「日払い制度導入」は飲食店の人手不足解消につながるのか。新しい目線の福利厚生について考える。

求人サイト内で上位ワードの「日払いバイト」。 企業側にとって、日払いのメリット・デメリットは?給料を日払いしてくれる「給与即日支払いサービス」とは?「最初に前払金専用口座を開設する」ことと「お金をデポジットしておく」だけで、無料で利用できる「Payme」とは。どのような仕組みの日払いサービスなのか。人手不足解消につながらないか、考えてみました。

私たち店通編集部は日々さまざまなお店へ取材に行き、オーナーや店長の方から話をお伺いしています。そんな中で、人手不足の悩みを抱えている店舗の多さを実感しました。
 
一方で、離職率が低く順調に採用ができている店舗があるのもまた事実。一体どのような工夫をしているのでしょうか。
 
今回の記事では、実際に辞めてしまった人の声や私が飲食店で働いていた時代に感じていたことを振り返りながら、店舗業界での福利厚生や働きやすさについて考えていきたいと思います。
 

 

採用活動がうまくいく店舗とそうでない店舗。その差は一体…

まず、企業が抱えている人手不足の問題は大きく2つにわかれます。
 
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そもそも人が集まらない

お金をかけて募集をしても問い合わせが全く来ない…。これは特別なことではなく、多くの飲食店舗が同じように抱えている問題です。
 
アルバイト求人サービスの「an」が提供している労働市場データ2018年7月号によると、右肩上がりの有効求人数に対して、有効求職者数はゆるやかに右肩下がりになっています。有効求人倍率はなんと「1.81」倍。募集内容に工夫を凝らしていかなければ、求職者の獲得は年々難しくなっています。
weban.jp
では、多くの求人情報が並ぶ中、求職者が魅力に感じるポイントとは何なのでしょうか。
 
とある求人情報会社の方にお伺いしたところ「日払い」というキーワードを求人情報に入れるだけで、応募率が大きく変わるとのことでした。実は、飲食店で働きたいと思っている求職者の多くが「日払い制度」について関心を持っているといわれています。
 
アルバイト求人サイト内の検索キーワードにも上位に挙がっていました。「短期」というキーワードも上位ですが、短期のアルバイトは日払いのことが多いので「働いてすぐにお金をもらえる」点に魅力を感じていることがわかります。
 
求人情報誌A 求人情報誌B
1位 日払い 短期
2位 渋谷 カフェ 夜勤
3位 短期 日払い
4位 オープニング カフェ
5位 在宅 雑貨
6位 モニター スポーツジム
7位 体験入店 高校生
8位 変わった データ入力
9位 高校生 英語
10位 ホテル 羽田空港

 

せっかく集めた人がすぐに辞めてしまう

次は、実際にお店を辞めてしまった人の転職理由とその後についてピックアップしました。
 
「マネージャーになることを目指して店長職をがんばってきたが、いざ自店舗のマネージャーのポジションが空くと、自分ではなく新しく入った人に決まってしまった。会社は自分のことを何も見てくれていないと感じ、転職を決意。同業に就職したが、給与などの待遇面もよく、とても充実した日々を送っている。(30代 居酒屋 社員)」
 
「給料が安く、結婚・出産を控えていてこのままではお金が足りなくなると感じたから。ちょうど別のお店に声をかけてもらっていて、そちらの方が条件も良かったので転職した。 (20代 居酒屋 社員)」
 
お店の雰囲気がとにかく悪かった。アルバイト同士は仲が良かったが、店長と社員がいつもピリピリとしていて、楽しく仕事ができる雰囲気がなかったため、辞めてしまった。今は別のお店で働いている。(20代 カフェ アルバイト)」
 
飲食業界の労働環境(人間関係を含む)や給与面の課題を挙げる方が多い状況でした。その一方で、転職先も飲食業界という状況のようです。「労働条件に不満はあるが、仕事内容は好き」という気持ちがあり、よりよい環境を求めて同じ業界で転職をする傾向があるようです。
 

