【店舗防災と災害時マニュアル】飲食店や店舗の防災対策と、災害時の対応とは

店舗の防災対策とは?災害時マニュアルの整備や、ハザードマップの使い方、災害リスクを把握しての災害時シミュレーションの実施方法、落下・飛散物の対策を説明します。そして台風襲来予報が出た際に店舗が行うべき対策、襲来直前と襲来当日に店舗で行う防災対策と、日ごろからの防災・災害・店舗メンテナンスについてご紹介します。

近年、台風などによる大きな災害が相次ぎ、記録的な大雨や強風、河川の氾濫など大きな災害が発生しています。
「何十年に一度の災害」という表現を毎年のように聞くようになった昨今。局地的な豪雨、ゲリラ豪雨などの水害に対し、店舗における防災対策とは?何を備え、災害時にはどのような行動をするべきかを取り上げます。

店舗で行う災害対策 災害リスクの把握

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まず、近隣のエリア、店舗周辺の土地にどのような災害リスクがあるか、事前に把握しておくことが重要です。国土交通省 国土地理院が提供している「ハザードマップポータルサイト」はご存じですか? このハザードマップでは、複数の自治体にまたがる災害リスク情報を一括で閲覧できます。
 

ハザードマップで地域の災害リスクを把握しよう!

ハザードマップポータルサイトに入ると、重ねるハザードマップと、わがまちハザードマップがあります。
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重ねるハザードマップでは洪水土砂災害道路防災情報津波を一つの地図上に重ねて表示することができ、いざという場合の避難所や避難経路の検討などに利用できます。
 
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わがまちハザードマップでは、各自治体による独自の情報が閲覧できます。
 
ハザードマップを参考にして、洪水リスクの高い地域の1階店舗であれば土のうを準備するなど、起こり得る災害リスクと対策を検討しましょう。
ハザードマップポータルサイト|国土交通省

店舗の災害対策『3つの事前対策』

ハザードマップにより、周辺地域にどのような災害リスクがあるのか把握できたら、具体的な対策を立てていきましょう。今回は店舗が行うべき基本の事前対策を3つに絞って紹介します。
 

①店舗の災害時マニュアルを整備しよう

ハザードマップなどで把握した災害リスクを元に、自店舗で取るべき対応を災害時マニュアルとしてまとめましょう。
ここで重要なのは、マニュアルを作成した後、店長や責任者だけでなくアルバイトも含めたスタッフ全員で共有し、いつでも閲覧できる場所にマニュアルを設置すること。情報の更新も定期的に行い、新しいスタッフへの共有も欠かさないよう、スタッフ専用のSNSに保存するなど緊急時にすぐ活用できる状態にしておきましょう。
 

■BCPとは? Business Continuity Plan 

BCPとは、災害などの緊急事態に企業が損害を最小限に抑え、事業の継続や復旧を図るための計画のこと。

BCP(事業継続計画)とは、企業が自然災害、大火災、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画のことです。
中小企業BCP策定運用指針|中小企業庁

 
上記定義、「意味は何となく分かるが、具体的に何をどうしたらよいのか?」と感じる方も多いかもしれません。
そこをとても分かりやすく説明されているのが、大阪府のサイトで紹介されている大阪府 超簡易版BCP『これだけは!』シートです。
『これだけは!』シートは、自然災害を想定した形式ですが、感染症対策のBCPにも大半の項目が共通しているため、コロナ対策でも流用できます。

動画でも分かりやすく説明されているので、BCPの策定にはもちろん、スタッフへの共有にも活用できるかと思います。
 

②災害時のシミュレーションを実施しよう

作成した災害時マニュアルが実際に機能するか、マニュアルに沿った対応をシミュレーションすることが必要です。スタッフの入れ替わりも考慮すると年に1回程度、実施時期としては消防設備点検や消防訓練などの避難経路確認を併せて行ったり、防災意識向上の啓発デー「防災の日」に合わせるなど、定期的に実施されるように設定すると良いでしょう。
その際に「土のう」などの防災対策資機材の保管場所を確認し、他の荷物に埋もれていないか緊急時にすぐに持ち出せる状況かといったポイントを意識し、適正に保管されているかも確認しましょう。さらに、土のうの設置方法・設置手順の確認、マニュアル記載内容の周知徹底を図りましょう。
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防災の日とは?

