「うちの店は大丈夫」それ本当ですか? 閉店を経験したオーナーの【退店レジュメ vol.08】-震災からの復興-

【第8話 震災からの復興】 テレビに映っている映像で、想像を遥かに超える大震災だったと知りました。 オープンをしてやっと半年。苦難の道のりが始まります。 パーティーの予約はキャンセルが続き、 平日・週末問わず客数は激減。 計画停電の実施や節電、外食や余暇は完全に自粛傾向。

こんにちは。約1ヶ月ぶりにロコズの履歴書の続きを投稿しました。
 
前回に引き続き「震災からの影響」についてお話していきます。震災の影響は大きく、遠く離れた東京の街にも及びました。当時のロコズでは何が起きたのでしょう。今回はそんなお話です。
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f:id:tentsu_media:20160520164924j:plain「前回はテーマがテーマだったので、会話演出を自粛しました。」

f:id:tentsu_media:20151214132054j:plain「おかえりなさい!」

f:id:tentsu_media:20160520164924j:plain「今回は、震災後に変わってしまった街の様子を、ロコズキッチンを舞台にお話ししていただいてます。」

f:id:tentsu_media:20151214132054j:plain「あの頃の売上は本当にきつかった。稼げないと、お金ってすごいスピードでなくなっていくんです。」

f:id:tentsu_media:20160520164924j:plain「お店のために集めた資金が、思わぬタイミングでなくなっていく気持ち、想像するのもつらいです。」

f:id:tentsu_media:20151214132054j:plain「何が起こっても、お店の営業は続くのです!」

f:id:tentsu_media:20160520164924j:plain「絶望の中にも、一筋の光が射しますように」

f:id:tentsu_media:20151214132054j:plain「それでは、どうぞ」

 
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いつも通りの営業準備

日付は回って2011年3月12日(土)になった頃、やっとのことで深夜に帰宅。幸い自宅に目立った被害はありませんでした。まずはテレビを付けて情報収集。想像を遥かに超える大震災だったことを知ります。テレビに映っているこの映像は本当に日本なのかと、目を疑いました。
 
翌日はいつも通りに起床。この日は商売にならないだろうと思いましたが、私はロコズキッチンのオーナーです。行かないことには仕事になりません。嫁さんの体への負担、震災のショックも鑑み、私1人で出勤することに。
 
案の定、電車が来ない。通常ならばJR埼京線で30分のところ2時間位掛かったと思います。電車で向かっている途中、嫁さんから電話が掛かってきました。
 
嫁さん「大変!原発が爆発したよ。放射能が漏れたから外出しないでって言ってる!早く帰って来て!」
浅野「はっ!?何言ってんの!?」
 
今となっては誤った情報だったと理解していますが、当時のニュースでは震災による津波や放射能の被害情報が絶えず流れていました。加えて東京で影響があるのか、危険なのか安全なのか…さまざまな情報が錯綜していて、何が正しいのかもわからない、混乱した状況でした。
 
浅野「……まあ、とりあえず行ってくるよ。」
 
とはいえ「私には私のやるべきことがある」と自分に言い聞かせ、そのままロコズに出勤しました。何とかランチタイムにオープンは間に合いましたが、震災で交通機関も正常に機能せず、また原発の影響もあってか周辺はとても静かでした。昨夜避難所だった立教大学の皆さんも、翌朝には帰られたようです。そんな訳でこの日のお客様は一桁でした…
 
ロコズキッチンはこの頃オープンをしてやっと半年。この日を境に、今までとは比べ物にならない苦難の道のりが始まりました。
 
 

予想が大きく外れた行事戦略

通常であれば3月~4月はイベントが多く、飲食店も売上が大きく見込めるタイミングです。ロコズキッチンも例に漏れず、この春を楽しみにしていました。既に予約も数件いただいていました。
 
それが…。立教大学は卒業式を中止し、入学式を4月から5月に変更新入生歓迎コンパも縮小しました。既にご連絡をいただいていたパーティーの予約はキャンセルが続き、 平日・週末問わず客数は激減
 
計画停電の実施や節電についてメディアでも大きく取り上げられ、社会的に外食や余暇は完全に自粛傾向。もはやお金を使うムードではありません。
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毎日帳簿をつけていると汗が出てきました。売上はあってないようなものでした。現金がダダ漏れ状態。2号店出店も加味し融資を受けていたので、幸い現金はありました。(うちの店は大丈夫? 閉店したオーナーの【退店レジュメ vol.03】 - 店通-TENTSU- 「お店が主役」の飲食業界情報メディア)
 
ただ、ジャバジャバ湯水の如く現金が出ていくのが恐ろしかった記憶はあります。売上1万円台はザラ。1日20名来店すれば良い方でした。震災後、毎日そんな調子が続きました。被災された方々へのご冥福はお祈りしていました。しかし、こちらも人生を掛けて戦っています。何が起ころうと店がなかったことにはできません。私は私のことで毎日が必死でした。
 
今思い返してもこの頃の店舗経営の記憶はありません。大きなイベントもなく、変化がなかったからでしょう。自粛ムードの中では大々的な販促計画も立てられず、私にできるのは毎日ロコズキッチンをオープンし続けるだけでした。
 
来てくださったお客様と、震災について、これからについて、お話をすることもありました。これから日本はどうなってしまうのか。そういった不安もありましたが、2店舗目出店のために限界まで借りた融資金も、この調子が続いたら1年後には底をつくでしょう。
 
閑散とした空気の中でも、いつもと変わらずに運営にお金はかかっているのです。私だけではなく、経営者の方々はみんな大きな不安を抱えていたことでしょう。とにかく明日は今日よりも多くのお客様がきてくれますように。そう祈るばかりでした。
 
ロコズではお客様の写真を撮って店に飾るというサービスをしていました。店内に写真が増えると私自身もうれしいし、お客様も次回友達を連れて来た時に自分の写っている写真を見せて喜んでおり、好評のサービスでした。しかしこの時期の写真は一枚もありません。ロコズ暗黒の時期でした。
 
 
 
 

浅野

 
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