こんにちは。日々、不動産案件を探している芝耕作です。以前は飲食店のライス残し問題について記事を作成しました。今回は居酒屋のお通し問題について書いていきます。
早速ですが、居酒屋に飲みに行く立場のとき、「お通しは必要か?」と聞かれたら何と答えますか?私は仕事柄、付き合いで居酒屋へ飲みに行くことが多いのですが、迷わず「タダでも要らない」と答えます!それくらい良い印象がありません。
一方、店の立場に立った時、お通しとは一体どのような意味を持っているのでしょうか。この記事では、消費者・店側、両方の立場から今一度「お通しのあり方」を見直して、私なりに考えてみます。
目次
お通しの特徴
店によってその内容はさまざま。金額は大体300円~500円が相場ですが、高いところだと1,000円近く取られるところもあります。主に居酒屋などで注文を受けずに出す一品料理。「突き出し」とも言う。本料理を提供する間の酒の肴といった位置づけで扱われる。料金は取られる。
引用:実用日本語実用辞典
居酒屋では、『お通しは当たり前』という印象があります。お通しカットできる店はあっても、そもそもない店はあまり見かけたことがありません。
私が納得いかない点。それは、
①注文もしていないのに突然出てくる
②何が出てくるか分からない
③料金もわからない
②何が出てくるか分からない
③料金もわからない
お酒を飲みに来ただけなのに、なぜ頼んでいないメニューにお金を支払わなければならないのか…?という部分です。
あとから明細を見て、はじめて値段がわかります。たかだか数百円とはいえ、ちょっとしたぼったくりなのでは?とさえ思うことも。その上、出されたものが料金の割にあまりにも残念なものだと、その店のイメージがぐっと悪くなり、リピートしようとは思わなくなります。
一方で、「自分では頼まない料理に出会えるから嫌ではない」という意見も。
例として、
①その日しか食べられない料理を出してもらえる
②旅行先でふらっと立ち寄った居酒屋などで、自分の知らない郷土料理を楽しめる
②旅行先でふらっと立ち寄った居酒屋などで、自分の知らない郷土料理を楽しめる
などがあるようです。
数ある居酒屋の中から新規で来てくださったお客様、もしかしたら手を抜いたお通しで心を離してしまっているかもしれません。逆に、入店のタイミングでお客様の心を掴むことができたら、大きな差別化につながりそうです。
みんなはどう思っているの?
世の中の消費者は、お通しについてどのような印象を持っているのでしょうか。3年前と少し古いデータではありますが、ヤフーの意識調査(2014年・サンプル76,087票)によると
※出典:居酒屋の「お通し」、どうあるべき? – Yahoo!ニュース 意識調査
『困っていないので、今のままでよい』と答えた人は全体の12%!その他の88%は、何らかの不満があるようです。これは偶然ではなく、共通の問題があるのでは…?『当たり前だから』と何も考えずに提供するのではなく、対策が必要だと感じました。
お店目線から見たお通しのこと
では、ここで店側の立場に立って考えてみましょう。ルーツは諸説あり、深堀りしていくと記事テーマと離れてしまいますので、今回は3点に絞ってご説明していきます。

店のオペレーションに役立っている
「最初の注文をお通しした」という合図の意味があります。言葉の意味だけではなく、基本的にはお通しを出したタイミングで、ファーストドリンクをお伺いします。ですから、客席にお通しが出ているかどうかで、注文を取ったかどうか、オペレーションに役立っている一面があるのです。その後のサービスを保証する
少し敷居の高いお店では、席料や空間料として料金をいただくことで、その後のサービスに対するお約束をする、という意味合いもあります。日本にはチップを支払う文化がありませんので、お通しという形でサービス料金をいただく形になったのかもしれません。酒の肴(さかな)として楽しんでもらう
このイメージが最も一般的でしょうか。冒頭でも記載したように、お客様の料理が届くまでの間を楽しんでいただく意味合いもあります。日本料理の先付(さきづけ)や、フルコースのオードブルと同じように、注文した料理がくるまでの店側のご好意(おもてなし)とも言われています。このように、古来から「食事」の場を楽しむための順番が考えられており、お通しもそれらに習って日本で習慣化していきました。ですので、単純に「店の客単価を上げるための策」という意味ではありません。
お通しが客から敬遠される理由とは

とはいえ、私はお通し反対派。言葉の意味がどうであれ「損をした」気持ちになることが多いのは事実です。アンケートの結果でもあるように、不満も持つ消費者は多い。それはなぜでしょうか。
ずばり、欲しくもないものを強制的に買わされるから!に他ならないと思います。
既にお通しを「見せ場」としてうまく活用出来ている店もありますが、未だに材料費が安くて、大量に作り置きができる、利益重視の料理が出てくる印象を持っています。
これらは、客側への「おもてなし」の意味を考えず、『無条件に注文が取れる利益のためのもの』と認識してしまっている店があるからではないでしょうか。
こういったずさんな対応が、多くの客の不満に繋がっている気がします。
まとめ
数年前、キャッチ系の居酒屋を中心に「お通しの質があまりに悪すぎる」と話題になったこともあり、近年ではお通しに力を入れる居酒屋も多くなってきました。しかし、それもまだまだ限られた店だけの話。店側としては、現状多くのお客様が不満を持っている、ということを認識するのがまずは大事ではないでしょうか。当たり前に取っていい料金という考えをやめ、自分の店でのお通しのあり方をそれぞれしっかり考えるべきでしょう。
《飲食店側が工夫できること》
●お通しの「いる」「いらない」を選べる(強制しない)
●お通しの内容を選べる
●料金を明確にする
●利益重視の「質の悪いお通し」を提供しない
●どの料理よりもお通しにこだわる
この他にも、飲食店でできる対策はいろいろとありそうです。●お通しの「いる」「いらない」を選べる(強制しない)
●お通しの内容を選べる
●料金を明確にする
●利益重視の「質の悪いお通し」を提供しない
●どの料理よりもお通しにこだわる
いくつかまとめてみましたが、これらは一例に過ぎません。「賛成派」「反対派」両方の意見をふまえ、全ての居酒屋がおもてなしとしてふさわしいお通しの形を考えるようになって欲しいと思います。
ちなみにお通しカットについてですが、入店時に説明があったり、もう食べてしまった後だと支払う必要はありますが、それ以外であれば法律上は断れるものです。
しかし「法律上は断れるから」と、なんでもかんでも断るのは、空間を提供している相手に対するマナー違反ともいえます。店側・客側双方がモラルを守って「楽しむ」「楽しませる」場について考えていかなくてはいけません。

本当はしっかりと良い料理を作り、提供しているにもかかわらず、お通しで原価を下げて利益を増やす。その数百円の利益のために、客の満足度が下がり、お店の評価が下がる…。これは、あまりにもったいないと感じてしまいます。
不満をもっている客が多いのであれば、逆にそこで「損して得を取る」といったお店が出てくれば面白いのに!と、芝耕作は思うのでした。
芝耕作
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