いったいどうなる?! 飲食店の全面禁煙化(第1回 これまでの経緯と厚生労働省案)

飲食店の全面禁煙化(受動喫煙防止)のニュースが世間を賑わせています。 これから先、一体どうなってしまうのか?全面禁煙にしたら売上が下がるのでは? 飲食店など、利用者側に他の施設の選択の機会があるものや、娯楽施設のようなものは、原則建物内禁煙としつつ「喫煙室」の設置が可能とは?

最近、訳あって「期間限定禁煙」を半年間続けているハクリュウです。
ただ、飲みの席だけはどうにも我慢できない。たばこを持ち合わせていないから我慢できているものの、ポケットに入っていれば間違いなく火をつけています。
 
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そんな飲みの席の喫煙も文字通り風前の灯。昨年ごろから飲食店の全面禁煙化受動喫煙防止)のニュースが世間を賑わせています。国立がん研究センターの発表では、実際に受動喫煙のある人はない人に比べて肺がんになるリスクが約1.3倍と言われており、愛煙家としても経営者としても頭の痛い悩みになりそうです。
 
「これから先、一体どうなってしまうのか?」
「全面禁煙にしたら売上が下がるのでは?」

民間調査機関の株式会社富士経済が実施した飲食店に対するアンケート調査では、受動喫煙防止強化による影響についてこの様な調査結果が出ています。

●外食産業では8,401億円の売上が減少すると予想(居酒屋、バー、スナックでは6,554億円
●調査対象者の内、55.9%が客数が減少すると予想(居酒屋等では72.9%
出典:「受動喫煙防止法案(たたき台)」施行による外食市場への影響を調査
 
さまざまなニュースが流れていますが、未だ結論には至っていません。そこで、今回から「飲食店の禁煙化」について最新の動向を定期的にお伝えしていきたいと思います。第1回は、「受動喫煙対策のこれまでの経緯と厚生労働省案」です。

2020年のオリンピックに向け「受動喫煙防止対策を強化」

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2020年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピックに向けたさまざまな取り組みが進んでいます。
そんな中、平成27年11月27日、内閣総理大臣より「大会は健康増進に取り組む弾みとなるものであり、大会に向け、受動喫煙対策を強化」との発言が発表されました。
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平成28年1月25日、2020年オリンピック・パラリンピック競技大会関係府省庁連絡会議から受動喫煙防止対策を強化するため、受動喫煙防止対策強化検討チームを開催する。との決定が出されました。

平成28年1月25日(検討チーム開催と同日)、第1回検討チームが受動喫煙防止対策の現状についてまとめました。その要旨を、この様に述べています。
 

●受動喫煙の健康影響について
●2008年以降のオリンピック開催地及び予定地の受動喫煙防止対策、及び予定地では罰則を伴う受動喫煙防止対策が講じられていること
●オリンピックにおける受動喫煙防止に関連する世界保健機関(WHO)の取り組み
 
その後、検討チームにおいて検討が進められており、現在に至っています。
私の勝手な解釈ですが、一言で言えば「国際的にも遅れているし、安倍総理も言っているのでやらないとマズいよ!」というところでしょうか。(あくまで私の個人的な感想ですので悪しからず。)
出典:厚生労働省 受動喫煙防止対策の現状について

飲食店においては基本的に建物内禁煙?

平成28年10月、厚生労働省から「受動喫煙防止対策の強化について(たたき台)」が公表されます。このたたき台は後に若干の修正が為されますが、基本的には現在議論の中心となっているものです。
 
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この厚生労働省案では、新たに導入する制度をこのように分類しています。 

1、建物内は禁煙
2、特に受動喫煙を防ぐ必要性の高い施設を敷地内禁煙(学校や医療機関など)
3、利用者側に他の施設の選択の機会があるものや、娯楽施設のようなものは、原則建物内禁煙としつつ「喫煙室」の設置が可能(飲食店など)
出典:受動喫煙防止対策の強化の内容(たたき台)
   
飲食店においては基本的に建物内禁煙としつつ、喫煙室の設置は可というものです
この「喫煙室」がどの様なものを指すのかは現時点では明確になっていませんが、これまでの議論を踏まえると神奈川県の条例で実施されている様な「分煙」からは、さらに厳しい内容であることが予想されます。
神奈川県の受動喫煙防止条例
  
後に触れることになる公開ヒアリングでは、「マージャン店の喫煙の現状」について業界団体側が原則反対のスタンスをとる中、すでに禁煙の店もあり、たばこを吸わない人はそもそも禁煙の店に行くので受動喫煙はないと発言しました。そのことに対し、厚生労働省の課長が「従業員の受動喫煙は考慮されていない」との趣旨で発言をしています。

つまり、従業員の受動喫煙も考慮すると、喫煙席・禁煙席の分煙では不十分で、客席空間での喫煙はNGという解釈になりそうです。あくまでも「喫煙室」は客席とは別の専用の小部屋を用意するということになるのでしょうか。ただし、この辺りは今後の議論で修正される可能性もありそうです。また、違反者(利用者も管理者も)には罰則を設けることも検討されています。

公開ヒアリングの開催

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厚生労働省案の公表から1カ月後の平成28年10月31日と11月16日、関係する業界団体から公開ヒアリングが行われました。
   
参加した団体は、一般社団法人日本フードサービス協会や消費者団体、鉄道・船舶、医療関係、ホテル・旅館など30団体にのぼります。これらの団体から賛否それぞれの立場で意見陳述が為されたわけですが、次回は「それぞれの団体からどの様な発言があったのか」から話をスタートしたいと思います。
   
第2回~厚生労働省案に対して各関係団体はどのような態度をとったのか~
  
●焼肉協会:「やるなら全面禁煙。喫煙室設置不可。このように徹底してもらいたい!」
●フードサービス協会:「喫煙室の設置にもダクト設置など制約が多い!」
 
⇒第2回へ続く

ハクリュウ

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