店頭でお待たせしない・させない・密な状態で並ばせない「順番待ちシステム」とは?

飲食店の感染症対策として、混雑緩和を求める声が多数上がっている中、株式会社EPARKの【もう待たない、並ばせない】という考えから誕生した「順番待ちシステム」が注目を集めています。飲食店の課題解決をしてくれる順番待ちシステムとは?また、順番待ちシステムを導入することでもたらされる、店舗側のメリットとは?実際の導入店舗にもインタビュー。限られた条件下で安定した利益を生み出すためのヒントをご紹介いたします!

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順番待ちシステム

飲食店における安心・安全の確保を求める声は、コロナ禍でますます高まりをみせています。キャッシュレス決済やモバイルオーダーなど、飲食店のデジタル化もここ数年で一気に普及しました。
これからの時代、飲食店はお客様の安心・安全を確保しつつ、時代のニーズに柔軟に対応し、限られた時間でいかに利益をあげ、支出を抑えていくのかが重要になってきます。

今回は、コロナ禍の時代をのりきる新たなソリューション、飲食店の課題解決に役立つ「順番待ちシステム」についてご紹介します。
今置かれている状況の中、いかに効率的に利益を上げていくのか。いち早くその工夫に取り組んだ店舗にも取材をさせていただきました。ぜひ、参考にしてみてください。

感染症対策として混雑緩和を求める声が多数

社会環境の変化に伴い、お客様が飲食店に求める要素として「感染症対策」の徹底が高まりをみせています。Retty株式会社が2021年6月1日~6月7日に20代以上の男女1102名を対象におこなった「新型コロナウイルス感染症対策に関するアンケート」の結果では、14項目中11項目の感染症対策を「強く求める」声が多く、「店内が混雑していない」ことを望む声も56.95%と、半数以上に達しています(※)。

また、業界団体のガイドラインなどにも、以下のような店内混雑を避ける工夫を促す記載があり、飲食店にとって店内混雑の対応は必須課題となっています。

3.お客様の安全
1)入店時
順番待ちが店外に及ぶ場合は、従業員が間隔を保つように誘導するか、または整理券の発行等により行列を作らない方法を工夫する。

5)テイクアウトサービス
テイクアウトを実施している店舗では、お客様の店内滞留時間を短くするために、 事前予約注文を受け付けるなどの仕組みを導入する。

参照:一般社団法人 日本フードサービス協会「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針(改正)に基づく外食業の事業継続のためのガイドライン」

このような背景もあり、これまで回転寿司店や焼肉店を中心とした一部業態での利用が多かった「順番待ちシステム」ですが、外食産業においてWithコロナを前提とした事業継続のための必須ツールとして、ラーメン店やカフェなど、現在幅広い業態へ広がりを見せています。

では次に、 順番待ちシステムがどんなものなのかを簡単にご紹介します。


※アンケート結果に関しては、こちらの記事をご参照ください。

混雑緩和には「順番待ちシステム」がおすすめ!

順番待ちシステムとは?順番待ちシステムの特徴

順番待ちシステム

順番待ちシステムとは、株式会社EPARKの【もう待たない、並ばせない】という考えから誕生したサービスです。

PCやスマートフォンからでも、リアルタイムで対象店舗の混雑状況を確認することができ、店舗に足を運ばなくても事前に順番待ちの予約をすることが可能です。順番が近付くとメールや電話、LINEなどでお知らせしてくれるため、お客様は混雑した店内で待つ必要がありません。

順番待ちシステム

「順番待ちシステム」導入のメリット

順番待ちシステム

政府による度重なる時短要請によって、今や飲食店において限られた営業時間内で、売上をどのようにあげていくかが大きな課題となっています。そのソリューションとして注目を集めている順番待ちシステムを店舗に導入すると、どのようなメリットがあるのかを詳しく紹介します。

■混雑時間帯分散によるピーク時間帯の延長効果

順番待ちシステム

店内の混雑具合をリアルタイムで可視化し、お客様と共有できることで、お客様が主体的に混雑時間帯を避ける行動を促します。その結果、ピーク時間帯に集中しがちであった来客が分散され、ピーク時間の延長に繋がります。

■顧客・従業員双方のストレス軽減

今までは待ち時間があとどの位なのか、自分が何番目に呼ばれるのかなど、お客様は店員に逐一確認しないと分からないこともあり、その確認作業ゆえ、お客様と働くスタッフ双方に負担がかかってしまいがちでした。順番待ちの状況が可視化されることにより、お客様のいつ呼ばれるのかといった不安を取り除くと同時に、「自分の方が先に並んでいたのに」「順番を呼ばれた覚えがない」などのクレームリスクを回避できます。

