【ビルオーナー必見】事務所ビルから商業ビルへ!コンバージョンのチェックポイント!

f:id:tentsu_media:20170622115104j:plain
前回の記事では、「ビルの収益を上げるためのコンバージョン活用によるメリット」についてお話させていただきました。

www.tenpo.biz


ビル全体のコンバージョン(用途変更)工事を行うためには、事前にいくつかの調査が必要です。この調査を怠ると後々のトラブルに繋がってくる可能性が非常に高くなります。では、具体的にどのような調査が行われるのか順を追ってご説明していきましょう。



コンバージョンを行うために必要な、5つの調査

コンバージョンを行うには、大きく分けて5つの調査が必要です。
コンバージョンの例は、事務所仕様から住居仕様、倉庫から事務所仕様などさまざまありますが、今回は事務所仕様から飲食店仕様に再生する場合についてご説明します。



法令調査

何よりも一番最初に行わなければならないのは、この法令調査です。
・この場所に飲食店ビルを建てていいのか
・建物の構造的に問題がないか
・現在の建物が適法な状態かどうか
などなど…検討を進めれば進めるほど課題が表れてきます。

 
まず、下記の書類が手元に残っているかを確認する必要があります。

・確認済証…建物の新築時、計画が建築基準法に適合している場合に下附かふ(※1)される文書。
・検査済証…建物が確認申請通りにできているか検査機関等が検査し、合格となった場合に下附される文書。
・構造計算書…建物が、地震や荷重かじゅう等に耐えられるか、基準に従って計算した書類。

上記の書類の中でも、検査済証がないと現在の建物の順法性が証明できないため、用途変更確認申請には相当のエネルギーとコストを要します。

用途変更の確認申請をする場合、変更部分が以前の申請から100㎡を超えなければ申請が不要です。だからと言って100㎡以内なら何をしても良いということではなく、建築基準法は守らなければいけません。用途変更で大切なことは、現在は違法なことをしていないかどうかです。違法な建物のコンバージョンは行政に認められません。


それでは、実際にコンバージョンを行う際に法令上の大きな課題となるのは何でしょう。4つ挙げてみました。

・新たに排煙口が必要にならないか
・現在の建物の許容荷重を超えないか
・バリアフリー法(条例等)の対象建物にならないか
・既存部分に遡及そきゅう(改修範囲が拡大)しないか
これらの解決には改修工事のコストがかかりますので、誤算のないように注意しましょう。

また、全ての物件に必要ではありませんが、耐震補強を施すケースもあるため、事前に専門家に相談することをお勧めします。以下はコンバージョンによって耐震補強を施した例の写真です。
 
f:id:tentsu_media:20170613152414j:plain※耐震のためのブレース補強の様子

建物設備調査

次に行わなければならないのが、この建物設備調査です。
ビルの階数、フロアのつくり、エレベーターの状況など、ビル全体の設備・構成を確認します。過去に飲食店ビルへのコンバージョンがNGになった、こんな事例がありました。
 
6階建て各フロア150㎡の建物でエレベーターが6人乗り1基。このフロア全てを飲食店として運営すると、お客様が上階に行くための長いエレベーターの待ち時間が発生し、輸送力が足りないため宴会の予約は取れません。だからと言ってエレベーターのサイズを変えるとなると、とてつもない手間と費用が掛かるため、飲食店仕様にコンバージョンするのは現実的ではありません。
 
このように、全ての物件が飲食店仕様にコンバージョンができるわけではないので、建物設備の事前調査はしっかりと行わなければなりません。
 
f:id:tentsu_media:20170620182606j:plain

インフラ設備調査

建物設備調査の次に行わなければいけないのは、インフラ(インフラストラクチャーの略)関係の調査。飲食店仕様に変更するには、インフラの容量をしっかりと整えることが必須です。

インフラの確認を怠ると、例えば…
・営業を開始したはいいが、給水が足りず運営に支障が出る
・電気容量が足りず、計画している厨房機器を設置できない


上記のような大きなトラブルとなり得るので、ビルの計画段階でどのような業態が入っても対応できるように、ある程度予測しなくてはなりません。

f:id:tentsu_media:20170613153217j:plain


既存の設備で飲食店に耐えられるか、増設・増量は可能かを工事着手前の判断が必要になる上、更には予算的な部分にも関係してきます。そのため、建物設備とインフラ設備の事前調査はコンバージョンをする上で早いうちに執り行わなければならないのです。


消防設備調査

消防設備は、建物の規模によって設置しなければならない設備が変わってきます。
調査をした後、消防署との協議を行い、非常放送設備・消火栓設備・スプリンクラー設備・避難器具等、必要なものを設置・準備しなければいけません。
 
f:id:tentsu_media:20170622173429j:plain

アスベスト調査

古い建物をコンバージョンする時は、アスベストの確認が必要です。鉄骨造建築物の耐火被覆ひふく(※2)として使用される石綿に発がん性物質が含まれるアスベストは、撤去するのに特殊な廃棄方法が必要なため、余計にコストがかかります。
f:id:tentsu_media:20170613153150j:plain

以上の調査を経て、ようやく工事へと着手していく流れとなります。


ちなみに、エリアに限りはありますがコンバージョンが可能なビルかどうかの無料の調査も行っています。
コンバージョンに興味はあるが、実際にできるのかどうか気になっているという方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。
 



次回、実際に事例を見ていきましょう

次回は、コンバージョンによってどのように建物が生まれ変わるのか、実例をご紹介していきたいと思います。店舗流通ネットで実際に行った、事務所ビルから飲食店ビルへのコンバージョン・マスターリース案件です。どういった経緯で、ビルオーナー様がどんな悩みを解消することができたのか、詳しく見ていきましょう。


次回、7月後半に更新予定!


(※1)下附…官庁から民間に金や物をさげわたすこと。
(※2)耐火被覆…火災時の温度上昇を防ぐことを目的として柱・梁などの構造材に施す。



名古屋のカネコ/東京のカネコ 監修:一級建築士あーきないと

名古屋のカネコ画像

【この記事を書いた人】

名古屋のカネコ

美味しいものが好き。食べることが好き。おもしろいお店が好き。
趣味は就寝前の炭水化物の摂取。
体脂肪率の右肩上がり成長を毎年維持。
汗をかくことが大嫌いだけど楽しく続けられる運動がないか模索中。

このライターの記事一覧を見る>>

東京のカネコ画像

【この記事を書いた人】

東京のカネコ

究極の潔癖症。当然つり革は持てません。
人が握ったおにぎりはNGです。
でもお母さんのおにぎりは食べられる。
実家を出てもまだ母親離れできず。

このライターの記事一覧を見る>>

f:id:tentsu_media:20170622115104j:plain

TOPへ戻る