“10階でも勝てる”韓国料理店『ホンデポチャ』― JDREX金代表が語る空中階の出店戦略

韓国料理店『ホンデポチャ』を中心に全国展開を進める株式会社JDREX。代表の金相勲(キム・サンフン)氏は、空中階(ビルの上層階)への出店を成功させている経営者の一人です。今回は、同社の出店戦略やTRNとの取り組み、そして今後の展望について伺いました。

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Profile

株式会社JDREX
 2017年4月に設立。同年10月、新大久保に1号店「ホンデポチャ本店」を開店。現在は全国に21店舗の「ホンデポチャ」を展開するほか、新大久保で「韓国横丁」を運営している。

「今」のリアルな韓国を届けるために ― 『ホンデポチャ』誕生の背景

―現在のJDREXの事業展開について教えてください。

現在はFCを含め『ホンデポチャ』で21店舗、来年3月までにさらに4店舗が確定しています。その他、新大久保で複数の飲食店が集まる韓国横丁を運営しています。

―『ホンデポチャ』立ち上げの経緯を教えてください。

開業を考えていた当時、韓国家庭料理店はケジャンや海鮮鍋などの伝統的な料理が中心で、食器も1970~80年代に主流だったステンレス皿や鉄箸が一般的でした。しかし、今の韓国ではそのようなお店はほとんどありません。そこで“今”のリアルな韓国を感じてほしいという想いから、8年前に『ホンデポチャ』をオープンしました。チーズを取り入れたメニューやポップな内装で、特に若い女性に響くお店を目指しています。

―最初の出店で重視したポイントは何でしょうか?

1号店の物件選びでは、まず立地を第一に考えました。歌舞伎町からのアクセスがよく、韓国人も日本人も来店しやすい新大久保に決めました。初めての出店だったため、やはり1階路面店という条件は重視しましたね。

―1号店は、現在の『ホンデポチャ』とどのような違いがありましたか?

資金が限られていたため居抜き物件をほぼそのまま活用し、前店舗の形態を引き継ぐような内装でした。内装やメニュー構成などを整えて、現在の『ホンデポチャ』の形になったのは、もう少し後のことです。

成功の鍵はターゲットと地域性のマッチング

―空中階に挑戦したきっかけを教えてください。

3店舗目となる渋谷店で空中階に挑戦しました。新大久保と客層が近い渋谷での出店を希望していましたが、競合に負けたり審査に落ちたりと、希望に沿う条件の物件取得は難しい状況でした。そんな中、渋谷センター街のビル10階に空きが出たとの情報をいただきました。幸い、新大久保の1号店、2号店が若者の間で認知されていたため、SNSをうまく活用すれば十分に勝負できると判断し、出店を決めました。ちょうどUber Eatsが広まり始めた時期で、韓国料理との相性の良さも後押しになりました。

―結果はいかがでしたか?

オープン後は、有名なインフルエンサーがSNSで投稿してくれることで、認知がさらに広がっていきました。当時の渋谷も伝統的な韓国料理店が多かったため、若いお客様を狙って作った「エビチーズフォンデュ」などのメニューが大ヒットし、渋谷の若者向け韓国料理店の“はしり”になれたのではないかと思っています。

―空中階への不安はありませんでしたか?

10階という高層階なので、15〜20年前なら集客面での不安から躊躇したかもしれませんが、今はたまたま看板を見つけて入るという時代ではないと思っています。予約来店が主流になり、SNSやネット検索で見つける方がほとんどです。店内や料理の写真などを工夫し、その魅力を十分に伝えることができれば、空中階でも十分な集客を望めると思います。


―空中階のメリット・デメリットについて教えてください。

デメリットは、エレベーター待ちでUber Eatsの配達が遅れたり、お客様をお待たせしてしまうこと。メリットは景色が良く、ゆっくり食事を楽しめる点です。1階だと外からの視線が気になることもありますが、空中階では落ち着いた時間を過ごせるのが魅力です。最近は『空中階の方が居心地が良い』とおっしゃるお客様も増えています。路面店より家賃が安いため、SNSやUber Eatsを活用すれば十分な売り上げを確保できます。

―他のエリアでも空中階に出店されているそうですね。意識されている点はありますか?

ターゲット層と地域の客層がマッチしているかをよく見定めることですね。例えば、錦糸町は赤羽や蒲田のようにお酒中心の街というイメージもありますが、近年再開発が進み、SNSを積極的に使う若い世代が増えています。そのため、錦糸町店は空中階4階に出店を決めました。

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空中階は“恐れるもの”ではなく“チャンス”

―今後の展望を教えてください。

5年で100店舗、年商100億円を達成するため、必ずしも『ホンデポチャ』にこだわる必要はないと考えています。たとえばロードサイド型の食べ放題、韓国版ファミリーレストラン、定食業態など、その時々の時代に合わせた業態で挑戦していくつもりです。とにかく新しい韓国料理を提供し続けたいというのが私の想いです。

TRNさんとは、中目黒のリースバックからお付き合いが始まり、その後、本厚木、自由が丘、名古屋大須と好条件の物件をご紹介していただきました。営業の皆さんもフレンドリーで、お付き合いもまだそこまで長くはないですが、とても頼りにしています。引き続き、良い物件のご紹介をお願いします。

―最後に、飲食店経営者へのメッセージをお願いします。

グルメサイトを活用せずとも、広告マーケティングを工夫し、お客様にご満足いただける料理とサービスを提供すれば、1階だろうが10階だろうが関係ありません。空中階を恐れる必要はないと思います。そもそも路面店を取得することが難しくなってきていますし、賃料が上がってきている中、むしろチャンスと捉えて、空中階の出店もぜひ視野に入れてほしいと思います。

―創業から20年以上、飲食店の出店支援に携わってきたTRNですが、ただ単に物件を紹介するだけではなく、店舗の運営中にもお力添えできるよう、コンサル事業にも注力している最中です。お困りごとがありましたら、ぜひご相談ください。本日は、ありがとうございました。

会社概要

会社名:株式会社JDREX(ジェーディーレックス)
所在地:〒169-0072 東京都新宿区大久保2-2-12 VORT東新宿401号
設立:2017年4月19日
資本金:3000万円
代表取締役:金相勲
従業員数:250名(パートを含む)
主要取引先:サントリーホールディングス株式会社、株式会社𩜙田、サッポロホールディングス株式会社、株式会社プレコフーズ、株式会社徳昇商事、三菱食品株式会社
主要取引銀行:三菱東京UFJ銀行新宿支店、みずほ銀行新宿新都心支店、三井住友銀行高田馬場支店、りそな銀行池袋支店、横浜銀行渋谷支店、城北信用金庫北新宿支店、西武信用金庫北新宿支店
関連会社:株式会社KD Life Japan
公式サイト株式会社JDREX(ジェーディーレックス) | 日本と韓国の食文化を繋ぐ

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