シアトル系カフェのルーツを探る!コーヒーの首都・シアトルへ行ってみた

アメリカ西海岸と言えば「シアトル系コーヒー」のカフェが有名。 よく耳にはするけれど、どんなコーヒーを指すのか、どういった経緯でブームを形成していったのか。 ワシントン州・シアトルへ行ってまいりました。 スターバックスの新業態「リザーブ・ロースタリー」のシアトル店(第1号店)にも足を運んできました。

こんにちは、店通編集部のさっさんです。
店通では過去に何度かコーヒーやカフェの話題について触れてきました。
昨年、アメリカ西海岸に行く機会があったのですが、西海岸と言えば「シアトル系コーヒー」のカフェが有名ですよね。
  
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今や世間では、豆や淹れ方にこだわるスペシャルティコーヒー、いわゆる“サードウェーブ”のカフェが人気ですが、その一つ前の“セカンドウェーブ”のブームを作ったのが、この「シアトル系コーヒー」です。
 
でも、「シアトル系」とはよく耳にはするけれど、どんなコーヒーを指すのか、どういった経緯でブームを形成していったのか。実は私も詳しく分かっておりません。
 
店通編集部として、普段口にしている飲食物に関する知識を蓄えることも勉強!と思い、アメリカ合衆国ワシントン州・シアトルへと行ってまいりました。


「シアトル系」とはどんなコーヒーを指すの?

そもそも、「シアトル系コーヒー」とは、どんなコーヒーのことを言うのでしょう。
 
ご存知の方も多いかと思いますが、日本でもおなじみの「スターバックス」「タリーズコーヒー」などのコーヒーチェーン店は、ここシアトルが発祥のお店です。これらのお店で提供されるコーヒーが、まさに「シアトル系コーヒー」に分類されます。
 
f:id:tentsu_media:20180129163844j:plain※シアトルのパイクプレイスマーケット内にあるスターバックス1号店では、創業当時のロゴが使用されています。シアトル系コーヒーが世界中に浸透する、一番の先駆けとなりました
  
★シアトル系コーヒーの定義
シアトルを中心とした、アメリカ西海岸から発展したコーヒーのこと。コーヒー豆を深く焙煎したドリップコーヒー、エスプレッソをベースにミルクを加えてアレンジしたカフェラテやカフェオレが人気を博しました。浅く焙煎したコーヒー豆を淹れるアメリカンコーヒーとは大きく異なります。
 
1970年代からこの深煎りコーヒーのブームが始まり、1971年に開業したスターバックスをはじめとする、シアトル系カフェの人気が非常に高まりました。これがいわゆる「セカンドウェーブ」と呼ばれるコーヒーブームです。
 
日本のチェーン店でシアトル系コーヒーのカフェを例に挙げると、
・スターバックス
・タリーズコーヒー
・シアトルズベストコーヒー
・ブレンズコーヒー

などが当てはまります。
 
他にもシアトル系の大きな特徴として、好きなカップのサイズが選べる・持ち帰りができるという点が挙げられます。また、店舗に設置されているエスプレッソマシンがお客様に背を向けており、店員と話がしやすいスタイルになっているお店が比較的多いようです。
 
私もせっかくなので、シアトル系コーヒー・セカンドウェーブの先駆けとなったスターバックス1号店でラテを注文してみました。レジで名前を書いてもらったカップが宙を飛び、バリスタさんの手に渡ります。これが本場シアトル流なのでしょうか…笑
 
f:id:tentsu_media:20180129140206j:plain※昼間は観光客で長蛇の列を作っている店舗ですので、手際の良さも一流!

