留学生雇い入れの勧めVol.3【教育・研修、語学力編】

外国人留学生を雇った後に必要な研修や教育について。 日本人には当たり前の文化や習慣、衛生面での意識も違います。 面接ポイントと日本語能力の指標、研修・教育、語学力など難しい問題もありますが、将来的にスタンダードになっていくであろう、留学生の雇用についてご紹介します。

皆さん、前回の記事はお読みいただけましたでしょうか。前回は留学生のアルバイト採用に関して重要な募集方法、雇い入れの手続きについてご紹介しました。
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今回の内容は、実際に雇い入れを行った後に必要な、研修・教育、日本語レベルについてご紹介したいと思います。

研修や教育について

f:id:tentsu_media:20160121202803j:plainこれは非常に難しい問題です。国籍にもよりますが衛生面での意識が違います。日本人にとっては当たり前のことでも留学生にとっては考えもしない事のようです。

ホールと厨房の出入りの際や各作業後、休憩後などの手洗いは学生時代、飲食店でアルバイトをしたことをある方にとっては当たり前ですよね。留学生にとっては当たり前ではないようです。正確に言うと教わっていないのでやらない、という方が正しいかもしれません。

相手に伝わっているかが重要

留学生や相手の文化を理解していないと、相互間の認識のすれ違いが頻繁に起こります。“伝えたつもり”ではダメなのです。そこで留学生への教育にはこれらのポイントが重要です。

・マニュアルは、彼らがわかる言語で作り直すか、ゆっくり読み聞かせて教える
・研修時も、単語を指さしたり、ジェスチャーを交えたりして伝える。
・日本では当たり前のことも伝える
これらは相手が本当に理解しているかどうかを確かめながら進めるのが重要です。また、留学生用のマニュアルや教育の制度を一度作成すれば、同じスキームを使い(マニュアルの変更に伴い変更は必要)、継続的に同じ国の留学生アルバイトを確保することが出来ます。

語学力について

日本語学校の留学生は日本語を学びに日本に来ているので流暢に話すことがあまりできません。一方、母国で日本語を勉強してから来日し、すでにある程度話せる留学生もいます。当然、採用する側としてはコミュニケーションを円滑に取れる人を採りたい、と思うでしょう。


日本語学校は入学時期が4月や9月など年間複数ありその都度留学生を受け入れます。日本に来てすぐにアルバイトを探す方が多いためその時期に日本語学校に連絡すると様々な国籍の方がいます。日本語のレベルも様々です。


都内にある和食の業態で東京と神奈川に9店舗ほど展開しているお店でのお話です。アルバイトが足りない、ということでベトナム国籍の留学生を面接しました。まだ日本に来て2ヵ月だったそうです。


来日2ヶ月、と言うと、どれぐらいの日本語のレベルを想像しますか?挨拶と自己紹介ができて、単語なら聞き取りもできる、それとお辞儀を使うタイミングがだいたいわかっている、という程度だと思います。


面接をした店長さんに話を聞くことができました。こんなやり取りだったそうです。

面接風景

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店長:「こんにちは」
留学生:「コンニチハ」
店長:「とりあえず、ここに座ってください」
留学生:「ハイ、アリガトウゴザイマス」※立ち止まってお辞儀をしながら
店長:「それでは、面接を始めます」
留学生:「ヨロシクオネガイシマス、アリガトウゴザイマス」
店長:「週何日ぐらい働きたいですか?」
留学生:「タクサンハタラキタイデス、デモ、イッシュウカン28ジカンハタラキタイデス」
店長:「どうしてですか」※日本語力を試す為にわざと質問。
留学生:「ワタシハリュウガクセイデス、イッシュウカン28ジカンシカハタラケマセン」
店長:「そうでしたね、じゃあ何曜日に働けますか」
留学生:「ゲツヨウビ、カヨウビ、スイヨウビ、モクヨウビ、キンヨウビ、ドヨウビ、ニチヨウビデス」
店長:「祝日は働けますか?」
留学生:「シュジ? ゴメンナサイ、ワカリマセン」
店長:「日曜日以外でカレンダーの赤い日です」
留学生:「アー、シュクジツデスネ! ハイ、ダイジョウブデス」
店長:「月曜日は何時からアルバイトに入れますか?」
留学生:「ワタシハ、ガッコウオワルノ4ジ。ソノアトダッタラダイジョウブデス」
店長:「ベトナムにいつごろ帰りますか?」
留学生:「マダニホンニキタバカリデス、カエリマセン」
店長:「お父さんとお母さんに会わなくても大丈夫ですか?」
留学生:「オカネカカルカラ、スグカエレナイデス、デンワアリマス」
店長:「わかりました。時給の話しですけど、1000円です。大丈夫ですか?」
留学生:「ハイ、ダイジョウブデス、オネガイシマス」

※面接時の会話風景抜粋

もし、例えば自分がベトナムに留学して、2ヶ月でどれだけのベトナム語を理解し話せるようになるか、と考えた時、ちょっと自信が無いなぁ、と感じる人が多いのではないでしょうか?


そう考えると、彼らの吸収力はかなりのものです。日本に来る留学生の多くは母国で経済的に恵まれていたりと就学意欲が高かったり、あとはグローバルな活躍を夢見ていたり、と言う、環境に恵まれていたり、将来に対する意識が高かったりします。

日本語能力の指標

BJTビジネス日本語能力テスト

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BJTビジネス日本語能力テストは、受験者が受験時にどの程度の日本語によるビジネス・コミュニケーション能力を持っているかを測る能力テストです。対象者は、日本語を母語としないビジネス関係者や学生など。

このテストは6段階で評価され、飲食企業でのアルバイトでの採用は、このBJTにて3~4程度の語学力が認定されているというのが一つの目安となりそうです。


しかし、接客は出来なくても、単純作業での雇い入れであればそれに限らない場合もあるので、上記の能力での判断はあくまで目安としてご利用ください。

最後に

留学生の雇い入れについて、記事を書き進めていくなか、日本語学校の職員の関係者様や、実際に飲食店舗にて働いているスタッフや留学生と交流させていただきました。そのなかで留学生の雇い入れの実態や、現場の風景を直接目にして、将来的に留学生の雇い入れはスタンダードになっていく予感がします。

現状留学生の雇い入れにはいくつかの障壁があります。ですが人事という人と関わる業務に携わる人として、日本人や留学生などの国籍は関係なく、真摯に付き合う姿勢が大事だと感じました。


アルバイトの採用をお考えの皆様も、一度留学生の雇い入れについてお考えになってみてはいかがでしょうか。


マイ・サイ・パクチー



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