社員満足度に目を向けることで、新しい人にも魅力的に映るかも…

「人が集まらない」「すぐに辞めてしまう」のどちらの要因も、より魅力的な企業に人が集まっていくことが挙げられます。遠回りのように思えるかもしれませんが、まずは既存社員の抱えている問題に目を向けてみましょう。その声を会社の制度として充実させていくことで、自ずと魅力的な求人情報になっていくかもしれません。
 
 

日払いバイトはなぜ人気?アルバイターの給与事情

アルバイト求人サイトでは「日払い」というキーワードが人気でしたが、その結果には納得できます。なぜなら、私自身も日払いバイトを望んでいた1人だったからです。
 
アルバイト時代は「月給バイト」と「日払いバイト」の掛け持ちをしていました。当時はまだ学生だったこともあり、友達からの誘いで急な出費が重なり、次の給料日までに間に合わない…なんてことも。そんなときのために「日払いバイトは急な用事で必要になった分だけ入る」という使い分けをしていました。
 

日払いバイト(日雇い)とは?

私の場合は、日雇い労働の派遣会社に登録し、そこから間接的に仕事を紹介してもらう「登録制」というシステムを使っていました。単発の仕事を毎回求人サイトから探すのは大変ですが、このような会社に登録しておくと、自分の連絡先に仕事の依頼を送ってもらえるため、自分で仕事を探す手間が省けます。
 
●日雇い労働の主な種類
イベントスタッフ、キャンペーンスタッフ、チラシ配り、倉庫内作業、試験監督、交通量調査、警備員、コールセンター、テレアポ、事務作業など…
 
派遣会社によって取り扱っている仕事の種類はさまざまですので、興味のある業種から派遣会社を選んで登録会に参加します。ちなみに私はデパートやスーパーを中心とした「試食販売業務」を取り扱っている派遣会社に登録をしていました。
 
※派遣登録会…派遣会社に自分の希望とプロフィールを登録し、通常の面接に加えて、自分の希望に合った仕事を紹介してもらうための登録を行う場のこと
 

日払いバイトのメリット・デメリット

メリットは何といっても「すぐにお金が手に入る」ということでしょう。このようなアルバイトに登録している方の多くが即日払いに魅力を感じていると思います。
 
デメリットは、仕事内容や職場環境が異なることが多いため、覚えたことが次回に活かしづらい…なんてことがよくある点でしょうか。スキルを積み重ねづらく単純作業が多いため、仕事へのやりがいや達成感を感じづらい環境といえるかもしれません。
 
「すぐにお金が手に入る仕事」とはいっても、入りたい時に必ず入れる訳ではありませんし、日時優先の日払いバイトでは事前に仕事内容を詳しく把握していないことがほとんどです(もちろん概要は事前に伝えていただきますが)。そのため、仕事内容や現場によっては心身ともに疲れ果ててしまうこともありました。
 
一方で、仕事の内容としては月給バイトの飲食店が大好きで、学生の間はずっと続けていたいと感じていました。働いていればいろいろなことがありましたが、基本的に職場に不満を持ったことはありません。日払いバイトと月給バイトを掛け持ちをしていたので、当時感じていたこととしては
 
いつも働いているお店の給料が流動的に使えたらいいのにな
 
ということでした。
 
 

日払い制度を導入している飲食店舗の事例

実は、長期バイトでも「働いた分の給料をすぐにもらえる」制度があり、近年企業の福利厚生の1つとして注目されています。このような制度があれば、日払い(日雇い)バイトと長期バイトの良いところ取りで、求職者にとって魅力的な条件となりそうです。
 
とはいっても、新しい制度を導入する手間や費用のことを考えると、簡単に「導入がおすすめです!」とは言えません。給与の支払いシステムや計算方法が変わるかも…と思うと、考えただけで手間がかかりそうです。
 
実際どのような手順が必要なのか、日払い制度を導入している飲食店舗の事例を調べてみましたので、ご紹介します。
 

もうやんカレーの事例

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もうやんカレーといえば、開店前から列ができるほどの人気店。創業20周年を迎え、現在は都内に9店舗、名古屋に1店舗を構えるまでに規模を拡大している企業です。
 

