「うちの店は大丈夫」それ本当ですか? 閉店を経験したオーナーの【退店レジュメ vol.12】-定期借家賃貸借契約-

「ロコズの履歴書」もvol.12。自分の振返りで綴った執筆が意外に反響を頂いております。2017年12月をもって完結します。あと残り3回ですがお付き合いくださいませ。
 
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f:id:tentsu_media:20160520164924j:plain「ロコズに新しい風が吹きそうですね」

f:id:tentsu_media:20151214132054j:plain「決断にはすごく勇気が必要でしたが、アルバイトを雇ったことは本当に良かったです」

f:id:tentsu_media:20160520164924j:plain「前話では浅野さんが心身ともに限界であることが伝わりました…。少しでも環境が変わっていればいいなと思います」

f:id:tentsu_media:20151214132054j:plain「環境はとても良くなりましたよ!店の課題は尽きませんが…」

f:id:tentsu_media:20160520164924j:plain「今回の話では、新たな問題についても書いていただきました」

f:id:tentsu_media:20151214132054j:plain「物件の契約内容が大きく関わってきます。店舗の契約をする際には、読者の皆様にもぜひ気を付けていただきたい内容です。」

 
 
 
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採用恐怖症からの脱却

アルバイトを採用し、店内に新しい風が吹き始めました。過去の苦い経験があったので、親子程に歳が離れているアルバイトと働くことに最初は緊張しました。
 
ロコズには大学生も多く来店していたので、若い子たちとは普段から仲良くしています。しかし、「仕事を任せる」となるとまた別の話。どんな接し方をすれば良いか悩んだ日もあります。
 
結果、息子や娘のように向き合うことが一番自分らしいと考え、店舗規則はなく自主性に任せるといった運営方法で、自由な職場を心がけます。すると、任せた仕事だけでなく、アルバイトの子たちから新しいアイデアも飛び出し、積極的にロコズの店舗運営に協力してくれました。そんなアルバイトの姿を見て、自分自身も若い子たちから多くの刺激を受けました。
 
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勿論自分からアルバイトの子たちへの発信も欠かせないようにしました。試験勉強期間中は客席で勉強OKにしたり、アルバイトとその友達に試食会をやってみたり、誕生日・就職内定や大学卒業のお祝いをしたり。そして、主婦アルバイトの方たちへは、子供たちへ就業体験をさせたことも今ではいい思い出です。
 
何が喜んでくれるのか分からない中、思いつくことはまず実行を心掛けます。悩んだ甲斐もあり、当店のアルバイト定着率はほぼ100%!
 
そしてアルバイトの子たちが友達を連れてきてくれたり、所属するゼミやサークルで使ってくれたり、ママ友がハロウィンで貸し切ってくれたり…etc、アルバイトの子たちを通じて、新しいお客様がどんどん増えてきました。
 
アルバイトの子たちのおかげでロコズの雰囲気も依然と比べてずっと良くなったと思います。私自身も再び「楽しんで仕事をする」という気持ちを取り戻しつつありました。しかし、当然楽しいだけでは経営はできません。商売はなかなか厳しい…。
 
  

経営状況回復ならず、大きな決断へ

2015年1月27日(火)のことです。定休日を使い、いつものように経理業務をしていました。現金残高と年間収支表をチェック。
 
1月の寒い時期ですが、作業を進めるにつれて体がカッと熱くなり、冷や汗が出ました。ロコズの経営状況は、限界が見えていました。
 
「ダメだ。夏で終わる。」
 
画面に映し出された数字の羅列を見ながら、たくさんの思いが頭に溢れかえりました。
 
”この状態でなんとかして店を続けたとしても、2号店なんて以ての外!店からも抜け出せず、一生店に立たなくてはならない。身体はボロボロ、貯蓄もできそうにない。老後に店を閉めたらどうするんだ?何のために店をやっているんだ?いつまで家族に心配をかけるつもりだ?”
 
「もうやりきった。頑張った。まだ資金に余力のあるうちに決断しよう。家族に一生心配は掛けられない。」 気が付けば、自分に言い聞かせるようにそう呟いていました。
 
 
やめよう。
 
 
答えは出ました。その晩、嫁さんに相談し、了承。翌日すぐに電話しました。今、浅野が会社員でお世話になっている店舗流通ネットのAさんです。
 
浅野:「ちょっと相談がありまして会ってもらっても良いですか?」
 
そして数日後、喫茶店で会い今までの経緯を話します。
 
浅野:「ロコズを閉めます。店舗を売却したいのですが、お願いできますか?」
 
Aさんは快く引き受けてくださいました。
 
 

定期借家賃貸借契約の落とし穴

その後、店舗流通ネットの物件ホームページにロコズの物件情報が掲載され、営業マンがユーザーを連れて内見に来てくれました。商談はスムーズに進んでいき、ハワイアンスイーツのお店を出したい方が造作代金100万円で契約する運びとなりました。
 
次にやることは大家承諾です。造作売却代金と保証金で250万円戻ってくる目処も着き、少しは救われたなと思いました。その時期は2月下旬。1月に決断をしてから1ヶ月強でここまで決めることができました。携わって下さった皆様、その節は本当にお世話なりました。ありがとうございました。
 
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売却先も決まり、最後はみんなでパーティーをしてゴールデンウィーク最終日に閉店、5/15明渡しとスケジュールを定めました。そしていよいよ不動産会社に電話をします。ようやく人生の先が見えてきたように感じていました。
 
浅野:「この度、店を辞めることにしました。また、次ここで店をやりたいと言う会社さんもいらっしゃいます。」
 
不動産会社:「それはできません。このビルは耐震補強工事をするため、今後、新規テナントの入居募集は認めません。お辞めになるならスケルトンにして退去してください…。」

浅野:「えっ!?」
 
不動産会社:「また仮に続けられたとしても次回は定期借家賃貸借契約4年とさせていただきます。」

 
えっ!?どういうこと!?今まで後継先見つけて来たらスムーズに承継できてたのになぜ?しかも定借4年!?1年短くなったよ。4年後って2019年…?
 
頭が真っ白になりました。
 
 
 

浅野

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