『定額制』は“食べ放題”と並ぶ飲食業界のスタンダードになれるのか?!

今あらためて注目をされている「食べ放題」。 その火種となっているのが「定額制」。 携帯電話などではよく耳にしてきましたが、 実店舗を持つ飲食店での「定額制」の取り組みは、業界内でもまだ珍しいようです。 ファンに還元する!固定客獲得に向けた「定額制サービス」とは?

みなさん、“食べ放題”は好きですか?
 
これまでの食べ放題といえば、“焼き肉”や”しゃぶしゃぶ”などが定番ですね。一定の金額で楽しむことができる“安心感”、また「いかに元を取るか」と意気込む人も多いと思います。
 
そんな「食べ放題」が今あらためて注目をされており、その火種となっているのが「定額制」というキーワードです。
 
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食べ放題メニューの多くは、決められた一定金額を支払うことで指定されたメニューを好きなだけ食べることができる、いわば「定額制」のサービスです。
ですが、これまで定額制と表現されることはなく、あくまでも「食べ放題」という表現でした。

今回ご紹介する「定額制」サービスは、これまでとは少し違う形態です。いま注目の固定客獲得に向けた「定額制」サービスと、王道の「食べ放題」サービスで成功した事例を、2つご紹介します。
 

ファンに還元する!固定客獲得に向けた「定額制サービス」

 
「野郎ラーメン」を運営するフードリヴァンプは、昨年の11月に月に8600円を支払えば特定の3商品の中から1日1杯のラーメンが食べられるサービスをリリースしました。
 
同社は「(前略)もっと気軽に安く、食べ盛りの野郎世代に腹一杯になっていただきたい。赤字覚悟のサービスとしています。“赤字覚悟”という言葉の通り、仮に安価な「豚骨野郎」780円(税込)でも、月に12杯程で元が取れるというサービス内容です。
 
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※写真はイメージです
 
この取り組みは、コアなファンに向けて還元するという事が一番の目的です。
携帯アプリを店員に見せるだけで注文できるので、常連気分を味わえることもファンにとってはうれしい仕組みであり、新規顧客にとっては「定額制」があることで“固定客がいる店舗”という安心感になります。初めて来店をする際の顧客心理には、安心感はとても大きな要素です。
 
携帯電話などではよく耳にしてきた「定額制」ですが、最近ではウェブ上で動画・音楽の定額ストリーミングサービスが一般的になりつつあります。実店舗を持つ飲食店での「定額制」の取り組みは、業界内でもまだ珍しいようです。
 
その他、「はなまるうどん」が提供する天ぷら定期券や、新宿のオフィス街に店を構える定額制コーヒースタンドの「coffee mafia」なども、定額制のサービスを実施し注目を浴びています。このシステムが、新たな固定客獲得の常識になる日も近いかもしれません。 
 

集客効果は大!?他を追随するかっぱ寿司の食べ放題

食べ放題という王道で勝負するのが、回転ずしチェーン大手「かっぱ寿司」です。昨年、食べ放題を期間限定で実施し、多くのメディアで報じられました。その反響を受け、昨年までは20店舗限定だった取り組みを、全国の店舗で開催しました。平日の昼間という時間限定サービスにも関わらず、予約が殺到したようです。
 
食べ放題を行う飲食店にとって重要な“原価率”。一般的に、寿司(すし)業態は原価率が高く、食べ放題には適さないとされていました。特に、安さを売りにしている回転寿司(すし)ならなおさらです。
 

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※写真はイメージです
 
赤字必至とも思われるかっぱ寿司の取り組みですが、今年から全店を対象にしたということを考えると、その採算は合うと判断したのでしょう。消費者や各メディアの反応をみると、少なくとも話題喚起という名目において、利用機会を増加させる戦略は成功だったといえるでしょう。
 
もともと「かっぱ寿司」は、長らく回転寿司(すし)業界をけん引し、各世代に愛されてきた要因の一つに、価格メリットがあります。そこに「食べ放題」という新しい切り口を設けることで、もともとファンであった人にとっては「新しい体験」が生まれます。この取り組みは単にコスパを意識したものではなく、新たな顧客経験価値を通して、ファンの獲得と定着にもひと役かっているようです。
 
“寿司業態における食べ放題”は今後も継続可能なものなのでしょうか。全店舗を対象としたことで、業界内にどのような影響を与えるのか気になります。
 
その他、飲食業界と密接なホテル業界も、あらためてランチブッフェなどの「食べ放題」に力を入れています。ホテルの高級な料理とラウンジやレストランの上質な空間を、宿泊をせず楽しむことができるので、新規顧客の獲得を図ることができます。
 

コスパ重視はもはや古い?新たな価値の発見や認知拡大に

 
冒頭で述べたように、「食べ放題」=「質より量」というイメージが過去にはありました。業界では「食べ放題」と聞くと、既に成熟しきった市場のように思えますが、各社が消費者の嗜好(しこう)に合わせ、これまでと違った価値を「食べ放題」「定額制」という形で表現しているようです。
 
上記で紹介した事例は注目を集めることに成功しており、これまでお店やブランドを認知していなかった層にアプローチしたり、客の囲い込みができたりとメリットも大きいです。しかし、原価率を考慮しない価格設定をひとたび行ってしまうと、企業の存続を脅かすリスクもあります。
 
「食べ放題」では、日頃食べられないメニューを楽しんだり、気軽にお店に立ち寄れるようになったり。これまでと違った体験を消費者に与えられます。今後あらゆる店舗でこのような定額制サービスの提供が進んでいくかもしれません。「食べ放題」というキーワードに“新しいイメージ”が定着されていくことを期待しています。
 
今後の動向が楽しみです。
 
 
参考:株式会社フード・リヴァンプ:【野郎ラーメン】サブスクリプションモデルを11月1日リリース 定額で野郎ラーメンが食べられる
参考: カッパ・クリエイト株式会社:2018年3月期第2四半期決算説明資料
 

店通編集部


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