なぜ、シアトルがコーヒーの地として有名になったのか。

シアトルは雨の日が多い街として有名です。私が現地に着いた時も、しとしとと雨が降っていました。
緯度で見ると北海道よりも北に位置していますが、「西岸海洋性気候」という冬でも比較的温暖な気候のため、滅多に雪が降りません。(※1)しかし、10月~5月の間は長い雨期へと突入します。年間降雨量は日本よりも少ないのですが、降雨日数は圧倒的に多いのが特徴です。
(※1:今冬は少し特別で、例年よりも多く雪が降ったそうです)
 
そんなシアトルでは傘をさすという文化があまり浸透していません。温暖性の気候とは言っても、やはり冬の雨は身に堪えるものがあります。
そんな事情もあり、暖取りと雨しのぎのために使うカフェが増え、コーヒー文化が栄えた、という説があるのだそうです。

シアトルはアメリカ国内で一番カフェの多い都市と聞きましたが、確かに街中を3~400メートル歩く度に次々にカフェの看板が見えてきます。
 
f:id:tentsu_media:20180129155456j:plain※歩けば次々に見えてくるカフェの看板。こんなにカフェに困らない街には初めてきました。
 
そして、シアトルがコーヒーの街として有名になったもう一つの要因として、この土地柄が大きく関係しています。
 
シアトルには、アメリカで一番古い歴史を持つ、観光地としても有名な市場「パイクプレイスマーケット」がある港町でもあります。
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厳寒の海から帰った漁師たちが体を温めるために、熱いカフェラテを好んで飲んだことや、市場で新鮮なコーヒー豆が手に入りやすかったこともコーヒー文化の発展に大きく影響していたのだと思われます。
「エクストラホット(熱め)」という注文ができるのも、この漁師たちの存在が要因になっているのかもしれませんね。
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※観光地としても有名なパイクプレイスマーケットには、新鮮な魚介類や野菜、香辛料など、様々な種類の商品が並びます。
 

シアトル発!次世代コーヒーショップ「スターバックス リザーブ・ロースタリー」へ

日本でも既に話題になっていますが、スターバックスの新業態「Starbucks Reserve Roastery & Tasting Room(スターバックス リザーブ・ロースタリー・アンド・テイスティング・ルーム)」シアトル店(第1号店)にも足を運んできました。
  
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 「スターバックス リザーブ・ロースタリー」とは、スターバックスの新業態のテイスティングルーム。巨大なコーヒー豆の焙煎工場や、テイスティングスペースが併設され、挽きたてのコーヒーを味わうことができる旗艦店です。 
ここでは厳選された稀少な豆から挽いたコーヒーが、注文を受けてから一杯ずつ丁寧に提供されています。
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築100年近い建物を改築したというだけあって、とても風格のある外観をしています。そして店内に入った瞬間に漂う、焙煎されているコーヒーの香り。
巨大な焙煎機がひと際存在感を放つのですが、ゆったりとくつろげるラウンジや、洗練されたグッズが並ぶショップ、豆専門の量り売りカウンターや図書館まで併設されているこの建物。
思わず目移りしてしまい、もはやコーヒーショップに来たというよりも、コーヒー博物館に遊びに来たような感覚になりました。

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ちなみに、2018年に東京・中目黒に世界で4店舗目となるリザーブ・ロースタリーができることを店員さんが教えてくれました。上海、ニューヨークに続く店舗ということで、早々に日本に来てくれることを嬉しく思います。中目黒から、また一つの新しいコーヒー文化が築かれていくのでしょうか。
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※通常のスターバックスとは違い、フードも充実しています。オリジナルのグッズも並び、気がつけば両手がお土産でいっぱいに…

まとめ

シアトル系コーヒーのカフェは、もとは人々の生活に寄り添ったカフェでした。
しかし、時代の移り変わりと共に、人々はちょっとした“特別な空間”をカフェに求めはじめます。
 
日本では、時間をかけて淹れる、こだわりのサードウェーブコーヒーの人気がまだまだ続きそうな気配がありますね。
「スターバックス リザーブ・ロースタリー」を見ても分かるように、新しい客層に興味を持たせるための店舗づくりと、お客様一人ひとりの好みに寄り添ったカフェを“体験できる”ことを大切にした店舗が、これから増えていくのでしょうか。これは、今日本人が求める「コト消費」の狙いにピッタリな戦略なのかもしれません。
 
セカンドウェーブの先駆けとなったスターバックスが新たに打ち出す新旗艦店が、どこまで日本のコーヒー・カフェ文化に影響してくるのか、今後に注目したいところです。

さっさん


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