷工程だけ。特に帆風様のような大きい印刷会社では、もっともっとみなさんの販促物に寄り添えるサービスを、幅広く提供しています。
たとえば、紙モノ以外の印刷。「印刷会社」と聞くと紙の印刷だけを取り扱っているイメージが強いですが、今は印刷の技術も進み、布や木材、さらには食品にも印刷ができるまでになりました。
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※工場見学の記念品として、クッキーに店通-TENTSU-のロゴをプリントしてもらいました!
具体的にどんな販促物を作成できるのか、サポートしてもらえるのかを、バンフーのショップでも直接お伝えしているそうです。東京と大阪に店舗がありますので、お近くの方はぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

■バンフーのショップ

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www.vanfu.co.jp

f:id:tentsu_media:20181102160323j:plain今日は印刷の作業現場だけでなく、さまざまな広がりを見せている印刷業界のことが知れて、とてもおもしろかったです!

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最後はお世話になった皆さまと、刷ってもらった印刷物と一緒に記念撮影。
帆風の皆さま、どうもありがとうございました!

さっさん

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