取引先が倒産する前に!見た目だけで判断する取引先の「与信管理」

はじめまして。つちしんと申します。
私は、今年6月より店舗流通ネットに勤務しており、店舗を出店されるお客さまの出店審査のお仕事をさせていただいております。また、前職は銀行に勤務しており、個人のお客さまにご利用いただくローン商品の企画や事務に携わっておりました。

今回は、私の現在の業務と関連付けて、与信管理をテーマにお話をさせていただければと思います。



与信管理とは?

そもそも、与信管理とは何のことなのでしょうか。
例えば店舗を運営して、売上が即座に現金として回収できれば問題ありません。しかしながら、時には売掛金として、現金化されるまでに1カ月程度、もしくはそれ以上かかることもあります。現金として回収できるまでの間にその売掛金を持っている取引先が倒産してしまったら…。

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売上を現金として回収できるまでの間は、簡単に言えば、その取引先に“お金を貸している”ということです。これを「信用の供与」=「与信」と言います。
 
一方で、店舗を運営している間、仕入業者への支払い、従業員への給料の支払い、借入金の返済、税金の支払いなど、支払わなければならないものはたくさんあります。その支払いの原資である売掛金が回収できなかったら、自らの店舗の経営も危うくなってしまいます。
 
飲食店の場合、現金商売と言われ、売掛金の割合は他業種に比べて大きくないと言われますが、それであっても売掛金がある以上、きちんと期日までに返済してくれる取引先であるか見極めること、また、その金額が大きくなりすぎないように適切に管理すること。それが「与信管理」です。


倒産する企業の件数

ところで、倒産の件数ですが、大体どのくらいの件数で推移しているのでしょうか。まず、その推移から見てみましょう。

 
f:id:tentsu_media:20171113110834j:plain出典:株式会社商工リサーチ
 
株式会社東京商工リサーチが、負債1,000万円以上で倒産した件数を企業倒産件数として月ごとに算出しています。2017年度上半期(4~9月)の企業倒産件数を見ると、4,220件です。過去20年間で見ると直近では低い水準で推移しておりますが、今年度上半期は9年ぶりに増加したようです。ここ最近は落ち着いているとはいえ、“倒産”は一定件数で発生しています。



倒産のパターンとは

倒産の要因の中には「人手不足」「求人難」というキーワードが増加しており、ここ最近の人材確保の難しさも認識させられます。
 
あらゆる要因で倒産に至ってしまうわけですが、主な要因は、資金繰りが苦しくなるためです。期日までに返済すべきものができず、信用が低下することにより融資が回収され、事業を辞めざるを得なくなります。
 
ちなみに、仮に一時的に赤字が出ていても、資金繰りができれば企業は存続できます。(ただし、ずっと赤字だと売上以上に費用が掛かっている状態なので、資金繰りも厳しくなるでしょう)。
 
また、倒産にも2パターンあり、①支払を猶予してもらいながら会社を再建していく再建型パターンと、②事業を停止して残っている資産から清算していく清算型パターンがあります。
 
しかし、どちらの場合も即座に現金化できる資金が手元になく倒産したわけですから、ほとんど回収できないか、回収できても長期化してしまうことが考えられます。いずれにせよ、売掛金の未回収リスクがあることを踏まえ、適切に管理することが重要です。


見た目から判断する“倒産の兆候”

それでは、取引先が信用できるかをどのように判断していけば良いでしょうか。
取引先から決算書をもらって、財務状況を知ることができればベストですが、そこまでするのは難しいことも多いはず。今回は、相手の立ち振る舞い等、簡単に確認できる部分から、どのようなことに着目すれば良いのかを見てみましょう。

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支払期日が遅くなる、手形で支払うようになる

●今までは問題なかったのに、取引先からの支払いが期日を過ぎるようになった。
●期日を遅らせるよう要請があった。
●現金で回収できていたものが、振出*1になった。
このような場合は、取引先の資金繰りが苦しくなっていることが想定されます。

社長がいつも居ない、連絡がつかない

支払いが遅れていると、メインバンクは融資を絞りますので、資金繰りはより厳しくなります。そのため社長自らが金融機関に行き、資金繰りに奔走します。本業に力を注げないため、忙しくなります。

社内の雰囲気が悪い

取引先の事務所や店舗がある場合は、たまに足を運んでみましょう。売上増加とは別の要因で社長が忙しくなりますので、従業員も忙しくなり、余裕がなくなります。書類は乱雑な状態で散らばり、事務所やトイレは清潔ではない状態。あいさつも少なくなり、社内の雰囲気が悪くなります。

従業員が頻繁に入れ替わる

多少の従業員の入れ替わりはどこにでもありますが、採用しても定着しない企業には問題があります。なぜ従業員が辞めてしまうのかを客観視できていないまま採用活動を行い、元からいる従業員に負担をかけてしまいます。
 
普段の業務に加えて新人教育の負担がかかり、あげく不満がつのり、人材の流出に拍車をかけます。内情を知った従業員が行く末を見かねて退職するというケースもあります。

まとめ

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つまりは、取引先にある問題点が顕在化して、見える変化として現れるわけです。
どこの会社も問題点は付き物ですが、その見える変化が普段とは違って違和感がある場合は、よく観察してみましょう。最も重要なことは、取引先がどのような環境にさらされているかを感じとる“察知力”です。

つちしん


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*1:手形・小切手などを発行すること

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