■受付業務の平準化

店舗において、お客様と最初に接する受付業務は、接客スキルはもちろん、レジなど多岐にわたる業務と並行しながら店内の状況を考慮し、席へ案内する高い処理能力が求められます。そのため、経験を積んだベテランスタッフが担うことがほとんどでした。順番待ちシステムを導入することで、入社間もない新人スタッフやアルバイトスタッフでも、常に安定した高いパフォーマンスで受付業務に対応することが可能になります。ベテランスタッフは、他の業務に就くことができるようになり、人材不足の解消、業務の平準化を図ることができます。

■オペレーションの最適化と回転率アップ

店内の混雑状況の可視化、待たれているお客様の把握ができるため、店内スタッフはあらかじめ対応準備をすることが可能です。事前に来店人数や属性、座席種別なども店舗側で把握できるので、配席や配膳の効率があがります。また、席を事前に確保する必要がなくなり、お食事が終わった空いている席から順次お通しすることができるようになるため、席の回転率アップに繋がります。

■密集を回避し、安全安心の確保

順番待ちシステムは、順番が近付くとメールや電話、LINEなどでお知らせしてくれるため、店内で順番を待つ必要がありません。自宅で順番待ち予約をし、順番が近付いてから来店することもできますし、駐車場がある店舗なら車の中、ショッピングモールにある店舗であれば、順番を待っている間にお買い物を済ませるなど、時間を有効活用することができます。また、混雑した場所で待つ必要がないため、感染リスクへの不安を軽減、安心安全の確保へと繋がります。

■取得データから販売戦略へ

予約来店情報から取得したデータを新規顧客の集客やリピーター向けの販売戦略の他、従業員の最適配置と、店舗運営に活かすことが可能です。獲得した会員向けにDM配信などを実施した際に、どのような層にどのような特典や訴求が響いたかなどもデータから読み取ることができます。次の企画を立てる際に、それらのデータを活用することで、より効果的な企画立案に繋げられます。

テイクアウト機能との連動・誘導

順番待ちシステム

さらに、順番待ちシステムには、テイクアウト機能と連動ができるといった魅力もあります。

当初は店内飲食の予定でも、急なスケジュール変更などで待っている間に時間がなくなってしまうこともありますよね。そんな時、「順番待ち」から「テイクアウト」にボタン1つで切り替えることも可能です。
お客様が順番待ちをしていただいた時間を無駄にすることなく、お店側の機会損失も同時に防ぐことができます。

順番待ちシステム ▲ユーザー側(モバイル)端末の順番待ち受付画面内に「テイクアウト予約」ボタンを併設することで、待ち状況や顧客側の状況に応じた選択肢を提供することができ、機会損失を防ぐことにも繋がる(※テイクアウトシステムの契約が別途必要)。


また、お店に足を運んでいただいたお客様が、店内の混み具合をみて躊躇されてしまっても、テイクアウトがあるならテイクアウトにしようと、断念せずに注文してくれるかもしれません。お客様の選択肢を増やすことで、お店側の機会損失を防ぐと同時に、足を運んでくださったお客様のお気持ちを無駄にすることもなくなります。


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実際の導入店舗の声をご紹介

今回は、順番待ちシステムを導入することで、店舗にどのような変化が生じたかについて、株式会社ハチバン様ご協力のもと、インタビューをさせていただきました。

8番らーめん

◆株式会社ハチバン
【画像右下】
執行役員らーめん事業部長
谷内 敏隆(やち としたか)様

【画像左】
らーめん事業部
FC運営 担当部長
森 皓介(もり こうすけ)様

◆「8番らーめん武生店」
【画像右上】
株式会社アモーレながすぎ
営業部統括マネージャー
前田 昭仁様(まえだ あきひと)様

◎「8番らーめん」を展開する株式会社ハチバンとは?

8番らーめん

株式会社ハチバンは、1967年に「8番らーめん」を創業して以来、「より多くの人々に、より良い商品をより安く、より良い環境の中でお届けし続ける」を経営理念に掲げ、創業からのこだわりの味わいをそのままに守りながら、システム化された効率的な経営を可能にしてきたフランチャイズチェーンです。

順番待ちシステム ▲北陸のソウルフード「野菜らーめん」と鶏の唐揚げセット

2021年8月現在、国内118店舗、海外146店舗の計264店舗を展開しています。

今では一般的となったラーメンのテイクアウト販売ですが、2014年から全国に先駆けて同社が市場を切り拓いてきたことは、あまり知られていません。また、麺屋一燈のような有名ラーメン店や田所商店、町田商店といった全国展開するチェーン店など、ラーメン業界にも浸透しつつある順番待ちシステムに関しても、同社はその効果にいち早く着目し導入を開始しています。