働いているスタッフのことを想い、店長が手作業で対応…

もともと学生や外国人の方を中心に日払い・週払いの要望が多く、スタッフのためを思い、その都度店長が電卓で計算し現金を手渡ししていたそうです。営業時間が終了した後に個別に計算をするので、店長の労働時間も伸びてしまうことが多く、しかも給与計算のミスも増えてしまったとか。
 

福利厚生制度としてPaymeの日払いサービスを導入

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その後、日払いを手作業ではなく制度化するにあたり、Paymeというサービスを導入。Paymeは従業員が働いた分の給料を欲しい時に受け取れる給与即日支払いサービスです。
 
Paymeの仕組みとしては下図通り。まず雇用主が前払金専用口座(セブン銀行)にあらかじめ前払金を入金しておきます(預入)。従業員がPaymeを使って前払申請をすると、前払専用口座から従業員の給与口座に支払われます。企業側は「最初に前払金専用口座を開設する」ことと「お金をデポジットしておく」ことだけ。
 
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「誰がどれくらい働いたか」は、会社の勤怠システムと連携させることで制御しています。エクセルで管理をしている場合、データを読み込ませることも可能です。
 
ポイントは「日払いシステムを使わない限り、給料の支払いシステムは変わらない」「手数料発生のタイミングは従業員が日払いをした時のみで、企業側には一切かからない」ということです。つまり制度を使いたい人だけが手数料を払って申請して、使いたくない人はいつもと変わらず毎月の給料日に支払われます。かなりシンプルですね。
 
今回記事を書くにあたって、このような制度があることを初めて知りました。私が働いていたバイト先でこの制度が導入されていたら、アルバイトを掛け持ちせずにもっと働いていたのではないか…と感じます。
 

Paymeを飲食店の方におススメしたい理由

給与日払いサービスはPaymeの他にもあります。会社の給与支払いのフローに合わせて適切なものを選ぶのが一番ですから、ぜひその他のサービスの特徴とも比較してみてください。今回紹介したPaymeの特徴は下記通りです。
 
●インターフェースがやさしく、誰にでもわかりやすい
Paymeの特徴は、他のサービスに比べて「シンプル」「簡単」「わかりやすい」に特化しているところでしょう。従業員のアプリはもちろん、企業側の管理画面もシンプルで見やすいので、パソコンが苦手な人でも導入が比較的簡単にできそうです。
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●スマホアプリによって簡単に支払いができる、若者にも使いやすい
支払い申請がすべてスマホで完了できるので、モバイルに慣れた世代にはとっても使いやすいサービスです。
 
●面倒な作業が要らない
エクセルや勤怠システムのデータと連携できればすぐにはじめることができます。既にある勤怠システムとの連携も充実していて、乗り換えたりする必要がありません。
 
 

従業員に寄り添う気持ちが、「ここでずっと働きたい」を育てる

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少子化が進んでいるため、全体的な人手不足は避けられません。これから業種問わず人手がどんどん減っていくので「作業効率化」と「長く働き続けてもらえる環境づくり」が重要なポイントです。
 
このような福利厚生を充実させることは、従業員の「もしもの時」への安心感につながります。
 
働いたのに手元にお金がないため、ローンに手を出してしまったり、人に借りることで関係を悪くしてしまったり…トラブルは数え切れません。給与の日払いができることによって、金利に悩まされる人も減らすことができます。このような取り組みで、社員ひとりひとりの未来を守ることもできるかもしれません。
 
また、会社の制度が充実していることは「社員のことを思ってくれている会社」という認識にもつながります。社員との信頼関係を築くために一番大切なのはもちろんコミュニケーションですが、こういった制度を充実させることもまた、会社のブランディングに役立ちます。それが「長く続けてもらえる環境づくり」への一歩となるはずです。
 
特に学生や外国人のスタッフにとって方はありがたい制度だと思います。企業側が無料で始められるサービスもありますので、新しい福利厚生制度としてぜひ前向きに検討してみてはいかがでしょうか。
 
payme.tokyo
 

店通編集部

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