関東大震災が1923年9月1日に発生したこと、また暦の上で台風が多いとされる「二百十日」(雑節の一つ、立春から数えて210日目頃)に当たることにちなみ、1960年(昭和35年)に9月1日が「防災の日」として制定されました。
「防災の日」の前後1週間は「防災週間」と位置付けられ、災害に対する心構えや平時の備えに対する啓発行事として、国や各自治体による防災訓練が実施されています。
 

③落下・飛散物の対策をしよう

2019年の台風19号では最大瞬間風速が全国14地点で観測史上最大を記録し、10月10日~13日の最大瞬間風速は東京都江戸川区で秒速43.8メートル、同大田区で秒速43.7メートルに達しました。秒速43メートルを時速に換算すると約155キロメートルにも及びます。
これだけの強風に長時間さらされると、突出看板(袖看板)や壁面看板などにも破損や落下の危険が生じます。
 
国土交通省による「屋外広告物の安全点検に関する指針(案)」では、屋外広告物の点検の実効性を高めるための点検箇所や点検項目などを、画像を交えて詳しく解説しています。安全対策を行う際の資料として確認しておきましょう。条例で屋外広告物(看板類)の有資格者による安全点検が義務化されている地域もあります。店舗独自で設置した看板の場合、店舗側で点検を行い適切な管理をしなければなりません。
 
また、店舗外に喫煙スペースやウェィティングスペースなどを設けている場合は、灰皿・看板・ベンチや植栽などの片づけ、飛散防止対策を行いましょう。
 

台風襲来予報が出たら!店舗が行うべき対策

では、実際に台風襲来の予報が出たらまず何を行うべきか?台風襲来直前、襲来当日に行うべき対策・対応を紹介します。
 

警戒レベルとは?避難勧告に関するガイドライン

2019年より「水害、土砂災害の防災情報の伝え方」が変わり、いつ避難すべきかを判断しやすい「警戒レベル」が用いられるようになりました。
気象庁からレベル1「早期注意情報」や、レベル2「大雨注意報」・「洪水注意報」など台風の接近や大雨に関する情報が発表された際には、関係交通機関の動きも併せてチェックし、最も風雨が強くなる当日の営業可否を早めに判断しなければなりません。
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台風襲来直前に行うべき店舗の防災対策

予報の内容や状況、警戒レベルによって、災害に備えた事前対策を行う必要があります。土のうの設置、窓ガラスやドアなどの強化・補強、飛散の可能性のある物の撤去など、あらかじめ定めていたマニュアルに沿って対策を行いましょう。
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■営業可否とスタッフへの連絡、無理に出勤させず安全優先とする

警戒レベルに合わせた災害対策を行うと同時に、店舗を営業するかどうかを判断しなくてはなりません。営業する場合はスタッフの安全確保を行います。店舗を休業する場合は予約客への連絡はもちろん、ウェブサイトやSNSでの告知、従業員への連絡など、事前に作成したマニュアル通りに対処します。
 

■在庫確認と発注・納品状況の確認

台風が近づくと納品・配送の遅れや欠品などが予想されます。在庫確認と配送状況の確認し、台風襲来を考慮した発注を行いましょう。
 

■スタッフの安全確保

日頃から新しいスタッフを含め、従業員の緊急連絡先リストに全員分の記載があるかを確認・整備し、災害襲来の警報が出た際にも不備がないかを確認し、必要な連絡を行いましょう。

・緊急連絡先リスト
新しいスタッフを含め、全員分の氏名・住所・電話番号だけでなく、実家などの緊急連絡先を確認しましょう。日頃から万が一に備えておくことが重要です。

・安否確認と連絡手段の周知徹底
災害が予想される場合、メールやLINE、SNSなどで全スタッフの無事を把握する連絡手段を周知徹底しましょう。

・シフト調整
交通機関のトラブルが予想される場合は、遠方に住むスタッフと近隣に住むスタッフのシフト調整を行ったり、無理なく通勤できるよう営業時間を考慮するようにしましょう。

 

気象情報や交通機関の情報収集

2019年は、9月の台風15号と10月の台風19号による大規模な計画運休が実施されました。台風15号の首都圏計画運休では、当初の運転再開目安が午前8時と発表されていたものの、倒木などの要因も重なり、実際に運転が再開されたのは午前10時以降。この遅れにより、運転再開後に出勤しようとしていた多くの人が駅に殺到し、一部の駅では入場規制による長蛇の列ができるなど、大きな混乱も生じました。
 

台風襲来当日に店舗で行う防災対策

台風襲来当日は、天気予報・注意報・警報や交通機関の運行情報など、関連するウェブサイトやアプリをこまめに確認し、お客様とスタッフの安全を優先した判断を行えるよう情報収集を心がけましょう。
やむを得ず休業・閉店とする場合は、予約客への連絡と調整、仕入れや定期メンテナンスなどで来店予定のある取引先への連絡、ウェブサイトやFacebook、ツイッター、LINEアカウントなどのSNSでも営業状況を早めに告知し、情報発信も欠かさないようにしましょう。
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店舗が行うべき防災・災害対策 まとめ

ここ数年で「何十年に一度の災害」が頻発しています。これまで被災したことがないからと言って「ウチは大丈夫」と考えてはいけません。 どこでも、誰でも被害を受ける可能性があるという警戒心を持ち、災害リスクを正しく把握し、具体的な対策を実施しましょう。
そして万が一に備えて、適切な保険に加入しているか、契約期間の更新期限が過ぎていないかも確認しておきましょう。
 
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