海外においては、1992年に進出したタイで既に140店舗を築き上げるなど、アジアにおける日本食ブームの先駆けとなり、日系外食企業の海外進出の先駆者となったことは言うまでもありません。

順番待ちシステム ▲8番らーめん人気の期間限定「野菜トマトらーめん」

常に先見の明をもってトレンドを創造し、持ち前のチャレンジ精神で時代を切り開いてきた、大変実績のある企業様です。

また、同社が展開する8番らーめんのFCの中でも、アモーレながすぎ様が運営する店舗は、常に売上上位をキープするなど優良店を多数経営していることから、今回はハチバン本部様、FCのアモーレながすぎ様の両責任者にそれぞれの見地から現場の声を伺いました。


順番待ちシステムの導入効果の実態に迫る!

8番らーめん ▲冷めにくく伸びにくいテイクアウト専用の容器や麺を独自開発するなど、持ち帰った時にもお客様に店内と同じ味で召し上がっていただくための努力を重ねている。

Q:コロナ禍以前から、ラーメン業態ではいち早くテイクアウト事業に取り組み、順番待ちシステムを導入するなど、新しい取り組みを率先して進めてこられたのには、何かきっかけなど理由があるのでしょうか?

谷内氏:もともと餃子や唐揚げなどのお持ち帰りはやっていたのですが、正直「ラーメンを持ち帰るのは非常識」という考えが以前はありました。ですが、2014年位から高齢化社会を迎えるにあたって、お店に来られない人が今後増えるのではないか、という風に考えるようになり、将来を見越してラーメンテイクアウト販売の準備に取り掛かりました。
ラーメンの持ち帰りというと汁が溢れたり、麺が伸び切ったりと、ネガティブな印象ももたれますが、今ではだいぶお客様にも浸透し、更にコロナ禍になってからは、テイクアウトされる方が一段と増えました。テイクアウト専用容器や専用麺の開発など、対応を早くから取り組んでいたため、予期せぬコロナ禍でも時代の流れに即座に対応できました。
今では一部店舗にはなりますが、ドライブスルー導入店を増やすなど、お客様の選択肢を増やす仕組みを順次強化しています。

森氏:実は順番待ちシステムの導入については、フランチャイズ加盟店様からの提案がきっかけでした。社内には当初、「ラーメン屋で順番を待つための発券機ってどうなの?」という懐疑的な意見もありましたが、元来のチャレンジ精神と人件費削減、人材の確保、といった観点から本部としても興味があったこともあり、加盟店様から導入を開始しました。

前田氏:「8番らーめん武生店」では、順番待ちシステム導入後にテイクアウトシステムを導入しました。順番待ちシステムの利用時に、マイショップ会員となっていただいていた近隣のお客様向けに、テイクアウトの販促活動が一気に行えたことで、テイクアウトサービスをいち早く浸透させることができたと思います。
また、高齢者が多い地域ということもあり、機械化という部分で最初は抵抗もありましたが、順番待ちシステムによってDMやクーポンを配信できるなど、リピーター向けの販促も容易に実施できることから、リピート率はかなり高いと思います。

テイクアウトに関しては、やはり最初は、ラーメンのテイクアウトを認知してもらうための工夫が必要でした。入り口に持ち帰り用の容器を設置したり、テイクアウト専用のリーフレットを用意したり、テイクアウト実施の視覚的な認知活動に取り組みました。お客様は最初不安と好奇心から注文されるようでしたが、お店で長時間待っていられない高齢者や、店内で食べづらいと考える女性の一人客などに需要があります。

8番らーめん ▲8番らーめん武生店では、ラーメン業界でもいち早く順番待ちシステムを導入し、今では現場の従業員が機能や使い方までを細かく熟知。活用することで効率的なオペレーションに活かせているという。

Q:順番待ちシステムについてお聞きします。順番待ちシステムを実際に導入してみて感じたメリットはなんですか?従業員の業務にはどのような効果をおよぼしましたか?

