テナントオーナーが書類送検!?その時大家はどうする?-賃貸借契約は解除できるのか-

テナント店舗が書類送検された・・・


不動産に携わり、25年余りになります。ミューモです。
 
いきなりですが、皆さんはニュース等見聞きする中で、「逮捕とか、書類送検とか、起訴とか、拘留とか…」何がどう違うかなんて考えたことありますか?


先日、当社が管理している店舗ビルのテナント経営者が、書類送検されたと報道で知りました。管理物件のため何かしらの対応が必要と感じるものの、書類送検とは?逮捕とは?業務停止になるのか?・・・と勝手に自分の中で意識が先走り、若干うろたえていたと思います。あらためて逮捕と書類送検について調べてみました。

書類送検とは

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書類送検とは、被疑者の身柄を拘束せず、起訴の当否の判断材料とするため、被疑者の取り調べ調書などを警察から所轄検察庁へ送付すること。
はてなキーワード:書類送検

■逮捕・送検・書類送検の違い
つまり「逮捕」とは、被疑者の身柄を確保することです。「逮捕」後は釈放しない限り、被疑者の身柄が48時間以内に検察官に送られます。これを「送検」または「身柄付送検」といいます。その際に、事件に関する書類も送られます。


逮捕や身柄の拘束が必要ない場合や、48時間以内に警察から被疑者が釈放された場合は、書類のみを検察に送ることがあります。これが「書類送検」です。「送検」「書類送検」に限らず、その後は検察官によって起訴か不起訴か審議されます。

「書類送検」になる事例

書類送検が行われる事例として、下記のようなケースが挙げられます。

•逮捕・身柄の拘束が必要ない場合(軽微な事件である、被疑者が入院中であるなど)
•被疑者が死亡している場合
•公訴期間の時効が成立した事件で被疑者が判明した場合


報道後、時間の経過とともにどのような理由で書類送検されたのかが分かってきました。具体的な説明は避けますが、似た例で言えば、ブランド品等の偽物を販売していた類の容疑でした。

その時、ビルオーナーは?

報道で状況をキャッチしたのが早かったため、時間をおかず大家へ報告しました。

ビルの所在は駅から至近、大通りに面した1階です。人通りも多く店舗運営には打って付けの立地。言うまでもなく、現在のテナントが出ることになっても、応募者は引手あまたの物件故に、大家の反応は概ね予想していた通りの反応でした。以下、大家の反応です。


大家:「賃貸借契約書」を解除し、テナントの入れ替えをしたい。f:id:tentsu_media:20170209121516j:plain


1.書類送検により、テナントビルとしての人気、信用に影響が及ぶ、風評被害があると考えられる。風評被害を理由に、賃貸借契約を解除したい。
2.「賃貸借契約書」記載の、禁止行為に、「公序良俗に反する行為又は、反社会的行為をする事」の条文に基づいて、賃貸借契約を解除したい。

その他、書類送検により、今後、店舗の業績が悪化し、先々、賃料の支払いへの影響も懸念されます。大家の希望に従い、書類送検により契約の解除が可能かどうか、調べてみました。

大家は賃貸借契約を解除可能か?

1.賃貸人側からの賃貸借契約の解除には、「正当な事由」が必要。
「正当な事由」とは、賃借人に契約違反がないけれども、契約を終了させても仕方がないという理由です。

2.賃貸人側からの賃貸借契約の解除、「正当な事由」が不要な場合とは。
賃借人に賃料の数ヶ月分の滞納や無断転貸などの契約違反がある場合、賃貸人は賃借人の契約違反を理由に賃貸借契約を一方的に解消することができます(債務不履行による解除)。ただし、些細な義務違反では両当事者の信頼関係を破壊するものではないとして、解除が認められない場合があります。

「書類送検」のその後

逮捕や書類送検された人でも、「刑事裁判で有罪が確定するまでは『罪を犯していない人』として扱わなければならない」。これを「無罪推定原則(無罪の推定)」と言うそうです。有罪判決を受けるまでは、容疑者は無罪であるとされているので、書類送検された事実のみでは賃貸借契約を、貸主から一方的に契約を解除することはできません。
 
賃貸借契約書に記載している内容と照らし合わせ、契約違反がない事を確認し、次に「正当な事由」に該当しないかを確認しました。次に「正当な事由」が不要な場合について確認いたしました。
 
書類送検後、テナント経営者の状況やその後の報道、運営状況などについて注意を払い情報収集をするとともに、ビルオーナーへ「賃貸借契約解除が可能か?」について、現状においては起訴不起訴の判定が出ない限り、行動に移せないと報告しました。その後、テナント経営者と面談をおこない、事の顛末と起訴不起訴の判定を確認しました。
 
結果は、不起訴。
 
それから数か月、オーナー様が懸念されていた、店舗の業績悪化が現実のものとなりました。現在、退去及びテナント入替が現実のものとなろうとしています。改めて、長年、不動産に携わっていながら、知らない事ばかりであることを恥ずかしく思うとともに、自分が学ぶことで、関わる皆様方の役に立って行きたいと考えています。

ミューモ

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