ことわざで旬を見極めよう!牡蠣は" r"のつかない月には食べるな!?

ことわざなんて、と思ってしまうことがありますが、意外と的を射ていることもあるのです。ことわざを通して知って得する、牡蠣の豆知識をご紹介します。牡蠣は「海のミルク」と呼ばれているように、小さな体の中にたくさんの栄養素を含んでいます。完全栄養食品とも言われていますがご存知でしたか?

みなさんはこんなことわざがあることをご存知でしょうか?


Oysters are only in season in the 'r' months.
「牡蠣の季節は"r"のつく月だけ」


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"r"のつく月?と急に言われても、ピンと来ませんよね。ではこちらをご覧ください。


January(1月)
February(2月)
March(3月)
April(4月)
May(5月)
June(6月)
July(7月)
August(8月)
September(9月)
October(10月)
November(11月)
December(12月)

"r"のつく月 = 1~4月、9~12月
つまり、冒頭のことわざは「5~8月までは牡蠣の季節ではない」という意味にもなります。


ことわざなんて昔の人がそれっぽく言っただけでしょ~。なんて思ってしまうことがありますが、意外と的を射ていることもあるのです。今日はこのことわざを通して知って得する、牡蠣の豆知識をご紹介したいと思います。


牡蠣は海のミルク

牡蠣は「海のミルク」と呼ばれているように、あの小さな体の中にたくさんの栄養素を含んでいます。完全栄養食品とも言われていますがご存知でしたか?「完全栄養食品」何度聞いてもすごい響きですね。


ビタミンB1、B2、B12などのビタミン、カルシウムや亜鉛などのミネラル、全ての必須アミノ酸を含んだタンパク質などが含まれているのです。さらに牡蠣を食べた時に口の中いっぱいに広がるあの旨味。牡蠣の旨味の素は、タンパク質に含まれているコハク酸とアミノ酸の一種のグリシンです。


また牡蠣に含まれている糖質の約半分はグリコーゲンで、このグリコーゲンは牡蠣の旨味の秘密であるとも言われています。グリコーゲン自体は無味無臭ですが、グリコーゲンにはタンパク質の成分を膨らませるという働きがあるとされています。牡蠣に多量に含まれているグリコーゲンは、旨味の元であるコハク酸とグリシンの働きを強め、牡蠣の旨味を引き出しているのです。

産卵期の味はイマイチ!?

一般的に魚介類の旬は産卵前と言われています。多くの魚介類は産卵前に活発に餌を取って脂肪を蓄え(脂が乗るとはこのこと!)、同時にアミノ酸などの旨味成分も増加します。


例えば、サンマの旬が秋と言われるのは、サンマの産卵期が冬であると言われているからです。ところが産卵前は美味しく食べることができた魚介類も産卵後になると味が急速に落ちてしまいます。


産卵によってこれまで蓄えた栄養を使い果たしてしまうのです。先ほど述べた牡蠣の旨味を引き出すグリコーゲンも産卵によって使い果たされてしまうので、産卵期の牡蠣は美味しくないと言われています。実際に食べた方の感想としては、身のしまりがなく金気のような味がするとか・・・。


牡蠣の産卵期はだいたい5~8月。まさに"r"のつかない月ですね!

牡蠣に中るのは暖かい季節

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牡蠣と言えば「中る(あたる)」食べ物であるというイメージが定着していますが、みなさんは牡蠣に中ったことがあるでしょうか。牡蠣によって起こる食中毒の原因として挙げられるのが、貝毒、細菌(腸炎ビブリオ、大腸菌など)、ウイルス(ノロウイルスなど)です。これらのどの原因も海水中に含まれていることで起こる食中毒なので、季節と密接に関係しているのです。

4~5月の暖かい季節になると海水温が上がり、海水中に有毒なプランクトンが多く発生します。この有毒プランクトンを牡蠣が捕食して体内に蓄え、毒化した牡蠣を食べることにより食中毒になりやすいと言われています。


暖かい季節、つまり5~8月。またしても"r"がつかない月ですね!


日本人だって分かっています

さて"r"のつかない月に牡蠣を食べるなということわざには納得していただけましたでしょうか?このことわざ、見てお分かりとは思いますが西洋のことわざです。西洋人はさすがだな~。昔から食べてるだけあるな~と思われるでしょうが、実は日本にも似たようなことわざがあります!

「花見過ぎたら牡蠣食うな」


花見の季節、つまり4~5月を過ぎたら牡蠣を食べるな!という教訓は日本人も知っていたのです。

最後に

日本でも西洋でも同じようなことわざがあるというのは非常に興味深いですね。

ただこれはあくまでもことわざですので、5~8月に牡蠣を食べることができないというわけではありません。日本では夏に食べることができる岩牡蠣という種類があります。5~8月に食べるな!と言われている牡蠣は真牡蠣という種類で、岩牡蠣は真牡蠣とは異なり夏に旬を迎えます。


岩牡蠣の産卵期は7~11月頃ですが、数回に分けて産卵するので、夏でも味が落ちず栄養がたっぷり含まれています。どうしても夏に牡蠣を食べたくなったら岩牡蠣を探してみましょう。冬は真牡蠣、夏は岩牡蠣。日本では一年中美味しく牡蠣を食べることができます!食材の旬を理解して、適切な料理提供を心がけましょう。

あお



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