森氏:順番待ちシステム導入の狙いとして、ランチやディナーのピーク時に、受付業務につきっきりになってしまうスタッフ1名の削減がありました。実際に1名削減できたかというと、まだそのレベルには至っていないのですが、明らかに別の利点がありました。
受付業務は、ある程度の能力と経験がないと務まらないポジションなのですが、そこに求められるスタッフの能力・担当するスタッフのストレスが軽減し、必要なスキルが平準化されたことで、従業員の最適配置が実現しました。ストレスの軽減はお客様にもいえることで、いつ名前が呼ばれるか分からないと、気を張って待たなくてはいけない状況が解消され、顧客満足度の改善につながりました。
当初の導入目的とは少し異なりますが、スタッフのオペレーション効率化とストレス軽減、お客様の安心の恩恵が非常に高いです。

前田氏:EPARKの導入前、受付でウェイティングボードを使用していた時は、受付の業務は高度な技術が必要でしたし、クレームトラブル発生リスクも内包していました。
順番待ちシステムを導入することで、お客様の方も煩わしさが軽減されたのと、「大体何分待ちますか」という、質問ナンバー1の回答が自動で表示されるので、お客様も安心、従業員も都度対応しなくてよい環境になりました。

電話呼出機能によって、お客様は車や別の場所で待つこともでき、密になる場所で待つ必要がないので感染症対策にも効果的です。また従業員は、待ち状況を端末で確認し、来店人数や、希望席などの情報をリアルタイムに把握することが可能です。そのおかげで、配膳準備や席の要望に迅速な対応ができ、作業効率が抜群に高まりました。従業員・お客様共に時間の使い方が効率良くなったように思います。
繁忙期などは、WEBでの「日時指定優先受付機能」が特に役立っています。

8番らーめん ▲店内はカウンター席やボックス席などに分かれているが、順番待ちシステムを使うことで事前にお客様が希望する席の種別や子供の人数など、属性情報も店舗側で把握することができるため、効率的な配席や配膳に役立っているという。

Q:順番待ちシステムを導入したことにより、キャンセル率減少や回転率向上など、売り上げ増加に結び付いていますか?

前田氏:コロナ禍で営業時間の制限がある中、売り上げを維持向上させるには、客単価を上げるか、回転率をあげるか、従業員の生産性をあげるかしかありません。そんな中、お客様の状況がリアルタイムに可視化され、一覧で把握できるので、オペレーションを最適化できるようになりました。

お客様が食事をされる時間は変わらないため、回転率の向上というよりは、ピークタイムの分散効果の方が実感があります。今までは、ピークが短時間に集中してしまっていましたが、お客様の方でピークを多少ずらした時間で優先受付をするなど、調整をかけたり、待ち時間が明確になったことにより、待つという行為をしてもらえるようになりました。待ち時間が常に可視化され、同じ受付画面内にテイクアウト予約のボタンも表示されていることで、お客様の次の予定や状況に合わせて、テイクアウトに途中で切り替えることなどもできます。そういった環境を用意したことで、そのまま無断キャンセルされるお客様の数は格段に減り、機会損失防止効果を強く感じています

また、順番がきた際に名前を呼んだ、呼ばない、などの受付業務におけるクレームやストレスがなくなりました。番号札を持っている意識からか、キャンセルをするにしても、お客様側から「キャンセルでお願いします」と、アプローチしていただけることが増え、受付業務で生じる混乱もなくなり、業務がよりスムーズに効率よく回せています。

Q:今後、順番待ちシステムをどのように活用していこうと考えていますか?

谷内氏:具体的な活用にはまだ着手していませんが、どういった層がどのような企画に興味を持って来店してくれるのか、などのデータ取得ができるため、そこからリピート率を上げるための企画や商品開発に繋げられると考えています。それぞれの地域にあった企画をより効果的にアプローチすることに活用していきたいです。

まとめ

8番らーめん

ラーメンのテイクアウト事業、ラーメン業態での順番待ちシステム導入、どちらも意外に感じるかもしれません。ですが、コロナ禍の現在、飲食店のテイクアウト対応はもはや当たり前となり、感染症対策の一環として、飲食店での混雑緩和対策は、事業継続のための必須事項として対応が求められています。

限られた条件下で安定した利益を生み出し、持続可能な事業活動を継続していくためには、その時々の環境に柔軟に対応する適応力が必要です。今回事例として紹介したハチバン様のように常識にとらわれず、これからの時代の流れを想像し、新しい発想でチャレンジしていく取り組みが、結果としてお店の課題解決に繋がるとも言えるのではないでしょうか。

従業員の業務効率化を図りつつ、機会損失を防ぎ、利益につなげる順番待ちシステムは、顧客の利便性を高める優れもの。もうしばらく厳しい状況が続きそうな飲食業界ですが、その中で戦っていくためにも、これを機に顧客の要望に応えられる順番待ちシステムの導入をぜひ検討してみてはいかがでしょう。


◆順番待ちシステムの詳しい情報はこちらをご参照ください。

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店通編集部